Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
ヨーガン・アペロの名著『Management 3.0』の待望の邦訳『マネジメント3.0』のご紹介
Search
Taku Fujii
January 04, 2022
Technology
1
730
ヨーガン・アペロの名著『Management 3.0』の待望の邦訳『マネジメント3.0』のご紹介
2022年7月に刊行されたヨーガン・アペロの名著『Management 3.0』の待望の邦訳『マネジメント3.0』の概要を紹介するチラシです。
Taku Fujii
January 04, 2022
Tweet
Share
More Decks by Taku Fujii
See All by Taku Fujii
スプリントゴールで価値を駆動しよう
takufujii
0
380
マネジメント3.0をその基礎となる複雑適応系、自己組織化から理解しよう
takufujii
1
200
マネジメント3.0モデル入門(120分版)
takufujii
12
6.6k
マネジメント 3.0モデルのエッセンスポスター
takufujii
0
810
Management3.0モデル超入門
takufujii
0
6.1k
ポスターで学ぶ Management 3.0 モデルのエッセンス(前編)
takufujii
0
640
ポスターで学ぶ Management 3.0 モデルのエッセンス
takufujii
0
410
Other Decks in Technology
See All in Technology
ZOZOTOWNでの推薦システム活用事例の紹介
f6wbl6
0
230
VPC間の接続方法を整理してみた #自治体クラウド勉強会
non97
1
1k
ガバメントクラウド先行事業中間報告を読み解く
sugiim
1
1.9k
SREの前に
nwiizo
8
1.3k
最速最小からはじめるデータプロダクト / Data Product MVP
amaotone
5
780
신뢰할 수 있는 AI 검색 엔진을 만들기 위한 Liner의 여정
huffon
0
450
[JAWS-UG金沢支部×コンテナ支部合同企画]コンテナとは何か
furuton
3
320
Oracle Base Database Service 技術詳細
oracle4engineer
PRO
5
49k
国土交通省 データコンペ参加者向け勉強会
takehikohashimoto
0
270
AIを駆使したゲーム開発戦略: 新設AI組織の取り組み / sge-ai-strategy
cyberagentdevelopers
PRO
1
140
フルカイテン株式会社 採用資料
fullkaiten
0
39k
AWS CDKでデータリストアの運用、どのように設計する?~Aurora・EFSの実践事例を紹介~/aws-cdk-data-restore-aurora-efs
mhrtech
4
750
Featured
See All Featured
Making Projects Easy
brettharned
115
5.9k
The Illustrated Children's Guide to Kubernetes
chrisshort
48
48k
The Pragmatic Product Professional
lauravandoore
31
6.3k
YesSQL, Process and Tooling at Scale
rocio
167
14k
Speed Design
sergeychernyshev
24
580
Exploring the Power of Turbo Streams & Action Cable | RailsConf2023
kevinliebholz
27
4.2k
Dealing with People You Can't Stand - Big Design 2015
cassininazir
364
23k
RailsConf 2023
tenderlove
29
880
No one is an island. Learnings from fostering a developers community.
