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LeSS Study 読書会 5章マネジメント/LeSS Study Management

LeSS Study 読書会 5章マネジメント/LeSS Study Management

LeSS Study (2021年11月開催) 大規模スクラム Large-Scale Scrum (LeSS) 読書会
5章マネジメント

LeSSではマネジメントをどのように考え、どのようなガイドをしているのかをまとめました。みなさんで探っていきましょう。

Masataka Mizuno

November 25, 2021
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Transcript

  1. 5章のもくじ LeSSでのマネジメント • ガイド:テイラーとファヨールを理解する • ガイド:Y理論によるマネジメント • ガイド:マネージャーは任意 • ガイド:LeSSの組織

    • ガイド:現地現物 • ガイド:教師及び学習者としてのマネージャー • ガイド:ドメインと技術の両方 • ガイド:少ない目標とLeSSのメトリクス • ガイド:マネジメントに関する推奨書籍リスト 今日のお話のメインは マネジメントに関する ガイドです
  2. マネジメントのガイド  テイラーとファヨールを理解する  Y 理論によるマネジメント  マネージャーは任意  LeSS

    の組織  現地現物  教師および学習者としてのマネージャー  ドメインと技術力の両方  少ない目標とLeSSのメトリクス  マネジメントに関する推奨書籍リスト Principles Framework Guides LeSS本:108~123ページ
  3. LeSSの,マネジメントに対する提案 役割:プロダクト開発の仕組みの改善促進 原理・原則 フレームワーク ガイド  テイラーとファヨールを理解する  Y 理論によるマネジメント

     マネージャーは任意  LeSS の組織  現地現物  教師および学習者としてのマネージャー  ドメインと技術力の両方  少ない目標とLeSSのメトリクス  マネジメントに関する推奨書籍リスト
  4. LeSSのマネジメント 役割:プロダクト開発の仕組みの改善促進 原理・原則 フレームワーク ガイド  テイラーとファヨールを理解する  Y 理論によるマネジメント

     マネージャーは任意  LeSS の組織  現地現物  教師および学習者としてのマネージャー  ドメインと技術力の両方  少ない目標とLeSSのメトリクス  マネジメントに関する推奨書籍リスト
  5. ガイド:テイラーとファヨールを理解する マネジメントは元々あるものではなく,発明されたもの.現在のマネジメントに影響力を与えて いる二人が,19世紀に活躍したフレデリック・テイラーとアンリ・ファヨール. フレデリック・テイラー(1856-1915, 米)機械工, 技師⇒経営学者  工場の現場監督として労働者の生産性を上げたい  「科学的管理法」を考案

     『科学的管理法の諸原理』を出版  管理工学に影響を与えた アンリ・ファヨール(1841-1925, 仏)鉱山技師⇒経営者  鉱山採掘の安全性を向上させたい  『産業ならびに一般の管理法』を出版  管理とは,計画し,組織し,指揮し,調整し,統制するプロセスであると定義  「管理過程論」の父  管理過程学派に影響を与え,また組織論の基礎を与えた LeSS本:108ページ
  6. LeSSのマネジメント 役割:プロダクト開発の仕組みの改善促進 原理・原則 フレームワーク ガイド  テイラーとファヨールを理解する  Y 理論によるマネジメント

     マネージャーは任意  LeSS の組織  現地現物  教師および学習者としてのマネージャー  ドメインと技術力の両方  少ない目標とLeSSのメトリクス  マネジメントに関する推奨書籍リスト
  7. ガイド:Y 理論によるマネジメント ダグラス・マグレガー, 心理学者, MIT Sloan School of Management 

    『企業の人間的側面』を出版(1960年)  1960年に使われているマネジメント理論とプラクティスは,未検証の仮定に もとづいている(X理論) LeSS本:110ページ
  8. X理論とY理論 X理論  人は本質的に仕事が嫌いで,避けようとす る  最大限の成果を引き出すためには,人は, 強制され,制御され,命令され,脅迫され なければならない 

