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2025年度ICT職専門研修(海外派遣研修)報告書 No.2

2025年度ICT職専門研修(海外派遣研修)報告書 No.2

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  1. 渡航テーマ / 背景・目的 01 研修概要 背景 行政サービスを取り巻く課題 • 行政サービスは制度・業務・組織が複雑に絡み合い、現場の課題や住民の困りごとが見えにくくなり やすい

    • 上流で決めた制度や仕様が、必ずしも現場で使われるとは限らない 問題意識 • 都庁ICT職として、業務効率化や簡易アプリ開発に携わる中で、「何が本当の課題なのか」「どの形 であれば使われるのか」を事前にすり合わせる重要性を強く感じてきた • プロトタイプを用いた検討は、関係者間の認識をそろえるうえで有効なアプローチであることを実 感している 5
  2. 渡航テーマ / 背景・目的 01 研修概要 研修を通じて得たい知見 • サービスデザイン分野の国際カンファレンスへの参加を通じ、住民中心・共創型の公共サービス設計 手法を学ぶ •

    企業訪問において、AIやローコード開発を活用した迅速な試作・検証プロセスの実践事例を把握する 本研修の目的 都政における新たなサービスや業務設計において、現場との対話と実装を往復しながら改善を 進めるための具体的な進め方・考え方を習得すること 6
  3. 渡航先と日程 01 研修概要 ダラス 10/15~17 ◆ Service Design Global Conference

    2025 参加 サンフランシスコ 10/20~23 ◆ 市内視察 ◆ Salesforce ◆ Figma ◆ サンフランシスコ市職員との交流 レドモンド 10/24 ◆ Microsoft 本社 ニューヨーク 10/26 ◆ ニューヨーク市職員との交流 ◆ 市内視察 1 2 3 4 4 2 3 1 7
  4. イベント参加 02 研修内容 イベント参加 Service Design Global Conference 2025 「デザインによるビジネス変革・サービスデザインで現代組織をリードする」をテーマに、

    サービスデザインが組織変革や戦略、顧客体験にどのように貢献するかを、世界中の実務家 が共有する国際カンファレンス 行政・公共分野を含む多様な事例が扱われる、世界最大級のサービスデザインイベント スケジュール Day1 Workshop • 実務者向けワークショップ • メソッド/ツールの体験・ 演習 Day2 & Day3 Conference • 基調講演・専門家セッション • 行政・組織変革などの事例 • パネルディスカッション • 現場職員との対話を起点とした 課題整理・プロトタイピングの実践方法を学ぶ • 試作を通じて改善を進める サービスデザインの運用プロセスを理解する • 都政の業務改善において 実装までつなげる手法を持ち帰る 参加目的 9
  5. イベント参加 02 研修内容 Service Design Global Conference 2025 会場の様子 1日目

    Workshopの様子 円卓を囲んで少人数で ワークショップ形式で意 見交換したり付箋に意見 出しを行ってる チャレンジ・マッピング を用いたグループワーク の様子 2、3日目 Conferenceの様子 Conferenceの様子大きな舞台があり、 ここでスピーカーが話したり、簡単な 討論や休憩のダンスが行われる 舞台外では受賞者候補のポスターや各 協賛やreddot winner受賞作品の展示、 フォトブース、オリジナルTシャツの作 成ブースなどがあった 10
  6. イベント参加 02 研修内容 Service Design Global Conference 2025 Day1 Workshop

    テーマ:制度や組織構造に起因する課題を、現場でどのように乗り越え、スケールさせるか 1. Connection Circles(コネクション・サークル)を用いたワーク ⇒複雑な問題の構成要素とそれらの間の因果関係を可視化する思考ツール 例:窓口サービス ⚫ 申請書の分かりにくさ ↓ ⚫ (記入ミス) ↓ ⚫ 確認作業増加 ↓ ⚫ 待ち時間増 ↓ ⚫ 住民満足度低下 ⚫ 申請書改善 ↓ ⚫ 手戻り減少 ↓ ⚫ 待ち時間短縮 ↓ ⚫ 住民満足度向上 職員の業務量 申請書の分かりやすさ 待ち時間 住民満足度 - - - - - 案内のしやすさ + + 11
  7. イベント参加 02 研修内容 Service Design Global Conference 2025 Day1 Workshop2

