Upgrade to Pro — share decks privately, control downloads, hide ads and more …

第4回経済的な合理性とは

Avatar for Panachemical Panachemical
June 16, 2025
3

 第4回経済的な合理性とは

Avatar for Panachemical

Panachemical

June 16, 2025
Tweet

Transcript

  1. 資源プラ基礎講座 「 経 済 的 な 合 理 性 」

    と は ? 第4回 資 源 プ ラ の 成 立 要 件
  2. 第1回 「資源プラ」という挑戦! 第2回 「資源プラ」とは? 第3回 「資源プラ」と「廃プラ」の住み分け 第4回 資源プラの成立要件「経済的な合理性」とは? 第5回 資源プラの成立要件「技術的な妥当性」とは?

    第6回 「資源プラ」成功のカギ、それは「潔さ」! 第7回 資源プラのトップランナー「J―EPSrecycling」から学ぶ! 第8回 資源プラ物流の“血液”、それは「お金」と「情報」! 第9回 資源プラ製造の担う「ヒト」の在り方 第10回 資源プラが切り拓くプラスチックリサイクルの未来 •本講座のスケジュール
  3. 価 格 廃プラスチック(再生可能なもの) プラスチック原料(バージン材) 再生プラスチック原料(資源プラ由来) 0 廃プラスチック(再生不可能なもの) 有 償 取

    引 が 可 能 → 市 場 が 形 成 さ れ る 処 理 料 金 資源プラスチック(資源プラ) 再生プラスチック原料(廃プラ由来) (1)高品質(異物、物性) (2)品質の安定性 (3)環境調和性 (4)履歴の健全性 (1)異物や汚れが・・・ (2)品質が不安定で・・・ (3)履歴が不安です・・・ (4)環境に調和してる? プラ原料市場における 「資源プラ」という “グレード”の確立! 公正な市場取引での品質 に基づく戦略的な住み分け” •まずは、前回の“おさらい”から 資源プラである事が取引上の大きな価値!
  4. •資源プラを成功に導いた2つの“必須要件” (自律的で自立的な事業) (オーバースペックの回避) 経 済 的 な 合 理 性

    技 術 的 な 妥 当 性 持続可能なプラスチックのリサイクルビジネスモデルの確立! プラスチックリサイクルが持続的な事業として成立するためには? 事業の持続性を担保 適切な技術スペックの選択 “潔く”安定性と持続性を判断! プラスチックのリサイクルが、「安定」かつ「持続的」な事業として成 立するためには、「経済的な合理性」と「技術的な妥当性」の双方の 要件を“同時”に満たす必要がある!
  5. プラスチックのリサイクル ①有価物の状態に戻す ②ある目的に再度活用する 「有価取引」という経済活動を通じてリサイクルシステムを「持続的」に維持! •大切なのはリサイクル事業における“持続性“ 事業を持続的に維持する為には、「ビジネス(商取引)」という形態が絶対有利! 「事業」の範囲はビジネス(商取引) に 限 定

    さ れ る 訳 で は な い が 、 「持続性」や「潔さ」という観点から見ると・・・ 2つの視点(資源プラの成立要件)で「事業の持続性」を“潔く”判断! 潔さを追求したビジネスモデル! 「経済的な合理性」 「技術的な妥当性」
  6. •リサイクルの持続性を考慮するための基準 3.処理の目的に適う技術なのか?(技術的な妥当性) 1.処理物の用途はあるのか?(明確な出口戦略) 2.ビジネスとして成立するのか?(経済的な合理性) (1)「廃棄物処理の3原則(環境衛生)」 + 「資源化」 の視点 (1)コスト評価(イニシャルコストとランニングコスト) (2)処理物の有価買取における「対価性」の明確化が可能か?

