SRE NEXT 2025.7.11
アンケート満足度 Average 4.75 (max 5点) いただきました。
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組織が大きくなるにつれて、「誰が何をしているのかわからない」「困ったとき誰に連絡すればいいのかわからない」という問題が増えてきます。マネーフォワードでは60を超えるプロダクトを持つ組織として、この複雑性に日々向き合っています。特に互いのチームが連携して開発している組織では、チーム間のコミュニケーションフローが複雑化し、情報の分断が顕著になってきました。
本発表では、SREチームが取り組んだチームAPIとBackstageを活用した組織の可視化基盤構築について紹介します。弊社では、このBackstageはインシデント発生時に責任者や関係性を素早く理解するためにもともと導入されていたものです。
今回私たちが特に注力したのは、このBackstageにおける情報登録障壁の軽減と、チームAPIを使った他チームに公開すべき情報の整理です。
多くの開発者にとってYAML編集は煩雑で、レイアウトやパラメータの把握だけでも意外に時間がかかります。そのチームの情報は登録されなければ効果を発揮しないため、まずはそのハードルを下げるためにBackstageテンプレートを実装しました。この実装によって開発者がYAMLを書かなくても必要な情報を登録できる環境を整えることで、実際に使われやすい仕組みへと進化させました。
その結果、チームとシステムの関係を1:Nで表現できるようになり、組織の複雑な関係を理解が容易になりました。
この発表では、チームトポロジーのチームAPIに触れつつ、Backstageテンプレートの実装における技術的なTipsや、チームAPIをどのように利用したかという具体的な知見を共有します。
組織の複雑化に悩むマネージャー、開発者、SREの方々。また、今後複雑化することが予見される方々に向けて、今からできることはなにか?についてもお話します。
「誰が何の責任を持っているのかわからなくなってきた」という課題解決の第一歩として、実際に使われる仕組みづくりのヒントを持ち帰っていただけると幸いです。