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【Oracle Cloud ウェビナー】医療・ヘルスケアDX ー健康状態をDXで改善ー

【Oracle Cloud ウェビナー】医療・ヘルスケアDX ー健康状態をDXで改善ー

Oracle Cloud ウェビナーシリーズ情報: https://oracle.com/goto/ocws-jp
セッション動画: https://go.oracle.com/ocws-jp-ondemand

oracle4engineer

October 05, 2023
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Transcript

  1. 2023 8.23 15:00-16:00 大阪歯科大学 医療イノベーション研究推進機構 教授 山本 景一 日本オラクル SD推進本部

    本部長 ジョージ・アンド・ショーン 共同創業者/CEO 井上 憲 千葉大学大学院 医学研究院泌尿器科 医師 田村 貴明 日本オラクル SD推進本部 データアナリスト 横山 慎一郎 医療・ヘルスケアDX ー健康状態をDXで改善ー
  2. 2 Copyright © 2023 Oracle and/or its affiliates. 本日のスケジュール •

    がん診療におけるDX: 研究医療の現場から 田村 貴明 様 • リウマチ疾病におけるAI技術の活用 山本 景一 様 • 認知症の早期予測AIの社会実装に向けて 日本オラクル・ジョージ・アンド・ショーン 井上 • QA/ディスカッション
  3. Individual Baseline Hormone Therapy Operation Radiation Hormone Therapy Chemotherapy Tumor

    burden Early diagnosis Prognosis Monitoring Monitoring Treatment selection Time-course ・Detect gene mutations ・Predict chemoresistance Treatment Application Advanced cancer Early cancer Timing to collect Tamura T, Yoshioka Y et al. Extracell Vesicles Circ Nucleic Acids 2021;2:148-174.より改変 がんと早期診断
  4. EVs CTCs cfDNA ・Protein ・mRNA ・ncRNA ・DNA ・Cell count ・DNA

    ・Genetic change ・Epigenetic change exRNA with lipoproteins or protein complexes ・mRNA ・ncRNA ⾎液中の腫瘍由来因⼦ 診断DX:体液診断バイオマーカー
  5. ※コラム:PHRサービス事業協会 •株式会社Welby ⽐⽊ 武 代表取締役 •エーザイ株式会社 岡⽥ 安史 代表執⾏役COO •株式会社エムティーアイ

    前多 俊宏 代表取締役社⻑ •オムロン株式会社 荻野 勲 オムロン ヘルスケア株式 会社 代表取締役社⻑ •KDDI株式会社 森⽥ 圭 取締役執⾏役員常務 •塩野義製薬株式会社 澤⽥ 拓⼦ 取締役副社⻑ 兼 ヘルスケア戦略本部⻑ •シミックホールディングス株式会社 中村 和男 代表 取締役CEO •住友⽣命保険相互会社 ⾼⽥ 幸徳 取締役 代表執⾏ 役社⻑ •SOMPOホールディングス株式会社 櫻⽥ 謙悟 グ ループCEO 取締役 代表執⾏役会⻑ •TIS株式会社 岡本 安史 代表取締役社⻑ •テルモ株式会社 鮫島 光 専務経営役員 メディカル ケアソリューションズカンパニープレジデント •⽇本電信電話株式会社 澤⽥ 純 代表取締役社⻑ 社 ⻑執⾏役員 •株式会社FiNC Technologies 南野 充則 代表取締役 CEO •富⼠通株式会社 砂⽥ 敬之 富⼠通Japan株式会社 代表取締役社⻑ •株式会社MICIN 原 聖吾 代表取締役CEO 国内初のPHRサービス事業者団体として、 2023年7⽉10⽇に設⽴
  6. 個⼈的 がん診療DXのキーワード 性能・実績 / コスト‒ 感度・特異度(精度)とそれを実証したプロセスの正しさや 規模 / 導⼊ハードルの低さ ⇒コストパフォーマンス

