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泉大津市業務改革モデルプロジェクト

Naoya
June 17, 2020

 泉大津市業務改革モデルプロジェクト

Naoya

June 17, 2020
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  1. 0.泉大津ってどこ? 人口 74,420人 男性:35,523人 女性:38,897人 世帯数:34,684世帯 (令和2年6月1日現在) 面積 13.62㎢ 大阪府の南部に位置し、東西

    に約5.4km、南北に約5.5km 高低差は18mで平坦なまち (令和2年4月1日現在) 位置 関西国際空港まで電車で20分、 大阪市内まで電車で20分。 近畿の主要都市まで高速道路 で1時間以内 産業 毛布の生産日本一 日本で生産される毛布の シェア90% 1
  2. 1.なんでプロジェクトを始めたの? すでに職員数が類似団体に比較して25%少ない 2040年の人口が2015年比約20%減少/生産年齢人口は約30%減少 【行政運営が厳しくなってくる!?】 2040年の職員数が2013年比約17%減少 市民サービスの維持・向上が困難に・・・ 2  人口が減っていく 

    職員数も減っていく 平成30年度より業務改革推進プロジェクトをスタート!!  業務が多様化・複雑化していくかも 権限移譲や少子高齢化の進展、大規模な自然災害の増加等により行政需要が 複雑化・多様化することが予想され、業務量が増大する可能性 その一方で・・・
  3. 2.プロジェクトでは何をしたの?  まずは業務上のどこに課題があるのかを可視化するため、業務の棚卸しを実施  来庁者の多い市役所1階の課と内部管理事務を行う人事課、会計課の全12課を対象  ヒアリングや調査により業務プロセスや業務量、課題等を可視化し、対応策を検討 業務プロセス定義作成対象 # 対象部署

    1 人事課 2 人権くらしの相談課 3 税務課 4 市民課 5 福祉政策課 6 高齢介護課 長寿推進係 介護認定係 給付保険料係 7 障がい福祉課 8 生活福祉課 9 子育て応援課 10 こども育成課 11 保険年金課 給付係 保険料係 国民年金係 後期高齢者医療係 12 会計課 ①マニュアルや引き継ぎ書等を基に、「業務プロセス」の仮説 (たた き台)を作成 ②仮説資料を用いて、所管課へヒアリングを実施し、修正点や課題 を確認 ③把握した修正点を反映し、各課に確認を依頼 ④完成した「業務プロセス」をもとに各作業に係る業務量等を把握 ヒアリング資料作成 ・業務プロセス定義(仮説) ・業務フロー(サンプル) 現行業務資料 ・業務プロセス定義 現行業務の可視化作業の流れ 各課への ヒアリング 補足情報 住民基本台 帳 異動(増加) 転入(未届転入、 住所設定を除く) 転入届受付 申請者から転入届手続き書類※を受け付ける。 ※転入異動届、転出証明書、本人確認書類/委任状/特 別永住者証/在留カード/各種カード(住民基本台帳カー ド、個人番号カード・通知カード) 転入処理 転入情報を入力する。 入力結果として「住民票副本」が出力される。 審査 転入届等を審査する。 各種カード裏書き 通知カード、個人番号カード、住民基本台帳カード、在留 カード、特別永住者証の裏書きを行う。 各種カード継続利用処理 各種カード(住民基本台帳カード、個人番号カード)に対して 継続利用処理を行う。 個人番号カード申請書交付処理 住所異動後、統合端末にて個人番号カード交付申請書を出 力する。 (基本4情報、在留期間等に変更がある場合も対応。) 本人確認通知 本人確認書類不備の場合、郵送にて本人に「住民異動届 受理通知」を通知する。 市町村通知 外国人の場合、法務局(入国管理局)に居住地等を通知す る。 ※ 1日1回USBに取り込んでサーバー室で処理。 市町村への郵送 1日分の通知書類等を取りまとめ、市町村へ郵送する。 本籍地団体通知 住基ネットを介して本籍地団体に戸籍附票記載事項等を通 知する。 ※ 自動処理 業務 作業 事務 仮説(たたき台) 補足情 住民基本台 帳 異動(増加) 転入(未届転入、 住所設定を除く) 転入届受付 申請者から転入届手続き書類※ ※転入異動届、転出証明書、本 別永住者証/在留カード/各種 ド、個人番号カード・通知カード) 転入処理 転入情報を入力する。 入力結果として「住民票副本」が 審査 転入届等を審査する。 各種カード裏書き 通知カード、個人番号カード、住 カード、特別永住者証の裏書きを 各種カード継続利用処理 各種カード(住民基本台帳カード 継続利用処理を行う。 個人番号カード申請書交付処理 住所異動後、統合端末にて個人 力する。 (基本4情報、在留期間等に変更 本人確認通知 本人確認書類不備の場合、郵送 受理通知」を通知する。 市町村通知 外国人の場合、法務局(入国管 る。 ※ 1日1回USBに取り込んでサ 市町村への郵送 1日分の通知書類等を取りまとめ 本籍地団体通知 住基ネットを介して本籍地団体に 知する。 ※ 自動処理 業務 作業 事務 ヒアリング結果反映 3 【本当のボトルネックはどこ!?】
  4. 2.プロジェクトでは何をしたの?(つづき)  業務プロセス定義において、各業務の事務・作業を整理(下図の赤枠部分)  業務プロセス定義に項目を追加して業務量等の調査を実施(下図の黄枠部分)  業務量の把握、アウトソーシング可能性の検討や業務削減効果の検討等に活用 業務プロセス定義 職員による 対応要否

