Upgrade to Pro — share decks privately, control downloads, hide ads and more …

エージェンティックコマースってくると思いますか? / Do you think agent ...

Avatar for Yuki.Ozasa Yuki.Ozasa
August 01, 2026

エージェンティックコマースってくると思いますか? / Do you think agent commerce will become popular?

Date:2026.08.01 Saturday · 12:30 — 18:00
Place:Yokohama 岩崎学園情報科学専門学校・相鉄岩崎学園ビル5F
Edition:vol. 03
JP_Stripes 年次カンファレンス

Avatar for Yuki.Ozasa

Yuki.Ozasa

August 01, 2026

More Decks by Yuki.Ozasa

Other Decks in Business

Transcript

  1. INTRODUCTION 自己紹介 株式会社アンチパターン SaaS開発のためのコントロールプレーン「SaaSus Platform」を提 供 認証・テナント管理・課金・請求など、SaaSに共通して必要な機能を提供する プラットフォームを開発・運営しています。 小笹 佑京(Ozasa

    Yuki) 株式会社アンチパターン 代表取締役 CEO 兼 VPoE ソフトウェアエンジニア 2014年よりB2B SaaSの開発に従事、2019年7 月アンチパターン創業。B2B SaaS開発歴10年 以上。 AWS アドバンストティア サービスパートナー 2025年6月に「SaaS コンピテンシー」認定を取得。 ソフトウェア作って売って経営してをやってます SaaSの技術的知見を日本のエンジニアコミュニティに広げるようにコミュニテ ィへの参画もしております。 登壇歴:AWS Summit Japan 2025 ほか © 2026 Anti-Pattern Inc.
  2. SECTION 1 エージェンティックコマースとは AIエージェントが人に代わって商品を発見・比較し、決済まで完了する新しいコマースの形 買い手(人) AIエージェント 事業者 決済プロバイダー やりたいことを伝え 最終承認だけ行う

    ChatGPT / Claude など 探す・比較する・買う EC / SaaS / コンテンツなど エージェント経由で販売 Stripe など 安全に決済情報を仲介 この「共通規格」がすでに標準化されつつある Agentic Commerce Protocol(ACP) =Stripe・OpenAI・Meta が共同策定したオープン標準(Apache 2.0) 2026年2月、ChatGPTの「Instant Checkout」として米国で稼働開始。Etsy・Shopify(100万加盟店超)が対応 Visa(Intelligent Commerce)・Mastercard(Agent Pay)などカードネットワーク側も対応を表明。x402とかも。 © 2026 Anti-Pattern Inc.
  3. SECTION 2 エージェントは、もうインフラを「契約」している エージェントがアプリを0から作るとき、DBやホスティングのサインアップまで自動で行う Supabase(BaaS / Postgres) Cloudflare(エッジ / Workers)

    新規DBの60%以上をAIエージェントが作成 Lovable・Bolt・Claude Code 等が既定のバックエンド。 DB作成数は前年比+600% ✓ FY2025 Q4。AIエージェント由来のトラフィック増 がWorkers等の需要を牽引 $170M ✓ $30M ✓ 2025年 リクエストの約10%がエージェント由来 全ネットワークの2026年3月時点。前年比+60%で 増加中 $101M 2024年末 売上 $614.5M(+34% YoY) 2026年5月 Workers AI 推論 +4,000% YoY エージェントが作るアプリの実行基盤としても伸長 ARR(年間経常収益)の推移 ※Sacra推計 出典:Sacra “Supabase at $170M/year” (2026/5)、Cloudflare Q4 FY2025 決算発表、Cloudflare Blog (2026/3) © 2026 Anti-Pattern Inc.
  4. SECTION 3 ソフトウェアがソフトウェアを組み立てるのは、昔からある 例:Amazon RDS は、内部的に Amazon EC2 などのリソースを調達して組み立てられている AWS

