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スクラムチームと認知負荷 - ニフティのスクラムトーク Vol2. / NIFTY Tech Talk #18

スクラムチームと認知負荷 - ニフティのスクラムトーク Vol2. / NIFTY Tech Talk #18

ニフティ株式会社

March 29, 2024
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  1. Copyright © NIFTY Corporation All Rights Reserved. 
 スクラムチームと認知負荷 Team

    Topologies から認知負荷への向き合い方について考える
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 2
 自己紹介

    職種と企業を飛び越えたNTT Comとの新規ビジネス共創【NIFTY Tech Day 2023】 https://www.youtube.com/watch?v=qU3DT5C3BsU NIFTY Tech Talk #4 レガシーシステムからの脱却 https://www.youtube.com/watch?v=Ttium-UNEEU 清水 利音 Shimizu Rion 顧客管理システムやシングルサインオンシステムなど 会員基盤系を担当するチームの SM を担当 ニフティ株式会社 基幹システムグループ 過去の登壇
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 1. 組織構造は暗黙的に現行のマネージャーと専門家の役職

    や権限が変わらないように最適化されています。 2. 1の影響により、変化を起こす提案は、元の状態が再定 義される、もしくは新しい用語が乱用されることにな り、結果的に元々の状態と変わらない状態になります。 クレイグ・ラーマンの法則 (抜粋) https://www.craiglarman.com/wiki/index.php?title=Larman%27s_Laws_of_Organizational_Behavior 3 https://scrummaster.jp/larmans-laws-jp/
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 • 1つのプロダクトに1つのスクラムチーム

    • プロダクトのビジョンに責任を担う PO • スクラムチームの環境整備を行う SM • 機能横断的で自己管理されているチーム 教科書どおりのスクラムを実践できていますか? 4
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 • 1つのチームが複数のプロダクトを兼任している

    ◦ 複数人の PO、ないしは PO が不在のプロダクト ◦ バックログの衝突、渋滞 • SM がマネージャーやリーダーロールを兼任している • 絶対的な締め切りや外からの圧力により、 チームの開発に対する権限が失われている よくありそうなケース 5
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 • もっと上のレイヤー、組織的な問題が多そう?

    ◦ 既存の組織のままスクラムを導入した ◦ チームが生み出す価値とはいうが、評価は個人単位 だし・・・ • とはいえボトムアップで変えるためにはどうすれば ・・・? チーム内の状態がどうこうというより・・・ 6
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 8 Team

    Topologies とは? • Dev/Ops 組織について、組織設計やチームの 相互作用についてのモデルをした 体制構築手法 • 4つのチーム形態、3つのコラボレーションと コンパクトに整理されている Team Topologies: Organizing Business and Technology Teams for Fast Flow Matthew Skelton, Manuel Pais 2019 チームトポロジー 価値あるソフトウェアをすばやく届ける適応型組織設計 2021
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 9 Team

    Topologies とは? アジャイル・リーン・Dev/Ops といったムーブメントは、 ビジネスのフローに沿った小規模のチームに対して大きな 価値があることを実証したが・・・ • 従来型の組織の多くはその組織モデルゆえにこれらのメリット を十分に享受できていない • 場当たり的な文化や組織面での変化
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 10 Team

    Topologies とは? • チームトポロジーが重点を置いているもの ◦ コンウェイの法則 ◦ 認知負荷の制限 ◦ チームファースト思考 いくつかの中心となるアイデアの中から 今回は「認知負荷の制限」について考えてみたい
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 11 認知負荷

    (Cognitive Load) について • 人間のワーキングメモリのリソースを圧迫する負荷 という意味合いで使われることが多い • もともとは心理学で用いられていた • 現在のイメージで使われるようになったのは、1988年 心理学者のジョン・スウェラーによるものとされる ◦ 論文の中で3つの認知負荷を定義 https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/0364021388900237
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 12 課題内在的負荷

    • 問題に対する教育的なタスクに関連するもの • プログラミング言語の勉強など 課題外在的負荷 • タスクを実行する上で本質的ではない、環境に関連 するもの • 環境構築など 学習関連負荷 • 学習を進めたりコアな問題を解決するために、特別な注 意が必要なタスクに関連するもの • ビジネス課題を解決するためのロジックなど • ここに注力できるようにしたい 3つの認知負荷
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 13 チームが抱えている認知負荷を考える

    • リリース済みプロダクトの問い合わせ、運用、バグ、 トラブル対応 • 緊急の割り込み作業 • タスクの切り替え • プロダクト外のミーティングや案件 • etc…
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 14 チームが抱えている認知負荷を考える

    • チームサイズを制限する • チームが扱うソフトウェアのサイズを制限する • チームが扱うドメインの種類を制限する チームトポロジーにおける認知負荷へのアプローチ
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 15 チームサイズを制限する

    ダンバー数 (グループの認知と信頼に関係する進化上の限界数) を考慮すると、5~8人 https://robertoferraro.substack.com/p/dunbars-number-and-team-size-the • これはスクラムチームのサイズ としても言われている • コミュニケーションパスは 人数によって増大する • オーバーしている場合は、 思い切って分割も考慮する
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 16 チームが扱うソフトウェアのサイズを制限する

    チームが扱うドメインの種類を制限する • シンプル ◦ ほとんどの仕事は明確な作業手順がある • 煩雑 ◦ 変更の分析が必要で、適切な ソリューションの提供には数回の 繰り返しが必要 • 複雑 ◦ ソリューションの提供には 多くの実験、探索が必要 ドメインを基準に制限・分割する
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 17 まずは、チームの認知負荷状態を知る

    たとえば、スプリント以外の活動時間 スプリント以外の活動時間 スプリントに充てられる時間 Aさん 39h20m 35h30m Bさん 45h 29h50m Cさん 38h 36h50m Dさん 49h 25h50m
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 18 これからやりたい

    • ドメインごとに費やされている時間の計測 • ドメインの切り分け ◦ DDD によるサービスの切り分け ◦ イベントストーミング • プロダクトの棚卸し
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 19 まとめ

    • スクラムがうまく機能していないのは、組織体制との アンマッチが考えられる • ボトムアップで変えていくために、認知負荷という 観点からチームを整理する • まずはチームの認知負荷の状態を知るところから