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2024年度ICT職専門研修(海外派遣研修)報告書 No.2

2024年度ICT職専門研修(海外派遣研修)報告書 No.2

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  1. 1 01 研修概要 背景 渡航テーマ 渡航先 02 研修内容 • London

    • Berlin • Amsterdam • Edinburgh 03 まとめ 視察の総括 都政に還元したいこと
  2. 2 03 まとめ 視察の総括 都政に還元したいこと 02 研修内容 • London •

    Berlin • Amsterdam • Edinburgh 01 背景 渡航テーマ 渡航先 研修概要
  3. 3 01 研修概要 背景:サービス品質の課題 あるべき姿(To Be) 高い品質のサービスを提供しており、都民から高い信頼や満足を得ている そして、都民を巻き込みながら、未来の東京戦略等も実現されている 現在の状況(As Is)

    ガイドラインや行動指針(サービスデザインガイドラインやデジタル10か条等) は策定できたものの、未だ満足度が低いサービスが散見される いま、都のICT職員として、取り組むべきと思うこと 全庁で取りこぼしなく、サービス品質を改善していくこと 都のサービス品質向上を都民に実感してもらえるようにすること
  4. 5 01 研修概要 渡航先 London UAL Berlin IFA Edinburgh SD

    in Gov Amsterdum IBC 大学の講義でスキルを高めたのち、技術トレンドや行政への応用事例を視察する © OpenStreetMap contributors / CC-BY-SA
  5. 研修内容 8 02 視察先 (UAL) 概要 基本情報 • QOSの世界大学ランキングにおいて、デザインとアート部門で世界2位を獲得する教育機関 •

    The World Needs Creativityと題した戦略を掲げ、アート教育を行っている • この戦略の元に、 Short Courseという数日間で完結するプログラムが拡充され、アート、 デザイン、ビジネスなど、15の分野で100以上のコースが提供される (本視察でも、このShort Courseの1つに参加した) • 業界で働くプロから直接指導を受けることができる 視察理由 サービスデザインやブランド戦略を習得するため
  6. 研修内容 9 02 UAL と その周辺 の様子 大学の入場ゲート そばにいるスタッフとは毎朝挨拶する 大学の入場ゲートを通た正面の広間

    大学内の廊下 休み時間は学生同士がソファで宿題をしている 大学前の広場 併設の商業施設には日本のアパレルメーカーもいる 大学から最寄り駅までの坂道 再開発された地区で活気に溢れている Googleのイギリス本社もある
  7. 研修内容 10 02 UALでの 視察内容 授業内容 • ブランドに関するストラテジー • SWOT分析や顧客に提供する価値の見直し

    • 見直した価値を元に、ブランドエッセンス(信念、最も重視すること)の抽出等 • ブランドのアイデンティティ • ブランドのキャラクター性(挑戦的、堅い等)の概念 • アイデンティティの表現の仕方(配色やフォント、ロゴ、象徴する生き物)等 形式 • 授業は講義パートとワークショップパートが交互に行われる。 • 講義で1つのテクニックを学んだら、3人1組のチームとなって、実在の企業を対象に分析・ ディスカッションを行う。 • 最終日は各自1つのブランドを選び、一連の講義で学んだことの実践と成果発表を行う。
  8. 研修内容 11 02 UALでの気付き ブランド戦略のコツ 重要なことは、ブランドのエッセンスを明確にしていること • ブランド戦略で考えるのは大よそ以下 • 自分たちは、どんな社会を目指して活動するのか

    • 自分たちは、どんな存在でありたいか • 自分たちは、どんなサービスを提供していくか • ブランドのエッセンス(信念、最も重視すること)を明確に理解し、言語化できていないと、 • チーム内で方向性が揃わない(そして、議論は収拾できない) • 少しずつ違うイメージを持って話すため • ブランド表現を決めきれない • イメージが曖昧なので、アイデアを見るごとに目移りして、考えがブレる
  9. 研修内容 12 02 UALでの気付き エッセンスの考え方 ブランドエッセンスを考えやすくすると気づいたポイント • 顧客にとって、自分たちはどんな役割を持っているか書き出すこと • 提供している機能面の便益

