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デジタル × オペレーション、「広義のプロダクトマネージメント」の勘所

Shippio
November 03, 2022

デジタル × オペレーション、「広義のプロダクトマネージメント」の勘所

pmconf 2022での登壇資料です。

--- セッション内容 ---

難解な業界・顧客課題の解決には、ソフトウェアと人力オペレーション、それぞれの利点を活かし顧客課題を柔軟に解決する「広義のプロダクト」が有効です。しかしまだ見ぬ「あるべき姿」を目指してソフトウェア・オペレーションを同時にアジャイルに進化させるのは、ソフトウェア単体による進化とはまた違った独自の難しさが存在します。

「広義のプロダクトマネージメント」の勘所と落とし穴、Shippioの実例を交えながらご紹介します。

https://2022.pmconf.jp/session/0PpXLgfH

Shippio

November 03, 2022
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Transcript

  1. デジタル × オペレーション
    「広義のプロダクトマネージメント」の勘所
    Yasuhiko Mori

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  2. 「広義のプロダクト」とは?
    デジタルプロダクト だけではなく リアルオペレーション も持って、
    両面の力で業界・顧客の課題を解決する「プロダクト」
    例:
    • Amazon – 小売業というリアルオペレーションをデジタルの力で再定義。在庫持つ、倉庫持つ、物流もつ。
    • Shippio – フォワーダー(国際物流代行)のリアルオペレーションをデジタルの力で再定義。

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  3. 森 泰彦
    CPO
    yasumori
    Shippio
    フリーランス
    ラクスル
    Microsoft
    Product Management

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  4. (広義のプロダクトマネージメントの話の前に)
    Shippioが考える
    プロダクトマネージメントとは?

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  5. unhappy today
    happy tomorrow
    1st step
    逆算で導き出す
    ①高い解像度で
    解決すべき本当の
    課題を特定
    ②課題を大きく解決する
    「あるべき姿」を描く

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  6. unhappy today
    happy tomorrow
    逆算で導き出す
    3rd step
    そして何が何でも
    前進する

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  7. unhappy today
    happy tomorrow
    で、結局寄り道す
    ることにはなる

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  8. 「広義のプロダクトマネージメント」の場合…

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  9. unhappy today
    happy tomorrow
    1st step
    (digital)
    1st step
    (operation)
    逆算で導き出す

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  10. unhappy today
    happy tomorrow
    足並みを揃えて「あるべき姿」を目指す!
    1st step
    (digital)
    1st step
    (operation)

    View Slide

  11. unhappy today
    happy tomorrow
    1st step
    (digital)
    1st step
    (operation)

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  12. 落とし穴
    無駄なプロダクト開発が多発する。
    進化が遅くなる。

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  13. Who’s Shippio ??

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  14. フォワーダーとは??
    納品先(倉庫)
    配送
    通関
    海上輸送(航空輸送)
    荷主 (例:輸入者)
    見積 ブッキング 貿易書類
    スケジュール
    共有
    納期調整 請求
    フォワーダー

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  15. 納品先(倉庫)
    配送
    通関
    海上輸送(航空輸送)
    荷主 (例:輸入者)
    見積 ブッキング 貿易書類
    スケジュール
    共有
    納期調整 請求
    フォワーダー
    デジタルフォワーダーとは??
    デジタルプロダクト
    デジタルプロダクト

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  16. 納品先(倉庫)
    配送
    通関
    海上輸送(航空輸送)
    荷主 (例:輸入者)
    見積 ブッキング 貿易書類
    スケジュール
    共有
    納期調整 請求
    フォワーダー
    デジタルフォワーダーとは??
    デジタルプロダクト
    デジタルプロダクト
    オペレーションプロダクト(自動化 / オペレーション効率化)

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  17. 無駄なプロダクト開発が多発する。
    1. オペレーションの進化で無駄になる
    2. 事業成長で無駄になる
    落とし穴 (再掲)
    進化が遅くなる。
    • デジタルとオペレーションはPDCAのスピード・リズムが違う。基本的にオペレーションが速い。
    • 中途半端なデジタルプロダクト化はオペレーションの進化の足枷になる。

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  18. 無駄なプロダクト開発
    (オペレーションの進化起因)
    落とし穴

