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新規事業を加速させるリサーチ術/ Research tips for new biz creation

nozomi
July 28, 2020

新規事業を加速させるリサーチ術/ Research tips for new biz creation

ビザスクさんにお誘いいただき、企業内新規事業担当者の方などに向けて、リサーチに関するお話をしました。
https://visasq.co.jp/seminar/research0728

調査、正しく使うと楽しいし、ためになるよ、というお話をしています。
30分くらいでお話したので、同じような講演ニーズがあればぜひまたお知らせください :-)
[email protected]

nozomi

July 28, 2020
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Transcript

  1. Strictly Confidential 様々な課題意識の方が参加されておりまして、 2 0から新規事業を 始める。なにから 手を付ければ良い? 情報収集の効率を 高めたい、 どうする?

    海外の情報、 どう集める? 調べきった。 次はどうする? 調べきった。 どうまとめる? 調べきった。 うまく伝えられない がどうすべき? インタビューが うまくできない、 どうすればよい? アンケートを うまく行うために どうすればよい? などなど…
  2. Strictly Confidential 事前に頂いたQ&Aも色々:読まなくて大丈夫 3 どうやって 集める? どうやって まとめる? どうやって 活かす?

     “効率的な情報収集、調査の方法について、 成功、失敗例含めお聞きしたい”  “全くの新規事業へ参入を検討している場合、業界内の慣習 や商流などをどのように調査すればよいでしょうか?”  “海外に対しての市場調査についてお聞きしたいです。”  “情報の効果的なまとめ方、インサイトの見つけ方のヒント が得られると嬉しいです”  “調査結果報告書のテンプレートがあれば…”  “リサーチ後の最終アウトプットについて。示唆出しに ついてや報告書の書き方を伺いたいです”  “面白そうなテーマが見えてきた際の周囲の巻き込み方、 メンバーの取込み方”  “意思決定者を納得させられる、外部環境の調査手法”  “新規事業立ち上げに本気ではない人や部署が混ざっている 場合の対処方法”
  3. Strictly Confidential Cobe Associeの田中志(たなか のぞみ)と申します。 5  新卒で入社、ヘルスケア・消費財など の事業戦略構築/営業改革/コスト カット案件に従事

     ヘルスケア領域オフィスアワード受賞  執行役員として医療領域SNSを ベースにした服薬支援事業開発を担当  中外製薬とがん領域の治療/服薬支援 サービスを立ち上げ・推進  広告会社の1チームとして、大企業× スタートアップの新規事業創出支援と、 自社新規事業創出を推進 戦略コンサル→広告会社内新規事業支援チーム→スタートアップ執行役員のキャリアを経て、 現在は“柔らかさ”と”強さ”の両方を持つ事業支援プロフェッショナルとして活動しています。 今日お伝えする背景内容の背景として…
  4. Strictly Confidential 新規事業を生み出していくステップと対応 調査・ファクトというものを新規事業を生み出していく各プロセスの視点から眺めてみる、 それを本日皆さんと一緒にしていければと思います。 7  “それおもろい?” “アイディアがすべて” の文化

     なにも思いつかない… どうするか?  “刺激物”としての調査  “ファクトは?” “ファクトこそすべて” の文化  Why? How? So What?に 答えるために  “仮説検証”のための調査  調査そのものは価値や お金を生んでくれない  どこで調査を止める?  “やる”ための調査 気付く・思いつく 練り上げる 踏み出す ↑個別に質問あればお知らせください!さて…
  5. Strictly Confidential どんなふうに調査を”使う”のか、その使い分け。 12 ⁇ そもそもの 仮説がない ⁇ 仮説はあるが、 検証に使える

    プロダクトがない ⁇ そもそも 必要な仮説検証の 粒度がわからない… “浴びる”ための調査 “磨く”ための調査 “口説く”ための調査 1 2 3 に分かれるよ、というところまで前段です
  6. Strictly Confidential この後お話すること この後は、できる限り細かいTipsをたくさんお伝えできるといいなと思っています。 そのために、なにを目指してそれぞれのTipsをやるのか、さっとこの1枚で整理します。 14 “浴びる”ための 調査 “磨く”ための 調査

