Upgrade to Pro — share decks privately, control downloads, hide ads and more …

SUUMO(スーモ)が提供する「地図から探す、住まい探し体験」の新たな取り組み

Recruit
December 24, 2020

 SUUMO(スーモ)が提供する「地図から探す、住まい探し体験」の新たな取り組み

2020/12/09_Google社主催「Google Maps Platformの進化とビジネス活用ウェビナー」での、塚田の講演資料になります

Recruit

December 24, 2020
Tweet

More Decks by Recruit

Other Decks in Technology

Transcript

  1. 1 (C) Recruit Co., Ltd. All rights reserved. 株式会社リクルート プロダクトデザイン室

    住まい領域プロダクトデザインユニット 横断プロダクトデザイングループ SUUMO (スーモ) が提供する 「地図から探す、住まい探し体験」 の新たな取り組み 塚⽥ 茂
  2. 2 2 (C) Recruit Co., Ltd. All rights reserved. 本⽇の流れ

    1. 紹介 2. なぜ地図なのか? 3. 施策の紹介 4. 振り返り 5. 今後の展開
  3. 3 3 地図でどのようなことができるのか(実例紹介) (C) Recruit Co., Ltd. All rights reserved.

    持ち帰ってほしいポイント 地図を活⽤したサービスの期待値と効果について 1 2
  4. 4 4 (C) Recruit Co., Ltd. All rights reserved. ⾃⼰紹介

    株式会社リクルート(2017〜) プロダクトデザイン室 住まい領域プロダクトデザインユニット 横断プロダクトデザイングループ SUUMO(スーモ)のUXデザイン 戦略策定・リサーチ・施策プランニング・各種ディレクションなど 塚⽥ 茂 Shigeru Tsukada 株式会社ナビタイムジャパン(2009〜) アプリ・Webを中⼼としたナビゲーションサービスの各種デザイン
  5. 8 8 (C) Recruit Co., Ltd. All rights reserved. リクルートのサービス紹介

    アプリ版「なぞって検索」 スマホWeb版「地図検索」
  6. 9 9 (C) Recruit Co., Ltd. All rights reserved. リクルートのサービス紹介

    アプリ版「なぞって検索」 スマホWeb版「地図検索」
  7. 12 12 (C) Recruit Co., Ltd. All rights reserved. ⽇本と海外の不動産サイトの違い

    TOP から物件タイプを選択 検索⽅法の選択 条件の絞り込み 検索結果(リスト型UI) 物件詳細 ⽇本で⼀般的な不動産ポータルサイトの検索の流れ
  8. 14 14 (C) Recruit Co., Ltd. All rights reserved. ⽇本と海外の不動産サイトの違い

    参考:【Zillow】https://www.zillow.com/ 海外の不動産ポータルサイトの検索の流れ TOP からエリアを検索 検索結果+物件詳細(地図UI)
  9. 15 15 (C) Recruit Co., Ltd. All rights reserved. ⽇本と海外の不動産サイトの違い

    参考:【Zillow】https://www.zillow.com/ 海外の不動産ポータルサイトの検索の流れ TOP からエリアを検索 検索結果+物件詳細(地図UI)
  10. 16 16 (C) Recruit Co., Ltd. All rights reserved. ⽇本と海外の不動産サイトの違い

    Map が「1 」となっているのが標準で地図表⽰されるサービス 2019年 リクルート住まいカンパニー調べ SEO データから⾒る海外不動産サービスの傾向 海外では、 地図を利⽤した不動産サービス が標準となっている
  11. 17 17 (C) Recruit Co., Ltd. All rights reserved. これからお話しすること

    ⽇本では「当たり前」となっている、家探しの体験をアップデートする取り組み 現 状 今 後 トップ 検索⽅法の選択 条件の絞り込み 検索結果 物件詳細
  12. 19 19 (C) Recruit Co., Ltd. All rights reserved. なぜ地図なのか?

