Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Sign up for free
Menu
Search
Features
All features
Private URLs
Password Protection
Custom URLS
Scheduled publishing
Remove Branding
Restrict embedding
Deck Collections
Notes
Features
All features
Private URLs
Password Protection
Custom URLS
Scheduled publishing
Remove Branding
Restrict embedding
Deck Collections
Notes
Explore
Featured decks
Featured speakers
Programming
Technology
Storyboards
Explore
Featured decks
Featured speakers
Programming
Technology
Storyboards
Pricing
Search
Sign in
Sign up for free
「顧客の声を聞かなければ何も始まらない」 ── 顧客の声から生まれた『AI返信補助機能』の開発...
Search
Rakus_Dev
July 20, 2026
Technology
1.4k
1
Share
Embed
Copy iframe code
Copy JS code
Copy link
Start on current slide
「顧客の声を聞かなければ何も始まらない」 ── 顧客の声から生まれた『AI返信補助機能』の開発プロセス / AICon2026_shikata_imai
Rakus_Dev
July 20, 2026
More Decks by Rakus_Dev
See All by Rakus_Dev
エンジニアが「なぜ作るか」を知っている組織は、速い
rakus_dev
1
650
複数プロダクト組織のAIネイティブ化における戦略 / AICon2026_kude
rakus_dev
0
1.1k
伝票作成AIエージェントを支える、LLMOpsとインフラの選択肢 / AICon2026_takeda
rakus_dev
0
1.4k
複数プロダクトで進めるAI機能実装 ── 実践から得たリアルな学びとロードマップ実現への挑戦 / AICon2026_yanari
rakus_dev
1
1k
仕様駆動開発、導入半年。「本当に速くなってるの?」にデータで答える / AICon2026_hirakawa
rakus_dev
1
2.9k
「早く出す」より「事業に効く」 ── 顧客の業務サイクルから逆算するAI時代の二重ループ開発と「変化の設計者」 / devsumi2026
rakus_dev
1
1.3k
螺旋型キャリアの生存戦略 / kinoko-conf2026
rakus_dev
1
4k
AIで久々にコードを書いたらエンジニアへの依頼が"増えた" ── 元エンジニアのPdMの話 / Using AI to Code Again After a Long Break Increased My Requests to Engineers: Insights from a Former Engineer PdM
rakus_dev
0
630
主体的に活躍する内製QA組織の作り方と組織文化の醸成 / How to Build a Proactive In-house QA Organization and Foster Its Culture
rakus_dev
0
360
Other Decks in Technology
See All in Technology
転んだ話が背中を預ける理由になる / A_story_about_falling_down_gives_you_a_reason_to_watch_each_other_s_backs.pdf
pauli
3
310
インバスケット試験対策アプリを 作って見えたAIエージェント構築 ナレッジ2選
shichijoyuhi
1
130
SREでアラート疲れを 解決しよう!
kairim0
1
200
使いこなすために知っておきたい Azure SRE Agent アンチパターン
torumakabe
2
400
ファミコンでPHPを動かす / PHP on the Famicom side b
tomzoh
0
140
AI 時代の Azure エンジニアリング ~ 私たちは何を磨き、何を任せるのか ~
chack411
1
510
React Nativeでの OTA Updateって、 どう説明する?
ichiki1023
0
150
メルペイ 会計システム概要と歴史
mewuto
0
180
Lambda MicroVMsが分からなすぎたので使い所を1から考えてみた
tsukuboshi
2
420
[2026 Oracle Technical Deep Dive] オンプレミスDBのCloud移行アプローチ:移行計画に基づくメソッドとツールの選択 (2026年9月17日開催)
oracle4engineer
PRO
0
150
1万名の社員が使う認証基盤で どう信頼性を担保するか?
kairim0
0
210
並行性の問題を防げ!実践トランザクション入門
occhi
0
280
Featured
See All Featured
Navigating Team Friction
lara
192
16k
Designing Dashboards & Data Visualisations in Web Apps
destraynor
232
55k
Claude Code どこまでも/ Claude Code Everywhere
nwiizo
68
58k
Digital Projects Gone Horribly Wrong (And the UX Pros Who Still Save the Day) - Dean Schuster
uxyall
1
3.3k
A designer walks into a library…
pauljervisheath
211
25k
First, design no harm
axbom
PRO
2
1.3k
Leo the Paperboy
mayatellez
10
2.3k
Automating Front-end Workflow
addyosmani
1369
210k
Creating an realtime collaboration tool: Agile Flush - .NET Oxford
marcduiker
35
2.6k
Discover your Explorer Soul
emna__ayadi
2
1.3k
The Myth of the Modular Monolith - Day 2 Keynote - Rails World 2024
eileencodes
28
3.7k
B2B Lead Gen: Tactics, Traps & Triumph
marketingsoph
0
260
Transcript
2026/7/15 #RAKUSMeetup 「顧客の声を聞かなければ何も始まらない」 顧客の声から⽣まれた 『AIメールアシスタント機能』の開発プロセス 株式会社ラクス 開発本部 楽楽⾃動応対AI開発課 四⽅ ⼤輔
/ 今井 陸⽃ © RAKUS Co., Ltd.