    “口説く”ための 調査 追うべきもの 紹介するTips • 外部情報を豊かに加工し 良い仮説を立てられるよ うになるための知識が なるべく多くある状態 1 2 3 • 仮説が構造化されイシュ ーが特定されている状態 • 自身の仮説に確信を 持てる状態 • プロダクト/事業をつくる ために必要な口説き先が Yes/Not Noと答える要素 が集まりきった状態  口説き基準をまず知る、 ないなら提示する  アウトプットを先に握る  浴びる/磨くを繰り返す…  専門情報一気読み  情報収集の自動化仕組み化  SNS探検  タテ・ヨコ・ナナメ展開…  現場観察/サイトビジット  エキスパート壁打ち  類似スタートアップ深堀り  Non-職場人インタビュー… ここを リッチに!
  7. Strictly Confidential 浴びるべき情報、どんなものか? 16 1 浴びる 共通言語をつくるメディアばかりに触れていませんか? 新規事業のための情報、浴びていますか? 共通言語としてのメディア 思考のためのメディア

    “みんな知っていて当たり前” “飛び地の当たり前やトレンド” …キー局・ゴールデンタイム番組 …深夜番組・Abema TV Source)日本経済新聞Webサイト(https://www.nikkei4946.com/syoukai/nikkei/index.html)、月間下水道Webサイト(http://www.gesuidou.jp/) こっち!
  8. Strictly Confidential 専門情報一気読み 17 1 浴びる 新規事業を生み出すためにも、既存事業ってなんだっけ?を知っておくことは大前提です。 もし自社既存事業と遠い領域に乗り出そうとするなら、知識ベースを一気に高めましょう。 〇〇業界/テーマ について知りたいな

    大型書店で 書籍10冊買って 2日で読む 業界専門誌を 1年分取り寄せて 1日で読む Webで専門 メディア記事 100本読む  いざ丸善。  業界の原理・構造と トレンド、課題を。  目次熟読→拾い読み  “まさにいま”の情報を 取りに行く(何が 最先端?メジャー テーマ・関心事?)  英語で探し読みましょう  良いライターがいれば 継続フォロー推奨
  9. Strictly Confidential 情報収集の自動化仕組み化 19 1 浴びる 毎回「よし浴びるぞ!」と思っていてもなかなかできません。 強制的に、自動的に、自分に情報を浴びせてくる仕掛けを仕込んでおきましょう。 Google Alert

    RSS ニュースレター • “キーワード”ベース • これまで浴びてきたキーワードや人 名、企業名などで登録おすすめ • 例:Digital Health Fund raising • “メディア”ベース • フィットの良かった専門メディアや ブログを登録するのを推奨 • 例:Product Hunt/Science Daily • “キュレーター”ベース • Newsletter Stackなどで相性が よいものを探してみるのも吉
  10. Strictly Confidential SNS探検・検索 21 1 浴びる ありものの事実ではなく、自分で現実からデータを取りに行く=「コピーを取りに行く」姿勢も。 SNSには仮説を生み出すための面白い事実がそこら中にあふれています。例えば… 意見や事実を 言葉で理解したい

    意見や事実を 視覚で理解したい エキスパートの ナレッジが 知りたい  まずは自社のエゴサから  “と考えると安い”で検索するという学び  「実はどうなの…??」をストーリーで 理解する  “長野”で検索したときの再生数上位は?  大統領までが回答者として登場する、 強化版 Yahoo!知恵袋
  11. Strictly Confidential タテ・ヨコ・ナナメ展開 23 1 浴びる 調べてそこで終わりにしない。仮説をつくっていくこと、磨いていくことを目指して、 「タテ・ヨコ・ナナメ」に思考を展開し、新たな情報を取りに行く とある 情報

    タテ・上:構造や仕組みを考える  Why? So What?の思考 タテ・下:要素や具体を考える  Who/Where/How?等の思考 ヨコ:類似のものを考える  What else?の思考 ナナメ:別の次元/切口を考える  What if?の思考 Why ? So What ? How ? Who ? Where ? What if ? What else ?
  12. Strictly Confidential 現場観察/サイトビジット 26 2 磨く 磨くこと=思考すること・分析すること。頭で考える前に、足で考えること。 現地現物の精神で、その場の文化を内部化するために、現場に行ってその空気を吸おう。 外食産業向けの SaaSはどうだろう…??