    テーマ:制度や組織構造に起因する課題を、現場でどのように乗り越え、スケールさせるか 2. Challenge Mapping(チャレンジ・マッピング)を用いたグループワーク ⇒Why と How を行き来しながら、課題を“扱えるサイズ”にする 「課題を“上下方向”に掘る」ことで、下記二つをつなぐ方法 上(Why側)= 目的や本質的な価値(Purpose / Mission)‐「Why is this important?」 ◼ 目的を明確にする方法 1. コアとなるHMW(How Might We)を1つ選ぶ(★マーク) 2. 「なぜこれは重要か?」と問い、付箋に書く 3. グループで話し合い、1つを新しいHMWにリフレーム 4. 同じプロセスを繰り返し、「なぜ?」をどんどん上に掘っていく 5. 最後に「長期的で魅力的な目的(Purpose / Mission)」に到達するまで続ける 下(How側)= 実行可能な具体的課題(Actionable Challenges)‐「What’s stopping us?」 ◼ 具体策を探す方法 1.コアHMWに戻り、「何がそれを妨げているか?」を考える 2.出てきた要因から、新しいHMWを作る 3.「どうすればそれを解決できるか?」を繰り返し、下方向に掘る 4.最終的に「現実的に実行可能な機会(Actionable Opportunities)」を見つける コアとなるHMW: (どうすれば)住民が窓口で迷わず手続 きを進められるようにできるか? 目的:職員が正確かつ効率的に 手続きを処理できる どうすれば住民が必要な行政サービ スに適切にアクセスできるか? どうすれば職員が正確かつ効 率的に手続きを処理できるか 手続き対象か判断 できない 来庁前に必要手続きを理解で きない … … どうすれば来庁前に必要手続 きを理解できるか? どうすれば手続き対象か 判断できるか 目的:住民が必要な行政サービスに 適切にアクセスできる なぜ大切なのか? 何が妨げている? … Why How 例:窓口サービス 12
  8. イベント参加 02 研修内容 Service Design Global Conference 2025 Day2&3 Conference

    対話・試作により、実装までつなぐ組織・構造の話 試作を前提とした改善プロセス •完成形を定義しない、対話 → 仮説 → 試作 → 検証 → 更新の反復 •成果物よりも、試作を通じた学習プロセスが重視されていた •小さな成功体験を積み重ねることで、運用として定着させる ジャーニーを「成果物」ではなく「体験単位」にする • ジャーニーを描いて終わりではなく 住民・職員の体験単位で責任を持つ組織構造を設計 • 部署横断で改善を継続するために運営ルール・役割・意思決定の所在を明確化 • トップダウンとボトムアップの併用が不可欠 デザインが機能しなくなる失敗パターン(金融・大企業事例) • プロセスや理想論が先行し、現場の業務改善につながらない • デザイン組織が「成果を出す部門」ではなく「儀式を回す部門」になるリスク • 実装・運用と結びつかないデザインは組織内で影響力を失う 情報収集 窓口/ネット 受付 手続き 結果通知 担当部署 担当部署 ジャーニー 担当部署 担当部署 改善責任 判断権限 改善サイクル 改善責任 判断権限 改善サイクル 改善責任 判断権限 改善サイクル 改善責任 判断権限 改善サイクル 13
  9. 民間企業 02 研修内容 民間企業ヒアリング 行政DXやサービスデザインの実装に取り組む民間企業を訪問し、AI・デジタル技術の活用方法や、組織・文化面を含めた 実践的な取り組みについてヒアリングを実施した 訪問企業 Salesforce • CRMを中核とした業務・データのエ

