タイトル
PFPの部分電荷を利用した電場下ダイナミクスシミュレーション
講演者
信州大学 先鋭材料研究所 助教 久間 馨 先生
略歴:東京大学 工学部 機械工学科卒業(2012年)後、同大学 工学系研究科 機械工学専攻修了(2014年)。株式会社東芝/東芝エネルギーシステムズ勤務ののち、東京大学 工学系研究科 機械工学専攻にて博士課程修了。筑波大学 数理物質系での研究員を経て、2021年10月より現職。
講演概要
電場下のイオン伝導や電極界面における電気二重層の形成など、外部電場に対する材料の挙動は物理化学的に興味深く、また二次電池やキャパシタなどへの応用上も重要である。これらは分子動力学シミュレーションによって解析することが可能だが、分子間相互作用に密度汎関数理論(DFT)などの第一原理計算を用いるのでは計算コストが高すぎて十分な時間スケールの計算が困難である。また従来の経験的ポテンシャルを用いるのではパラメータの汎用性が低く適用できる材料系が限られることや、化学反応を含むモデル化が難しいことが課題であった。そこで、汎用ニューラルネットワークポテンシャルであるPFPを適用し、計算速度と汎用性・精度のバランスを高めつつ、外部電場との相互作用をその部分電荷推定に基づいて与えることで問題の解決を企図した。本講演ではそのような、Matlantisの電場下ダイナミクスへの拡張について紹介する。