    Cloud DB作成を依頼 Amazon RDS(マネージドサービスのソフトウェア) プロビジョニング / パッチ適用 / バックアップ / フェイルオーバーを自動実行 開発者 (利用者) Amazon EC2 Amazon EBS Amazon S3 コンピューティング (DBが動くインスタンス) ブロックストレージ (データ本体) オブジェクトストレージ (自動バックアップ先) ※内部構成は説明のための簡略図です AWSの中で完結しているから見えないだけ。これが組織の境界を越えるのがエージェンティックコマース © 2026 Anti-Pattern Inc.
  5. SECTION 4 各社の対応① Stripe:「つなぐ・売る・払う」を標準化 つなぐ Agentic Commerce Protocol 売る 払う

    Agentic Commerce Suite Issuing for agents / Link OpenAI・Meta と共同で 策定したオープン標準 単一の統合で、複数の AIエージェントを横断して販売 エージェントに単回利用の 仮想カードを発行 (Apache 2.0) (2025年12月発表) (2026年4月 Sessions) ChatGPT「Instant Checkout」 を駆動。エージェントと ローコード導入。 Shared Payment Token で 支出上限・リアルタイム承認・ 取引の完全な可視化を 事業者の共通言語に 決済情報を安全に受け渡し カード層で強制 標準(プロトコル)と実装(Suite・カード発行)を両方押さえにいっているのがポイント © 2026 Anti-Pattern Inc.
  6. SECTION 4 各社の対応② AWS Marketplace:調達の入口が変わる AI Agents & Tools カテゴリ

    2025年7月 AIエージェントやツールを売買できる専用カテゴリを新設。MCP / A2A 対応を明示でき、 Amazon Bedrock AgentCore と連携してデプロイまで直結 Agent mode + AI検索 2025年11月 会話型の調達体験。要件文書をアップロードすると、30,000超のリスティングから比較表と購買 提案書を生成。そのまま購入を起案できる AWS Marketplace MCPサーバー 同時提供 Claude など好みのAIアプリからAWS Marketplaceの検索・比較・購入を実行。「エージェント の中に調達が入ってくる」段階へ 調達プラットフォーム側も「AIが探し、比較し、購買を起案する」前提に作り替え始めている © 2026 Anti-Pattern Inc.
  7. SECTION 5 日本で「エージェントが買う」を阻む3つの現実 1 2 3 購買側の厳しいルール 製造業型の調達プロセス 開発者に決裁権がない 与信・反社チェック、

    相見積 → 稟議 → 使う人(開発者)と セキュリティチェックシート、 発注書 → 検収。 買う人(購買・情シス)が 利用規約の法務審査… SaaSも同じレールに乗りがち 組織的に分離 「買う前の審査」が重く、 月額数千円のツールの購入に エージェントに委任する以前に 即時決済の設計と 数週間かかることも そもそも人にも 根本的に相性が悪い 委任されていない ただし、ルールが明文化できれば、AIへのガードレールができるということでもある(はず) © 2026 Anti-Pattern Inc.
  8. SECTION 6 ガードレールを敷けば、購買は自動化できる ルール化するもの 実装はすでに存在する Shared Payment Token(Stripe) 予算 1回・月あたりの金額上限

    購買先 許可リスト(審査済みのみ) 目的 カテゴリ制限(開発ツール等) 単回利用・上限・加盟店制限つき。上限超過はカード層で自動 的に拒否される 期限 有効期間・いつでも失効可能 Forrester予測:2026年中に5社に1社の売り手が、AIバイヤ ーからの自動見積り要求への対応を迫られる 金額・対象事業者・期限をスコープ化した決済トークン。いつ でも失効できる エージェント向け仮想カード そのとき鍵になるのは「調達先ソフトウェアの信頼性」 npmの大規模侵害(2025年)などサプライチェーン攻撃は増加中。エージェントが買う時代、信頼性の証明は「選 ばれる条件」としてコード化されていく © 2026 Anti-Pattern Inc.