    • どんなモノを提供できているか等 • 提供している感情面の便益 • 顧客は自分たちの提供物によって、何を感じるか等 • 顧客にとって、自分たちはどんな個性を持ったブランドかを書き出すこと • 客観的なイメージや雰囲気(挑戦的、堅実等) • 顧客に提供している機能
  10. 研修内容 13 02 UALでの気付き 戦略の範囲 / その他(FB※ 方法) 顧客が目にするもの“全て“がブランドに直結する •

    リブランディングを実行するときは、顧客が目にする“全て”をブランド戦略の元に、配色や フォント、サービス内容まで一貫して設計することで、真に効果を出すことができる 発表がポジティブで積極的な空気になるフィードバック • 効果的と感じた講師のFBのやり方 • 良いところを良いと言う(特にコメントのはじめに) • どう良かったか具体的に伝える。個人の感想であっても、良いと感じたなら伝える。 • 気になった箇所は、どうすると良いか、サッパリとアドバイス • 気になった理由を述べるときも、想定される事実(~という受け取り方になると思う等) を伝えるのみ。何かが悪いといった感想を述べたり、長く指摘することない。 ※FB:Feed Back(フィードバック)の略
  11. 研修内容 15 02 視察先 (IFA) 概要 基本情報 • ドイツのメッセベルリンで毎年実施される展示会(2024年は100周年) •

    ガジェット、生活家電、IoT機器の展示や、最新技術に関するセッションが行われる • 215000人の来場者、1800以上の出展 • 100周年の節目と運営体制の刷新に合わせリブランディングして開催 • 東京都のSusHi Techも出展 視察理由 都民とのタッチポイントとなる、デジタルデバイスの最新動向を知るため
  12. 研修内容 16 02 IFAの様子 入場ゲートの様子 イノベーションを謳っていた IFA会場にある広場 商談も盛んに行われた 講演会場の様子 登壇者が居ない間はIFA100周年を祝っていた

    SusHi Tech Tokyoのブース ドイツ国内の経済紙による講演の様子 国内のAI活用の広がりを発表 スタートアップのピッチイベント優勝者発表の様子 日本のスタートアップが優勝していた
  13. 研修内容 17 02 IFAの視察内容 技術トレンドはAIが席巻 • 目新しいデバイスは特になかった一方、最新家電 にはAIが搭載されており、ユーザーを細かくアシ ストをするものは見られた。 (キッチン周りならレシピに則った調理アシスト、

    テレビなら自動フォーカス等) • 部屋の見た目に大きく変化がないが、人の時間の 過ごし方に変化があるように思えた。 (家事の手間が軽減され、余暇に充てられる等) • なお、家電の進化はスマートハウス、スマートシ ティに繋がるように見受けられた。 最大規模だったサムスンのブースの様子 AI for Allと題して、AIを活用した家電を展示
  14. 研修内容 18 02 IFAの視察内容 データ保護は更に重要に • 既にデータ保護を保障することは、マナーの ようになるつつあると感じられた。 • 大規模の大型な展示を構えるブースでは

    大抵データ保護は保障されていると示され ていた。 • ドイツ国内企業による自社サービスを紹介 するセッションでは、GDPR※ 対応が特徴の 1つ目で紹介されていた。 ドイツ国内の企業によるソフトウェアの 紹介をするセッションの様子 ※GDPR:General Data Protection Regulation(一般データ保護規則)の略、EUがEU域内の個人データ保護を規定する法として2016年に制定
  15. 研修内容 20 02 視察先 (IBC) 概要 基本情報 • オランダのRAIアムステルダムで毎年開催される展示会 •