    その他 制約の根拠 1 住民異動届 1.1 転入届 1.1.1 届書等受領 正規職員 1% ノンコア 紙 不要 申請者から転入届、転出証明書、世帯主の同意書、個人番 号カード等を受領する。 1.1.2 添付書類確認 5% 必要な添付書類が揃っているかを確認する。不足がある場 合は、申請者へ提出を依頼する。 1.1.3 本人確認 2% 本人確認書類(免許証等)で本人確認をする。 1.1.4 届書内容確認 5% 転入届の記入漏れ等を確認する。不備があった場合は、申 請者へ修正を依頼する。 1.1.5 処理依頼 1% バックヤードへ転入届、転出証明書、個人番号カード等を手 渡し、処理依頼を行う。 1.1.6 届書等受領 1% 窓口係から、転入届、転出証明書等を受領する。 1.1.7 住所情報確認等 2% 特例転入の場合等、必要に応じて、住民基本台帳ネット ワークシステムにて他団体の住所情報の確認や転出証明 書情報の送信・出力を行う。 1.1.8 処理の入力 10% 転入届の内容を住民記録システムへ入力する。 1.1.9 住民異動届等出力 1% 必要に応じて、住民記録システムより住民異動届、窓口案 内を出力する。住民異動届受理通知を出力する。 1.1.10 カード裏書 2% 裏書プリンターにて、個人番号カード等の裏書を行う。 1.1.11 届書の審査 15% 入力内容や各種書類をもとに、転入届の審査を行う。 1.1.12 住民異動届等の交付依頼 窓口係へ住民異動届、窓口案内を手渡し、住民異動届の 課名: ••課 対応者 (雇用形態) 業務 作業 事務 法律・条例等の制約 補足情報 専門性 (コア/ノンコア) 処理媒体 (入力、確認、審査等) 作業時間 (割合) 【専門性(コア/ノンコア)】 以下の考えに従い、選択してください。 コア:職員による必須の作業(審査、決裁等) ノンコア:職員による対応が必須ではない作業 【作業時間(割合)】 ひとつの事務内の作業全体で100%になるように、 割合を記入してください。 【法律・条例等の制約】 アウトソーシングやICT化を実現するうえでの、法律や条例 等の制約を記載してください。 何らかの制約が発生する場合は、「制約の根拠」を選択し てください。 【処理媒体】 入力、確認、審査等の事務処理について、操作・処 理する媒体を選択してください。 電話連絡や調整ごと、他組織への連携・依頼等の 作業で、処理媒体がない場合は回答不要です。 【対応者】 作業の主たる実施者(対 応者)が委託や派遣の場 合、以降の調査項目への 回答は不要です。 業務プロセス定義の作成で整理 業務プロセス定義に項目を追加し、業務量調査で収集 4 【どうやって業務の棚卸しをしたのか?】
  5. 3.どこがボトルネック?  業務分析を行うため、実施内容(事務の属性)が類似している作業を以下のとおり分類  職員が実施する必要がある業務を「コア業務」、職員以外で実施を検討する余地があ る業務を「ノンコア業務」と分類 事務の属性 業務形態 コア ノンコア

