Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
GoのRateLimit処理の実装
Search
matumoto
March 19, 2023
Technology
0
380
GoのRateLimit処理の実装
2023/03/19に行われた日大Joken&会津大Zli 合同LTでの発表資料です
イベントページはこちら
-
https://zli.connpass.com/event/277175/
matumoto
March 19, 2023
Tweet
Share
More Decks by matumoto
See All by matumoto
testingを眺める
matumoto
1
160
sync/v2 プロポーザルの 背景と sync.Pool について
matumoto
0
440
Goトランザクション処理
matumoto
1
52
いまいちどスライスの 挙動を見直してみる
matumoto
0
350
Go1.22のリリース予定の機能を見る
matumoto
0
69
GoのUnderlying typeについて
matumoto
0
200
Typed-nilについて
matumoto
0
330
GoのType Setsという概念
matumoto
0
29
Webプッシュ通知触ってみた
matumoto
0
36
Other Decks in Technology
See All in Technology
OTEPsで知るOpenTelemetryの未来 / Observability Conference Tokyo 2025
arthur1
0
380
書籍『実践 Apache Iceberg』の歩き方
ishikawa_satoru
0
390
実践マルチモーダル検索!
shibuiwilliam
2
490
GPUをつかってベクトル検索を扱う手法のお話し~NVIDIA cuVSとCAGRA~
fshuhe
0
310
初海外がre:Inventだった人間の感じたこと
tommy0124
1
150
dbtとAIエージェントを組み合わせて見えたデータ調査の新しい形
10xinc
7
1.7k
251029 JAWS-UG AI/ML 退屈なことはQDevにやらせよう
otakensh
0
120
AI連携の新常識! 話題のMCPをはじめて学ぶ!
makoakiba
0
170
re:Invent 2025の見どころと便利アイテムをご紹介 / Highlights and Useful Items for re:Invent 2025
yuj1osm
0
520
AWS DMS で SQL Server を移行してみた/aws-dms-sql-server-migration
emiki
0
270
CLIPでマルチモーダル画像検索 →とても良い
wm3
2
710
어떤 개발자가 되고 싶은가?
arawn
1
350
Featured
See All Featured
Responsive Adventures: Dirty Tricks From The Dark Corners of Front-End
smashingmag
253
22k
"I'm Feeling Lucky" - Building Great Search Experiences for Today's Users (#IAC19)
danielanewman
230
22k
Balancing Empowerment & Direction
lara
5
710
ReactJS: Keep Simple. Everything can be a component!
pedronauck
666
130k
Why You Should Never Use an ORM
jnunemaker
PRO
60
9.6k
Scaling GitHub
holman
463
140k
Designing for humans not robots
tammielis
254
26k
Fantastic passwords and where to find them - at NoRuKo
philnash
52
3.5k
Performance Is Good for Brains [We Love Speed 2024]
tammyeverts
12
1.2k
Helping Users Find Their Own Way: Creating Modern Search Experiences
danielanewman
31
2.9k
Building Applications with DynamoDB
mza
96
6.7k
Fight the Zombie Pattern Library - RWD Summit 2016
marcelosomers
234
17k
Transcript
GoのRateLimit処理の実装 日大Joken&会津大Zli 合同LT 2023/03/19
• 学年:28期(学部3年) • 所属:会津大学コンピュータ理工学部 • 今興味のある技術:Goʕ◔ϖ◔ʔ • 趣味: ◦ ゲームしたりマンガ読んだり
▪ 最近モンハンで傀異Lv199になりました ▪ イカᔦꙬᔨもやっています ◦ 競プロ ▪ 春休み中、平日21時にくじかつしてます • Twitter:@matumoto_1234 matumoto 松本 響輝 自己紹介
目次 • RateLimitについて • トークンバケット • クライアント側での導入
そもそもRateLimitってなに • APIとかでの回数制限的なやつ • APIを呼びすぎてしまうのを防ぐ目的でつけられてたりすることが多い • 例. ◦ Twitter:1日で2400ツイート ◦