    放送やメディア、マーケティングに関するテクノロジーの展示やカンファレンスが行われる • GoogleやAWS、SONY等世界のメディア・コンテンツに関わるテック企業や、NHKやBBCなど のメディアが出展している。 視察理由 マーケティングやメディアの最新動向を知るため
  16. 研修内容 21 02 IBC の様子 開場内のセッション会場の様子 開場の至る所に発表のスペースがある 「Best Stand Design

    Awards 2024 Best Medium Design」 で表彰されたブース AWSとNVIDIAの合同ブース内にある 開場内のセッション会場の様子 「Best Stand Design Awards 2024 Best Larger Design」 で表彰されたブース ブースまでも客観的にFBを受ける文化 AWSとNVIDAのブースにあった絵描きロボット デジタルヒューマンと新しいインターフェースを想起させる 会場内に設置されたコロッケの無人販売機 タッチ決裁でのみ購入できる
  17. 研修内容 22 02 IBCの視察内容 デジタルヒューマン※ • デジタルヒューマンが生成AIにとって、 チャットの次のインターフェースと言われる ( NVIDIAの発表にて)

    • そのほかの企業のブースでも、デジタル ヒューマンの紹介は見られ、一定の普及 が予想される。 • 音声を認識して出力していて、質問者に対し て、ある程度明確に会話する能力を求めるよ うだった。 • 今後はカメラの映像を取り込んで、相手 の様子を推しはかって提案できるように なれば、窓口対応も十分にできると思わ れた。 • ほかにも、絵描きのロボットがショーを行っ ていたりと、インターフェース変化の予兆が 感じられた。 NVIDIAのセッションの様子 ※デジタルヒューマン:生成AIのインターフェースのⅠ種。人のCGのが話しているように表示されるもの。 デジタルヒューマンの展示
  18. 研修内容 23 02 IBCの視察内容 フェイクニュース① 背景 フェイクニュースの背景 • 数が膨大であり、1つ1つを調査 機関等で検証しきれない。

    • 結果、SNS上に投稿されるフェイク ニュースのほとんどが、取り締ま られず無制限に広がっている。 フェイクニュースに関するパネルディスカッション
  19. 研修内容 24 02 IBCの視察内容 フェイクニュース② 対策 フェイクニュース対策 • 来歴データを付与することで、編 集・改ざんされていないコンテン

    ツだと証明する方法が注目される • 規格はC2PAという団体が定めるも のが主流になりつつある • この数年のうちに、Google、 OpenAI、Adobe、SONY、Nikon 等の企業が対応 • NHKもC2PAに参画しており、IBCで は映像が改ざんを検知する技術の 論文も発表 NHKの展示ブース 映像が改ざんされたことを検知する仕組等を展示
  20. 研修内容 26 02 視察先 (SD in Gov) 概要 基本情報 •

    スコットランド(主にエディンバラ大学)にて開催される • 公共サービスに携わる人を対象にした国際的なコミュニティイベント • 公共領域におけるサービスデザインの実践事例をテーマにしたセッションや、 サービスデザインに役立つスキルのワークショップが開催される 視察理由 • 公的機関におけるサービスデザイン実践事例を知るため • デザインリーダーシップ等、ガイドラインやデザイン文化の主導に関する示唆を得るため
  21. 研修内容 27 02 SD in Gov と その周辺の様子 会場のエディンバラ大学のキャンパス付近 市街地から離れた静かな環境

    発表後にヒアリングもした2人の発表 EY-SerenのNatasha Bhambhra(左) The Royal College of ArtのNicolás Rebolledo(右) エディンバラ大学のキャンパス内の様子 伝統的な建造物が多く残されている Nicolásによるレポート デザインの目的は組織が持つのポテンシャルを引き出すこと サービスデザインを組織に広げる意義として参考にできる GDSの発表 素晴らしいスタンスだと印象に残った 会場で配布されたアンケート調査シート イベントを良くするためにユーザーの意見をどん欲に取りに 行くスタンスであることが分かる
  22. 研修内容 28 02 SD in Govでの視察内容 デザインリーダーシップ 公的機関のサービスを取り巻く環境 • デジタルネイティブなブランド(GAFA等)が定着したことで、すべてのサービス提供者が