    10代向けの動画SNSは どうだろう…?? 工場内の IoTネットワークは どうだろう…?? 毎日外食して店内を観察する 親類や街中の10代のSNS利用を観察する 毎週末工場見学ツアーに参加する 観察の例 Q&A 取り上げ!!
  13. Strictly Confidential エキスパート壁打ち 27 2 磨く 巨人の肩に乗ることで検討の速度と深度を上げる。 漫然と話を聞くのではなく、仮説のベースにある事実の成否判定や“Not Yet”の背景理解 エキスパートを探すには最高の時代

    インタビュー時には何を聞くのか? (詳細はビザスクさんの別セミナーで) 海外 国内 意見は聞かない × 「~について、どう思いますか?」 × 「~の未来について、どう考えています か?」 事実を聞く、その中でNot Yetが分かれば最高  “数字”で聞く:金額、割合、人数、  “行動”で聞く:Aということが起きている として、その前/後で何が起きるのか  “仮定”で聞く:「もし~だったとして、あ なたならどう行動・判断しますか?それは なぜですか?」 などなど ビザスクさんも海外エキスパート1万名を超えてシンガポールオフィス設立されるなど、 海外アドバイザーがどんどんリッチになっていっているようです…!!
  14. Strictly Confidential 口説き基準理解・設定 32 3 口説く 調査のゴールは「製品・プロダクトをつくらせてもらうことを承認してもらう/邪魔しないでいて もらう」こと。 「成功することを証明する」は未来予測なので、現行技術では不可能です。 「これ絶対成功するのか?

    」 と聞いてくる上司がいる方へ “3年で単月黒字、5年で累損解消”な 事業立案を求められる方へ • 「そんなん誰もわからんやろ…」 • 「あんた俺の立場だったら何言うねん…」 • 「失敗したときの責任回避ですか…」 • 「そんな簡単にいいなさんな…」 • 「赤字掘ってでも人や技術に投資し続ける のが新規事業の意義なんちゃうんか…」 心の声 試算マインド→”シミュレーション”マインド  「この事業は3年単黒になるのか」を解く のではなく「この事業を3年単黒にするた めにいじれるレバーは何で、その水準はど の程度か」を考える  売上・コストの因数分解→各因数の仮定+ ファクトチェック→モデリング リアルな おすすめ 質問脳内変換+ガンジーマインド  「調べきったか?考えきったのか?」と いう質問です、その体で回答しましょう (失敗して本当に責任を取らされるような 会社ならやめましょう)  ガンジーは敵や疑いを持つ人にも「あなた と一緒に成し遂げるのです」と説いた
  15. Strictly Confidential 参考:スタートアップ企画書の構成例 37 3 口説く 下3つ、できれば4つに一言ぱきっと答えられる状態を目指してリサーチ(仮説構築+検証)を 進めましょう。リサーチ結果の資料も、この構造を意識してまとめるとよいものになりやすいです。 Why This

    ? Why You ? Why Now ? Why not yet ? なぜ、これをやるべきなのか? なぜ、我々がやるべきなのか? なぜ、いまやるべきなのか? なぜ、これはいまだ世に生まれていないのだろうか? Q&A 取り上げ!!
  16. Strictly Confidential 再度、ラップアップ 自分/チームがどれをやろうとしているのか・やるべきなのかに自覚的に。 情報を浴び知識を豊かにしているか?仮説はあるか?口説くための素材は集まっているか? 38 “浴びる”ための 調査 “磨く”ための 調査

    “口説く”ための 調査 追うべきもの 紹介するTips • 外部情報を豊かに加工し 良い仮説を立てられるよ うになるための知識が なるべく多くある状態 1 2 3 • 仮説が構造化されイシュ ーが特定されている状態 • 自身の仮説に確信を 持てる状態 • プロダクト/事業をつくる ために必要な口説き先が Yes/Not Noと答える要素 が集まりきった状態  口説き基準をまず知る、 ないなら提示する  アウトプットを先に握る  浴びる/磨くを繰り返す…  専門情報一気読み  SNS探検  情報収集の自動化仕組み化  タテ・ヨコ・ナナメ展開…  現場観察/サイトビジット  エキスパート壁打ち  類似スタートアップ深堀り  Non-職場人インタビュー…