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  19. 確かに深刻度高いですね。
    開発しますね!
    ありがとうございます!
    今は{xx} がオペレーションの
    ボトルネックです。
    リリースしました!
    (仕様作成→開発)
    あ、オペレーションの仕方
    変えたので、もうあの機能
    使ってないです…
    (数か月後)
    Operation Product Manager (& Engineer)

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  20. Operation Product Manager (& Engineer)
    管理ツールでどの案件が
    遅延しているか一目で
    確認したいです。
    あ、自前でSQLで遅延案件を
    スプシに落とせるようになったの
    でもう使ってないです。
    (3か月後)
    ShippioのNG例:
    管理ツールの一覧で遅延の
    UI通知出るようにしました。

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  21. 発展途上なオペレーションに対する早期のプロダクト実装は、実装が無駄になる
    リスクが高い

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  22. 無駄なプロダクト開発
    (事業の進化起因)
    落とし穴

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  23. T2D3で伸びるとすると、2年後に顧客・案件数は 9倍。
    オペレーションのボトルネックの位置が変わる(課題、及び、課題の優先順位が変わる)。
    ※顧客数とオペレーション人数は正比例はさせない。

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  24. 顧客側のプロダクト
    オペレーション
    例:見積依頼→見積
    見積依頼 見積確認 → 発注
    見積設定
    見積依頼管理
    オペレーション管理ツール
    お客様がシステム上から
    見積依頼

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  25. 顧客側のプロダクト
    オペレーション管理ツール
    オペレーション
    チャチャっと数クリック
    +価格入力で完了
    Ope
    例:見積依頼→見積
    見積依頼 見積確認 → 発注
    見積設定
    見積依頼管理
    準備する必要のある見積が
    項目ごとブレイクダウン
    されてリストアップ

    View Slide

  26. 顧客側のプロダクト
    オペレーション
    チャチャっと数クリック
    +価格入力で完了
    Ope
    例:見積依頼→見積
    見積依頼 見積確認 → 発注
    見積設定
    見積依頼管理
    オペレーション管理ツール
    システム上で様々な条件で
    見積をシミュレーションできる

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  27. 顧客側のプロダクト
    売値は担当セールス、
    原価はオペレーションが設定…
    オペレーション
    NG例:見積依頼→見積 (1年で案件数が数倍になったため…)
    TODOがわからなく
    なったので別ツールで
    TODOを管理
    Ope
    Ope
    Sales
    見積依頼 見積確認 → 発注
    見積設定
    見積依頼管理
    オペレーション管理ツール

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  28. 顧客側のプロダクト
    Sales
    オペレーション
    商談の流れで見積
    依頼貰ってくる
    Ope
    イレギュラーに対応
    できずに別ツールで
    全体を管理…
    NG例:見積依頼→見積 (1年で案件数が数倍になったため…)
    TODOがわからなく
    なったので別ツールで
    TODOを管理
    Ope
    見積依頼 見積確認 → 発注
    見積設定
    見積依頼管理
    売値は担当セールス、
    原価はオペレーションが設定…
    Ope
    Sales
    オペレーション管理ツール

    View Slide

  29. 顧客・案件の規模も、オペレーションの人数も、一気に伸びる時期。
    「今日の課題」は「明日の課題」ではない。
    「今日のオペレーション課題」にジャストフィットした「広義のプロダクト」設計は
    近い将来に破綻するリスク大。

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  30. 勘所
    あるべき姿の時間軸を揃える
    デジタルとオペレーションの役割分担の明確化

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  31. 課題の可視化
    (定量)
    {x}年後の課題の
    可視化
    オペレーションの
    変更可能性
    役割分担の
    明確化
    1 2 3 4

    View Slide

  32. 課題の可視化
    (定量)
    2年後の課題の
    可視化
    オペレーション
    変更可能性
    役割分担の
    明確化
    本船動静
    トラッキング
    貿易書類作成
    請求書発行
    業務負荷
    1.5人 / 月
    1.2人 / 月
    1.5人 / 月
    1.5人 / 月
    1.8人 / 月
    0.5人 / 月
    案件管理
    ブッキング
    見積
    ※実例を元に項目・データは可変しております。

    View Slide

  33. 一つの「業務」を切り取ってみても、
    どんなマイクロタスクに
    1日何分 / 何秒使っているか、
    それはどんな時に発生するのか、
    が可視化されております。

