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Next.js を選定した ZOZOTOWN のフロントエンドリプレイス、その全体像 / zozotown frontend replacement project

Next.js を選定した ZOZOTOWN のフロントエンドリプレイス、その全体像 / zozotown frontend replacement project

yuya takei

June 08, 2023
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Transcript

  1. © ZOZO, Inc. 2 株式会社ZOZO
 ZOZOTOWN開発本部 ZOZOWEB部
 リプレイスバックエンドブロック
 武井 勇也


    2020年4月 新卒入社 ZOZOTOWN 開発本部に配属
 2021年10月 フロントエンドリプレイスを担当開始
 2023年4月 リプレイスバックエンドチーム異動
 ZOZOTOWNのWebのリプレイスを担当
 Twitter : @takewell_ Zenn : @takewell

  2. © ZOZO, Inc. 目次
 • Next.js でのリプレイスに至った経緯 • フロントエンドリプレイス •

    Next.js をプロダクション投入するためのレンダリング • 振り返り • 今後について • まとめ 3
  3. © ZOZO, Inc. リプレイス開始前
 5 • 一つのアプリケーションにすべての責務を集 約したモノリシックな構成 • Classic

    ASP/VBScriptで実現できない機能 は独自ライブラリを作成し対応 • スケールに成功し日本最大級のファッション 通販サイトとして成長 ※ 説明のため簡略化しています
  4. © ZOZO, Inc. さらなる成長のための課題
 6 • 技術スタックが時代的に一般的ではなくなってきているため • クラウド化が困難 •

    OSSやSaaSのSDK導入が困難 • 人材採用が困難 • モノリシックなため • 責務が集中し、ロジックが密結合なため変更コストが高い • 開発組織のスケールが困難
  5. © ZOZO, Inc. 8 柔軟なシステム 開発生産性 技術のモダン化 採用強化 • セールなどの高負荷時

    にスケール可能 • 技術情報のアウト プットによるプレ ゼンス向上 • レガシー技術による 独自実装の減少 • 汎用ミドルウェア、 SaaSを利用可能 • 並行開発 • リリースの自動化 リプレイスの効果

  6. © ZOZO, Inc. フロントエンドリプレイス前の構成
 9 ※ 説明のため簡略化しています • 達成 •

    ビジネスロジックをマイクロサービスに移譲 • クラウド化 • 人材採用の加速 • インフラ基盤のベースを構築 • 未着手 • Webサーバーのリプレイス
  7. © ZOZO, Inc. ホーム画面のリプレイスをフロントエンドリプレイス Phase1 と設定
 11 Phase1 の狙い •

    新フレームワークの導入 • インフラ基盤を構築する ホーム画面から始めた理由 • ホーム画面で利用しているAPIは、大部分が新BFF(Backend For Frontend) API から提供されており、レガシーシステムへの依存が比較的少ない • アクセス数や機能が多く、開発や運用のナレッジを蓄積しやすい • サービスの象徴的ページであり、開発のモチベーションが湧きやすい
  8. © ZOZO, Inc. 新フレームワークは Next.js を選定
 12 選定理由 • Reactでの開発をwebpackの細かい設定なしに始められる

    • ページごとの SSR/SG などのレンダリング手法を柔軟に切り替えることができる • ルーティングとビルドコード分割の提供している • 数々のパフォーマンス最適化など新機能が毎年リリースされており、アクティブに開発され ているため将来性も期待できる  開発生産性◎ パフォーマンス◎ 人材採用のポテンシャル◎
  9. © ZOZO, Inc. フロントエンドリプレイス後のシステム構成
 13 • (1) ホーム画面のパスをリプレイス後のシステムへ、ホーム画面以外のパスは既存 システムへリクエストをルーティング •

    (2) リプレイス後のシステムと既存オンプレミスのIISサーバーとセッションデータ共有 や、既存システムとの通信も可能にしている
  10. © ZOZO, Inc. レンダリング
 15 • Next.js には様々なレンダリング手法があるが、SSRするか否かがポイント • SSR

    が必要な理由 • メタタグに動的データが必要 • ファーストビューに表示されるUIはローディングなどを挟まず表示したい • セールやキャンペーンの開始や終了のタイミングに合わせて時限式に切り替わるUIを 提供したい • SEO は極めて重要、懸念はないようにしたい
  11. © ZOZO, Inc. レンダリングを選ぶためのフローチャート 16 • SEO効果に影響するコンテンツ • メタタグ •

    ファーストビューに表示される • 検索エンジンにクローリングして欲しいものか • キャッシュ可能なコンテンツ • ユーザーによって変化しない • 時間で動的に切り替わる
  12. © ZOZO, Inc. SSR の問題点
 17 • アプリケーションを監視するエンジニアのオンコール体制の構築が必要 • サーバーの費用的なコストが生じる

    • Node.js はシングルスレッド故に SSR のようなCPUバウンドな処理を同時処理された場 合、イベントループがブロックされ、性能が低下する可能性がある ZOZOTOWN はセールのタイミングなどリクエストがスパイクすることが あります。 快適に買い物してもらうためには、この高負荷に耐えられる必要があります
  13. © ZOZO, Inc. SSR の問題点に対する対策
 18 • リクエスト(req/sec) の見積もりと、負荷性能試験の実施 •

    CDN を用いたキャッシュ • SEOに無関係な場合、CSR を積極的に利用していく • Node.js のマルチプロセス化によるコスト最適化
  14. © ZOZO, Inc. 必要となるスキル 20 ハードスキル • マークアップ : CSS,

    アニメーション, アクセシビリティー • FEアプリケーション : ステート管理, レンダリング設計, ミドルウェアのノウハウ • BFFレイヤー : Node.js SSR/SG などの設計 マイクロサービスAPIのノウハウ • FE インフラ : Docker, GitHub Actions, CDN, 開発環境基盤のノウハウ • 既存システム : VBScript, 独自ミドルウェアのノウハウ ソフトスキル • 未知の知識を幅広く・早く吸収できる探索学習力 • 他部署と共通認識を形成できるコミュニケーション力・推進力 • 現場特性から最適なソリューションを判断・提案できる力
  15. © ZOZO, Inc. よかった取り組み 21 • 他プロジェクトの兼任をやめてリプレイス専属FEチームを発足させた • やらないことを決めた •

    ビックバンリリースはしない • 大きい機能改修はしない • レスポンシブサイトにはしない • 技術顧問古川さんに定期的に相談し、客観的に設計レビューをいただく
  16. © ZOZO, Inc. 23 ~2021 Webフロントエンド リプレイス マイクロサービス 2022 2023

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 フロントエンドリプレイスPhase1
 完了 未着手 進行中
  17. © ZOZO, Inc. Core Web Vitals の向上 24 Desktop Mobile

    改善しているが、劇的な変化には至らず...! 伸び代まだまだあります! Before After
  18. © ZOZO, Inc. まとめ 26 • ホーム画面のNext.js化をフロントエンドリプレイス Phase1 というマイルストーンに設定した •

    Next.js 化のプロダクション投入するためにはレンダリング設計が肝 • システムリプレイスは多岐にわたるスキルが必要となる。加えて、心構えやそれに至るまでのステップも 重要