    コシステムを提供する企業 • 行政DXにおけるAI活用とガバナンス の実装例 Figma • UI/UXデザインを中心としたデザ イナーズツールを提供する企業 • 非エンジニアを含む行政職員が参 加できるプロトタイピングと協働 設計の可能性 Microsoft • クラウド・AI・セキュリティを基盤 とした総合ITプラットフォーム企業 • 公共分野におけるAI活用を支えるセ キュリティ・信頼性・基盤設計 • 行政DXやサービスデザインの実践に取り組む民間企業を訪問し、AI・デザイ ン・プラットフォーム技術が、行政サービスの企画・実装・運用にどのよ うに活用されているかを把握するため • 公共分野への展開を前提とした組織・ガバナンスの考え方を確認した 訪問目的 14
  10. 民間企業 02 研修内容 Salesforce 意見交換会 Salesforce × 米国自治体におけるAI活用の全体像 背景 市民は民間同等のUXを行政にも求めている

    一方で、行政は人手不足・慎重な意思決定が必要 基本方針 AIは「判断者」ではなく「業務補助」 まずは職員向け・内部業務から導入 最終判断は必ず人が行う 主な活用領域 • 311(非緊急市民通報) • DMV(運転免許・車両登録) • 災害対応(Disaster 360) 狙い • 市民の入力負担を減らす • 職員を“判断・調整・解決”に集中させる 16
  11. 民間企業 02 研修内容 Salesforce 意見交換会 市民対応業務を想定した「AI+人」の役割分担 従来の課題 • フォームが複雑 •

    項目が多く自分では正しく分類できない • 職員の手戻り・業務負荷が大きい AI(Agentforce)の役割 • 写真から状況を自動解析 • 内容要約・分類 • 担当部署判定 • 対応タスク・下書き生成 人の役割 • 緊急度・対応可否の判断 • 現地対応・調整 • 最終的な責任判断 • AIは前段の整理に限定し、判断は人が担う役割分担 • ローコードは標準機能で回る範囲を前提に、過度な作り込みをしない ポイント 17
  12. 民間企業 02 研修内容 Figma 社内見学 Figma社内では①Build Community(コミュニティをつくる)②Love Your Craft(自分のクラフトを大切にする)③Run With

    It(思い 切って走ってみる)④Grow As You Go(謙虚に学び合い、進みながら互いに成長する)⑤Play(遊ぶ)の社内文化がある。その一環とし て自身のクラフトを大切した年に一度の社内イベントの文化がある 新入社員がおすすめの一冊を選び社員の前で発表する 文化本に挟まれているカードは持ち込んだ社員が書い たおすすめポイント 年に一回の文化祭のようなもので社員で作った編み物をつな ぎ合わせたもの 18
  13. 民間企業 02 研修内容 Figma Figmaが捉える課題と方向性 Figmaの課題認識 • AIツールの増加により、開発はむしろ ツール間移動が増えた •

    ツールが統合されず、デザイン/開発に必要な 文脈(Context)が共 有されない → 期待と違う出力/修正のやり直しが発生 Figmaのアプローチ AIを「判断者」ではなく、チームの一員(teammate)として位置づけ Prompt to Edit / Figma Make により非デザイナー・非エンジニアでも 自然言語で試作が可能 プロトタイプを介し、関係者が同じ画面を見て対話できる状態をつくる 19
  14. 民間企業 02 研修内容 Figma Figma CPO山下氏との意見交換 ― 失敗の原因は「解決策」ではなく「問題定義」― Figma CPO山下氏との意見交換