thoeni
19
3k
The Success of Rails: Ensuring Growth for the Next 100 Years
eileencodes
43
6.6k
Fireside Chat
paigeccino
32
3k
Designing for humans not robots
tammielis
249
25k
Transcript
1 書籍『マネジメント 3.0: 適応力の高いチームを育むための 6 つの視点』のご紹介 本書は、アジャイル開発の土台となる自己組織化や奉仕型リーダーシップなどに基づく新 たなマネジメントのあり方を提案するものです。 本書の特徴は、 そのような新たなマネジメ
ントのモデル(マネジメント 3.0 モデル)を理論面と実践面の両方から解説していること です。 ⚫ 本書の基本情報 ⚫ 目次 ⚫ 本書の内容 ⚫ 本書に対するコメント 本書の基本情報 ⚫ タイトル:マネジメント 3.0 ⚫ サブタイトル:適応力の高いチームを育むための 6 つの視点 ⚫ 著者名:Jurgen Appelo ⚫ 翻訳者:藤井 拓 ⚫ 出版社:丸善出版 5,720 円 (2022/8/4 現在、 税込み) ⚫ サイズ:A5 サイズ ⚫ ISBN:978-4621307359 目次 ⚫ 第 1 章:なぜ物事はそれほど単純ではないのか
2 ⚫ 第 2 章:アジャイルソフトウェア開発 ⚫ 第 3 章:複雑系の理論 ⚫
第4章:情報-イノベーションシステム ⚫ 第5章:人々をどのように元気づけるか ⚫ 第6章:自己組織化の基本 ⚫ 第 7 章:チームにどのように委任するか ⚫ 第 8 章:意図的にリードし、統治する ⚫ 第9章:制約をどのように揃えるか ⚫ 第 10 章:ルール作りの技能 ⚫ 第 11 章:コンピテンスをどのように育むか ⚫ 第 12 章:構造の上のコミュニケーション ⚫ 第 13 章:構造をどのように成長させるか ⚫ 第 14 章:変革の地形 ⚫ 第 15 章:すべてをどのように改善するか ⚫ 第 16 章:全て間違っているが、いくらかは有用である 本書の内容 第 1 章-第 3 章では、マネジメント 3.0 の基礎となる複雑系の科学、アジャイル開発が説 明されています。第 4 章以降は、図 1 で表されるマネジメント 3.0 モデルの 6 つの視点の 各々が理論面から説明する章と実践面から説明する章の 2 章で説明されます。 以降、 マネジメント 3.0 の土台になる非線形性、 アジャイル開発、 複雑系を説明する第 1 章 -第 3 章と、マネジメント 3.0 モデルの 6 つの視点の各々を2章で説明する第 4 章-第 15 章、最後のまとめである第 16 章の概要を説明します。 チームに委任する 人々を元気づける 制約を揃える コンピテンスを育む 構造を成長させる すべてを改善する 図 1 マネジメント 3.0 モデル(マーティー) 書籍 『Management 3.0』の図を基に作成
3 第 1 章-第 3 章では、まず因果関係を理解し、それに基づいて将来を予測できるという線 形なシステムと、 因果関係が明確ではなく、 将来の予測が困難だという非線形なシステムの 両者が存在することを説明します。
システムとは、 人間の組織や生命体の群れのように複数 の要素の相互作用からなるもので、それらのシステムのうちで非線形でその将来の挙動が 困難だというものが複雑系です。 我々を取り巻く世界が複雑系であれば、 我々の組織もその 環境に適応するために複雑系 (正確には複雑適応系) でなければならないことを説明します。 つまり、上位の指示と統制で動く階層的な組織(マネジメント 1.0)ではなく、上位の指示 と統制無しに変化に柔軟に適応する組織(マネジメント 3.0)にならねばならないというこ とです。 加えて、 アジャイル開発の概要やシステム科学の発展についても概説しています。 第 4 章-第 5 章では、マネジメント 3.0 の「人々を元気づける」という視点を理論と実践 の両面で説明します。ここでは、まず組織が情報を得て、それからイノベーションを生むと いう「情報-イノベーションシステム」として捉えます。この「情報-イノベーションシステ ム」は、知識、創造性、モチベーション、多様性、個性という 5 つの歯車により機能してお り、これらの歯車を活性化させることが「人々を元気づける」ということです。書籍では、 創造性、モチベーション、多様性、個性の4個の歯車を活性させる方法を理論面と実践面の 両面から説明します。 第 6 章-第 7 章では、マネジメント 3.0 の「チームに委任する」という視点を理論と実践 の両面で説明します。 第6章では、 自己組織化というのが自然界でありふれた現象であり、 自己組織化するだけでは良いものも悪いものも生み出しうることを説明しています。