② 研修テーマ・目的 2.実施内容 ① Service Design Global Conference 2025 • イベント概要 • ワークショップ参加レポート • セッション聴講レポート ② Salesforce • 企業概要 • ヒアリング訪問レポート ③ San Francisco City • 都市概要 • San Francisco Digital & Data Servicesヒアリング訪問レポート • サンフランシスコ市内視察レポート ④ Microsoft • 企業概要 • ヒアリング訪問レポート • レドモンド市役所見学レポート ⑤ New York City • 都市概要 • New York Office of Technology and Innovation(OTI) ヒアリング訪問レポート • ニューヨーク市内視察レポート 3.総括 Power Pointストック画像「ニューヨークの街並み」
California Redmond, Washington New York, New York 研修期間:2025年10月14日(火)~29日(水)16日間 渡航先:アメリカ合衆国(4都市) 同行メンバー(東京都ICT職): •一般財団法人GovTech東京派遣 デジタル事業本部デジタルサービスグループ 涌田 椋也 •一般財団法人GovTech東京派遣 テクノロジー本部テクニカルグループ 佐藤 瑠璃 •デジタルサービス局 DX協働事業部デジタル手続推進課 村松 かんな 研修スケジュール: 日付 場所 内容 10/14(火) 移動 東京国際空港羽田→ダラス・フォートワース国際空港 10/15(水) テキサス州 ダラス Service Design Global Conference 2025 ※15日はワークショップ参加 10/16(木) 10/17(金) 10/18(土) 移動 ダラス・フォートワース国際空港→サンフランシスコ国際 空港 10/19(日) カリフォルニア州 サンフランシスコ 休日 10/20(月) 市内視察、訪問準備 10/21(火) Salesforce訪問 10/22(水) 市内視察、訪問準備 10/23(木) San Francisco市訪問 移動 サンフランシスコ国際空港→シアトル・タコマ国際空港 10/24(金) ワシントン州レドモンド 市内視察、Microsoft訪問 10/25(土) 移動 シアトル・タコマ国際空港→ジョン・F・ケネディ国際空港 10/26(日) ニューヨーク州 ニューヨーク 休日 10/27(月) ニューヨーク市訪問、市内視察 10/28(火)~29(水) 移動 ジョン・F・ケネディ国際空港→東京国際空港羽田 研修概要 SDGC2025 (イベント) Salesforce (IT企業) San Francisco City (行政機関) Microsoft (IT企業) New York City (行政機関) 総括 New York Redmond San Francisco Dallas 研修スケジュール・渡航先 アメリカ合衆国 地図
Service Design Global Conference(SDGC)は、Service Design Network (SDN)が主催する世界規模の年次カンファレンスであり、サービスデザイン分野における最新の 知見や実践事例を共有することを目的として、毎年異なる都市で開催されている。 基調講演、ワークショップ、セッション、パネルディスカッション、ネットワーキングなど多様なプログラム で構成され、サービスデザイナーをはじめ、企業のイノベーション担当者、行政・公共部門関係者、 研究者など、国や分野を超えた参加者が集う国際的な交流の場となっている。サービスデザインの 理論と実践を結び付け、組織や社会における活用の可能性を広げることを目指すイベントである。 開催日:2025年10月15日(水)~17日(金) 会場: 【ワークショップ】各ワークショップ指定のオフィス 【カンファレンス】The Pavilion At Toyota Music Factory(トヨタ・ミュージック・ファクトリー) (300W, Las Colinas Blvd., Irving, TX 75039 アメリカ合衆国) 参加者: サービスデザイナー、ストラテジスト、UX/UI専門家、イノベーション担当者、公共組織関係者など、 業界横断的なプロフェッショナルが対象 内容:ワークショップ、セッション、スポンサー企業展示 開催形式:初日にワークショップ、2・3日目はセッション(現地+オンライン)の3日間構成 主催者:The Service Design Network(SDN) イベント概要 The Service Design Networkとは? Service Design Network(SDN)は、2004年に設立されたドイツ・ケルンを拠点とする非営利の国 際ネットワーク組織である。