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20231213_スタートアップにおけるソフトウェアアーキテクチャの運用・維持について

 20231213_スタートアップにおけるソフトウェアアーキテクチャの運用・維持について

2023/12/13
Backend Night 〜アーキテクチャ設計編〜
https://yojo.connpass.com/event/303072/
PharmaX 尾崎のLT資料です

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Transcript

  1. (C)PharmaX Inc. 2023 All Rights Reserve 2 自己紹介 尾崎皓一 PharmaX

    (旧YOJO Technologies) エンジニアリーダ 2人目のエンジニア正社員としてジョイン 最近はあまりコード書いてないですが、 PharmaXの歴史を 知る古参メンバーとして今日は色々お話しできれば! Twitter:@FooOzaki
  2. (C)PharmaX Inc. 2023 All Rights Reserve 6 LINE上でのチャットを通じて薬剤師と会話 日々の相談や健康状態に応じて、 漢方・サプリメントを購入

    使い慣れたUI上から手軽に細かく体質チェック 薬剤師から漢方・サプリのご提案 そのほか健康相談やオンラインでの処方箋受付 YOJOのオペレーションシステム 1 2 3 患者向けチャットシステム
  3. (C)PharmaX Inc. 2023 All Rights Reserve 9 YOJO サービス開始 ソフトウェアリアーキテクチャ着手

    アーキテクチャ設計者退職 リアーキテクチャ完了 Rails x レイヤ化アーキテクチャ 〜エンジニア4名〜5名体制で運用〜 最小チームで開発(薬局DX事業へ異動) 〜エンジニア1名〜2名体制で1年間運用〜 YOJO事業エンジニアチーム再組成 YOJO事業のグロースとリアーキテクチャ 2019年06月 2021年01月 2021年05月 2021年09月 2022年09月 2023年08月 ユーザ数の遷移
  4. (C)PharmaX Inc. 2023 All Rights Reserve 10 Ruby On Rails

    x レイヤ化アーキテクチャ導入 • 当初はRails標準のMVCで運用 ◦ コーディング規約やフレームワーク ルール運用ルールもなく、モデルも 肥大化 • コアドメインのリモデリングがきっかけに ドメイン駆動設計(DDD)を導入 • DDDと相性の良いレイヤ化アーキテク チャを選定 • (選定当時)制約の厳しいアーキテクチャ によりスキル感のばらつき・人の入れ替 わりを吸収したかった
  5. (C)PharmaX Inc. 2023 All Rights Reserve 11 YOJO サービス開始 リアーキテクチャ着手

    アーキテクチャ設計者退職 リアーキテクチャ完了 Rails x レイヤ化アーキテクチャ 〜エンジニア4名〜5名体制で運用〜 最小チームで開発(薬局DX事業へ異動) 〜エンジニア1名〜2名体制で1年間運用〜 YOJO事業エンジニアチーム再組成 YOJO事業の歴史 2019年06月 2021年01月 2021年05月 2021年09月 2022年09月 2023年08月
  6. (C)PharmaX Inc. 2023 All Rights Reserve 12 アーキテクチャ設計・導入初期の問題 ソフトウェアアーキテクチャスタイルの初期定義と共にコアドメインを置き換え ソフトウェアアーキテクチャ定義の議論中に設計者が離脱し、問題が山積み

    • 各レイヤーの設計思想や責務に曖昧な部分があり、議論がまとまらない ◦ バックグラウンドジョブの呼び出しは?実装はどこに? ◦ 通知系の処理はどこから(メール通知、 LINE通知、Slack通知など) ◦ xxxのケースを共通利用したい • メンバーの入れ替わりもあり、コアドメインリプレース時にも解釈が分かれる ◦ 各メンバーの解像度も浅く、各々の解釈でコードが書かれる ◦ レビュー後の手戻り多発 ◦ リプレースの最中に新規コードのリファクタリングが走る
  7. (C)PharmaX Inc. 2023 All Rights Reserve 13 YOJO サービス開始 リアーキテクチャ着手

