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ParkCourse_Machida_200609_1

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  1. 公 共 空 間 空間属性 (公物の種類) 道路 河川 公園 港湾

    広場 (ペデストリアンデッキ) (広場) 建築敷地内空地 想定される活⽤空間 歩道 ⾼⽔敷 公園全体 港湾緑地 広場 駅前広場・交通広場 など 公開空地・有効空地 公物管理法令 道路法 河川法 都市公園法 港湾法 なし 道路法 建築基準法総合設計制度 都市計画法特定街区 空間利⽤管理法令 道路交通法 ⾃由使⽤ ⼟地の形状変 更等のみ規定 都市公園条例 港湾緑地条例 等 広場条例等 道路交通法 なし (総合設計許可取扱要綱等) 関係法令 消防法・⽕災予防条例等 ⾷品衛⽣法・⾷品安全条例・臨時営業取扱要綱等 刑法・軽犯罪法 管理者 国 都道府県 市町村 国 都道府県 (市町村) (国) 都道府県 市町村 都道府県 市町村 (県) 市町村 国 都道府県 市町村 建築主 ⾯積等 (全国数値) 140万ha 135万ha 13万ha ?? 0.14万ha (広場39箇所39ha) (駅前広場2,947箇所1,051ha) (交通広場147箇所322ha) 例(東京都) 公開空地748箇所237ha 有効空地64街区3~40ha程度
  2. 公共空間利⽤の実際 道 路 道路網の整備を図るため路線の指定・認定、管理、構造、保全等に関する事項を定める「道路法」と道路における危険の防⽌・交通の安全と円滑・交通に起因する障 害の防⽌を⽬的とする「道路交通法」によって管理され、道路敷の利活⽤にあたっては、道路管理者である地⽅公共団体と交通管理者である警察署・公安委員会の両 ⽅からの許可が必要。「道路の構造⼜は交通に⽀障を及ぼす虞のある⼯作物、物件⼜は施設」の設置や「⼀般交通に著しい影響を及ぼすような通⾏の形態若しくは⽅ 法により道路を使⽤する⾏為⼜は道路に⼈が集まり⼀般交通に著しい影響を及ぼすような⾏為」は通常認められないので、道路の利活⽤のハードルは低くない。中活 法、都市再⽣法、国家戦略特区法により、「⾷事施設、購買施設その他これらに類する施設で道路の通⾏者⼜は利⽤者の利便の増進に資するもの」についての占⽤も 特例的に認められるとされているが、道路交通法に関しては別途協議が必要(特例はない)となる。第201国会において道路法が改正され「歩⾏者利便増進道路指定 制度」が創設、今後、公募による「公募対象歩⾏者利便増進施設等」の占⽤が許可(購買施設や広告塔等、最⻑20年)されることとなる。