    受けるデジタルサービスに対する期待の基準が高くなっている。 • デザイン思考によって、利用者の求めることを汲み取りつつ、組織が持つ目標と規制に融合 させる、バランスの取れたサービスデザインが求められており、政府等イギリス内の公的機 関でも実践が進められている。 組織へのサービスデザイン普及で重要なこと • 組織にどれだけ貢献するか、価値があるかを示していくこと。 • 特に説得力を高めるには、価値を財務面など数字で有用性を説明できることが重要(欧州の 成果報酬型の人事評価文化だと実行しやすいのかもしれない) • デザインリーダーシップには一貫性や安定性、持続力があること。デザインが支持・信頼を 得ていくには時間がかかるため、派出な活動で混乱を生むよりも、堅実さが重要。
  23. 研修内容 29 02 SD in Govの視察内容 GDSのサービス企画 講演内容 • 生成AIサービスの企画を始めるにあたって、まずAI

    サービスに挑戦する場合、挑戦しない場合のリスク を比較し、その結果、挑戦を選んだそう • サービスデザイン活動(β版等のテスト)を実践し ながら、サービス公開に向けて着実に活動を進めて いた。 気づき • 生成AIサービスについて素早く行動していた • 生成AIブームは世界ほぼ同時だったと思われる が、既に住民向け生成AIサービス制作を判断し、 β版を公開するレベルに至っていた。 • 動き出しが速かったように見えた。 GDSが企画時に実施したリスクの比較 GDSのAIサービスのロードマップ
  24. 研修内容 30 02 SD in Govの視察内容 ビジュアルシンキング ワークショップ内容 • イギリス政府機関やAmazon、AMERICAN

    EXPRESS等 での講義も経験する講師によるワークショップ • ビジュアルシンキングの基本となるアイコンやオブ ジェクトの書き方の講習 • 応用的にアイコンを組み合わせて、様々なユース ケースを図で示すワーク 気づき • 絵に起こすと曖昧になっていた箇所に気づくことが できると思った。 (サービス全体像を書こうとして、どこの誰に届け るのか、絵に起こせるレベルの具体性がなかったこ とに気づく等) • 参加者同士で見せ合うことを経験することで、恥ず かしがって実践できない、ということがなくなる ワークショップの様子
  25. 31 01 背景 渡航テーマ 渡航先 研修概要 02 研修内容 • London

    • Berlin • Amsterdam • Edinburgh 03 視察の総括 都政に還元したいこと まとめ
  26. 32 03 まとめ 視察の総括 サービスデザインの実践力向上について UALの授業やSD in Govでのヒアリングを通じて、サービスデザインの実践力向上に有効な事項を認識・ トレーニングすることができた。 •

    ビジュアルシンキング • 活動の影響を想定した計画立案と効果測定 • 新旧案のフラットなリスク評価 • 次に繋がる振り返り サービスデザインにまつわる技術トレンドや行政への応用事例について 複数の技術展やSD in Govでの講演を通じて、サービスデザインの実行性を高めるうえで重要と思える事項 (事業設計や技術トレンド)を見つけることができた。 • サービス改善の当たり前化 • 広報素材の一元管理 • デジタルヒューマン導入 上記の研修を通じて得た示唆を都政に還元したいと感じた
  27. 33 03 まとめ ビジュアルシンキング 概要 図やイラストを用いて、アイデアを可視化しながら考えること日頃から実践する 重要と気づいたきっかけ • SD in