    多くのプロダクトのつまずきは、技術やUIの問題ではない 最初に何を問題と捉えたかが、その後の判断を左右する 「使いづらい」「改善してほしい」という声は症状 症状に直接対応すると、問題を取り違える 本質的な課題は • 業務の前提 • 組織構造 • 想定ユーザーの固定化 など、設計以前のレイヤーにあることが多い 行政サービスへの示唆 要件定義段階で、課題認識が揃わないまま進むと 同じ修正・手戻りを繰り返す 20
  15. 民間企業 02 研修内容 Figma Figma CPO山下氏との意見交換 共創とプロトタイピングの役割 ― 正解を作るのではなく、失敗を先に潰す ―

    山下さんの考えるプロトタイピング • 正解を示すものではない • 「うまくいかなかったら何が起きるか」を可視化する装置 重視されていた思考:プレモータム • リリース前にこのPJか失敗する未来を想定する。 • なぜこの設計は失敗しうるのか • 誰が、どの場面で困る可能性があるか • どの前提が崩れると破綻するか リリース後の振り返り(レトロ) 想定ユーザーが ずれていた 操作が煩雑だ 想定以上の 問い合わせ リリース 失敗したとし たら…? 今 ⇒今やるべき対策・修正 なんで失敗し た? ⇒大きな手戻 りを防げる ⇒修正がコスト大 リリース前の失敗想定(プレモータム) • 失敗後の振り返り(レトロ)では遅い • 失敗を想定した対話を、設計前に行うために共通言語としてプロトタ イプがある ポイント 21
  16. 民間企業 02 研修内容 Microsoft AIで行政サービスを“自己解決”へ 1. 概要 • Microsoftは「Public-Private Partnership」として、

    自治体のミッション全体(住民サービス〜庁内業務)をプラットフォームで支援 • AIの価値は「人が見きれない/追いきれない」を補完して、意思決定と対応を速くすること 2. 住民向けの代表ユースケース(体験の変化が分かる例) • Madrid(観光):公式情報のみを根拠に、来訪者へ多言語で案内 • Abu Dhabi(TAMM):自然言語から多数の市民サービスへ • India(音声ボット):識字・媒体制約がある地域でも、音声で制度案内 3. 現場系の代表ユースケース(監視・運用・危機対応) • CCTV/異常検知:人が監視できない前提で、異常だけを警察・消防等へエスカレーション • 事故・被害記述の自動化:入力を最小限(車両情報+何が起きたか等)にして、報告作成を標準化 • Digital Twin:交通規制→迂回→大気質など“連鎖影響”をモデル化して説明責任にも使う 4. 紹介されたAI • Harvey_AI 法律業務に特化した生成AIで、契約書レビューや法的調査を高速化し、専門家の判断を支援する。 • TOYOTA_Ohbeya 現場・開発・経営をつなぐ「大部屋」文化をデジタル化し、リアルタイムな課題共有と意思決定を 可能にする仕組み。 • SEDUC 教育現場の業務や学習データをAIで分析・支援し、教職員の負担軽減と教育の質向上を目指す取り 組み。 23
  17. 民間企業 02 研修内容 Microsoft 変革の論点は“技術”より“運用(人・仕組み) 1. IT変革のフェーズ(変化の加速が前提) • On-prem →

    Cloud(2010〜)→ Modern Engineering/DevOps(2018〜)→ Remote (2020〜)→ GenAI(2023〜)→ Agents(2025〜) • 変曲点が短い間隔で来る=「追随の仕組み」を組織に埋め込む必要 2. 文化と組織設計(実装を回す土台) • Growth Mindset / One Microsoft:個人最適の競争から、協働・学習・挑戦へ • Customer Zero:自社を“最初の顧客”として使い倒し、改善点を製品側へ戻す 3. AI導入を進める実務論(現場が動く設計) • 導入のカギは“全員を同時に変えない”: Enthusiasts → Fast followers → Persuadables(ここが最大) → Laggards → 説得対象はPersuadables(「自分の仕事が楽になる」が必要) • Microsoft Digitalの優先順位:Security → Foundations → AI(土台無しにAIは 事故る) 4. Listening(職員=顧客)を回す仕組み • “常時”の行動データ(テレメトリ)+“点”の調査(サーベイ等)を組み合わせ る • 複数チャネルで同じ声が出たら「テーマ」として格上げ • 重要:AIでテーマ抽出はできるが、文脈づけはSME(業務理解者)が必須 • ListeningとChange Managementはセット: 「聞いた → 反映した」を伝えると、信頼と採用が加速(フライホイール) 集合写真 24
  18. 行政機関 02 研修内容 行政機関ヒアリング 行政DXやAI活用に取り組む海外自治体を訪問し、デジタル技術の活用方針や、組織・運用の在り方についてヒアリングを実施 した 訪問機関 San Francisco Digital