    河 川 空間の使⽤という意味においては、河川法で管理される、⾃然公物である河川の区域は「河川が適正に利⽤され、流⽔の正常な機能が維持され、及び河川環境の整備 と保全がされる」限り「⾃由使⽤」が原則である。ただし、流況に影響を及ぼす、「⼟地の掘削、盛⼟若しくは切⼟その他⼟地の形状を変更する⾏為⼜は⽵⽊の栽植 若しくは伐採」には河川管理者の許可が必要であり、⼯作物の設置等を⾏うには⼟地の占⽤許可が必要となる。占⽤については許可に係る基準等を定めた「河川敷地 占⽤許可準則」があり、2011年の改正により、河川管理者が指定する「都市・地域再⽣等利⽤区域」の中においては、広場や イベント施設等及びこれらと⼀体と なった飲⾷店、売店、オープンカフェ等の占⽤も可能となった。空間の利活⽤を進めるムーブメントとして「かわまちづくり」、「MIZUBERING」などがあり、「か わまちづくり」については、「かわまちづくり」⽀援制度実施要綱にもとづき河川管理者による「ソフト施策」、「ハード施策」が講じられる。敷地としては「⾃由 使⽤」が原則であり、ムーブメントは盛んだが、空間の使⽤に伴い必要となる施設・設備の設置ということになると、ハードルは低くない。また、河川区域(特に⾼ ⽔敷)でイベント等を⾏う場合、河川の流況が安定している時期と出⽔期(⼀般的に6⽉~10⽉頃)では、河川管理者の対応は異なってくる。梅⾬や台⾵の時期は集中 して降⾬が想定されるため、⾼⽔敷に⽔が乗る確率が⾼くなるため、こうした中ではイベント等を容易に認める(正確にはイベント等に伴う施設・設備等の設置が認 められない:⾏為そのものは⾃由使⽤であるから)ことは出来なくなるということを前提に、河川空間の利活⽤を考えるべきである。 公 園 実態として公園制度が始まった当初より⺠間の飲⾷・宿泊施設等が区域内に存在した都市公園には、法制定当時から、公園管理者以外の者による公園施設の設置管理 許可制度及び他の公物管理法と同様の占⽤許可制度が存在し、明治時代から⺠間の料亭やレストランが存在する。2017年の都市公園法の改正により、設置管理許可制 度をつかったPark-PFI制度が始まり、⺠間の収益施設の設置が積極的に⾏われるようになった。イベント等の⾏為の許可については、地⽅公共団体の条例で定められ ており⼀般的に⾸⻑の許可の対象となっているが、ごく希にイベントを許可の対象にしていない条例も⾒られる。許可の対象となってはいるものの、管理者の裁量に より許可されないことも多い。禁⽌⾏為(条例による)が多いことも社会問題となっている。2017年の法改正により、保育所等の社会福祉施設が公園の占⽤物件とし て追加されている。道路や河川と違って、指定管理者制度が普及しており、イベント等の⾏為の許可等の公権⼒⾏使が指定管理者に下りていることも少なくない。 港 湾 緑 地 港湾法で定められる「港湾区域」(⽔域)、「港湾隣接地域」の他、都市計画法、港湾法で定められる「臨港地区」などの区域の概念があるが、⼀般的に利活⽤の対 象となり得る空間は、港湾法に定められる「港湾施設」のうちの「港湾環境整備施設」(海浜、緑地、広場、植栽、休憩所その他の港湾の環境の整備のための施設) であり、⼀般的に「港湾緑地」と呼ばれる空間である。港湾法で定められている禁⽌⾏為、⾏為の届出等は、船舶等の放置や⽔域施設の建設などが対象であり、⼀般 的な利活⽤の対象となる港湾施設(港湾緑地を含む)の使⽤や占⽤、⼯作物の設置、⾏為の禁⽌・制限等については、地⽅公共団体の港湾施設条例、港湾緑地条例等 により定められている。これらの内容は港湾管理者(地⽅公共団体等)の考えによりまちまちであり、積極的な利活⽤を想定しているもの、テニスコートの使⽤等し か想定していないもの、物品販売の可否、催しのための広場の⼀部・全部の独占利⽤などの可否なども様々である。 広 場 ペ デ ス ト リ ア ン デ ( キ 都市計画法の都市施設には「広場」があるが、公物としてこれを管理するための法律はなく、地⽅⾃治法上の「公の施設」として地⽅公共団体の条例によって管理さ れているほか、他法令、例えば道路法の道路、都市公園法の公園として管理されていることも多い。また、いわゆる駅前広場や交通広場など、鉄道事業者等が所有の ⼟地と地⽅公共団体の⼟地にまたがったている広場も多く、100%鉄道事業者等の管理、100%地⽅公共団体の管理、共同で管理、鉄道事業者等の所有地も含めて地⽅ 公共団体体管理など、管理の形態もまちまちであるが、全体としては、地⽅公共団体の条例によって管理されている例が多い。道路法の道路として管理されている場 合は、道路法、道路交通法がかかっているため、多様な利活⽤を図ることは容易ではない。地⽅公共団体の広場条例は内容はまちまちであるものの、⾏為・占⽤の許 可等、都市公園条例と類似の内容となっていることが多い。近年は公⺠連携等⺠間による積極的な利⽤を想定し、これに応じた使⽤料を設定等している例も出始めて いる。ペデストリアンデッキも⺠間の建築敷地、道路等にまたがる建築物であり、道路との関係で⾔えば、道路の占⽤物件として、また、⽴体道路として道路法、道 路交通法の適⽤を受けることが多く、⼀般的に積極的な利活⽤のハードルは⾼い。近年は、道路区域から除外し、条例により管理し、積極的な利活⽤を推進する例が 出始めている。 建 築 敷 地 公 開 空 地 等 公開空地等は、建築基準法の総合設計制度、都市計画法の特定街区により創出される建築敷地内の空地であり、歩⾏者が⽇常⾃由な通⾏⼜は利⽤などに供される広く ⼀般に開放された空地である。⺠有の建築敷地ではあるものの、容積率、⾼さ制限、斜線制限などを緩和の前提となっている公的な意味づけの⼤きな空地ということ もあり、⻑期にわたる常設的な使⽤はできないが、市街地の活性化策としてイベントや祭りの開催時等に⼀時的に占⽤し、物販等を⾏うなどの活⽤については、利活 ⽤及び利活⽤に伴う⼯作物等の設置等について特定⾏政庁*が、総合設計許可取扱要綱の中で定めている場合もあるが、敷地の所有者の裁量で⾏うことができる。 *建築主事(建築基準法に基づく建築確認をする⾏政官)を置く市町村区域では当該市町村⻑、その他の区域では都道府県知事