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January 26, 2026
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仕様駆動開発の組織的定着に向けた取り組み ~『楽楽電子保存』開発チームの事例~ / Establishing SDD: Organizational Initiatives

◆イベント名
RAKUS AI Meetup Vol.2
https://rakus.connpass.com/event/378121/

◆発表タイトル
仕様駆動開発の組織的定着に向けた取り組み~『楽楽電子保存』開発チームの事例~

◆登壇者
株式会社ラクス 楽楽明細開発部 開発2課 課長 小栗 朗
株式会社ラクス 楽楽明細開発部 開発2課 山田 智史

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January 26, 2026
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Transcript

  1. © RAKUS Co., Ltd. 2 #RAKUS AI Meetup 登壇者紹介 ⼩栗朗(Akira

    Oguri) ⼭⽥智史(Tomofumi Yamada) エンジニアマネジャー 楽楽電⼦保存⽴ち上げ‧グローバル開発推進 - 2021年ラクス⼊社 - 前職:メーカー系SIer、パッケージ開発のPMF達成‧基盤刷新 バックエンドエンジニア 楽楽電⼦保存のバックエンド開発 - 2023年ラクス⼊社 - 楽楽電⼦保存のコンテナ化∕データ基盤主導
  2. サービス概要とプロダクト品質課題 【サービス概要】 • 2022年1⽉にリリース • 電⼦帳簿保存法対応を楽にするクラウドサービス • AI-OCR+認定タイムスタンプで証憑の真実性担保 • 楽楽明細連携、検索‧権限管理で⽇々の⼿間削減

    4 電⼦帳簿保存法への対応を楽にするクラウドサービス プロダクト品質の課題 当初は早期リリースを最優先。シンプルなビジネス要件のため、DDD採⽤を志向しつつも、ドメイン層が薄くな り、業務判断がサービス層に分散する傾向があった。
  3. 5 エンジニア バックエンド ブリッジSE ラクスベトナム エンジニア フロントエンド エンジニア PMM/PdM/ デザイナー

    楽楽電⼦保存開発体制 PMM‧PdM‧プロダクトデザイナー‧開発(BE/FE)  バックエンド開発はラクスベトナムによるオフショア開発 (*) PMM: プロダクトマーケティングマネージャー    PdM: プロダクトマネージャー
  4. 7 2025年度のAI活⽤の取り組み 2025年4⽉ AI活⽤による 全社スピードアップを掲げる。 各AIツールの本格利⽤。 FY25 上期 個別努⼒によるトライア ル。試⾏錯誤の時期。

    FY25 3Q 段階的な成果の刈り取り。 ⽣産性が向上。 Next Step 仕様駆動開発の適⽤など 組織定着へ。 2025年4⽉、AI本格活⽤が始動。 ラクス全体が「発散期」にあり、現場では多種多様な「とりあえずやってみる」を試⾏。
  5. 設計へのAI活⽤ 8 観点プロンプトによる要件定義∕設計のドラフト⽣成、レビュー 実装に先⽴ち、「要件定義∕設計情報の整理」に AI を活⽤。⼿動運⽤ながら、Google Docs への情報の集約と構 造化を推進。 要件定義∕設計ドラフト⽣成‧レビュー

    • PMM∕PdMの要求を1ドキュメントに集約 • 要求をインプットに ChatGPT / Gemini などでドラフトを⾼速⽣成。 • 「外部仕様」「内部設計」などの設計観点をプロンプト化し、AI による⾃⼰レ ビューを実施。 • 結果:設計リードタイムを 30% 短縮
  6. 実装へのAI活⽤ 1 / 2 9 作成レイヤー単位でカスタム指⽰を整備し、AI⽣成コードの統制 .github/ ├─ copilot-instructions.md // 全体ルール

