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Syncでつながるアジャイル 部署の壁を越えて進化し続けるチームづくり / Agile...

Syncでつながるアジャイル 部署の壁を越えて進化し続けるチームづくり / Agile practices connecting and syncing beyond departmental boundaries

2026年3月6日(金)〜3月7日(土)に開催された「Scrum Fest Fukuoka 2026」に登壇した際の資料です。
https://www.scrumfestfukuoka.org/

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  1. Copyright(C) 2026 Mitsubishi UFJ Information Technology Ltd. All rights reserved.

    髙橋 博実 三菱UFJインフォメーションテクノロジー(MUIT) デジタルイノベーション本部 シニアテクニカルリード 4 DevOps関連の推進、コンシェルジュ活動 2025年12月よりMUFG経営企画部アジャイル変革推進室へ兼務出向 会社アカウントのYouTubeへの技術解説動画投稿 同Zennへのテックブログ推進 外部イベント登壇などの技術広報活動も実施 金融アジャイルMeetup運営 JFA認定D級コーチ 自己紹介 4 たかはし ひろみ
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    5 MUITってどんな会社? 5 三菱UFJ銀行、並びにMUFGグループ各社の IT・デジタル戦略を先導する、「金融×IT」のプロフェッショナル集団 三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG) 三菱UFJインフォメーションテクノロジー(MUIT)
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    会社紹介 181百万円 (三菱UFJ銀行 85.5%、三菱UFJフィナンシャル・グループ 14.5%) 資本金 従業員 2,176名(2025年4月1日現在) 事業内容 主として三菱UFJ銀行、並びに三菱UFJフィナンシャル・グループ 各社の業務等に関する、システムの企画・設計・開発・保守・運用 設立 1988年6月 本社 東京都中野区中野4-10-2 中野セントラルパークサウス 6
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    金融系のIT会社であり、多くのメンバー部署で役割分担しながらシステム開発・運用を 実施している状況においてアジャイルとどう向き合い、広めていく動きをとっているかを 共有します。 これまでアジャイル開発に取り組んでこなかった、興味を持てなかった組織、メンバー に対しての取り組みポイント、アジャイル開発に取り組む仲間の増やし方のヒントとして 持ち帰ってもらえればと思います。 なお、実例としては、金融システムを対象としていますが、他の業種・ドメインであって も活用できるものと考えています。 本発表の狙い 7 本日の説明内容について 7
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    8 これまでのアジャイル開発実績概略 大規模開発でも アジャイル開発可能にした ただし、どうやってやるかは 現場任せとなっていた エンタープライズ企業で アジャイル開発の 標準手続を定めた対応は 他社比早かった • アジャイル 変革推進 室発足 • 大規模拡大 への取り組 み開始 2025年 諸届アプリ 資産管理アプリ 市場系システム ローコード基盤 その他軽量システム BaaSアプリ AML関連システム (Money Canvasに統合) • アジャイル開発 手続制定(許可制) • 内製セミナー開始 • 手続改訂 (自由に選択可能に) • POのタスク手続制定 • AgileJapanへ 登壇初回 • 事業部門へ 内製セミナー 開放 • 社内開発 コミュニティ 開設 • ダイレクト バンキング システムで アジャイル 開発開始 2014年 • アジャイル 開発可能な 基準見直し 2017年 2018年 2020年 2021年 2023年 2024年 1チーム 10チーム 8チーム 24チーム 25チーム ダイレクト バンキング チーム数はおおよそ横ばい
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    9 金融システムに関する特性、特徴 金融サービスは社会インフラのため、高い品質やセキュリティ、安定した保守性は必須 金融サービス、商品については長期ライフサイクルのものが多い • 定期預金の預入期間は1ヵ月から10年まで • 住宅ローンの借入期間は最長35年 • 50年の社債 社員だけでは開発・保守要員不足のため、他社へ開発・保守を委託していることが多い その委託先会社が得意とする商用フレームワークや、開発ツールなどを使うこともあった (社内標準は定めているものの、案件事情を鑑み採択されることもある) • 特定委託先や技術にロックインしないよう、 社内標準としては複数の選択肢を構えておく