サービスデザインの専門性と価値を世界的に発展・普及させることを目的と し、企業、行政、教育機関、デザイナーなど多様な分野の実務者を結ぶグローバルコミュニティを形成し ている。 国際会議やローカルイベントの開催、専門誌の発行、教育・認定プログラムの提供、ケーススタディや 知見の共有などを通じて、サービスデザインの理論と実践の両面から分野全体の成熟を支援している。こ れらの活動を通じ、組織や社会におけるサービスデザインの活用とその社会的インパクトの向上を目指し ている団体である。 参加の様子(小暮・同行者撮影) 研修概要 SDGC2025 (イベント) Salesforce (IT企業) San Francisco City (行政機関) Microsoft (IT企業) New York City (行政機関) 総括 New York Redmond San Francisco Dallas
the future of design with this talk on ‘agentic systems’ – where AI agents are reshaping user experiences and blurring the lines between traditional design roles.」 「エージェント的システム(agentic systems)」に関するこのトークで、デザインの未来へ踏み出そう。AIエージェントがユーザー体験を再構築し、従来のデザインの役割との境界をあいまいにしていく世界 内容: 1.生成AIとAIエージェント(agentic systems)についての定義・特徴 • 生成AIは主に“コンテンツ生成”と“逐次タスク実行”の道具として考え、結果を編集する前提で 人がプロンプトを与える。 • AIエージェントは自律性を持つエージェントの集合体。知覚し、推論し、行動し、学習し、複数 の行動候補を評価できる。マルチステップで動き、進捗を監視し、一定の独立性を持つ点が特 徴。 2.「AIと働く」= 人がエージェントをマネジメントする • “everyday people will become agent managers” という見立てがあり、人の仕事は AIを用いた業務の「目標設定」「意図の指定」「監督」になる • 意図したタスクをさせるため、エージェントが自律的に動く前提で、振る舞いの境界条件としての “採点基準”と“禁止事項”を渡しておく。 • エージェントを部下や協働者に近いものとして扱い、何を学んで、何をしようとしているかを人が 把握し続ける運用(定期的な1on1)をする。 3.信頼・透明性・ガバナンス(AIエージェント時代の論点) • 信頼は「正確さ」だけでなく、透明性(どこからデータが来たか、何が起きているか見える)が重 要 • ガバナンス面では、出典の明示、トレーサビリティ(経路を追えること)、バイアス検知の基盤が 必要 2025年度 東京都ICT職専門研修「海外派遣研修」 8 “人々がうまくマネジメントできるよう支援しよう — ・目標を設定し ・プロセスを形づくり ・優れた成果を達成するために” Speaker Shelley Evenson seeSpace Ltd セッション聴講レポート “エージェントシステムは従来の生成AIとどう違う?。” SDGCの様子(小暮撮影) SDGCの様子(小暮撮影) 画像出典:SDGCのホームページ 研修概要 SDGC2025 (イベント) Salesforce (IT企業) San Francisco City (行政機関) Microsoft (IT企業) New York City (行政機関) 総括 New York Redmond San Francisco Dallas
inc.) 所在地: 【本社】Salesforce Tower (415 Mission St, San Francisco, CA 94105 アメリカ合衆国) 企業紹介: • クラウド型CRM(顧客関係管理)を中核とするクラウドサービスを提供する米国発のテクノロ ジー企業 • 営業・カスタマーサポート・データ分析・アプリケーション開発等を統合的に提供するプラットフォー ムを有し、ノーコード/ローコードによる迅速な業務アプリケーション構築を可能としている。 • セキュリティ、可用性、拡張性を前提としたクラウド基盤を提供しており、グローバルに多様な業 種・規模の組織で利用されている点が特徴である。 公共分野における事業展開: ◼ Public Sector Solutions(PSS) • 行政のワークフローをデジタル化し、住民・事業者等を中心としたデータの一元管理を可能にす る統合プラットフォーム。 • 事前定義されたデータモデル・プロセス・ユーザー体験・分析機能を備えており、導入後すぐに行 政DXの取り組みを開始できる点が特徴である。 • 給付管理(Benefit Management)、コンタクトセンター管理(Contact Center Management)、職員ポータル(Employee Experience)、助成金・事業者管理など の業務を効率化する。 ◼ Agentforce for Public Sector • 行政の問い合わせ対応や案件管理の効率化、不正検知、データ分析などに活用できるエー ジェントAI。 • Public Sector Solutions 上に構築されており、公共分野特有のデータモデルやプロセスに 対応している。 訪問の様子(小暮・同行者撮影) 研修概要 SDGC2025 (イベント) Salesforce (IT企業) San Francisco City (行政機関) Microsoft (IT企業) New York City (行政機関) 総括 New York Redmond San Francisco Dallas
参加者: 【東京都】 • 涌田、小暮、佐藤、村松、通訳者 【Salesforce社】 • Ben Aultさん(Senior Director, Public Sector Solution Engineering) • Zach Nandapurkarさん(Public Sector, Lead account, Solution Engineering ) • 福島さん(Public Sector Sales, Account Executive) • 久保さん(Salesforce Innovation Center, Senior Manager) 実施したセッション • 11:00~12:00 Welcome and Connection • 13:00~15:00 Salesforce public sector Overview ➢ How we Attract & Solution Overview • 15:10~17:00 Case study&Demonstration ➢ Introducing San Francisco ➢ AI Solutions ➢ The State of California • 17:10~18:00 Rap up ➢ Investing in San Francisco ➢ Government cloud ➢ Q&A ヒアリング内容: 1. Salesforceから行政DXの「マインドセット/カルチャー」に関する提言 • 「AI導入は人の働き方を変える」ので、職員の声を初期から入れることで現場の理解と参加 を得ながら進める文化やチェンジマネジメントが成否を左右する • 政府・公共部門はトップダウンより合意形成型であり、「成功事例を聞くことがインスパイアに なりやすい」ので、都市同士が成功事例を学び合うことが有効 • 小さな成功を積み上げてスケールさせるべき 2. Salesforce社製品の行政活用と組織変革 • Salesforceは単一業務ツールではなく、住民対応を横断的に支える基盤としてニューヨークや ロサンゼルスなどの大規模自治体で、全庁・基幹業務・住民向けサービスに広く採用されている • カリフォルニア州政府において10年以上にわたり、80以上の部局・200超のアプリケーションで 使われている • アメリカの複数都市の「311サービス」においてSalesforceが住民からの通報情報のハブとして 機能することにより、オペレーターの案件管理や事務処理が効率化され、住民への返答時間も スピードアップした。 3. Agentforce(AIエージェント)の行政活用 • 「311サービス」の24時間即応対応と人員縮小の現実を踏まえ、AIエージェントが問い合わせ 対応やケース起票・分類・通知・タスク設計を自動化し、職員が判断と現場最適化に集中で きる体制を目指している • 「311サービス」における画像解析により住民が通報する情報の入力を削減し、分類・件名生 成・要約・通知・解決タスクまでを自動化して、職員が「事務処理」から「問題解決」へ時間配 分を移行させるサポートを行っている The 311 Serviceとは? アメリカで都市が運営する、市民が緊急を要しない通報や行政サービスを依頼し、市情報にアクセスで きるデジタル窓口。緊急用911回線の混雑防止に寄与し、24時間オペレーターが対応する。基盤には Salesforceが多くの都市で採用されている。 訪問の様子(小暮・同行者撮影) 研修概要 SDGC2025 (イベント) Salesforce (IT企業) San Francisco City (行政機関) Microsoft (IT企業) New York City (行政機関) 総括 New York Redmond San Francisco Dallas