Slack:メッセージの投稿は1秒に1回 ◦ GitHub:検索クエリは1分で30リクエスト
そもそもRateLimitってなに • APIとかでの回数制限的なやつ • APIを呼びすぎてしまうのを防ぐ目的でつけられてたりすることが多い • 例. ◦ Twitter:1日で2400ツイート ◦
Slack:メッセージの投稿は1秒に1回 ◦ GitHub:検索クエリは1分で30リクエスト これがサーバー側で 設定されてないと大量のリクエストで爆発してしまう 🤯
GoでのRateLimit処理の実装 • 調べてみた感じ、golang/x/time/rate という準標準のパッケージが使われるのが多いっぽい • そのパッケージでは「トークンバケット」というアルゴリズムを元に実装がなされている
トークンバケット
トークンバケットの目的 • トークンバケットはリクエストの流れをなるべく平均化して処理するのが目的 リクエスト リクエスト リクエスト リクエスト 時間 リクエスト リクエスト
リクエスト RateLimitの基準
トークンバケットの目的 • トークンバケットはリクエストの流れをなるべく平均化して処理するのが目的 リクエスト リクエスト リクエスト リクエスト 時間 リクエスト リクエスト
リクエスト RateLimitの基準
トークンバケットについて • トークン、バーストという概念がある • トークン := 受付可能な残りリクエスト数 • バースト :=
1秒間に受付可能な最大リクエスト数 • トークンは1リクエストにつき1個消費する • トークンは1秒につき r 個補充される • リクエストが来た段階でトークンがなくなっていた場合、トークンが補充されるまで待つ
トークンバケットについて • 例1. トークンが1秒につき2個回復、バースト(1秒間最大リクエスト数)は5000兆とする。 リクエスト リクエスト リクエスト リクエスト 時間 リクエスト
リクエスト リクエスト
トークンバケットについて • 例1. トークンが1秒につき2個回復、バースト(1秒間最大リクエスト数)は5000兆とする。 リクエスト リクエスト リクエスト リクエスト 時間 リクエスト
リクエスト リクエスト 0 0 0 2 4 5 トークン:
トークンバケットについて • 例2. トークンが1秒につき2個回復、バースト(1秒間最大リクエスト数)は5000兆とする。 リクエスト リクエスト リクエスト リクエスト 時間 リクエスト
リクエスト リクエスト
トークンバケットについて • 例2. トークンが1秒につき2個回復、バースト(1秒間最大リクエスト数)は5000兆とする。 リクエスト リクエスト リクエスト リクエスト 時間 リクエスト
リクエスト リクエスト 2 0 0 2 4 5 トークン:
トークンバケットについて • 例3. トークンが1秒につき2個回復、バースト(1秒間最大リクエスト数)は2とする。 リクエスト リクエスト リクエスト リクエスト 時間 リクエスト
リクエスト リクエスト
トークンバケットについて • 例3. トークンが1秒につき2個回復、バースト(1秒間最大リクエスト数)は2とする。 リクエスト リクエスト リクエスト リクエスト 時間 リクエスト
リクエスト リクエスト 2 2 2 2 4 5 トークン: バースト
サンプルコード • golang.org/x/time/rateパッケージを使って簡単に動かしてみる
サンプルコード • golang.org/x/time/rateパッケージを使って簡単に動かしてみる
クライアント側での導入
クライアント側での導入 • では、RateLimit処理を使えば「2秒ごとにリクエストをする」みたいなこともいいかんじに抽象化 できるのでは?🤔 • →できます! 今回はhttp.RoundTripperとして抽象化する方法を紹介
http.RoundTripperって? • net/httpパッケージのhttp.Clientのフィールドにいるやつ •
http.RoundTripperって? • net/httpパッケージのhttp.Clientのフィールドにいるやつ •
http.RoundTripperの定義 • http.RoundTripperはインターフェースとして定義されている
http.RoundTripperの定義 • http.RoundTripperはインターフェースとして定義されている
http.Client.Transportの拡張 • GoでHTTPリクエストを行う場合、http.Client.Transportを通して、最終的に http.RoundTripper.RoundTrip()が呼び出される • http.Client.Transport は http.RoundTripper インターフェースを実装していれば 良いので、自由に置き換えることが可能!
• よって、今回はhttp.RateLimitTransportを実装する
サンプルコード • RateLimitTransportに、RoundTrip()を実装する • フィールドにTransportを持たせることで、他のhogeTransportと重ねることも可能
サンプルコード • RateLimitTransportに、RoundTrip()を実装する
まとめ • GoでのRateLimit処理は golang/x/time/rate パッケージが使われがち • そのパッケージではトークンバケットというアルゴリズムが元になっている • http.RoundTripperを実装して抽象化できる https://github.com/matumoto1234/go-rate-limit-sample
今回使用したコードの一部は GitHubで公開しています〜
ありがとうございました