    Govのワークショップに参加してトレーニングできたもの。 • 考えを書き出す時に便利な道具と思えた。 • 文章ではなく、図だと気楽に書くことができた。 • 自分の解像度の高さを客観的に判断する道具としても良いと思えた。 • いざ図に起こそうとして、考えが曖昧な個所を見つけることができた。 • 例えば、サービス全体像を書こうとして、どこの誰に届けるのか、絵に起こせるレベ ルで具体的に考えていなかったことに気づくことができた。 • 事業の構造等、人に考えを共有する時にも、図解になると伝わりやすいと思えた。
  28. 34 03 まとめ ビジュアルシンキング 職員内の普及によって期待できる効果 • 事業企画が円滑になる • 検討箇所が見えるようになるため、職員のアイデア出しが活発になる。庁内の企画の 精度も上がる

    • 担当者間のイメージすり合わせがスムーズになる 届け方を~しよう!! 利用者も・・・・・ (ペラペラ) この届け方を、 ~しよう! 届け方は? 届ける経路の作り方は? 検討箇所が見えるようになる イメージすり合わせがスムーズになる 提供者 利用者 • どこの誰? • 何きっかけで利用者 に?
  29. 35 03 まとめ 活動の影響を想定した計画立案と効果測定 概要 自分たちの事業によって、利用者はどんな影響を受けるか想定して計画を立てる。 事業実施時は、その検証をするように、事業の効果を定量的に測定する。 重要と気づいたきっかけ • UALにおけるサービスや企業のリブランディングにおける現状分析の観点の1つが、

    顧客に何を提供しているか、(機能面と感情面において)というものだった。 • 「提供者は何をしている」ではなく、顧客には何を受け取ってもらっているか、という考 え方であった。これこそ利用者視点でサービスを考える、ということであると思った。ま た、サービスの価値を考えやすくする問いだと思った。 • SD in Govにて、定量的に事業目標に対する効果を示すことが重要と聞いた。 • 都庁でも利用者の影響の受け方を考えれば、利用者がどんな行動を取るか考えやすい、 つまり、サービスを計画通りに提供できているか判断する測定ポイントが考えやすくなる、 と思えた。
  30. 36 03 まとめ 活動の影響を想定した計画立案と効果測定 職員内の普及によって期待できる効果 • 利用者のニーズを理解した事業企画が広がる • 自分たちの計画した活動によって利用者が享受する影響と、利用者が期待する変化を 比較することで自分たちの計画は利用者の期待を満たすか検討できる

    • 事業の効果を適切に定量評価できるサービス設計が広がる 提供物によって ~な状態になる 提供者 サービスを 受けた利用者(推定) 利用者 (もともと) ~になりたい ズレはなさそう 期待に沿えていそう! この状態なら、必ず~をするから、そこの数字を取ろう。 サービスが利用者の期待に沿っているか確認できる
  31. 37 03 まとめ 新旧案のフラットなリスク評価 概要 新規事業等、新しいことを始める際にやった場合、やらない場合の両方のリスクを評価する 重要と気づいたきっかけ • SD in

    GovにてGDSのAIサービスの計画を聞いたときに、動き出しの速さに驚いた • 要因として、彼らはAIサービスに取り組む場合と同時に取り組まない場合を比較して、取り 組む方を選んでいた。 • 決して海外だからリスクに対する許容が異なるということではないように見えた。 純粋に比較して、取り組まない場合のリスクの方が許容できない、という考えだった。 • 都庁でも改革や新しいことを始めるときの考え方として参考にできると思った。 • 単にリスクの許容値を下げることは都庁は困難であると思うが、この考え方は実施の ハードルは低いと思える。ハードルは低いが、従来型なら確実に安心という考え方か ら確実に変化をしやすい考え方になると思う。
  32. 38 03 まとめ 新旧案のフラットなリスク評価 職員内の普及によって期待できる効果 • 新規事業への挑戦や改革のハードルを適切に評価できるようになる。 • 新しい挑戦に対して、“リスクがあるから難しい“と頓挫しにくくなる。 •