はじめに|⾃⼰紹介 ⾃⼰紹介 四⽅ ⼤輔 今井 陸⽃ 楽楽⾃動応対AI開発課 楽楽⾃動応対AI開発課 担当:本セッション前半(開発の出発点〜⽅針転換) 担当:本セッション後半(AIネイティブ開発プロセス)
経歴:2017年新卒でラクス⼊社 経歴:2025年ラクス⼊社。前職でWeb系の 受託開発を5年経験。 ひとこと:10年近く楽楽⾃動応対を開発しています ひとこと:初の社外カンファレンス登壇です #RAKUSMeetup © RAKUS Co., Ltd. 2
はじめに|アジェンダ アジェンダ 前半 良かれと思った「⾃動⽣成」のつまずき 四⽅ ⽬標精度は達成、しかし使われない。原因を探り、顧客起点への⽅針転換にたどり着くまで。 後半 今井 #RAKUSMeetup 正解がない中、顧客が本当に求めている機能を⾒つけ出すAIネイティブ開発
「超速PoC」で候補機能を載せ切って、顧客に動くものを⾒せる。 そこから得られる本⾳を元に、本当に必要な機能とターゲットを絞り込むまで。 © RAKUS Co., Ltd. 3
はじめに 『楽楽⾃動応対』とは メールでの問い合わせ応対業務を⽀援するクラウドサービス 問い合わせメールをチームで⼀元管理(対応状 況‧担当者の⾒える化) 過去の応対情報をナレッジ資産として再活⽤し、 応対を効率化 主な利⽤者:カスタマーサポートなど、⽇々多く の問い合わせメールに対応する現場の担当者 #RAKUSMeetup
© RAKUS Co., Ltd. 4
01 出発点 2025年10⽉、メール作成エージェント機能をリリース 狙いは「メール作成にかかる時間を極⼩化し、業務を楽にする」 受信メール 問い合わせ本⽂ → AI が読み取り 過去の送信メール(ナレッジ)を参照
→ 返信⽂案を⾃動⽣成 ワンクリックで下書き 受信メール本⽂をAIが読み取り、過去の送信メール(ナレッジ)を参照して返信⽂案を⾃動⽣ 成 #RAKUSMeetup © RAKUS Co., Ltd. 5
02 つまずき 悪くない、でも使われない ── 原因不明の半年 リリース前の精度検証 本番環境での利⽤率 ⽬標達成 低迷 ⽬標精度は担保できていた
事業部から「“コレじゃない”感」 LLMのトレースの仕組みを⽤意しておらず、本番でどんな⽣成が起きているかが⾒えない ブラックボックス状態 改善の⽷⼝を掴めないまま、半年間が経過 #RAKUSMeetup © RAKUS Co., Ltd. 6
03 転機 直接ヒアリングで判明した「不都合な真実」 トレースの仕組みはすぐには⽤意できない。ならば、まずユーザーに直接聞いてみよう “ 開発側が、現場のメール応対業務プロセスを 真に理解できていなかった ” 仕組みの前に、まず現場を知る。顧客の声を直接聞くことが突破⼝になった。 #RAKUSMeetup
© RAKUS Co., Ltd. 7
03 転機 業務フロー解剖 ── 増やしてしまった「確認の⼿間」 メール確認 → アサイン → 作成
AIが⾃動⽣成 → レビュー → 送信 ⾃動⽣成の導⼊後も、「作成」以外の⼯程(確認‧アサイン‧レビュー)は不変 変化点:AIが作った返信⽂が正しいか確認‧修正する⼿間が増えた 楽にしたつもりが、かえって現場の業務負荷を増⼤させていた #RAKUSMeetup © RAKUS Co., Ltd. 8
04 学びと再出発 ユーザーは「本⽂の⾃動⽣成」を求めていなかった AIへの不信感、回答根拠の不透明さから、いきなりの本⽂⽣成は現場に受け⼊れられない 「ビジネスメール実態調査2026」の傾向とも合致(市場トレンドとの⼀致) “ 顧客の声を聞かなければ、何も始まらなかった ” 出典:「ビジネスメール実態調査2026」(⼀般社団法⼈⽇本ビジネスメール協会) https://businessmail.or.jp/research/2026-result/
#RAKUSMeetup © RAKUS Co., Ltd. 9
04 学びと再出発 ⽅向転換 ── 材料を先に⾒せる『AIメールアシスタント機能』へ BEFORE いきなり本⽂を⾃動⽣成する AFTER:プランモード → 作成に必要な“材料”を先に⾒せる