    ├─ instructions/ (13種) // Layer別仕様 │ ├─ controller.instructions.md │ ├─ domain.instructions.md │ ├─ repository.instructions.md │ └─ usecase-service.instructions.md ... └─ prompts/ // 作業テンプレ ├─ code_prompt ├─ code_review └─ pr-description 個別のバイブコーディングからカスタム指⽰によるAIでのドラフト⽣成∕レビューのハルシネーションを抑制。 プロンプトのテンプレートも準備し、チーム内での利⽤効率を平準化 # controller.instructions.md(⼀部) ## 禁⽌事項 - Controller にビジネスロジックを書かない - ネストされたif / forを書かない - 関数の連鎖は避ける。ただしOptionalや公式ライブラリによ る標準的チェーンは許容 ## 必須ルール - Controller は Request/Response の変換のみ - 業務処理は UseCase に委譲すること
  7. 実装へのAI活⽤ 2 / 2 10 レビューやPRの説明をAIで補完し、⽇越開発の効率化 .github/prompts/ ├─ code_prompt.prompt.md // 実装⽀援

    ├─ code_review.prompt.md // レビュー⽀援 └─ pr_description.prompt.md // PR説明⽣成 レビュー観点とPR説明もAIで標準化し、レビュー効率を向上。 PR URLから差分を読んで、Why/What/How+アーキテクチャ図(Mermaid)まで⾃動⽣成。 ⽇本側レビューの「背景不⾜」を埋める運⽤となっている # PR説明⽣成(pr_description.prompt.md) ⼊⼒: - PR URL - 出⼒⾔語:JP / VI / BOTH(JPがデフォルト) ⽣成内容(⽇本語): ### What(何を実装したか) - 変更内容の要約 - 追加‧修正された機能の概要 ### Why(なぜ実装したか) - 業務背景 - 要求‧課題‧⽬的 ### How(どのように実装したか)
  8. オフショア開発の最適化は、AI活⽤にも効果 12 当初の⽬的(⼈向け) 多⼈数オフショアを成⽴させるための施策 結果(AI視点で⾒えた価値) AIにとって理想的な⼊⼒構造になっていた • DDDの⾒直し:ドメイン⽋乏解消 / アグリ

    ゲートパターンの適⽤ • PR単位の最適化:Findy+ を活⽤したレ ビュー負荷抑制の運⽤改善 • サブシステム分割:電⼦保存本体と各連携処 理などの責務の分離 • ⼊⼒トークンの抑制:責務が単⼀、PR差分 が限定的、サブシステムで完結 -> 今後、トークン使⽤量の抑制に効果も AIが迷わない:ドメイン境界が明⽰的で推論 範囲が局所化 • ベトナム開発とのコミュニケーションを円滑にするため、情報を⼩さく‧明確に渡す「スモールコンテキスト」 環境を整えてきた結果が、AI活⽤における⼟台に。
  9. 成果:開発量の増加 14 開発サイクルタイムの改善だけでなく、開発量においても増加 指標 FY24 四半期平均 FY25 四半期平均 増加率 開発⾏数

    21.7K 59.0K +171% API修正 37 ※新規∕改修含む 91 +147% テストファイル数 129 ※新規∕改修含む 563 +335% 本取り組みでは、単⼀のKPIではなく「開発量‧サイクル‧品質」の複数指標を組み合わせて評価している。 ⼀部の数値だけを⾒ると誤解を⽣むため、全体像で判断
  10. 仕様駆動開発への挑戦と課題 17 絶賛、苦悩中 課題 • 仕様関連ドキュメントが GitHub 外で形式もばらつきがあり、MCPにより参照はしつつも、⼿動運⽤は多い • 仕様駆動のオープンソースツールはトライアル中だが、電⼦保存の開発においてはドキュメント過多に

    ◦ 思想やツールは素晴らしいが、実務適⽤が難しい • チームで「AI に指⽰し、放置して後で確認」という状態には⾄っておらず、AI 出⼒を同期的にチェック 仕様駆動開発の今後の⽅向性として、AIツールに合わせて、開発と運⽤プロセスをアジャストする。 Copilot / ClaudeなどのInstructions / Prompts / Skills を整理‧最適化し、AIに任せる判断や作業の範囲を明確 にすることで、 仕様駆動開発を実運⽤として成⽴させていく