County of San Francisco) • 設立: 1856年に市と郡の機能が統合され、現在の行政基盤が確立。 • 職員数: 約34,000人以上 (住民一人当たりの職員数が全米トップクラス) • 部署数: 約60の部局 (各部局の独立性が高い「連合的」な組織構造) 訪問先(San Francisco Digital & Data Services)について: • 市のデジタル・IT機能を司る2つの主要部門のうちの1つ ① 技術局 (Department of Technology - DT) 職員向けの「守りのIT」を担当(インフラ、セキュリティ、内部システム)。約260人体制。 ② デジタルサービス課 (San Francisco Digital Services - SFDS) 市民向けの「攻めのIT」を担当(サービスデザイン、UX改善)。約50人体制。 • SFDSは、市全体で200以上のウェブサイトが存在し市民にとって使いにくいバラバラな行政 サービスを解決するため、2017年に設立された。 • 特定の部局(例:技術局)に属するのではなく、市の管理者直下に置かれており、市長や 各部局のトップと直接連携できる強い権限を持つ • プロダクトマネージャー、デザイナー、エンジニアなどで構成される専門家チームが、各部署を支援 する形で市全体のデジタル改革を進めている。 San Francisco City 2025年度 東京都ICT職専門研修「海外派遣研修」 11 都市概要 Dallas, Texas San Francisco, California Redmond, Washington New York, New York 東京都23区合計 面積・人口: 627.51㎢、約988万人 面積は東京23区合計の方が約5.2倍広い 人口は東京23区合計の方が約12倍多い カリフォルニア州 地図 San Francisco Digital & Data Servicesの主な取り組み 1.市民中心の統一サイト「SF.gov」: 200以上あったウェブサイトを、市民の目的別に再構成した単一の窓口へ統合 2.デザインの標準化: 市全体で一貫性のある品質の高いサービスを提供できるよう、「DESIGN SYSTEM」を公開 3.市民参加の徹底: 常に市民テスターを募集し、実際の声をサービス開発に反映させる仕組みを構築 4.生成AIの活用: 全職員にAIアシスタントを導入し業務を効率化する一方、責任ある利用のための厳格なガイドライン を策定 都市の特徴: ✓ アメリカ西海岸を代表する港湾都市で、シリコンバレーに近く、市 内にテック企業の本社・拠点が多数存在。 (本社がある企業として、Salesforce、Uber Technologies、 Airbnb、Dropbox、Adobe等) ✓ 坂の多い地形と霧に包まれる独特の気候が特徴的。 ✓ 主な観光地として、ゴールデンゲートブリッジ、アルカトラ ズ島、チャイナタウン、フィッシャーマンズワーフ等がある。 Power Pointストック画像 「ゴールデンゲートブリッジ」 研修概要 SDGC2025 (イベント) Salesforce (IT企業) San Francisco City (行政機関) Microsoft (IT企業) New York City (行政機関) 総括 New York Redmond San Francisco Dallas アメリカ合衆国 地図
所在地: 【本社】Microsoft Corporation (One Microsoft Way, Redmond, WA 98052-7329,アメリカ合衆国) 企業紹介: • クラウドプラットフォーム「Microsoft Azure」を中核とし、業務アプリケーション、コラボレーション、 データ分析、AI 等を包括的に提供する米国発のテクノロジー企業。 • Microsoft 365、Dynamics 365、Power Platform などを通じて、業務プロセスのデジタ ル化からアプリケーション開発までを統合的に支援しており、ローコード/ノーコードによる迅速な 業務改善を可能としている。 • 高いセキュリティ、コンプライアンス、可用性を前提としたクラウド基盤を提供しており、公共機関 を含むグローバルな組織で広く利用されている点が特徴。 公共分野における事業展開: ◼ Microsoft 365(公共分野向け活用) • メール、ドキュメント管理、オンライン会議、チャットなどのコラボレーション機能を統合的に提供す るクラウドサービス。 • 行政職員間および関係機関との情報共有や業務コミュニケーションを効率化し、テレワークや 柔軟な働き方の実現を支援する。 • 高度なセキュリティ管理、アクセス制御、監査機能を備えており、公共分野に求められる情報セ キュリティ要件への対応が可能である。 ◼ Power Platform(Power Apps / Power Automate / Power BI) • ローコード/ノーコードで業務アプリケーションや自動化フローを構築できるプラットフォーム。 • 職員自らが業務改善を行うことを可能とし、既存システムと連携しながら行政DXを段階的に 推進できる点が特徴である。 ◼ Copilot / Azure AI(公共分野向けAI活用) 問い合わせ対応支援、文書作成・要約、データ分析、業務ナレッジ活用などに活用可能な生 成AI・AIサービス。 訪問の様子(小暮・同行者撮影) 研修概要 SDGC2025 (イベント) Salesforce (IT企業) San Francisco City (行政機関) Microsoft (IT企業) New York City (行政機関) 総括 New York Redmond San Francisco Dallas
Center One Microsoft Building 1 参加者: 【東京都】 • 涌田、小暮、佐藤、村松、通訳者 【Microsoft社】 • Worldwide Government Solutions Leader • Collin Vandamentさん(Envisioning Specialist) • Olivia Hernandezさん(Envisioning Specialist) • Lisa Minikenさん(Director, Microsoft Digital Customer Engagements) • David Lavesさん(Director Business Programs at Microsoft) • Aanya Hagiwaraさん(Global Security Solution Architect | Security Consulting Manager, Global Operation Manager) 実施したセッション • 13:00~13:15 Welcome and Briefing Objectives • 13:15~13:45 AI in Government • 政府や行政機関におけるAIの活用に関する概要、現状、事例等をご紹介(座学) • 13:45~14:45 Immersive Experiences • 先進的な企業や行政機関がビジネス等の根本的な変革にどのようにAIを活用しているか、デモ等を交えてご 紹介 • ※建物内に展示されているデモをツアー形式で移動しながらご見学 • 15:00~16:00 Inside Microsoft - Our Digital Transformation • マイクロソフトがハードソフトウェア企業からどのようにITやAI企業に変革を遂げてきたか、そのプロセスを紐解き ながらカスタマーゼロの開発概念等をご紹介(座学) • 16:00~16:15 Summary and Evaluations • 16:15~16:30 Shuttle Transportation • 16:30~17:00 Company Store • カンパニーストアご見学 ヒアリング内容: 1. Microsoftから行政DXの「マインドセット/カルチャー」に関する提言 • 行政DXは一部の専門職だけでなく、全公務員が最新のデジタルスキルとAI(含むエージェ ント型AI)の使い方を学ぶ前提で設計する • 必要スキルの定義は、企業と連携して検討を進めるべき 2. Microsoft社製品の行政活用と組織変革 • 政府のデジタル変革(AI活用を含む施策)は、小規模なパイロットから始め、MVPまで迅速 に回し、うまくいかなければ中止して次を試す、成果が出てスケール可能なら展開・公開する、と いう短いサイクルで進めると良い • 行政機関における組織改革や職員教育の要点として、「AI center of excellence(AI推 進のハブ・中核拠点)」の設置、セキュリティとガバナンスの整備、全職員がAIを使うための最 新デジタルスキルの訓練を受けることが重要 3. AIエージェントの行政活用 • AI活用の前提として“データ準備・基盤・データ管理”の準備が重要 • AI活用により、住民向けデジタル政府サービスはセルフサービス化できる • 公共分野におけるAgentic AIの展望として「人間+エージェント」から人間主導のオーケスト レーションまで段階的に進化するが、AIエージェントは人間の指揮下に置く前提である ▪エンタープライズにおけるAI活用成熟度のロードマップ(5つのステップ) 1. Awareness & foundation(認識・基盤整備) AI活用に向けた基本戦略、ガバナンス原則、経営層の理解と支援を整える段階。 