    人は,野心を抱くこともなく,責任も取り たがらない.命令されたい 今でも多くのマネジメント・プラクティスの隠 された仮定 Y理論  人は遊びや休息をとるのと同じように,自然に努 力し働く  人は,コミットした目標のために,自己管理し, 自己統制を行う.コミットメントは..(中略)..チャ レンジ,学習,目的意識などの内在的な報酬から 生まれる  適切な環境が与えられれば,人は責任を回避する より,むしろ責任を求める.想像力,独創性,創 造性は,すべての人がもっているスキルである 人間の可能性を最大限に引き出すには,私たちの意識と マネジメントプラクティスに存在するX理論を,社会科 学の研究結論にもとづくY理論に置き換える必要がある フォードは科学的管理法とX理論の影響を受けて いた LeSS本:110~111ページ
  9. 参考)XとYはゼロイチの話ではない 生理的欲求 安全の欲求 社会的欲求 承認(尊重)の欲求 自己実現の欲求 マズローの欲求5段階 Y理論 X理論 参考)https://ja.wikipedia.org/wiki/XY理論

    XY理論に境界はない 人間はX-Yを繋いだ線上にある X理論は低次元の欲求を多く持つ 人間の行動モデルに分類され, Y理論は高次元の欲求を多く持つ 人間の行動モデルに分類される
  10. LeSSのマネジメント 役割:プロダクト開発の仕組みの改善促進 原理・原則 フレームワーク ガイド  テイラーとファヨールを理解する  Y 理論によるマネジメント

     マネージャーは任意  LeSS の組織  現地現物  教師および学習者としてのマネージャー  ドメインと技術力の両方  少ない目標とLeSSのメトリクス  マネジメントに関する推奨書籍リスト
  11. LeSSのマネジメント 役割:プロダクト開発の仕組みの改善促進 原理・原則 フレームワーク ガイド  テイラーとファヨールを理解する  Y 理論によるマネジメント

     マネージャーは任意  LeSSの組織  現地現物  教師および学習者としてのマネージャー  ドメインと技術力の両方  少ない目標とLeSSのメトリクス  マネジメントに関する推奨書籍リスト マネージャーが役に立つこともあります.そこを探求してみましょう. LeSS本:113ページ
  12. LeSSのマネジメント 役割:プロダクト開発の仕組みの改善促進 原理・原則 フレームワーク ガイド  テイラーとファヨールを理解する  Y 理論によるマネジメント

     マネージャーは任意  LeSS の組織  現地現物  教師および学習者としてのマネージャー  ドメインと技術力の両方  少ない目標とLeSSのメトリクス  マネジメントに関する推奨書籍リスト LeSS本:116ページ これまでは組織だったけど,開発システムの能力に対してマネジメントのガイドを続けて3つ紹介
  13. ガイド:現地現物 LeSSのマネージャにとって最も重要なマネジメントスキル 現地現物  「行って,見て,割り込んで,立ち去る」マイクロマネジメントじゃないよ  現場に習慣的に行き,実際の問題を真に理解して,組織力の向上に活かすこと LeSS本:117-118ページ 目標 

    問題解決力の向上  問題を真に理解する  チームに問題を解かせる  より良い組織の意思決定  現場を知り,経営判断にフィードバックする  上の管理者であればあるほど重要!!
  14. 現地現物はムズカシイ [1/2] マネージャーに時間がないから  マネージャーは,ミーティングやアクションアイテムで多忙  でも,それに踊らされるのを止め,現場訪問に確保するための計画に労力を 使うようにしよう マネージャーが理解していないから 

    現場に行くのは,従業員への共感や進捗を確認のためじゃない  現場の問題を真に理解するために,チームの仕事や問題に関心をもち,チー ムを観察し,偏見のない質問をしよう LeSS本:118ページ
  15. 現地現物はムズカシイ [2/2] マネージャーに忍耐力がないから  マネージャーは問題解決能力があるため,現場の問題を真に理解したら,解 決したくなる  問題がチームが解決できない場合は,後で対応しましょう マネージャーが分析しないから 

