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主体的に活躍する内製QA組織の作り方と組織文化の醸成 / How to Build a Pro...

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March 19, 2026
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主体的に活躍する内製QA組織の作り方と組織文化の醸成 / How to Build a Proactive In-house QA Organization and Foster Its Culture

◆イベント名
JaSST’26 Tokyo
https://jasst.jp/tokyo/

◆発表タイトル
主体的に活躍する内製QA組織の作り方と組織文化の醸成

◆登壇者
株式会社ラクス 第一開発統括部 QA課 金子 佳樹

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March 19, 2026
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Transcript

  1. ⾃⼰紹介 2 ⾦⼦ 佳樹  株式会社ラクス 経歴  新卒〜2023年 某SIer(R&D / QA‧アーキテクト⽀援)

     2023年〜 ラクス QAマネージャ  楽楽精算‧楽楽明細の品質保証を担当 得意技  直感とFACTに基づく品質問題の特定  アーキテクチャベースのテスト戦略‧品質保証
  2. 本⽇のアジェンダ 4 仕組み 意識 過去発表からの発展 Rakus Tech Conference 2024(2024/8)「楽楽精算のQA改革 楽楽精算でのQA専門組織の実践と成功事例」 ー立ち上げ実績

    JaSST nano vol.44(2025/1)「QA組織を立ち上げているの」— 立ち上げから変革の入口 JaSST nano vol.48(2025/5)「主体的に活躍するQA組織に変えているの」— 変革の進捗報告 JaSST'26 Tokyo(本発表)「作り方と、組織文化の醸成」 — 方法論の体系化 + 文化面の深掘り キーファクター 規模が大きくなったサービスを安定して顧客へ価値を届け続けるため 「受託的な QA組織」を「主体的な QA組織」へ変革した活動 能力
  3. QA組織⽴ち上げ期の実態 6 既に規模が大きくなっていた開発組織の中でQAがどう価値を出していくか — ここがスタート地点 立ち上げ期のデータ( FY21-23) ・FY21からQA組織を立ち上げ・拡大  FY22までは一定拡大 立ち上げ期の状況

    QA組織立ち上げの背景・目的 ・増大する開発工数に対し、分業による効率化 動き方 ・楽楽精算開発の組織内に QA組織を立ち上げ ・業務委託せずQAエンジニアを採用・エンジニアから異動 ・開発した本人でなくてもできる業務を巻き取り 結果 ・一定範囲までは順調に拡大。逆に 一定以上は頭打ち ・開発チームの受託的な QA組織になりかけ FY21 FY22 FY23 開発工数推移 FY21 FY22 FY23 結合テスト稼働比率 結合テスト 結合テスト以外 QAチーム 開発チーム 開発組織が大きくなる中、 QA組織を立ち上げた
  4. ビジョン‧KGI 10 ビジョン 品質保証の側面から主体的に開発を支援できる組織となる なぜ「主体的」としたか ・ 開発組織が大きい中で、小さなQAが受動的では埋もれてしまう ・少人数のQA組織が成果を出すには、受身ではなく自ら動く必要がある KGI 全結合テスト工数の内 

    QAの担当割合  70%以上 工数に着目 絶対的な数値で・財務面でも計測しやすい 結合テストに焦点 リリース前の最終工程でありQA貢献可能性大 70%の目論見 QAが手を出せない・出しづらい作業がだいたい30%
  5. 顧客志向と協働を起点とした品質⽂化 11 主体性の到達点 = 「顧客のために、関係者と協働して自ら動く」文化 品質 = 顧客にとっての価値 ・ 顧客影響から目指す品質を逆算し定義

    ・ テスト戦略も顧客影響度で決定 QAの主体性 ≠ 単独⾏動 = 対等な協働 ‧QAでできることを増やし開発チーム負荷軽減 ‧QAから開発チームでの品質向上を提⾔ ‧ファクトやデータを根拠に課題提起 ‧⽬的は必ず顧客の課題解決‧価値提供の向上 顧客価値起点 開発チーム・関係者との協働
  6. 具体的な実例 12 QAマネージャが率先して動いて、 QAメンバーや開発チームが追随してくれた リリース品質へのこだわり ・リリースに向けた品質懸念の提示 ・品質強化策の策定 QAマネージャが率先し取り組み QAメンバーや開発チームが追随 発生不具合・本番障害へのこだわり

    ・原因分析/水平展開/再発防止の徹底 ・本番障害に対する即応の徹底 自ら学ぶ姿勢 ・AIなど最新技術のキャッチアップ ・開発状況等を積極収集/展開 メンバの自発的勉強会 自らチャット・Github等から情報収集、Mtgへ積極参加 本番障害などに対する迅速な対応 開発・QAともに原因分析・水平展開の徹底 自発的にリリースぎりぎりまでテスト・品質強化の粘り
  7. 戦略的な取捨選択 — あえて捨てたもの‧強くしたもの 14 ゴールである「主体的な QA」に直結しない取り組みは「今はやらない」と判断 あえて捨てたもの テスト自動化 まずは手動テストの質と戦略を確立させることが先 シフトレフト