    安全性の向上 ‒ 技術⾃体の侵襲性の低さ、トラブル予防(医師患者説明責任)、 医療ミス防⽌(所⾒⾒落とし・⼿術ミス) ⇒安⼼・安全は医療における最⼤のキーワード 労⼒低減 ‒ 医療スタッフ不⾜や労働問題の解決 ⇒医療の地域格差問題、2024年4⽉施⾏の「医師の働き⽅改⾰」でさらなる追い⾵ 臨床感覚や科学的知⾒への整合性 / 従属性 ‒ あくまで医療者の感覚や知⾒を補完 する道具として診療をサポート ⇒医療者に受け⼊れられやすい条件として普及のために意外に重要
  7. 2 デジタルトランスフォーメーション(DX)と データサイエンス • データ:未解釈の信号(単語や数字の集合) • 情報: 意味を持つデータ • 知識:

    事実や関係からなる総合的な情報(検証された事実) DIKW 階層 (Bellinger G et al, 2004) データ 理解度 連結度 情報 (Information) 知識 (Knowledge) 知恵(Wisdom) 関係の理解 パターンの理解 原理の理解 • データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、 製品やサービス、ビジネスモデルを変革する • データサイエンスは、データを知識に変換する実践的方法論 https://www.meti.go.jp/press/2018/12/20181212004/20181212004-1.pdf https://www.google.com/search?client=firefox-b-d&q=K236%3A+Basis+of+Data+Science https://www.digital.go.jp/
  8. 3 デジタルバイオマーカーの探索 「エジンバラ大学 CoDE-HFの開発」 • NT-proBNPは心不全の状態を評価する 血液検査値 • 年齢、体重、併存疾患の有無等により 閾値が変動する

    • NT-proBNPに以下の臨床指標を加える ことで診断性能を高めたい – 年齢 – 推定糸球体濾過量(eGFR) – ヘモグロビン – 末梢浮腫 – 慢性閉塞性肺疾患、虚血性心疾患の 既往 – 肥満指数(BMI) – 心拍数 – 血圧 Kuan Ken Lee et al. BMJ: 2021-068424 https://decision-support.shinyapps.io/code-hf/
  9. 7 診療と研究の両立を目指す 京都大学リウマチセンターKURAMAコホート: 2011年 • KURAMA(Kyoto University Rheumatoid Arthritis Management

    Alliance) • 2011年の京都大学病院リウマチセンター発足時より登録開始 • 関節リウマチのデータが発生する時間・場所に沿って診療と研究に利用可能なデータを収集 来院 診察 会計 問診 検査 患者の 主観的評価 医師の評価 ⾎液検査 場所︓待合所 場所︓診察室 場所︓採⾎室 Data Base OCRスキャナ読取りシステム OCRスキャナ読取りシステム 電子カルテ 電子カルテ https://www.racenter.kuhp.kyoto-u.ac.jp/activity/running-study/kurama-study/participation
  10. 10 臨床判断における 「状態変動性(Multi-Stability)」の重要性 • 慢性・多因子疾患の患者は日々様々な「状態」に移り変わる – 良い、もしくは悪い「状態」に留まり殆ど動かない – 「状態」が頻繁に推移する •

    状態の「良」「悪」だけでなく、「状態の遷移しやすさ(状態変動性)」 を評価することにより、介入が有効な時期や、どのような状態の患 者が治療困難であるかなどが分析できるかもしれない 状態の遷移
  11. エネルギーランドスケープ解析 時系列クラスタリング(動的時間伸縮法:DTW) • 「状態」の遷移しやすさを、「エネ ルギー」の高低に見立てて可視 化する分析手法 • 従来手法では分からなかった、 各状態の安定・不安定の評価を、 定量的に推定することができる

    • 時系列データセット内に潜在す るパターンを発見するために、類 似する推移をいくつかのグルー プに分類する手法 • 動的時間伸縮法 (Dynamic Time Warping: DTW)は、時系列データ 同士の距離・類似度を測る手法 11 川上英良 課題推進者(松浦PJ) : 感染症の発症・重症化の未然予測と制御のための数理・AI解析 ムーンショット型研究開発事業@JST https://youtu.be/tbCJkNO7McE https://data-analysis-stats.jp/%E6%A9%9F%E6%A2%B0%E5%AD%A6%E7%BF%92/dtwdynamic-time- warping%E5%8B%95%E7%9A%84%E6%99%82%E9%96%93%E4%BC%B8%E7%B8%AE%E6%B3%95/
  12. 12 目的・方法 • 目的 – KURAMAコホートに集積された多次元時系列データについて、治療 経過に沿って遷移する患者の状態と属性を「状態変動性(Multi- Stability)」の観点で可視化する • 参加者(適格基準)

