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スプリントゴールで価値を駆動しよう

 スプリントゴールで価値を駆動しよう

スクラムの特徴が活きる適用分野の1つは、新たな価値をもたらすプロダクト等の開発に代表される不確実性が高い(複雑な)分野である。そのような分野で不確実性に効果的に対処し、価値を探索するためには、スクラムをより柔軟に適用し、価値の探索という目標に集中することが有効である。本スライドでは、プロダクトオーナーを中心にスプリントゴールを用いてスクラムの柔軟性を高め、価値の探索という目標により集中する方法を紹介する。

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Taku Fujii

May 24, 2025
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Transcript

  1. 藤井 拓のプロフィール ⚫ 所属 ➢ 2024年4月1日から:とある社会福祉法人、 M3&T Lab.(個人事業) ⚫ 略歴

    ➢ 1984年4月~1990年6月:メーカーで半導体製造プロセスの研究に従事 ➢ 1990年6月~2022年3月:株式会社オージス総研で研究開発に従事 ◆ 2011年-2022年:アジャイル開発などの研究開発、書籍翻訳、コミュニティー活動等に従事 ➢ 2022年4月~現在: M3&T Lab. でアジャイル開発のアドバイザーや書籍翻訳等に従事 する傍ら、2022年4月から2年間社会福祉を学び、2024年4月からパートタイムで社会 福祉の仕事に従事している。 ◆ 2022年7月:アジャイルなマネジメントに関する書籍『マネジメント3.0』の邦訳を刊行 ⚫ 最近の関心 ➢ 不確実性への挑戦、クネビンフレームワーク、シニアライフの模索 2 SNSは、最近はLinkedIn( taku-fujii-1304392)をメインに使っていますが、Facebook、X も時々使っています。
  2. 本講演の元ネタ:マーテン・ドメイン『スプリントゴー ルで価値を駆動しよう:価値探索に焦点を合わせたスク ラムの実践』, 丸善出版, 2025 M3&T Lab. 3 マーテン・ドメイン(Maarten Dalmijn)のプロダクトオーナー

    (PO)として実践経験に基づく現実的なアドバイスが豊富に盛り 込まれた書籍 ⚫価値の探索を行う上で、スクラムをどのように活用すべ きか ⚫POを中心に、スプリントゴールを軸にスクラムを実行 することで、価値の探索により注力することができる 原書:Maarten Dalmijn, ”Driving Value with Sprint Goals: Humble Plans, Exceptional Results” (Addison-Wesley, 2023)
  3. 仕事の性質による進め方の違い :クネビンフレームワーク クネビンフレームワークは、 IBMのDave Snowdenによって 考案された意思決定のフレーム ワーク ➢仕事の領域を認識することで、 それに合うアプローチが分かる ◆複雑:探索→把握→対応

    ◆ややこしい:把握→分析→対応 … M3&T Lab. 8 Cynefin に対して「カネヴィン」というカタカナ表記を用いている文献もある。 クネビンフレームワークを概説する暫定版の記事:https://x.gd/umV2l Maarten Dalmijn, ”Driving Value with Sprint Goals: Humble Plans, Exceptional Results” (Addison-Wesley, 2023)の図に基づいて作成
  4. 自信を持った計画策定とドメイン ややこしいドメイン 複雑なドメイン M3&T Lab. 11 Maarten Dalmijn, ”Driving Value

    with Sprint Goals: Humble Plans, Exceptional Results” (Addison-Wesley, 2023)の図に基づいて作成
  5. スクラムの2つのスタイル アナコンダ-スタイル ハチドリ-スタイル ⚫実行しながら、やることを決 める M3&T Lab. 23 ⚫やることを最初に決めて、そ れをやり遂げる

    • ハチドリ-スタイルでは、スプリントゴールが鍵となる! • これらの2つのスタイルの間に連続的な分布がある
  6. まとめ 本講演では、マーテン・ドメインの”Driving Value with Sprint Goals”の内容を参考にして 以下のことをお話した。 ⚫ スクラムをなぜ使うのか? ⚫

    複雑な仕事を行う際の要点 ⚫ スクラムの2つのスタイルとよいスプリントゴールの特徴 ⚫ スプリントゴールを中心にスクラムイベントを再考する POを中心に、スプリントゴールを軸にスクラムを実行することで、価値の探索により注力 することができる ➢ スクラム自身を固定的に考えず、より柔軟に考えていくことが大事ではないか M3&T Lab. 33
  7. 書籍『スプリントゴールで価値を駆動しよう』に 私が興味を持った点 A) スクラムを適用すべき状況とその理由 B) スプリントゴールを中心としたスクラムの柔軟な適用 C) プロダクトオーナーやコーチとして体験談 D) プロダクト管理の基本概念の解説

    M3&T Lab. 34 これらの4点は、書籍『スプリントゴールで価値を駆動しよう:価値探索に焦点を合わせたスクラ ムの実践』の紹介ページ(https://x.gd/cfDAK)で簡単に説明しています
  8. クネビンフレームワークへの興味 クネビンフレームワークをより詳 しく説明する書籍としては以下の ものがある ⚫ Dave Snowden et al, “Cynefin

    - Weaving Sense- Making into the Fabric of Our World”, Cognitive Edge Pte Ltd, 2020 この本では、組織を客観視するた めの鏡としてクネビンフレーム ワークを使える等、現状からの変 革に役立たせるための原則等が紹 介されている M3&T Lab. 37 クネビンフレームワークを概説する暫定版の記事:https://x.gd/umV2l Dave Snowden et al, “Cynefin - Weaving Sense- Making into the Fabric of Our World”, Cognitive Edge Pte Ltd, 2020の図に基づいて作成