    Services • Web・ドキュメント運用を通じた 行政サービスのデジタル改善 • アクセシビリティへの組織的な取り組み New York City Office of Technology and Innovation • 行政全体を横断した AI・デジタル活用の推進体制 • ガバナンスや組織運営の考え方 • 行政DX・AI活用において、 「何を作るか」ではなく「どう進めるか」という観点から、 組織・運用・ガバナンスの考え方を把握する • 技術導入が現場で使われ続ける形になるための前提条件を確認する 訪問目的 25
  19. 行政機関 02 研修内容 San Francisco Digital Services 社内の様子 市役所職員の実務室であるシビックセンターに訪れたオフィスの様子は固定席のようで、各個人ブースが広く設置され てあった

    付箋やペンなどが各会議室 に備え付けっれている All genderトイレ.トイレの 設置はAllgenderのみでとて も広く多くの個室があった 26
  20. 行政機関 02 研修内容 San Francisco Digital Services アクセシビリティを“最初から組み込む”行政DX 背景 •

    sf.gov を運営する編集者・担当者は 技術レベルが非常に幅広い エンジニア並みに高度な人もいれば、「PCで入力するのは問題ない」レベルの人もいる • そのため、一部の専門家に任せる方式は成立しない 取っているアプローチ • 研修では最初に明確に伝える 「アクセシビリティの専門家になる必要はない」 • 目的は • デジタルアクセシビリティの基本的な理解 • 編集者として守るべき最低限の責任(コンプライアンス) • アクセシビリティを • チェックリスト • 事後レビューではなく「設計思想(by design)」として位置づけ 実装面の工夫 • HTML構造・見出し階層・色・タイポグラフィをテンプレート化 • 新機能開発時に毎回ゼロから考えなくて済む状態を作る → 個人の意識やスキルに依存しない「仕組み化」 • アクセシビリティ対応は高度な専門対応ではなく、「設計の前提条 件」に置いた瞬間に、運用として回り始める ポイント 27
  21. 行政機関 02 研修内容 New York City Office of Technology and

    Innovation 組織再編とガバナンス ニューヨーク市のデジタル関連業務は、Office of Technology and Innovation (OTI) に統合されており、以下の機能を包括している • Department of Information Technology(情報技術局) • Information Privacy Office(情報プライバシー室) • NYC Cyber Command(サイバー司令部):市全体のサイバーセキュリ ティと共同運用センターを担う DX・AIを巡る共通課題 • ニューヨーク市も非常に歴史の長い行政組織 • 紙ベース業務が今も多く残る • AIへの期待は高いが • 使い方が分からない • そもそもデジタル化が未完了 • 慎重・消極的な姿勢を維持している • Agentic AIに関しても現時点では想定されていない 集合写真 28
  22. 行政機関 02 研修内容 New York City Office of Technology and