    地図UI は「どのような価値をユーザに提供できるのか?」を改めて定義 リスト型UI 地図UI
  13. 20 20 (C) Recruit Co., Ltd. All rights reserved. なぜ地図なのか?

    ユーザに提供できる価値は?(そもそも“地図”が持つ特徴とは何か?) ・⽤途や⽬的に合わせ、様々な地図が存在する (住宅、ドライブ、観光、路線図、天気図、施設案内など) ・欲しい情報が整理されている (広域では情報が間引かれ、地図を拡⼤すると、建物まで細かく表⽰される等) ・建物の位置関係や距離を、直感的に把握できる ・Webでは、⾃由に地図移動や縮尺変更ができる
  14. 21 21 (C) Recruit Co., Ltd. All rights reserved. なぜ地図なのか?

    ユーザに提供できる価値は?(“地図”の特徴を活かして何ができるのか?) 【広域の地図】 住む場所を決めるための情報を得ながら、全体感を把握することができる。 (例:相場価格、物件の供給数、ハザードマップ、通勤に便利なエリア等) 【中域の地図】 地図をスクロールするだけで、様々なエリアを検討していくことが可能。 検討している駅の近くに別の沿線・駅が存在する、といった新たな発⾒につながる。 【狭域の地図】 どのような物件が、どの場所に、どれくらいあるのか、視覚的に把握できる。 周辺施設も確認できるので、⼟地勘が無くても住み替え後の⽣活を想像しやすい。
  15. 22 22 (C) Recruit Co., Ltd. All rights reserved. なぜ地図なのか?

    ユーザに提供できる価値は?(どこで“地図”の特徴を活かすことができるのか? ) ⾃分の住みたい / 住めるエリアを決める ⾃分の条件に合う物件を⽐較検討 条件をずらして、再度検討 イ ン サ イ ト ・様々な物件 (新築/中古) を検討したい ・できれば駅の◦側に住みたい ・周辺にどんな施設があるか知りたい ・希望の物件が⾒つからない… 他に良い物件はないか? 他に良いエリアはないか? 検討中期 検討中〜後期 検討初期 地 図 の 価 値 広域から相場感を把握できる 周辺施設と物件の位置を把握できる エリアを⾃由に移動できる 参考:【Lianjia】https://bj.lianjia.com/ ・予算に合うエリアはどこ? ・職場に通いやすいエリアはどこ? ・地盤がいいエリアはどこ?
  16. 23 23 (C) Recruit Co., Ltd. All rights reserved. なぜ地図なのか?

    ユーザに提供できる価値は?(どこで“地図”の特徴を活かすことができるのか? ) ⾃分の住みたい / 住めるエリアを決める ⾃分の条件に合う物件を⽐較検討 条件をずらして、再度検討 イ ン サ イ ト ・予算に合うエリアはどこ? ・職場に通いやすいエリアはどこ? ・地盤がいいエリアはどこ? ・様々な物件 (新築/中古) を検討したい ・できれば駅の◦側に住みたい ・周辺にどんな施設があるか知りたい ・希望の物件が⾒つからない… 他に良い物件はないか? 他に良いエリアはないか? 検討中期 検討中〜後期 検討初期 地 図 の 価 値 広域から相場感を把握できる 周辺施設と物件の位置を把握できる エリアを⾃由に移動できる 参考:【Lianjia】https://bj.lianjia.com/ 全ての検討ユーザに「スムーズな住まい探し体験」を提供できるのではないか? プロジェクトがスタート
  17. 24 24 (C) Recruit Co., Ltd. All rights reserved. 検証すべきポイント

    地図をベースとした住まい探しが⽇本のユーザに受け⼊れられるのか?
  18. 25 25 ⾃分の住みたい / 住めるエリアを決める ⾃分の条件に合う物件を⽐較検討 条件をずらして、再度検討 ・様々な物件 (新築/中古) を検討したい