    従来の方法を続ける場合も、挑戦しないという選択をした、という意識になることで、 前例に倣えば十分、という文化も軽減され、変化するべき箇所を認識する職員が増える。 新しいやり方をしよう! 新しいやり方をしよう! やらない時はこのリスクあるよ! やり方変えてトラブる リスクは取れないよ~ やらない方がリスク大きい! やる方向で進めよう! 新しい方法に後ろ向きな雰囲気 新しい方法でもフラットに評価する雰囲気
  33. 39 03 まとめ 次に繋がる振り返り 概要 • 具体的に次のアクションに繋げることを目的として振り返りやフィードバックを実施する。 • 結果の感想を言って終わりにならない(良い悪いを指摘して終わりにしない) 重要と気づいたきっかけ

    • UALのワークショップにおいて、最後の発表会はとても盛り上がって、挑戦を応援するよ うな空気になった。参加者は発表後ももっとアイデアを磨くことを考えるような環境だった。 • 講師のフィードバック(良いところは良いと言い、改善ポイントはブラッシュアップする方 向を示す)が、その空気を生み出していた。 • サービスを改善するとは、このように何が良かったかと改善点を見つける振り返りによって、 改善が続いていくのだと思えた。 (単にダメなポイントをダメと言って終わりにすると、振り返りに恐怖を感じられてしまい、 明確に振り返らなくなったり、そもそも目標の基準を曖昧をしてしまうと思われた。)
  34. 40 03 まとめ 次に繋がる振り返り 職員内の普及によって期待できる効果 • サービスや活動の成果を振り返ることが当たり前になる • 予定通りでなかった個所も改善方針を見つけてすぐに直すという文化になり、成果や進 捗を明確にすることの抵抗が減る。

    • そして、より具体的な改善案を出せるようになる。すると、さらに振り返りが明確に なり振り返るスピードも速くなる。これが続くことで、改善の質と速さが上がる。 予定通り行かない 負の出来事として、 そっと終了 ◦◦は達成しているが、 △△は予定通りではない。原因は××の ようなので対処します。 適切に改善するべき箇所を発見 サービスの品質維持・向上が持続
  35. 41 03 まとめ サービスデザインの実践力向上まとめ 以下の4つを実践することで、良い企画を早く始めて、その後も高い品質を保つことができる、 都政のQOS向上に繋がるサービス設計に取り組んでいこうと思う ポイント 効果 • ビジュアルシンキング

    抜け漏れなく、解像度の高い計画、スムーズな合意形成 • 活動の影響を想定した計画立案と効果測定 利用者視点のチェック、適切なKPI設定 • 新旧案のフラットなリスク評価 無謀ではないリスクテイク、早い動き出し • 次に繋がる振り返り 高い品質を持続
  36. 42 03 まとめ レビューに基づくサービス改善の当たり前化 概要 利用状況やユーザーFBに基づくサービス改善を当たり前に実施 (リリースしたら手離れでなく継続してサービスを育てることが当たり前に) 重要と気づいたきっかけ • UALのワークショップにてサービスの品質を保つ方法として、“提供者にFBを与える、という

    対応で十分ではないか”、という意識が当たり前のようになっていた • サービスの良い点、直すべき点を伝えることで、もし直すべき点が低評価と併せて伝わ れば、今後も選ばれるサービスを維持できるように直すだろう、という内容だった。 • また、提供者が利用者の意見を反映させることが目に見えることで、利用者もコメント のやりがいがあるのだろうと思えた。 • むしろ常に利用者の求める100%を出すことは困難であり、無知の知のように考えて、 リリース後にも利用者の意見を受けて改修することを現実として受け止めること。そして、 それを可能にしておく方がサービスの品質維持には有効だと思えた。
  37. 43 03 まとめ レビューに基づくサービス改善の当たり前化 庁内の普及によって期待できる効果 • 都庁のサービスが利用者の感想を聞いて改善される。ニーズに対して柔軟に対応できる。 • 都庁のサービスは「都民の意見を聞いて運営されている」という印象を持ちやすくなる。 使いにくいってネットで書かれても、

