私達について
私達は楽天グループでラクマというフリマアプリを開発する部署に所属しているSoftware Engineerでして、主に広告や事業者向けの機能を開発しています。
ラクマは現在楽天グループが運営・開発しておりますが、前身は日本初のフリマアプリ「フリル」でして現在は3500万ダウンロードされております。
私達3人は同じチームに所属しているのですが(マネージャーを含めると4名体制です)、基本的に毎日始業から終業までをほぼモブプログラミング・モブワークをしています。(以下モブワークと総称します)
チームとしてもScrumを取り入れていて、ほぼ全てのバックログをチームで取り組んでおり究極の一個流しをチームで実現させようとしています。
毎朝Daily Scrumでその日に取り組む事を皆で話し合って決め、そこから途中こまめに休憩を挟みつつ基本1日中終業までモブワークを行っています。
これまではリモートで仕事をすることが中心だったので、Zoomを繋げっぱなしにしつつコードシェアをしながら役割を10分タイマーで交代しながらモブワークをしています。
コロナが落ち着いてきて関係で楽天では出社が増えてきておりまして、全員出社してる時は一つの場所に集まって同じ画面を見ながらワイワイモブワークをしています。
モブの皆さんと呼ばれるまで
私達は今組織の中で「モブの皆さん」と呼ばれています。
これは個人としてではなく、チームとしてモブワークを実践してきた事が周りの皆様にも認知してもらっている結果だと思っています。
ですがチームが出来た1年半ほど前はそんな事は全くなくて、発足当初はメンバーの4名中2名が入社したばかりでRails経験が浅い状態かつOJT中だったのもあってか、多くの課題を抱えていました。
業務の量に偏りがある
レビュアーがいない
さらに育成者もいない
そしてリモートワークが長引いていた関係で、メンバーの一人一人が不安を抱えながら開発をしていたという状況にもなっていました。
そんな状況を見て当時のマネージャーがモブワークを取り入れてみることを勧めてくれました。
そこからおよそ一年半、チームメンバーが減ったり、新しく増えたりなど色んな歴史を経て今に至っています。
途中チーム外の方から「分担作業の方が良くない?」というご意見をいただいてうまくチームとして方針を伝えられなかった事がありましたが、その時はマネージャーが間に入って盾となってくれて色々と関係各所との調整を行ってくれました。
試練の訪れと振り返りのきっかけ
そんな私達に大きな衝撃が走ったのは、私達にモブワークを導入して支援してくれ、チームの文化を築いてくれたマネージャーの退職が決まった時です。
当たり前の事なのですが盾となってくれていたマネージャーがいなくなった事で「これからは自分達で戦っていかないといけない」となり、改めて「私達はなんでモブワークをしているんだっけ、なんで良いと思ってるんだっけ」と考えさせられました。
そこからモブワークについて改めて調べ直し、言語化していく中で他チームから「モブワークについて教えてほしい」と言われる事が増えてきました。
自分達では何かを教えられるほどモブワークについて上達したつもりはなかったのですが、それでも通ってきた悩みや良かったことを共有することで双方で学びや発見がたくさんある事に気付けました。
これからの私達
現在絶賛トライ中なのが「目標設定とモブワーク」の問題です。
私たちも会社員ですので、目標設定とその評価というビッグイベントから逃れることはできません。
チームとしてタスクを成し遂げるのに、目標を立て評価をされるのは個人単位です。
これにどう向き合っていくのが良いのでしょうか。
今季の目標設定では「チームとして共通の目標を作ってそれを個人目標に組み込む」という新しいアプローチを試みています。
これはマネージャーと相談して、チームでのモブ活動に対して理解してもらおうと試みた一例になりますので、皆さんに紹介したいと思っています。
今回のセッションでは以上のような私たちのモブワークの歴史を共有いたします。何かの発見や学びに繋がったら幸いです。
https://confengine.com/conferences/scrum-fest-osaka-2023/proposal/18481/1