    小さなQA組織がいきなり要件定義に入っても効果低 アジャイル QA 一部アジャイル開発だが メインのウォーターフォール優先 集中して強くしたもの テスト戦略 「何をテストすべきか」を自ら決められる組織に テスト分析 テスト観点の体系的な抽出 テストマネジメント 計画→準備→モニタリング→終了判定の型化 バグ分析・不具合分析 系統分析と一件分析の二本立て
  8. テスト戦略‧テスト分析の型 15 テストプロセスの型を策定して、テスト観点の漏れを抑制 品質リスク 特定 品質リスク 低減策定 テスト戦略 策定 テスト分析

    テスト計画 策定 要件定義 概要設計 詳細設計・実装 単体テスト 結合テスト テスト設計 テスト実装 テスト実行 品質保証 戦略策定 テスト戦略 テスト分析 品質基準 リスク リスク低減策 法制度要件の遵守 中 金額計算の正しさ 無 従前機能のデグレードなし 無 新機能の機能性 中 サービスレベルの遵守(性能・セキュリティ) 高 テスト戦略・テスト分析 品質リスクに焦点あてたテストを検討 品質保証戦略策定 案件ごとに品質リスクを特定 テストプロセスの IN/OUTを策定
  9. テストマネジメントの型 16 テストプロセスの型を策定して再現性を上げ、テスト起因でのトラブルを抑制 計画 準備 モニタリング 終了判定 ・開始条件の策定 ・品質目標の刷新 ・QAが計画の責任を持つ

    ・テスト開始前タスクの手順化  (環境・項目・体制など) ・PB曲線でテスト進捗をモニタリング ・不具合のリアルタイム分析 ・結果ベースの終了条件を策定 ・リリース品質まで粘り強く対応
  10. バグ分析‧⽔平展開‧フィードバックの型 17 見つけたバグをしっかり活用するサイクルへ昇華 バグ発見 バグ発見 バグ改修 バグ改修 原因分析・水平展開 開発/テスト フィードバック

    系統分析・ 品質強化判断 さらに次回の開発・テストに向 けたフィードバック まで行う 計画したテストで見つけたすべての 要修正バグを直せばリリース 原因分析・水平展開 系統分析・品質強化判断までして リリース判断 見直し前 見直し後
  11. QAの⼈材定義を作成 19 各自が目指すべき人材像とキャリアパスを明確化 テストエンジニア  テスト分析〜実行を担当  要件から観点を抽出し設計・分析 テストマネージャ  テスト戦略〜計画〜進捗管理  確実にテストを遂行・完遂 SETエンジニア ※将来を見据えて設定

     自動テスト基盤の構築・保守  テスト効率化の戦略立案・実行 QAマネージャ  開発/運用全体の品質保証戦略  プロセス改善をリードし実行 各自の軸となるロールを設定 キャリアパスイメージを策定 テストエンジニア (ジュニアクラス) テストマネージャ (ジュニアクラス) テストマネージャ (ミドルクラス) QAマネージャ テストエンジニア (ミドルクラス) テストスペシャリスト (シニアクラス) スペシャリストコース マネジメントコース
  12. スキル評価と育成⽀援 20 目指すべき人材像の設定・チェック・アクションの育成サイクルの構築 QA専門スキル ドメイン知識 コンピンシー ITスキル スキルマップ・スキルチェック 業務アサイン ・テストプロセスのアサイン

    ・ 関連業務への一時的なアサイン 勉強会開催 以下例 ・QA専門知識 ・ドメイン理解 ・ITスキル(AI活用含む) 資格取得支援 ・JSTQB ・JCSQE など 育成サイクル 目指す人材像設定 (1on1で合意) スキル チェック シート 業務(OJT)・学習( OffJT) スキルチェック アクション設定 OJT・OffJT ※定期的に確認
  13. まとめ 主体的なQA組織になるためにやったこと 22 意識・仕組・能力の 3軸を強化し主体的な QA組織を実現 能力 仕組み 意識 ・ビジョン・KGIの設定、組織の方向づけとその定量評価 ・顧客起点の行動指針立てと実行

    ・マネージャが率先実行・メンバーが追随 ・選択と集中で、やるべきことの設定と注力 ・テストプロセスの型を作成・定着 ・人材像・キャリアパスの設定 ・スキル評価と育成サイクル
  14. まとめ 主体的なQA組織になっていたか(定量評価) 23 定量的にも結合テストの領域での立ち位置を確立できた 立ち上げ期・主体的な QA変革期のデータ( FY21-25) FY21 FY22 FY23 開発工数推移

    FY21 FY22 FY23 結合テスト稼働比率 FY24 FY25 FY24 FY25 QA立ち上げ 主体的なQAへ QA立ち上げ 主体的なQAへ 頭打ちの壁を超えて拡大! 結合テスト 結合テスト以外 QAチーム 開発チーム 開発工数に比例した拡大 肥大化はしてない