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    過去何度か発生している銀行統合によってシステム対応が急に必要になることや、 システムの片寄せやデータ移行など、大きな対応が必要になった場面を何度も経験し ている。 その結果、時限性のある大きな対応を優先すべく、外部委託先メンバーに集中的に頼 らざるを得ないという状況となっていた。その結果、管理・PM中心の社員が一定数増え てきた。 昨今は改めて内製力強化にも力をいれており、各エリアごとに戦略を立てて進めている。 銀行の各事業部より戦略的な施策・案件を進めたいというニーズも高まってきている。 何度かの銀行統合によりシステムの開発需要の急増への対応の影響 10 銀行統合といった急激な開発需要増による対処と影響
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    アジャイル開発はこれまでも実施してきたものの、多くはIT、システム起点の取り組み が多かった。今回ビジネス起点での取り組みとなり、旺盛な需要に対応していく必要が 出てきた。 https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00001/10274/ より抜粋 11 このような状況でMUFGとしてアジャイル運営開始
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    経験主義のスクラムの三本柱「透明性」、「検査」、「適応」を中心に進めたとしても どうしても解決できない課題は存在する • PO(プロダクトオーナー)が即時決断できない → 3か月単位でのプランニング、デモイベントに事業部門の部長・次長級の方にも 参画いただき、フィードバックをもらい方向感のズレの無さを確認する • 社内ルール、開発規定管理手続き、人事評価など全体で定められているものがある • イベント開催するためのファシリテーションが足りてない • 優先度高くメンバーを集められない → アジャイル変革推進室にてサポート、課題解決、先回りでの 対処(舗装)を実施することで対処 チームで解決できない課題をどうするか 13 自己管理型のチームでも難しさはある
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    以下のような時間軸の異なる2重ループ化することで、方向性についてズレが起きないよう設計。 ITメンバーから見て、事業部門の部長・次長級の方の声を直接聞くことができ、 ビジネス目線での貢献実感、プロダクト理解度の向上につながっている。 チーム単位のケイデンスと、ステークホルダーも交えたケイデンス設計 14 2つのケイデンスを用いた連携(Sync)方法 チームの活動 サイクル:2週間 ステークホルダーとの結節点のサイクル:3か月 デモ 方向性協議 • 中長期観点での 現状のフィードバック 方向性について Syncする • 単に報告の場ではなく 変化を共有し、互いに影響を 見せあう場として組み立てる。 ポイント ビジネス観点の ステークホルダー以外にも 連携先システムの担当や プラットフォームチーム、 セキュリティ関連メンバーも 同様に対応
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    アジャイル推進組織で対処する課題の例 • 採用や評価、育成関連の課題 • 現状の評価制度を見直し、アジャイル開発する際に課題となるものをバックログ化し、 人事部や、技術的なリードを行う社内のフェローメンバーとディスカッション、解決を図る • 育成関連として、技術力の向上、アジャイル関連の研修について企画及び推進し、 好評であれば、今後の定常的な教育コンテンツとして広められるようにする • 開発プロセス、ルール関連の課題 • システムの品質評価や、権限移譲について、ルール策定している 銀行側の管理部署と議論、検討し、アジャイル実践者向けのガイドラインとして整備 • いずれはプロセス、ルール自体を変更いただく方向ではあるが、短期的には読み替えや 各現場での対処方法を周知 現場で解決できない課題や、まだ健在化していない課題を前もって対応する 15 組織課題は推進組織側で巻き取って対応する