    ・できれば駅の◦側に住みたい ・周辺にどんな施設があるか知りたい ・希望の物件が⾒つからない… 他に良い物件はないか? 他に良いエリアはないか? 検討中期 検討中〜後期 検討初期 ・予算に合うエリアはどこ? ・職場に通いやすいエリアはどこ? ・地盤がいいエリアはどこ? (C) Recruit Co., Ltd. All rights reserved. 検証すべきポイント 検討中期のセグメントに絞って検証 ・セグメントの選定理由:施策難易度が低め + CVに近いユーザで、効果が計測しやすい ・開発観点での理由:既存の機能を利⽤し、開発⼯数を抑えて検証することが可能だった 「地図をベースとした住まい探しが⽇本のユーザに受け⼊れられるのか?」
  19. 26 26 ⾃分の住みたい / 住めるエリアを決める ⾃分の条件に合う物件を⽐較検討 条件をずらして、再度検討 ・様々な物件 (新築/中古) を検討したい

    ・できれば駅の◦側に住みたい ・周辺にどんな施設があるか知りたい ・希望の物件が⾒つからない… 他に良い物件はないか? 他に良いエリアはないか? 検討中期 検討中〜後期 検討初期 ・予算に合うエリアはどこ? ・職場に通いやすいエリアはどこ? ・地盤がいいエリアはどこ? (C) Recruit Co., Ltd. All rights reserved. 検証すべきポイント 「地図をベースとした住まい探しが⽇本のユーザに受け⼊れられるのか?」 MVP( Minimum Viable Product )の決定 ターゲットユーザ:住みたいエリアがある程度(もしくは、はじめから)決まっているユーザ 何をつくるか :地図上で、検索条件を⼊れながら物件を絞り込んでいくことができる画⾯
  20. 28 28 (C) Recruit Co., Ltd. All rights reserved. プロダクトの特徴

    ポイント 物件を探すことに集中できるよう、なるべくユーザに負担をかけない設計
  21. 29 29 (C) Recruit Co., Ltd. All rights reserved. プロダクトの特徴

    地図 MVPに必要な機能はGoogle Maps Platform で実装可能。 ユーザが普段から使い慣れているGoogle マップを採⽤。
  22. 30 30 (C) Recruit Co., Ltd. All rights reserved. プロダクトの特徴

    UI 地図系のサービスで多く採⽤されているUI や操作感を意識 ・画⾯上部に検索条件のメニューを配置 ・スワイプ操作による物件情報の出し⼊れ
  23. 31 31 (C) Recruit Co., Ltd. All rights reserved. プロダクトの特徴

    表⽰速度 React を採⽤することで、⾼い描画パフォーマンスを実現。 様々なスマートフォンや通信環境で快適な地図操作が可能。 SPA (Single Page Application) で作成されている為、様々な 操作を1画⾯で⾏うことができ、スムーズな検索体験を実現。
  24. 32 32 (C) Recruit Co., Ltd. All rights reserved. プロダクトの特徴

    検索条件の復元 住み替えを検討する際、特定の期間内に何度もサイトを訪問。 再訪問した場合に、前回の検索条件がセットされた状態で、 検討を再開することができる。
  25. 33 33 (C) Recruit Co., Ltd. All rights reserved. プロダクトの特徴

    エリア検索 離れた場所までスクロールして移動する⼿間を減らす為に、 エリア検索機能を⽤意。 ⼊⼒した内容に応じて、エリア名をサジェストしてくれる、 オートコンプリート機能を実装し、⼊⼒の⼿間を削減。
  26. 34 34 (C) Recruit Co., Ltd. All rights reserved. プロダクトの特徴

    ⾊ ユーザによって検討している物件タイプの優先度は異なる → 物件タイプごとに⾊分け 物件アイコンは、彩度の⾼い⾊を設定して⽬⽴たせる (Google マップの施設アイコンの⾊は彩度を下げる) • … 賃貸 • … 新築マンション • … 中古マンション • … 新築⼀⼾建て • … 中古⼀⼾建て • … ⼟地
  27. 35 35 (C) Recruit Co., Ltd. All rights reserved. Google

