Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
知らないサーバ(修正版)
Search
ryuichi1208
July 01, 2019
Technology
3
21
知らないサーバ(修正版)
ryuichi1208
July 01, 2019
Tweet
Share
More Decks by ryuichi1208
See All by ryuichi1208
AI前提のサービス運用について再考する
ryuichi1208
6
1.3k
A Shallow Dive into the World of TCP
ryuichi1208
1
580
入門リトライ
ryuichi1208
19
7.3k
超入門SRE 2025
ryuichi1208
4
1.4k
Goで作って学ぶWebSocket
ryuichi1208
5
3.7k
コード化されていない稼働中のサーバを移設_再構築する技術
ryuichi1208
20
13k
AI前提のサービス運用ってなんだろう?
ryuichi1208
9
1.9k
入門 バックアップ
ryuichi1208
22
10k
効果的なオンコール対応と障害対応
ryuichi1208
9
3.9k
Other Decks in Technology
See All in Technology
工業高校で学習したとあるエンジニアのキャリアの話
shirayanagiryuji
0
120
MCPサーバーを活用したAWSコスト管理
arie0703
0
130
僕たちが「開発しやすさ」を求め 模索し続けたアーキテクチャ #アーキテクチャ勉強会_findy
bengo4com
0
2.6k
Amazon Q と『音楽』-ゲーム音楽もAmazonQで作成してみた感想-
senseofunity129
0
180
家族の思い出を形にする 〜 1秒動画の生成を支えるインフラアーキテクチャ
ojima_h
3
1.4k
形式手法特論:位相空間としての並行プログラミング #kernelvm / Kernel VM Study Tokyo 18th
ytaka23
3
1.5k
アカデミーキャンプ 2025 SuuuuuuMMeR「燃えろ!!ロボコン」 / Academy Camp 2025 SuuuuuuMMeR "Burn the Spirit, Robocon!!" DAY 1
ks91
PRO
0
150
MySQL HeatWave:サービス概要のご紹介
oracle4engineer
PRO
3
1.6k
新卒(ほぼ)専業Kagglerという選択肢
nocchi1
0
510
生成AI活用のROI、どう測る? DMM.com 開発責任者から学ぶ「AI効果検証のノウハウ」 / ROI of AI
i35_267
4
130
Amazon Inspector コードセキュリティで手軽に実現するシフトレフト
maimyyym
0
140
GCASアップデート(202506-202508)
techniczna
0
210
Featured
See All Featured
Imperfection Machines: The Place of Print at Facebook
scottboms
268
13k
Practical Orchestrator
shlominoach
190
11k
Optimising Largest Contentful Paint
csswizardry
37
3.4k
BBQ
matthewcrist
89
9.8k
10 Git Anti Patterns You Should be Aware of
lemiorhan
PRO
656
60k
A better future with KSS
kneath
239
17k
Sharpening the Axe: The Primacy of Toolmaking
bcantrill
44
2.4k
Art, The Web, and Tiny UX
lynnandtonic
301
21k
Creating an realtime collaboration tool: Agile Flush - .NET Oxford
marcduiker
31
2.2k
Exploring the Power of Turbo Streams & Action Cable | RailsConf2023
kevinliebholz
34
6k
Build your cross-platform service in a week with App Engine
jlugia
231
18k
Unsuck your backbone
ammeep
671
58k
Transcript
知らないサーバー
過去あったちょっと怖い話
当時のバックグラウンド • とあるWebサービスのインフラエンジニアをやっていた時の話 • サービス自体は20年以上続いている歴史的なサービス • ジョインした時点でインフラの前任者は退職済み • プライベートクラウド上のVMの運用者 •
VMより下はプラットフォームチームという別のところが管理 • 100近いVMをAnsibleで構築/管理
とある日
サーバいっぱいあって楽しい〜 障害対応楽しい〜
新プラットフォームを作ったので移設してくださ い! プラットフォーム チームの方
新プラットフォームを作ったので移設してくださ い! わかりました! プラットフォーム チームの方
• 新プラットフォームへのマイグレーション作業が発生した • 管理しているVMの一覧はAnsibleにあったのでそれをリストアップして対応 • 1年くらいかけて全部の移設が完了した • CentOS5/6とかもあったので当時最新のCentOS7へ載せ替えしたりマネージド サービスに移行したり 移設
全部移行完了しました! ありがとうございます!!