2. Active pilots & skill building(実証実験とスキル構築) PoCやパイロットを通じて、効率化・コスト削減・品質向上といった初期成果を得つつ、社内人材を育成。 3. Operationalize & govern(本格運用と統制) 複数のAIユースケースを全社規模で運用。部門横断のガバナンスのもと、AIの目的と事業価値を整合させる。 4. Enterprise-wide adoption(全社展開) AIが業務戦略の中核となり、データドリブンな文化と継続的な効果測定が定着。 5. Transform your business with agentic AI(エージェント型AIによる事業変革) AIによって組織そのものが変革され、大幅な効率向上を実現し、企業AI活用のリーダーとして認知される段階。 研修概要 SDGC2025 (イベント) Salesforce (IT企業) San Francisco City (行政機関) Microsoft (IT企業) New York City (行政機関) 総括 New York Redmond San Francisco Dallas
Resources / Employment(採 用情報・人事)など住民サービスから役所の内部管理 部署まで幅広く建物内に集約されていることがわかる。 また、役所内にはガラス張りで開放的な市議会議場 があり、議会のMission、Vision、Valuesが掲示され ていた。 Ballot drop box (投票用紙の投函ボックス) 市役所エントランス外 レドモンド市役所のエントランス外に設置されていたこ の箱は、住民が郵送で届いた「郵便投票用紙(mail- in ballot)」を 郵送せずに直接投函できる公式ボック ス「Ballot drop box」という。 アメリカ(特にワシントン州やオレゴン州のような 郵送 投票が中心の州)で主に活用されている。なお、この BOXを発見し、「オンライン投票もやっているかも」と思い 調べたが、アメリカにおいてもオンライン投票は未導入の ようであった。 2025年度 東京都ICT職専門研修「海外派遣研修」 16 Redmond City レドモンド市役所見学レポート 東京都ICT職として、公共施設やデジタル技術を活用しているサービス等に着目し市内を視察した。Microsoft社があるワシントン州レドモンド市の市役所では、一般開放エリアのみを見学した(事 前アポは取っていないため)。訪れた際は生憎の雨のせいか、街はとても閑静だった。市役所へ向かう途中の道路や通りかかった図書館も壊れたり汚れていたりということがなく、整備が行き届いている印象を受け た。 Microsoftという巨大テクノロジー企業を抱えつつ“暮らしやすさ”も伺える都市だった。 研修概要 SDGC2025 (イベント) Salesforce (IT企業) San Francisco City (行政機関) Microsoft (IT企業) New York City (行政機関) 総括 New York Redmond San Francisco Dallas 市役所エントランス ※本スライドの写真はすべて小暮撮影
面積・人口:約789㎢、約848万人 ニューヨーク市政について: • 正式名称: ニューヨーク市 (City of New York) • 職員数: 約300,000人以上 • 部署数: 70以上の部局 訪問先(Office of Technology and Innovation)について: • ニューヨーク市のテクノロジー戦略・デジタル革新を推進する中枢組織。 • 市全体の IT・デジタル戦略、データ活用、デジタルインクルージョン(誰もがデジタルサービスに アクセスできる社会の実現)等を統合的に管理している。 • 以前の名称は Department of Information Technology & Telecommunications であり、現在は OTI が市技術機能を統括している。 東京都23区合計 面積・人口: 627.51㎢、約988万人 面積はNYC のほうが約160㎢広い 人口は東京23区合計の方が約140万人多い Dallas, Texas San Francisco, California Redmond, Washington New York, New York アメリカ合衆国 地図 ニューヨーク州 地図 都市の特徴: ✓ アメリカ最大の都市であり、世界的な金融・文化・メディアの中心地。 ✓ マンハッタン、ブルックリン、クイーンズ、ブロンクス、スタテンアイ ランドの5つの区(borough)で構成される。 ✓ 世界中から移民が集まる多文化都市で、人口の多様性が非常に高い。 ✓ 主な観光地として、タイムズスクエア、セントラルパーク、自由の女神 像、メトロポリタン美術館等がある。 New York Office of Technology and Innovationの主な取り組み 1. デジタル戦略・政策企画: • ニューヨーク市全体の技術戦略やデータ戦略の策定を行い、自治体全体での整合性を図る。 • コネクティビティ(インターネット接続)やデジタルリテラシー向上への取り組みを政策面で推進している。 2. デジタル公平性(Digital Equity)の推進: • 市民のデジタル格差を是正するためのDigital Equity Roadmapを構築し、アクセシビリティの向上に取り組んでいる。 • 機器提供、デジタルスキル教育、テクニカルサポートなど包括的支援策を実施。 3. データ活用・データ公開の推進: • 市庁内データを横断的に利活用する基盤整備(NYC Open Dataなど)とともに、データを市民向けに公開し理解 を促す取り組みを推進。 • データリテラシー教育やデータの可視化を通じて透明性の高い行政運営を進める。 4. 市庁内 IT 統合支援: • 各部署でばらばらになりがちな IT プロジェクトを標準化・統合し、セキュリティ保全・運用効率化・技術的負債の解消 などを支援。例として市全体のモバイル通信キャリア契約改善により税金の節約を図る等の成果も出ている。 タイムズスクエア(小暮撮影) 研修概要 SDGC2025 (イベント) Salesforce (IT企業) San Francisco City (行政機関) Microsoft (IT企業) New York City (行政機関) 総括 New York Redmond San Francisco Dallas
サービスデザインの最新動向として「Journey Management」 や「Agentic Systems(AIエージェント)」に関する知見を得た。 特に、ジャーニーマップは静的な貼り物から動的なブループリントへ 進化し、組織横断で更新・共有できる仕組みが重要であることを 学んだ。 また、意思決定に結びつけるためには、体験指標と事業指標を 組み合わせたKPI/JPI設計が不可欠である。 AIエージェントに関しては、「人がエージェントをマネジメントす る」という視点が強調され、目標設定・意図の指定・監督が人の 役割になること、エージェントを部下や協働者に近い存在として扱 う運用が求められることが示された。 2社の提言は、今後の東京都や日本の行政DXにおいて指針とすべき 内容である。 Salesforceは、AI導入に伴う働き方の変化を踏まえ、現場職員の 声を初期から取り入れる文化とチェンジマネジメントの重要性を強調し ていた。都市間で成功事例を共有することがインスパイアにつながると指 摘した。 Microsoftは、行政DXを専門職だけでなく全職員が最新デジタル スキルとAI活用を学ぶ前提で設計するべきと提言していた。さらに、AI 活用は短いサイクルで進めること、AI Center of Excellenceの設置、 セキュリティ・ガバナンス整備、職員教育が不可欠とした。 また、AIエージェント活用のロードマップとして、5段階モデルが示され、 行政においても段階的な成熟が必要である。 2市の現状は、基本的に東京都と類似していた。 • サンフランシスコ市では、庁内DXに対する反応は賛否が分かれ、 否定的な背景には時間・人員制約がある。生成AIは導入済 みだが利用率は約20%、AIエージェントは検討段階であった。 技術人材不足や職務分類の古さが課題であり、採用プロセス の見直しが必要とされている。 • ニューヨーク市では、DX推進の最大課題は行政文化と業務 慣行の変革にある。AI活用は機械翻訳の実証など限定的で、 AIエージェントの活用はサンフランシスコ市と同じく検討段階。 今後は、ガードレール整備と安全性確保を優先する方針だった。 2025年度 東京都ICT職専門研修「海外派遣研修」 21 Service Design Global Conference IT企業 行政機関 訪問先ごとのまとめ 研修概要 SDGC2025 (イベント) Salesforce (IT企業) San Francisco City (行政機関) Microsoft (IT企業) New York City (行政機関) 総括 New York Redmond San Francisco Dallas 研修テーマ「行政におけるデジタル・AIを活用した業務効率化・組織変革の国際事例研究」