    途中で直す契約してないし、予算も 取りに行けない・・・ 利用者の意見を受けて改修する予定でなかった 使いにくいけど、どこに言えば良い か分からない ユーザーのFBを受けるシステムで意見拾えた 次回のバージョンアップで、反映させよう。 利用者の意見を受けて改修することを前提にできている 自分の意見がサービスに反映されている! (利用者の意見を聞いて運営しているな)
  38. 44 03 まとめ 全庁広報素材の一元管理 概要 都のすべての広報素材を一元的に管理する フェイク画像への対策に来歴データ付与が主流になった際は主流の規格に準拠した対策を実施 重要と気づいたきっかけ • IBCにて来歴データの付与が、フェイク画像の拡散に対抗する手段として紹介されていた。

    • もしこれが本格的に当たり前になっていく場合、都庁も対応する必要があると思えた。 • 都庁が対応に遅れていた場合、都の発信する情報が都民に信頼されなくなったり、 都民は偽情報をホンモノと認識する事態が想定される。 • なお、都民は都庁内の部署は認識できないため、一律に都庁として、全庁共通の表 示が可能であることが必要と思った。 • また、マーケティングにあたってアセット管理ツールが広く紹介され広報業務の効率化に有 効に思えた。(素材探しの手間の削減など)
  39. 45 03 まとめ 全庁広報素材の一元管理 期待する効果 • 職員の広報活動がスムーズになる。 • 都が都民にどのような発表をしているか確認できるほか、既存の発表資料の検索が1か 所で済むことで広報素材を探す等の手間が軽減される。

    • 国際的なフェイク画像への対策や標準規格が定まった際に、広報素材が一元的に管理で きていると、速やかに国際標準のフェイク対策に準拠できる。 これは都庁の公式の映像。 こっちは誰かが編集した映像。怪しい。 来歴データによるフェイク画像の検出が 主流になり都庁も対応していた場合 ネット上の画像や映像について 公式と偽物の見分けをつけられる ◦◦イベントの時の 宣材ってどこ? 管理システムの中で、 イベント名で検索すれ ば見つかる 広報物探しがスムーズになる
  40. 46 03 まとめ デジタルヒューマン導入 概要 デジタルヒューマンを使った窓口サービスの実現 重要と気づいたきっかけ • IBCでのNVIDIAのセッションを聞いてデジタルヒューマンのクオリティを実感した。 •

    利用者の声を聴いて、それに対して身振り手振りと共にスムーズな回答をしていた。 • UALの講義にて、全てのタッチポイントがブランド(イメージ)戦略の対象になると聞いた。 • 一方、都庁の広報活動、特に住民対応は各現場で判断になっており、サービス内容が確 立されていない。そのため、都庁のブランディングをしようにも、対象範囲の策定しき れない状況といえる。そもそも、今どんな対応を提供しているかの集計も現場にかかる 負担を鑑みると実行がしにくい状況と予想される。 • その点、デジタルヒューマンであれば、対応内容の記録もカンタンであり、何より同じ システムで対応するので、常に同じ品質の対応を都民に提供できる。何か戦略を立てて、 対応内容の更新もカンタンである。
  41. 47 03 まとめ デジタルヒューマン導入 期待する効果 • 住民対応の効率化(大抵の受け答えはデジタルヒューマンが対応する) • 外国語でも同じレベルの品質で対応できるようになる •

    24時間、いつでも住民対応できるようになる • 同じレベルの対応を、いつでもどこでも提供できる いつでも、どこでも、 どんな言語でも、 同じ品質の対応 更新も大元の変更のみ でカンタン 担当によって異なる 対応の可能性 何か変更があっても 直ぐに対応は困難 各現場が変更内容を 把握する必要 都民 職員 都民 デジタルヒューマン