めでたしめでたし
1週間ぐらい後
そっちのチーム管理のサーバーがまだ古いと ころで動いてるので移設をお願いします
そっちのチーム管理のサーバーがまだ古いと ころで動いてるので移設をお願いします 先週全部終わっています!
そっちのチーム管理のサーバーがまだ古いと ころで動いてるので移設をお願いします 先週全部終わっています! track001っていうサーバーがあるみたいで...
そのサーバーってうちの管理ですかね...?
そのサーバーってうちの管理ですかね...? 管理者はAさん(退職済み)になってますね
そのサーバーってうちの管理ですかね...? 管理者はAさん(退職済み)になってますね 調べてみます...!!
調べてみると • Ansibleのサーバー一覧にはなかった • サーバー名でGitHubを検索しても出てこなかった • それっぽいリポジトリもGitHubになかった • Slackで調べても何も出てこなかった •
とりあえずsshしたら接続ができたので色々見てみることに
調べてみると • uptime -> 2000日 • http/80をListenしている何らかのプロセスはいそうだった • 負荷はほぼなかったので使われていない気配は感じた •
入社して2~3年くらい経って1回も障害も問い合わせもないサーバなので潰しちゃえ ば良いかって思っていた
誰も使ってないだろうし消そう
誰も使ってないだろうし消そう /var/logとかでもみてみるか
誰も使ってないだろうし消そう /var/logとかでもみてみるか /var/log/apacheにアクセスログが結構な流 量で流れているだと...!!!!!!
誰か使ってそう...
さらに調査 • アクセス先のリクエストパスをみると監視っぽいものではなかった • とりあえずUAを出すようにしてみたら最近のブラウザっぽいものだった • Apacheの設定を追っていくとPerlで書かれたアプリケーションにリクエストを流して いた • Ansibleのコードもドキュメントもないけど実際に使われている(かもしれない)サー
バーが存在した
知らないサーバー
知らないサーバーがいました...
知らないサーバーがいました... 移設するか消すかの判断をお願いします
知らないサーバーがいました... 移設するか消すかの判断をお願いします 確認します!
さらに調査 • 何に使われているのかわからないのでアプリケーションを読む ◦ psコマンド打ってlsofしてアプリケーションのソースを特定 ◦ URL Redirectorでアクセスカウントするアプリケーション ◦ 管理画面も存在することがコードを読んでいてわかった
さらに調査 • 誰が使っているかを調べる ◦ Slackでhereで探してみたが誰も知らない ◦ 管理画面はapacheでLANのアクセスに絞られていたので IPからチームを特定 ◦ Slackを普段使わない営業の方がメインで使っていることが判明
◦ 話たら使っているしないと困る
移設しよう...
課題 • 構築方法が不明のサーバー • OSはCentOS5でEOL済み • 開発フローが不明のアプリケーション • ミドルウェアは何が入ってるのかわからない
整備 • CentOS7にする ◦ apache 1系がそのままだとビルドできなかったので apacheのソースを修正してビルド • 構築方法は不明だったが比較的シンプルなWeb Appだったのでlsとかpsとか見つ
つ設定ファイルを読んで再現させることに成功 • アプリはGitHubへ持っていく • CircleCIでデプロイ可能な状態にする ◦ DBのdumpとかがローカルにあってサイズが ...
完了!
ではなかった
調査 • いわゆるモノリス的なサーバでリバプロ/アプリ/MySQLが動いていた • 動いてるサーバでnetstatをすると7003番portでWebアプリがコネクションを貼って いた • 旧プラットフォームのマネージドGearmanが必要だった ◦ 管理画面の別の機能として存在したらしくコードリーディングで読み切れていなかった
... ◦ 同一のVMにGearmanを動かすようにして完了することができた
学び
学び • IaCは偉大 • スクリプト言語で書かれていたのが幸運だった • 手動構築で速いのはその時だけ
あなたのネットワークにも知らないサー バーいるかもしれませんよ
ご清聴ありがとうございました!