    アーキテクチャ設計者退職 リアーキテクチャ完了 Rails x レイヤ化アーキテクチャ 〜エンジニア4名〜5名体制で運用〜 最小チームで開発(薬局DX事業へ異動) 〜エンジニア1名〜2名体制で1年間運用〜 YOJO事業エンジニアチーム再組成 YOJO事業の歴史 2019年06月 2021年01月 2021年05月 2021年09月 2022年09月 2023年08月
  8. (C)PharmaX Inc. 2023 All Rights Reserve 14 ソフトウェアアーキテクチャの運用期の問題 人の入れ替わりも多く、徐々に歪みが大きくなっていく ソフトウェア以外の課題も大きくコアメンバーが工数を取れなかった

    • インフラリプレース(セキュリティ担保やスケーリング上の限界) • BI基盤の構築やデータの民主化(複数のグロース施作実行に伴い、素早い PDCAを) • 薬剤師管理画面フロントのリプレース(薬剤師の生産性が大きな事業課題に) などなど バックエンドソフトウェアは引き続き拡大 • 違和感があったものの、議論やアーキテクチャのアップデートはできておらず。(振り返ると)場 当たり的な対応も目立つ。大きな問題は出ないがソフトウェアは大きくなっていく
  9. (C)PharmaX Inc. 2023 All Rights Reserve 16 アーキテクチャ設計・導入初期の問題 ソフトウェアアーキテクチャスタイルの初期定義と共にコアドメインを置き換え ソフトウェアアーキテクチャ定義の議論中に設計者が離脱し、問題が山積み

    • 各レイヤーの設計思想や責務に曖昧な部分があり、議論がまとまらない ◦ バックグラウンドジョブの呼び出しは?実装はどこに? ◦ 通知系の処理はどこから(メール通知、 LINE通知、Slack通知など) ◦ xxxのケースを共通利用したい • メンバーの入れ替わりもあり、コアドメインリプレース時にも解釈が分かれる ◦ 各メンバーの解像度も浅く、各々の解釈でコードが書かれる ◦ レビュー後の手戻り多発 ◦ リプレースの最中に新規コードのリファクタリングが走る
  10. (C)PharmaX Inc. 2023 All Rights Reserve 17 ソフトウェアアーキテクチャの定義のポイント WHY・アーキテクチャの根幹思想を明確に •

    今後の運用・アップデートの拠り所になる ◦ アーキテクチャ選定理由、解決したい課題や目標を明確に ◦ 基本的な設計原則や哲学 ◦ 各レイヤーの導入背景 など 迷わない定義 • スコープ範囲内での適切な運用、少なくとも既存のスコープ範囲においては新規メンバーでも 判断に迷わない状態を目指すべき ◦ DI(依存性注入)・DIP(依存性逆転の原則)などのテクニックを用いてアーキテクチャ制 約をコードで表現 ◦ 各レイヤーやディレクトリの責務を明確に ◦ 迷ったらアーキテクチャ/ドキュメントのアップデート議論のタイミング アーキテクチャに正解はない。常にアップデートしていくもの
  11. (C)PharmaX Inc. 2023 All Rights Reserve 18 ソフトウェアアーキテクチャの運用期の問題 人の入れ替わりも多く、徐々に歪みが大きくなっていく ソフトウェア以外の課題も大きくコアメンバーが工数を取れなかった

    • インフラリプレース(セキュリティ担保やスケーリング上の限界) • BI基盤の構築やデータの民主化(複数のグロース施作実行に伴い、素早い PDCAを) • 薬剤師管理画面フロントのリプレース(薬剤師の生産性が大きな事業課題に) などなど バックエンドソフトウェアは引き続き拡大 • 違和感があったものの、議論やアーキテクチャのアップデートはできておらず。(振り返ると)場 当たり的な対応も目立つ。大きな問題は出ないがソフトウェアは大きくなっていく
  12. (C)PharmaX Inc. 2023 All Rights Reserve 19 ソフトウェアアーキテクチャ運用のポイント 人の入れ替わりに耐えうる運用を設計を どんなにリソースがなくてもソフトウェアアーキテクチャを維持するロールは必要

    属人化しない仕組みの構築 • サンプルリポジトリを作成する • アーキテクチャに関するドキュメント • レビュープロセス、レビュー観点の定義 …etc 属人化排除は余力のあるうちにやっておく。これらも常にアップデートを。 アーキテクチャに正解はない。常にアップデートしていくもの