    マネージャーは,ほとんどの問題を初めてのもので,それぞれの原因が特別 であると考えちゃう  問題の原因は,チームやコンテキストに固有なのか,組織的,横断的なのか? 見極める...簡単ではありませんが LeSS本:118-119ページ
  16. LeSSのマネジメント 役割:プロダクト開発の仕組みの改善促進 原理・原則 フレームワーク ガイド  テイラーとファヨールを理解する  Y 理論によるマネジメント

     マネージャーは任意  LeSS の組織  現地現物  教師および学習者としてのマネージャー  ドメインと技術力の両方  少ない目標とLeSSのメトリクス  マネジメントに関する推奨書籍リスト 開発システムの能力に対してマネジメントのガイド3つのうち,2つめ
  17. 業界動向と技術の両方を理解し,チームを導く 業界動向と技術の両方を理解し,コーチとして向上するため,こんなことをしよう  バグ修正  プロダクトを使い,テストする  コードレビューに参加  ユーザーを訪問または観察する

     (おそらく捨てることになるが) コードのリファクタリングをする  最新の業界紙を読む  仕事をしているチームメンバーとペアで作業をする  何かを自動化する  コミュニティに参加する ※ただし,国の文化によってはかなり難しい.「自分のキャリアの中でその段階は通 過した」という文化では,技術に関わり続けることはほとんどない
  18. LeSSのマネジメント 役割:プロダクト開発の仕組みの改善促進 原理・原則 フレームワーク ガイド  テイラーとファヨールを理解する  Y 理論によるマネジメント

     マネージャーは任意  LeSS の組織  現地現物  教師および学習者としてのマネージャー  ドメインと技術力の両方  少ない目標とLeSSのメトリクス  マネジメントに関する推奨書籍リスト 開発システムの能力に対してマネジメントのガイド3つのうち,最後
  19. ガイド:ドメインと技術力の両方 チームは,技術スキルとドメイン理解の間で適切なバランスが必要.マネージャーが このバランスを取る  たいていは,どちらかの学習投資の欠如で均衡が失われる  例)優れたドメイン知識のある拠点だが,「プログラミングは誰でもできる」と いう文化のため,技術的なスキルの低さは驚くほど マネージャーがとるアクションの例 

    この不均衡に対する認識を高め,マネージャー,スクラムマスター,チームで話 し合う  トレーニングとコーチングを計画する  チーム間の共有を促し,事例を共有する  学習のためにコミュニティを奨励する  不均衡を減らす仕事をチームに選択させる
  20. LeSSのマネジメント 役割:プロダクト開発の仕組みの改善促進 原理・原則 フレームワーク ガイド  テイラーとファヨールを理解する  Y 理論によるマネジメント

     マネージャーは任意  LeSS の組織  現地現物  教師および学習者としてのマネージャー  ドメインと技術力の両方  少ない目標とLeSSのメトリクス  マネジメントに関する推奨書籍リスト
  21. LeSSのマネジメント 役割:プロダクト開発の仕組みの改善促進 原理・原則 フレームワーク ガイド  テイラーとファヨールを理解する  Y 理論によるマネジメント

     マネージャーは任意  LeSS の組織  現地現物  教師および学習者としてのマネージャー  ドメインと技術力の両方  少ない目標とLeSSのメトリクス  マネジメントに関する推奨書籍リスト
  22. ガイド:マネジメントに関する推奨書籍リスト  ピーター・センゲ『学習する組織』  Michael Balle, Freddy Balle 『The Lean

    Manager: A Novel of Lean Transformation』  Michael Balle, Freddy Balle 『Lead With Respect: A Novel of Lean Practice』  大野耐一『大野耐一の現場経営』  ゲイリー・ハメル『経営の未来』  ジェフリー・フェファー,ロバート・サットン『事実にもとづいた経営』  フレデリック・ラルー『ティール組織』
  23. LeSSのマネジメント 役割:プロダクト開発の仕組みの改善促進 原理・原則 フレームワーク ガイド  テイラーとファヨールを理解する  Y 理論によるマネジメント

     マネージャーは任意  LeSS の組織  現地現物  教師および学習者としてのマネージャー  ドメインと技術力の両方  少ない目標とLeSSのメトリクス  マネジメントに関する推奨書籍リスト 実験 原理・原則を胸に,ガイドを参考に,1つずつ実験しましょう