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    ロナルド・ハイフェッツ氏がアダプティブマネジメント論で組織に対する課題は 技術的課題と適応課題に分類されると論じたもの。 技術的課題・・・ある課題に対して、新たな知識やスキルを身に付けることにより、特定の「正解」を導き 出すことができる課題 適応課題・・・自分や組織の価値観や考え方ではそのままの活用が難しい課題 こんな新しいテクニックやツールがあるよ、と紹介・取り込み解決するのが技術的課題だが うまく組織に広めていくには、現状の実態とこれまでの背景があるため、そこと向き合って開発現場に寄 り添いながら推進することが重要。なお、この観点は補完的イノベーション論とも類似点がある。 アダプティブマネジメント、適応課題の観点を含めた形で設計する 16 現場が良くなっていく方向とすることへの考慮点 アジャイルについて 理解する 現場ごとの 課題を解決する 現場メンバーにうまく 活用してもらい 効果実感を得てもらう
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    • 社内アジャイルコミュニティとして、毎週30分定例でアジャイルに関わる人同士の 情報交換、相談の場を設置 • ベース知識付けとして、部長層以上のメンバーへ悉皆でのアジャイル研修受講 (現状75%まで受講。今後は新規部長登用メンバーも含めて定常運用化。) • 外部コミュニティやイベントの活用として、アジャイル・スクラム関連イベントに 参加推奨の外部研修として教育部署と連携し、社内全体に報知 金融系でアジャイル開発を行っている 他の会社との共同勉強会(コミュニティ)の枠組みとして、 「金融アジャイルMeetup」を立ち上げ情報交換を実施。 次回3/12(木)18:00-19:30オンラインでScrum Fest Fukuoka2026 サテライトとして開催予定。参加いただける方はお声掛けください。 17 社内外コミュニティの活用 アジャイル開発の12の原則の一つである「意欲に満ちた人々を集める」はやはり重要
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    ステークホルダーへの関心はチー ムの効果性につながる。 マネジメントの支援(適切な環境を 整えることも含む)はチームの自律 性につながる。 引用: 【徹底解説】研究論文に基づいた 効果的なスクラムチームを決定づける 6つの要因と5つの発見 https://www.servantworks.co.jp/posts/ what-makes-scrum-teams-effective/ 18 (参考)研究論文に基づいた効果的なスクラムチームを決定づける6つの要因と5つの発見
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    • アジャイル開発している実メンバーより、ルール、手続き変更の方向性を共有した 際に「既存ルールでのやりにくさを、推進メンバーに訴え続けてきて良かった」と感 謝の声をいただいた • 自部署の部長や他マネジメント向けに個別に進捗報告の場を設けており、報告 フォーマットも別で作成、対応していたが、アジャイルイベントに参加いただけるよう になったので調整や作業時間が削減された • システム開発と事業部門双方が同じ場所でイベント、議論するためワンチーム感を 得ることができた • これまでシステムサイドが何をしているのか分かりにくかったが、イベントを通じて苦 労、工夫が分かり、同じベクトルでやっている安心感が生まれている 以下に示すような変化の兆しが出始めている 19 これまでの対応を実施した結果として生まれた変化
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    これまでの説明でも触れてきた以下3つのポイントを押さえて進める 20 アジャイル成功のための3つのポイント Respect(敬意) 既存の取り組みや 過去の経緯は否定しない。 経緯には敬意を払う。 Sync(同期) チーム外のステークホルダー宛には 報告ではなく、変化と影響を共有し 「共通目的」を醸成する。 Goal Persistence(継続) スモールスタートから始め 実績と信頼の「貯金」を作る。
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    今回は以下の内容でお話させていただきました。 • 自己管理型のチームであっても、解決できない課題は周囲から解決策を 探り、対処する必要がある。その対応策として2つの期間差を持つループの設置。 • 大きい企業であれば個別組織化されている、人事、教育部門との連携はアジャイル推 進チームにてとりまとめて対処する。また課題として顕在化されていないものも先回りし て対処すると、現場部署のモチベーションアップにもつながる。 • 社内外のコミュニティ活動についても、実施していくことでスキル向上や、課題解決につ ながるため大切にしていきたい。 • 全般、進めるためにはRespect(敬意)、Sync(同期)、Persistence(継続)の3つは 心に留めて取り組むことが重要。 ご興味ありましたら、情報交換可能ですのでお声掛けください。 22 まとめ
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