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  34. 課題の可視化
    (定量)
    2年後の課題の
    可視化
    見積
    本船動静
    トラッキング
    貿易書類作成
    請求書発行
    業務負荷
    1.5人 / 月
    1.2人 / 月
    1.5人 / 月
    1.5人 / 月
    1.8人 / 月
    0.5人 / 月
    業務負荷 (2yrs)
    4.0人 / 月
    4.0人 / 月
    2.5人 / 月
    3.5人 / 月
    3.6人 / 月
    1.0人 / 月
    案件管理
    ブッキング
    オペレーション
    変更可能性
    役割分担の
    明確化
    ※実例を元に項目・データは可変しております。

    View Slide

  35. 課題の可視化
    (定量)
    2年後の課題の
    可視化
    見積
    本船動静
    トラッキング
    貿易書類作成
    請求書発行
    業務負荷
    1.5人 / 月
    1.2人 / 月
    1.5人 / 月
    1.5人 / 月
    1.8人 / 月
    0.5人 / 月
    業務負荷 (2yrs)
    4.0人 / 月
    4.0人 / 月
    2.5人 / 月
    3.5人 / 月
    3.6人 / 月
    1.0人 / 月
    案件管理
    ブッキング
    Op変更可能性
    高い
    (顧客体験起因)
    高い
    (パートナー起因)
    低い
    低い
    高い
    (Ope起因)
    比較的低い
    オペレーション
    変更可能性
    役割分担の
    明確化
    ※実例を元に項目・データは可変しております。

    View Slide

  36. 変わる確率が高い
    PDCA中の顧客体験・パートナー体験の対になるオペレーション
    管理・通知・ワークフロー等はオペレーション設計への依存性が高い。
    変わる確率が低い
    作業 (業界標準リアルオペレーション)
    例: 貿易書類作成、請求書作成、本船スケジュールチェック
    PDCAの末に編み出したオペレーション設計の「あるべき姿」
    ※ やることやったので、変わってしまっても悔い無し

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  37. 課題の可視化
    (定量)
    2年後の課題の
    可視化
    役割分担の
    明確化
    見積
    ブッキング
    本船動静
    トラッキング
    貿易書類作成
    案件管理
    請求書発行
    業務負荷
    1.5人 / 月
    1.2人 / 月
    1.5人 / 月
    1.5人 / 月
    1.8人 / 月
    0.5人 / 月
    業務負荷 (2yrs)
    4.0人 / 月
    4.0人 / 月
    2.5人 / 月
    3.5人 / 月
    3.6人 / 月
    1.0人 / 月
    解決方針
    Op変更可能性
    高い
    (顧客体験起因)
    高い
    (パートナー起因)
    低い
    低い
    高い
    (Ope起因)
    比較的低い
    役割分担の
    明確化
    ※実例を元に項目・データは可変しております。

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  38. 課題の可視化
    (定量)
    2年後の課題の
    可視化
    役割分担の
    明確化
    見積
    ブッキング
    本船動静
    トラッキング
    貿易書類作成
    案件管理
    請求書発行
    業務負荷
    1.5人 / 月
    1.2人 / 月
    1.5人 / 月
    1.5人 / 月
    1.8人 / 月
    0.5人 / 月
    Op変更可能性
    高い
    (顧客体験起因)
    高い
    (パートナー起因)
    低い
    低い
    高い
    (Ope起因)
    比較的低い
    業務負荷 (2yrs)
    4.0人 / 月
    4.0人 / 月
    2.5人 / 月
    3.5人 / 月
    3.6人 / 月
    1.0人 / 月
    解決方針
    プロダクト化
    (実装OK)
    プロダクト化
    (実装OK)
    プロダクト化
    (実装OK)
    役割分担の
    明確化
    ※実例を元に項目・データは可変しております。

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  39. 課題の可視化
    (定量)
    2年後の課題の
    可視化
    役割分担の
    明確化
    見積
    ブッキング
    本船動静
    トラッキング
    貿易書類作成
    案件管理
    請求書発行
    業務負荷
    1.5人 / 月
    1.2人 / 月
    1.5人 / 月
    1.5人 / 月
    1.8人 / 月
    0.5人 / 月
    Op変更可能性
    高い
    (顧客体験起因)
    高い
    (パートナー起因)
    低い
    低い
    高い
    (Ope起因)
    比較的低い
    業務負荷 (2yrs)
    4.0人 / 月
    4.0人 / 月
    2.5人 / 月
    3.5人 / 月
    3.6人 / 月
    1.0人 / 月
    解決方針
    ノーコードでOpが
    自前で対応
    プロダクト化
    (実装OK)
    プロダクト化
    (実装OK)
    ノーコードでOpが
    自前で対応
    プロダクト化
    (実装OK)
    役割分担の
    明確化
    ※実例を元に項目・データは可変しております。