    処理物の「市場流通性」の確立が全ての出発点! 4.本当に環境に調和した手法であるのか?(環境調和性) (2)「ヒトが技術を使いこなす」モデルの確立 (1)リサイクルによる資源の有効利用や省エネへの貢献が可能か? (2)処理に伴って発生する環境負荷の適切な管理は可能か?
  7. プレコンシューマー品由来 (成形端材、オフグレード品など) ポストプレコンシューマー品由来 (単一素材が多量に発生) ポストプレコンシューマー品由来 (複数の素材が混ざって発生) ひとくちに「プラスチック廃棄物」といいましても、色んなものがありまして・・・ このままの状態で資源プラ 適切な処理後に資源プラ 資源プラ化は難しい

    素材の単一性を確保し易い 素材の単一性を確保可能 素材の単一性を確保しにくい •インプットとアウトプットのバランスがとても重要! 投入した手間やコストに見合うだけの「品質」を有する処理物が得られる事が、 安定で持続的な資源プラ製造ビジネスモデルの構築に不可欠の要件となる!
  8. •なぜ「経済の原則」が重要なのか? 安定で持続的なプラスチックリサイクルシステムの構成要件は、 1.自律的で自立的なビジネスモデル 2.適切なスペックの技術や装置の運用 → ヒトが技術や装置を使いこなすために必要! → 経済システムの中で主体的に活動するために必要! 自律的 :

    世間の一時的な風潮に流される事無く、自らの意思で 主体的に事業を担う事 自立的 : 事業を担うために必要な資金を助成金や補助金など に過度に依存せず、事業者自らの差配と責任で経営 資源を計画的に調達して事業を担う事
  9. 異物除去 使用済みEPS製魚箱 ポリスチレン(PS)インゴット 検 品 家電躯体 日用雑貨品 文具・玩具 工業原料 機能性材料

    出 荷 梱 包 出荷前のPSインゴット(資源プラ) 摩擦熱利用 粗 破 砕 ペレタイズ 単純再生ペレット 複合再生ペレット 成 形 単純再生 PSインゴット粗破砕物 ペレタイズ 複合再生 減容処理 •資源プラの成功例 : J-EPS recycling 用途の多様性 カスケード リサイクル
  10. •公正な市場取引に委ねる理由は? 1.「品質」を取引指標とするため、高品質である程、評価が高くなる! → 品質に優れる処理物(資源プラ)を製造した方が儲かっちゃう! (「処理」から「製造」への転換) → 高品質の資源プラは、市場での取引の幅が広がる! 「 経 済

    的 な 合 理 性 」 に 基 づ く 「 公 正 な 市 場 取 引 」 が 、 「 法 制 度 や 法 規 制 の 限 界 」 を 補 完 し て い る ! 2.不適正な処理に由来する低品質なプラスチック廃棄物の処理物は、 取引市場での評価が得られず、 “自ずと”市場取引から排除される! → 「新たなユーザーの獲得」 と 「資源プラという工業製品のブランドの確立」 → (1)悪質業者の排除 (2)発泡ポリスチレンの「ヒトの社会での資源循環の輪への取り込み」が可能に! → 経済的なシステムによるJ-EPS recyclingモデルの環境調和性の確立!
  11. •資源プラ製造型リサイクルビジネスの大きなメリット 資源プラの有価物としての市場取引が、結果として、不適正処理を防ぐ! 排出事業者 中間処理業者 最終処分業者 廃棄物 廃棄物 中間処理委託料金 最終処分委託料金 1.通常の廃棄物処理における「モノ」と「カネ」の流れ

    「モノ」と「カネ」が同じ方向に動いていく! ➞ 不適正処理、不法投棄した方が儲かる! 2.資源プラ製造販売型ビジネスモデル : 公正な市場取引による「対価性」の確立 有価物売買契約では「モノ」と「カネ」が逆に動いていく! ➞ 適正に処理した方が儲かる! 有価物(資源プラ) 廃棄物 中間処理 委託料金 資源プラ売却益 再生業者 (中間処理業者) ㈱パナ・ケミカル 排出事業者 有価物(資源プラ) 資源プラ売却益 資源プラ売却益 廃棄物処理料金 (1)品質(異物・汚れの程度) (2)市況 (3)需給動向 (1)処理コスト (2)処理の難易度 (3)社会動向、規制