さら にマネージャーとして自己組織化する組織に委任 (エンパワメント) することでメンバーを 成長させること、 権限移譲のレベルの選択肢、 組織に対する委任のレベルについて説明して います。 第 8 章-第 9 章では、マネジメント 3.0 の「制約を揃える」という視点を理論と実践の両 面で説明します。自己組織化する組織がより良い成果を生むためのマネジメントの役割が、 目指すべき方向性を設定したり、ここだけは守ってほしいという最低限の境界を設定する ことであることを説明しています。さらに、マネージャーの役割が「育む」 、 「守る」 、 「方向 づける」ことであることを説明しています。 第 10 章-第 11 章では、マネジメント 3.0 の「コンピテンスを育む」という視点を理論と 実践の両面で説明します。 ここでは、 アジャイル開発では高いコンピテンスが求められるに も関わらずそのことを明示していないことが死角になっていると論じ、コンピテンスを育 むための 7 つオプションを説明しています。また、組織の実務上のルールを、マネジメント から課すのではなく、実務メンバーが自らルールを作ることができるようになることを目 指すべきことだということを説明しています。 第 12 章-第 13 章では、マネジメント 3.0 の「構造を成長させる」という視点を理論と実 践の両面で説明します。まず、組織のパフォーマンスや適応性を左右するのは、人々のつな がりと底を介したコミュニケーションの質です。この 2 章では、組織の編成の際に考慮す
4 べき、コミュニケーションを媒介する原型(アーキタイプ)について説明し、組織の編成の オプションとしてスペシャリスト中心の機能組織と機能横断的な組織の両方について論じ ます。 さらに、 組織間の調整方式のオプションと組織をスケールさせる2つのオプション、 スケールアップとスケールアウトについて論じます。 第 14 章-第
15 章では、マネジメント 3.0 の「全てを改善する」という視点を理論と実践 の両面で説明します。 組織変革は、 ビジネス環境の中で自らの適応性を高めるために行うも のです。 これは、 生物が進化の中で自らの遺伝子を変化させることで環境への適応性を高め てきた行為に似ています。 この章では、 変革による適応性の変化を可視化する適応度地形を 紹介し、さらに生物の進化における 3 つの戦略を組織変革に適用するというアイデアを提 案しています。 第 16 章は、ネタバレになると面白くないので、詳しい内容は読んでのお楽しみですが、 マネジメント 3.0 を完全に伝えることの難しさとそれの克服方法について論じています。 本書に対するコメント 以下に本書を読み、コメントを寄せて下さった方々のコメントを紹介します。 “いわばアジャイルなマネジメントに向けて、複雑性の理論から組織や マネジメントを捉え、自己組織化やモチベーション、成長など多岐にわ たり深い考察。チームやシステムを育む庭師の比喩等々示唆に富み Uncle Bob の前書きにあるようにマネジメントの職人向きの逸品” 鷲崎 弘宜, 早稲田大学 理工学術院 基幹理工学部 教授 “アジャイル(ソフトウェア開発)、そして複雑系理論から始まり、人、 リーダー、チームそしてルールに触れ、構造の理解とその成長、変革お よび改善へと至る。著者の執筆に至る最初のインスピレーションとその 後の旅とも一致する展開は物語のよう。 各章には経営工学(技術含む)に関わる古典、最新理論、実践から紡いだ 語句が所狭しと織り交ぜられており、洋書(英語)ならでは情報密度に圧 倒される。しかし、読者を手引きし、導いてくれるような不思議な丁寧 さがあり、安心して読み進められる。…“ 中谷 公巳, アクシスインターナショナル株式会社 代表取締役
5 参考情報 本 書 籍 紹 介 の PDF 版
や 書 籍 の 内 容 を 紹 介 す る プ レ ゼ ン 資 料 を https://speakerdeck.com/takufujii に掲載しています。 参考文献 ⚫ ヨーガン・アペロ、マネージング・フォー・ハピネス――チームのやる気を引き出すゲ ーム、ツール、プラクティス、 明石書店、2022 ⚫ 藤井 拓、7 月末に Appelo さんの名著『マネジメント 3.0』が刊行されます、 https://m3tlab.wordpress.com/2022/06/25/7%e6%9c%88%e6%9c%ab%e3%81%aba ppelo%e3%81%95%e3%82%93%e3%81%ae%e6%9b%b8%e7%b1%8d%e3%80%8e %e3%83%9e%e3%83%8d%e3%82%b8%e3%83%a1%e3%83%b3%e3%83%883- 0%e3%80%8f%e3%81%8c%e5%88%8a%e8%a1%8c%e3%81%95%e3%82%8c/