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  40. SQL + GASを駆使して、管理ツールを自作・改修。
    開発側の施策としては、
    • データ活用の土台作り
    • 利用しやすい形へのデータ設計の改修
    オペレーションの自前ツール

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  41. 課題の可視化
    (定量)
    2年後の課題の
    可視化
    役割分担の
    明確化
    見積
    ブッキング
    本船動静
    トラッキング
    貿易書類作成
    案件管理
    請求書発行
    業務負荷
    1.5人 / 月
    1.2人 / 月
    1.5人 / 月
    1.5人 / 月
    1.8人 / 月
    0.5人 / 月
    Op変更可能性
    高い
    (顧客体験起因)
    高い
    (パートナー起因)
    低い
    低い
    高い
    (Ope起因)
    比較的低い
    業務負荷 (2yrs)
    4.0人 / 月
    4.0人 / 月
    2.5人 / 月
    3.5人 / 月
    3.6人 / 月
    1.0人 / 月
    解決方針
    ノーコードでOpが
    自前で対応
    プロダクト化
    (実装OK)
    プロダクト化
    (実装OK)
    ノーコードでOpが
    自前で対応
    プロダクト化
    (実装OK)
    役割分担の
    明確化
    ※実例を元に項目・データは可変しております。

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  42. 課題の可視化
    (定量)
    2年後の課題の
    可視化
    役割分担の
    明確化
    見積
    ブッキング
    本船動静
    トラッキング
    貿易書類作成
    案件管理
    請求書発行
    業務負荷
    1.5人 / 月
    1.2人 / 月
    1.5人 / 月
    1.5人 / 月
    1.8人 / 月
    0.5人 / 月
    Op変更可能性
    高い
    (顧客体験起因)
    高い
    (パートナー起因)
    低い
    低い
    高い
    (Ope起因)
    比較的低い
    業務負荷 (2yrs)
    4.0人 / 月
    4.0人 / 月
    2.5人 / 月
    3.5人 / 月
    3.6人 / 月
    1.0人 / 月
    解決方針
    リスクを取って、
    ツインでPDCA
    ノーコードでOpが
    自前で対応
    プロダクト化
    (実装OK)
    プロダクト化
    (実装OK)
    ノーコードでOpが
    自前で対応
    プロダクト化
    (実装OK)
    役割分担の
    明確化
    ※実例を元に項目・データは可変しております。

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  43. 「課題の時間軸」の共通認識が大事!
    2年後の必要人数・業務工数
    ・ボトルネックを可視化
    2年後の「あるべき姿」
    きっと間違えるので「余白」が大事

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  44. 勘所 (再掲)
    あるべき姿の時間軸を揃える
    デジタルとオペレーションの役割分担の明確化

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  45. リアルオペレーションを持つことのメリット
    テクノロジーの力「だけ」では解決できない課題も、
    リアルオペレーションと掛け合わせることで解決できる。
    「まず自分達で試してみる」が出来るので、ディスカバリーのスピードが速い。

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  46. Shippioのプロダクト戦略
    解像度 / 成功確度
    顧客数 / 取り扱い案件数
    デジタル +
    リアルオペレーション
    デジタルのみ (SaaS)
    デジタルフォワーディング

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  47. Shippioのプロダクト戦略
    解像度 / 成功確度
    顧客数 / 取り扱い案件数
    デジタル +
    リアルオペレーション
    デジタルのみ (SaaS)
    デジタルフォワーディング SaaS (Any Cargo)

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  48. Shippioのプロダクト戦略
    解像度 / 成功確度
    顧客数 / 取り扱い案件数
    デジタル +
    リアルオペレーション
    デジタルのみ (SaaS)
    デジタルフォワーディング SaaS (Any Cargo)
    (デジタル)通関

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  49. ご清聴ありがとうございました!
    Product Manager、絶賛採用中です!
    https://recruit.shippio.io

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