    – 2011年から2018年にKURAMAコホートに登録 – 初診時に過去の投薬歴のない患者 – 3年以内に臨床的寛解あるいは3年間追跡可能である集団
  13. 関節リウマチ薬物治療における患者の状態推移モデル 13 初診 3年 ・・・ 3か月ごとに治療効果判定 機能的寛解 状態空間(良い状態) エネルギー低 状態空間(悪い状態)

    エネルギー低 死亡・回復不能な状態 (HAQ 0.5以下) 疾患活動性評価: RF, STAGE, VAS, ESR,・・・ ・・・ エネルギー高
  14. 14 患者状態パターンに基づく診療イメージ • 総合疾患活動性評価で用いる7つの検査項目で患者の「状態」を定義 – 患者による全般的評価(PtVAS)、医師による全般的評価(DrVAS)、圧痛関節数(TJC28)、膨張関節数(SJC28)、 骨破壊状態(STAGE)、リウマトイド因子(RF)、赤沈(ESR) – Boolean寛解基準に基づき2値化: 状態パターンは128通り(2の7乗)

    • 全ての患者は、必ずどれかの状態パターンに属する • 医師は、患者の状態パターン(状態番号)を評価し、治療法を選択する 関節リウマチ専門医 患者の状態を確認し治療法を選択 【カットオフ値】 ※ Boolean寛解基準に基づく RF ESR1h PtVAS DrVAS STAGE SJC28 TJC28 1 2 3 : : 126 127 128 状態番号 疾患活動性小:良い状態 疾患活動性大:悪い状態
  15. 状態の解析結果 16 -1·48 エネルギー階層別状態数分布 ※ 85%(109/128)が クラスタ間移動可能 Minimal Actively Pattern

    81 128 極小状態での特徴量パターン 疾患活動性小:良い状態(-1) 疾患活動性大:悪い状態(+1) 81 128 極小状態の階層クラスタリング (閾値:-1.48)
  16. 状態パターンごとの 患者数遷移 17 -1·48 Activity Patterns Energy 悪い安定性 –高 (B-H)

    悪い安定性– 低 (B-L) 良い安定性– 高 (G-H) 良い安定性–低 (G-L) 良い安定性 悪い安定性 4象限の人数推移 4象限のHAQ値推移
  17. 20 クラスタ間の特徴比較 • 非寛解クラスタでは、他と比較して悪い 傾向があった • 寛解クラスタと不安定クラスタの比較 – 初診時年齢と罹患期間は、不安定クラス タが悪い傾向があった

    – 初診時検査値等は、不安定クラスタの方 が良い傾向があった • 特に不安定クラスタにおいて、より早期 発見・早期治療開始の重要性が示唆さ れた
  18. 21 Future Work: 実臨床への実装イメージ あなたの今日の病状 骨破壊状態(STAGE): リウマトイド因子(RF): 血沈(ESR): 患者VAS(PtVAS): 医師VAS(DrVAS):

    圧痛関節数(TJC28): 膨張関節数(SJC28) : 【今日の検査値】 【今日のお薬】 MTX: csDMARD: tsDMARD: bsDMARD: ステロイド: 左を入力すると 右が表示される 悪化クラスタ 寛解クラスタ 今日のあなたのスコア 今日のあなたの状態変動性スコア(エネルギー) 状態番号:24 エネルギー: 1.35 状態番号:24 エネルギー: 1.35 変動性高! 寛解可能性あり! 治療をがんばりましょう! 疾患活動性小:良い状態(-1)
  19. 22 結論 • 患者の状態の良・悪に加 え、状態変動性を評価す ることで、治療経過全体に わたる治療計画最適化の 可能性が示唆された • 本研究がリアルワールド

    データ活用による個別化 医療の発展に寄与するこ とを期待する https://www.asakura.co.jp/detail.php?book_code=12286 ヘルスデータサイエンス学会 第2回学術集会 2023年12月2日(土) @京都大学芝蘭会館 SAVE the DATE ! 「インフォメーション・ダイバーシティ: 豊かな 多元性から生まれる新しい可能性」 ポスター演題募集開始!