    各事務のうち、業務を跨って実施内容が類似する事務を1~17に大別し、 各業務にて 実施する内容が異なる事務を「18. その他」として分類 職員が実施する必要がある業務(判 断が必要/職員権限での実施が必 要 等) 職員以外で実施を検討する余地が ある業務(定型的である/職員権限 での実施が不要 等) 1 申請受付 申請受付/申請書類の確認等に係る事務 2 相談/面談 相談/面談に係る事務 3 入力 申請情報登録/結果登録等に係る事務 4 確認 入力内容や出力内容の突合に係る事務 5 帳票作成 システム等からの帳票出力/出力結果の確認に係る事務 6 データ抽出/加工 対象者抽出やExcel加工を伴う事務 7 審査/決裁 審査、認定、選考、決裁等 8 交付/通知 通知出力/封入封緘/送付等に係る事務 9 徴収、支払 手数料徴収、市金庫収納等の現金扱いに係る事務 10 書類整理 書類の仕分け、整理、保管に係る事務 11 連携 庁内外からの依頼、資料受領、提出、連絡に係る事務 12 訪問、調査 訪問準備、訪問/調査分析関係の業務 13 統計/集計 統計資料/報告資料作成等 14 問い合わせ 市民からの問い合わせ対応全般 15 会議/イベント 説明会、委員会/イベント開催に向けた各種調整、当日対応等 16 事業計画等 事業計画の立案・検討等に係る事務 17 施設管理 設備点検、備品手配等に係る事務 18 その他 上記1~17以外の業務全般(勤怠管理、旅費申請等を含む) 左記属性に対し、「コア」/「ノンコア」別に業務量を精査 5 【事務作業を分類してみた!】
  6. 3.どこがボトルネック?(つづき)  調査対象課全体で4割がコア業務、6割がノンコア業務  正規職員ではノンコア業務が7割強を占めている部署が3課 雇用形態別 コア/ノンコア業務量の割合 正規職員 非正規職員 嘱託職員

    ノンコア業務が7割強を占めている 年間業務量(時間) 年間業務量(時間) 年間業務量(時間) 7 年間業務量(時間) 【職員はすべき作業ができているの!?】
  7. 4.どう効率化をすすめるの? 泉大津市 一番のボトルネックである「入力作業」の効率化 から着手することに決定! 8 【まずは一番のボトルネックから】  優先順位の判断基準 ① 業務量の削減効果が大きい

    年間業務量が72,566時間で最多 ② 本市の多くの課で業務量の削減が見込める 対象課(全12課)すべてで実施 ③ 他市への横展開が期待できる プロジェクト協力自治体中、3市で同様の課題  予算や人的リソースが限られている中で、どこから着手するのか検討するため、一定 の判断基準をもとに検討
  8. 5.どこにRPAを導入する?  業務システムへの入力や入力結果の確認を人手で行っているケースが多く、業務負荷 や人的ミスの発生のリスクがある  業務システムの機能でこれを解消するにはカスタマイズが必要となるため、RPAを活 用して効率化を図る  データの取込機能がないため、印刷して手入力 

    結果の読み合わせ作業(チェック作業)を実施  処理件数が多く、入力事務の業務量が多い  RPAを活用し、データの自動登録やエラーチェック を自動化  職員はRPAでの登録結果やチェック結果を確認 9 【入力作業効率化のための1つのツールとしてRPA活用!】
  9. 5.どこにRPAを導入する?(つづき)  RPAの導入に向けて、平成30年度実証実験を実施  実証実験対象業務は、業務の棚卸しの結果をもとに、入力もとの情報がデータであり る業務を抽出し、その中から協力してくれる課を手挙げ方式で募集  人事課の給与管理業務と税務課の軽自動車税賦課業務の2業務で実証実験実施 職員の給与支払時に控除した保険料等を 保険者等に支払うために行う財務会計処