    Innovation AIガバナンスの考え方 • 2023年に AI Action Plan(37施策) を策定 • ガバナンス • 職員のスキル育成 • 市民向けの理解促進 • 35/37施策が完了または進行中 • 生成AI・Agentic AIについては • 技術的可能性は認識 • 公共サービスとしての信頼性を最優先 • 十分に成熟するまで全庁展開はしない • ⇒ 「使いたい」より 「安全に使えるか」「説明できるか」 NYC.govのWeb戦略(ユーザー起点) • 利用者の 2/3は検索ユーザー • 「駐車違反」ではなく、「駐車違反の支払い方法を教えて」と質問する • 311コールセンター(住民相談)× Web解析を活用 • “機関単位”ではなく“生活課題単位”で再構成 • 例:「家賃が上がったらどうする?」 → 複数機関を横断したガイドページを作成 デザインシステムの役割 古く使いにくいCMSテンプレートから脱却 • CMS依存コード+CMS非依存コードの2系統を整備 • 自由度は残しつつ、勝手に壊せない・アクセシブルな共通基盤を提供 29
  23. 街並み 02 研修内容 ダラス 1. 町全体の印象 • 車社会であり、公共交通機関は車の所持 してない層が利用 •

    公共交通機関:バス、路面電車(アプリ、 プリペイドカード、クレジットカード払 い) • ダラス市役所の様子 ワークスペースは個別 ブースが多く、しきり に区切られた環境で仕 事をしていたまた、住 民向け受付は7つほどで 職員はそこで対応作業 を行っていた Appendix アメリカのアクセシブルで ないエレベーターボタン押 すボタンの左横に同じ大き さの•のラべルがあり、そ こに点字も記載ADA(障碍 者法)で「後から点字を追 加する」ことが義務化され たためこんな感じに サンフランシスコ 1. 町全体の印象 • 自動運転タクシーWaymoが街中によく 走っている人の検知、車線の色の把握、 走行中、駐車中の車の検知ができてい たしかし、配車を手配する際、Pick Up 禁止の道でPick Upされた • 公共交通機関:MUNI, BART(アプリ、 プリペイドカード、クレジットカード 払い) • 車いす利用者が多い印象 ニューヨーク 1. 町全体の印象 1. 観光客多め 2. 地下鉄利用者が多い通勤も地下鉄をよく 使っている 3. 公共交通機関:地下鉄(クレジットカー ド払い) 2. Appendix NewYork街中視察 レンタルされたWifi NewYorkFreeWifi デジタルサイネージ 991通報 311通報 無料高速Wi-Fi Google Mapの利用 運行状況のリアルタイム速報 30
  24. 都政に還元したいこと 03 まとめ ①問題定義をそろえるための対話と試作 実践したい手法 • ジャーニー(体験の流れ) 手続き単位ではなく、住民・職員の体験単位で課題を捉え、体験単位で改善を担う構造を設 計する •

    プレモータム(Premortem) 実装前に「失敗した未来」を仮定し、破綻ポイントを洗い出す • Challenge Mapping / Complexity Assessment 課題の構造や複雑性を整理し、 「今試せること」と「制度調整が必要なこと」を切り分ける 都政での活かし方 • 要件定義・制度検討の初期段階で、 「本当に解くべき問題は何か」を揃えるための対話に使う。 • 手戻りや炎上を、実装前に減らす。 32
  25. 都政に還元したいこと 03 まとめ ②試作を前提にした改善プロセスの実装 研修で学んだ考え方 • 仮説 → 試作 →

    検証 → 更新を前提とした反復型プロセス • 成果物よりも、試作を通じた学習を重視する姿勢 都政での実践 • 最初から完成形を定めず、 特定部署・限定業務を対象に 小規模な試行(パイロット)から着手 • 現場職員とともに 「どこで困るか」「どこが使われないか」を確認し、改善につなげる 33
  26. 都政に還元したいこと 03 まとめ ③技術導入と同時に「運用」を設計する 研修で共通して示されていた視点 • AI・デジタル技術は 人の判断を代替するものではなく、補助するもの • 成否を分けるのは

    誰が判断し、誰が改善を担うのかが明確かどうか 都政での実践 • システム・AI 導入時に、 機能要件と併せて 運用ルール・責任分界・改善の回し方を明文化 • 「作って終わり」ではなく、 改善が前提となる体制を組み込む 34