    Maps Platform で実装した機能⼀覧 ・地図の基本機能 地図の表⽰、スクロール移動、縮尺変更 表⽰する地図の場所(市区郡・駅など)を任意で指定 地図のスタイル(デザイン)変更 ・マーカー表⽰ 検索結果(物件アイコン)を地図上にプロット ・地点の検索 ⼊⼒⽂字から地点候補を表⽰( Places Autocomplete Service ) 地点情報から緯度経度を取得( Places Service )
  28. 37 37 (C) Recruit Co., Ltd. All rights reserved. 検証結果

    定量観点 リスト型検索のCVR 地図検索のCVR CVRが ⼤幅に改善 従来のリスト型検索と⽐較しても 良い結果が出ているため、 次の検証に向けて準備を進めている
  29. 38 38 (C) Recruit Co., Ltd. All rights reserved. 検証結果

    定性観点 実際に住み替えを検討している⼈を対象としたユーザ調査を実施 (作成したプロダクトを使ってもらい、使⽤感についてヒアリング)
  30. 39 39 (C) Recruit Co., Ltd. All rights reserved. 検証結果

    地図だと、物件の位置関 係が直感的に理解できる。 (⼤きい道路に⾯している か、駅のどちら側に位置 するか等) 地図上で全ての種類の物 件が探せるので、相場感 が把握しやすい。 複数の画⾯を⾏き来する ことなく⼀つの画⾯で検 索が完結できる。 物件だけでなく、周辺施 設も⼀度に把握できる。 特に⼟地勘のない場所で は助かる。 いざ使ってみると、地図 検索の⽅が便利なことに 気づいた。 これからは地図検索の⽅ を優先して利⽤したい。 30代・男性 ひとり暮らし 賃貸を検討 20代・⼥性 ひとり暮らし 賃貸を検討 30代・男性 妻と⼆⼈暮らし 賃貸と購⼊で検討 30代・⼥性 夫婦+⼦供1⼈ 購⼊を検討 はじめは、地図検索の価値について想像できなかったユーザも、利⽤後には良い反応に変わる傾向が強い
  31. 41 41 (C) Recruit Co., Ltd. All rights reserved. 不動産業界の現状

    住まいに求める設備や、住みたいエリア、住まいの探し⽅など 様々な変化が起こっている
  32. 42 42 (C) Recruit Co., Ltd. All rights reserved. 不動産業界の現状

    SUUMO (スーモ) では、テレビ電話による接客、バーチャル⾒学機能を提供中 スーモカウンター テレビ電話接客 3Dウォークスルーでのバーチャル⾒学
  33. 43 43 (C) Recruit Co., Ltd. All rights reserved. 不動産業界の現状

    移動に制限がある状況の中では、地図検索も有効な活⽤⽅法の1つになる 現地に⾏かずに、そのエリアでの暮らしをイメージしながら検討できる
  34. 44 44 (C) Recruit Co., Ltd. All rights reserved. 今後の展開

    地図検索の価値を伝えることで 、リスト型検索が主流の現状を変えていきたい ⽬的地まで所要時間内に移動できる範囲を表⽰ 参考:【99.co】https://www.99.co/ ハザードマップなどの情報を地図上に表⽰ 参考:【trulia】https://www.trulia.com/
  35. 45 45 住宅領域では、⽇本においても、地図を活⽤ した住まい探しが有効であることが分かった。 引き続き、地図検索の標準化に向けて推進。 地図は住宅以外にも様々な分野で活⽤可能な プラットフォーム。 (リクルートの他サービスにも展開が可能) (C) Recruit

    Co., Ltd. All rights reserved. まとめ 地図 旅⾏ 宿探し 住宅 住まい探し 美容 店舗の場所 飲⾷ お店探し マーケ ティング 各種分析 SNS 場所の共有 医療 感染状況 移動 ルート・ナビ