    理 -業務のプロセス- ※ 部分をRPAで自動化 給与管理業務 補足情報 処理 取りまとめ一覧の作成 給与明細書をもとに、とりまとめ一覧(Excel)を作成する。 納付書作成・支出命令書の作成 財務会計システムにて、Excelをもとに納付書、支出命令 書を作成する。 納付書作成・支出命令書の出力 財務会計システムにて、納付書、支出命令書を出力す る。 決裁 決裁書類の提出 会計課へ納付書と支出命令書を提出する。 作業 軽自動車税の当初課税に当たって、車両 の廃車に関する情報を税務端末に入力す る処理 -業務のプロセス- ※ 部分をRPAで自動化 軽自動車税賦課業務 事務 補足情報 新規・変更・廃車 登録(軽自協会 からの受領) 申告書の受領 「軽自動車税申告書(廃車用)」(軽自等)(以下『申告書等』)を軽自協会か ら受領する。 税務端末入力 税務端末に申告書等の内容を入力する。 内容確認 入力結果と、申告書を突合し、正しく登録できていることを確認する。 台帳整理 申告書等を廃車台帳(紙)として車種毎のナンバー順に編綴し管理する。 作業 10 【実証実験で効果を検証!】
  10. 6.RPA実証の結果は?  Win Actorを使って効率化できるか検証  人事給与システムや財務会計システム、軽自動車税システムでの作業をRPAで代替 できることを確認  現行業務フローとRPA導入後の業務フローは次のとおり 【業務フローがどう変わった?】

    11  現行の業務フロー 保険料等の データ抽出 【PDF】 人事給与システム 抽出データ の印刷 【紙】 集計表に 入力 【Excel】 集計表の 印刷 【紙】 集計表の 内容確認 【紙】 集計表の 内容入力し 納付書出力 財務会計システム 保険料等の データ抽出 【PDF】 抽出データ の印刷 【紙】 集計表に 入力 【Excel】 集計表の 印刷 【紙】 集計表の 内容確認 【紙】 集計表の 内容入力し 納付書出力 人事給与システム 財務会計システム  RPA導入後の業務フロー 出力内容 確認 【紙】 出力内容 確認 【紙】 人の手を介さずに処理が可能
  11. 6.RPA実証の結果は?(つづき) 【業務フローがどう変わった?】 12  現行の業務フロー 申告書の 受領 【紙】 申告書の 内容入力

    入力 データの 印刷 【紙】 入力内容 の確認 【紙】 修正箇所 の入力 税システム  RPA導入後の業務フロー 申告書 の整理 【紙】 税システム 廃車等の データ 抽出 抽出 データの 入力 入力 データの 印刷 【紙】 税システム 申告書 の整理 【紙】 J-LISデータ の抽出 修正箇所 の入力 税システム 入力内容 の確認 【紙】 入力内容 の確認 入力内容 の確認 申告書の 受領 【紙】 廃車等の データ 抽出 抽出 データの 加工 抽出 データの 加工 ※RPAの導入により新たな作業が発生するケースもあるが、その作業をRPAで実施 することで、業務全体を効率化 RPA導入により入力誤りがほとんどなくなった ため、修正箇所の入力はほとんど不要に 人の手を介さずに処理が可能
  12. 6.RPA実証の結果は?(つづき) 【定量的効果は?】 13 ①業務量削減効果  給与管理業務:約75%の業務量削減効果  軽自動車税賦課業務:約19%の業務量削減効果 事務作業の効率化を推進し コア業務(市民サービスの向上等)に注力

    ②業務フローの見直し  RPA導入時に業務フローを詳細に把握し、どこをRPAに代替させるか検討  現行の業務フローを見直し、RPAの導入を含めた全体フローの最適化 業務フローの再検討ができる 【定性的効果は?】
  13. 業務の棚卸しや実証実験の実施などで一時的に新たな業務が発生 業務所管課の協力が得られにくく、RPA導入推進の障壁に 14  一時的だが業務が増える! RPAを導入することで新たに費用が発生し、コストが増加 財政部門に理解してもらうのに一苦労  お金がかかる! 7.やってみて分かった課題

     だれがシナリオを作るのか! 継続的にRPAを活用・運用するには、シナリオ作成・修正作業を職員が実施する必要 庁内体制を構築する予定  紙資料が多すぎ! 自治体では紙ベースの資料や申請が多いので、RPAを導入できる業務が限定的
  14.  実証実験を実施しながら、効果があると判断した場合は今後は、RPA導入業務を拡 大していく  実証実験は毎年度2業務程度で実施する想定  シナリオ作成の内製化は複数年かけて実現する予定 【ちょっとずつ導入していく】 2業務導入 2業務実証

    4業務導入 2業務実証 6業務導入 2業務実証 RPA RPA RPA RPA RPA RPA RPA RPA RPA RPA RPA RPA 実証実験をしながら 順次対象業務を拡大 する予定 1年目 2年目 3年目 順次拡大 RPA導入のイメージ 15 8.これからどうしていく?