(要約 / 類似の過去問い合わせ / テンプレート) 狙い:⽣成前の段階で⽅針と根拠を提⽰し、ユーザーの納得感と安⼼感を担保 直⾯した壁:必要な機能やUI/UXの「正解」が誰にもわからない ── 議論では決められない → “正解”を⾒つけるために、再び顧客に訊く。 #RAKUSMeetup © RAKUS Co., Ltd. 10
05 プロセスのAIネイティブ化 正解不明を突破する ── プロセスのAIネイティブ化 BEFORE AFTER → 仕様書で議論して合意 →
作ったら「なんか違う」が繰り返される 動くものを⾒ながら仕様を決める 今までのやり⽅を捨てて、開発プロセス⾃体を作り替えた 環境変化:コーディングの⼤半をAIに任せられる時代 ── "書くコスト"が激減したから可能に 議論の⼟台を「ドキュメント」から「動くもの」へ #RAKUSMeetup © RAKUS Co., Ltd. 11
05 プロセスのAIネイティブ化 Claude Code × バイブコーディングによる超速PoC構築 STEP 1 仮説⽴案 仮説が⽴った瞬間に着⼿
STEP 2 → Claude Code で爆速実装 数時間〜1⽇でPoC作成 STEP 3 → 即‧実機デモ 顧客に判定してもらう 思いつく機能を全部乗せて顧客に⾒せる ── 事前に絞らず、選別は顧客に任せる ⽬的は綺麗に動くことではなく、使える∕使えないを議論するための 「たたき台」 を作ること #RAKUSMeetup © RAKUS Co., Ltd. 12
05 プロセスのAIネイティブ化 現場に⾒せて初めて分かる「要‧不要」 選別の主体は開発者ではなく顧客。動くものを⾒せた時だけ、現場は業務に当てて本⾳を返せる。 × CUT(不要) ◦ KEEP(必須) 要約‧回答⽅針など、AIの主観が⼊る機能 テンプレート提案機能
「AIの判断が正しいか結局確認するので、かえって 邪魔になる」 ⽂章の添削機能 ── 「極めて便利」 → 候補を全部乗せて⾒せたからこそ、業務フロー上で本当に必要なコア機能だけを抽出できた。 #RAKUSMeetup © RAKUS Co., Ltd. 13
05 プロセスのAIネイティブ化 ターゲット解像度の向上 ── 「新⼈」の1点に収束 BEFORE メール返信業務をする⼈ 全員 曖昧なターゲット像 AFTER
→ ⽂章を⼀から作れない 新⼈ AIの価値と現場のペインが噛み合う唯⼀のセグメント ヒアリングで⾒えたこと:ベテランは既にスラスラ書ける ── AI補助はむしろノイズ 新⼈は「⼀から⽂章を作る」ことに時間と精神的負荷がかかっている エンジニア⾃らが顧客と対話し、業務フローを把握 = 「顧客志向」の具体的実践 #RAKUSMeetup © RAKUS Co., Ltd. 14
06 まとめ プロセス改善で、顧客と向き合う時間を作る プロセスを変えた本当の意味は、開発が速くなったことではない。 実装をAIに任せられるようになった = 顧客に向き合う時間を増やせる ⼀度きりのヒアリングではなく、毎回顧客に訊きに⾏ける状態が常態化 エンジニアの重⼼が「機能を実装する」から「機能を考える」へシフト AI駆動開発で削減した時間を、
顧客の業務観察とフィードバック回収に100%投資する 強固な 顧客志向 #RAKUSMeetup × AIネイティブ な挑戦 = 真の 顧客価値最⼤化 © RAKUS Co., Ltd. 15
06 まとめ 明⽇から実践するアクションプラン 最速で「使われるAIプロダクト」を創る3ステップ 1 2 3 まず顧客の業務フローを聞きに⾏く 仕様書より先に、現場の⼀次情報を取りに⾏く AIツールで、1⽇で動くPoCに仕⽴てる
綺麗さより判定できることを優先 ── 思いつく機能を全部乗せる 動くものを⾒せて、顧客に選別してもらう 実際に使うのは顧客 ── 使える機能かどうかは顧客が知っている #RAKUSMeetup © RAKUS Co., Ltd. 16
ご清聴ありがとうございました 次世代の顧客価値⾼速提供を、共に進める仲間を募集中で す。 ラクス エンジニア情報ポータルサイト https://career-recruit.rakus.co.jp/career_engineer/ #RAKUSMeetup