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知名度低・規模小の上場スタートアップの (AI時代の)加熱するプロダクト採用市場での戦い方 2...

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September 26, 2025

知名度低・規模小の上場スタートアップの (AI時代の)加熱するプロダクト採用市場での戦い方 2025/09/25 「#AI時代のエンジニア採用戦略会議」

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September 26, 2025
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  1. Profile • 東岡和也(id:Tooka_91) • Career: ◦ サマリ:20-2000名規模の組織で、プロダクト組織の採 用を経験 ◦ 前職:マネーフォワードで、東京・大阪・京都・名古

    屋(拠点立ち上げ期)のプロダクト採用を担当 ◦ 現在:stmn, inc. (150名規模): ▪ BtoBSaaS(デスクレスSaaS/業務DX&組織エン ゲージメント) ▪ Product Recruiter • プロダクト全職種のリクルーター
  2. 前段:スタートアップ(弊社)の状況 • 🐔「地方(名古屋)」で創業 ◦ 社員の人的ネットワークが地方に集中している(いた)。 ◦ 地方での微経験・未経験層の人材育成ベースで成長してきたので、(認知度の面で)ス タートアップにありがちな「創業初期特有のつよつよメンバーブースト」がない。 • 🗾

    首都圏における知名度/人的ネットワークの細さ ◦ 大型カンファレンスに出展し始めたのが、2023年以降。(成果に直結するにはまだリー ドタイムがある。) ◦ 主力社員が地方在住に寄っており、技術コミュニティでのネットワークが効かない。 • 🍚 量での勝負が(まだ)できない ◦ まだ社員数が多くない(プロダクト組織としては30名弱)ので、リファラルのレバレッ ジ効かない。 ◦ 技術広報・採用広報といった文脈でも、まだ厚みや蓄積がない。 ◦ 選考フェーズでのバリエーションも作りにくい。 ▪ 大手は、CxPやVPレイヤーも、場面で適切に使い分けアトラクトしてくる。
  3. 前段を踏まえ:入社後の実際の苦悩 • 😭 認知獲得のリードタイムを待つことができない(=今この瞬間に採用が必要) ◦ 認知の土台がない(作っている)ところからのスタート ◦ 一方で、採用を短期的に実現しないと明日はない(今この瞬間に採用を実現しないと事 業のスケールが止まる) •

    😭 (強力なパイプであるはずの)エージェント経由での承諾が全く取れない ◦ 先行他社が5-6社ある状況だと意向度が完全にコントロール不可 ◦ 候補者は可能性の多い場所を選ぶ(当たり前) ▪ 例えば:プロダクトフェーズの多様さ(と技術的な取り組める範囲):0→1, 1→10, 10→100 • 😭 単なるスキルマッチでは、絶対承諾してもらえない ◦ キャリア志向・キャリアフェーズ・オファー内容(金額/ポジション)がベストマッチ しない限り、承諾してもらえない ▪ 前職までは、テックブランド・選考体験だけで勝ち切れるパターンも多かった • 業界の権威者も多く、クロージングがある種容易な場面も多かった。 ▪ 最初の接点からベストマッチを意識したパイプを生む必要がある。
  4. 成果を出すための「選択」と「集中」:考え • 🧠 考え方の変更①:「今この瞬間」に勝てる土俵にフルベット ◦ before:複数パイプ(AGT/ダイレクト/リファラル)を機能させ、磐石にしたい(理想論) ◦ after:採用経路が分かれているという考えを捨てて、全て同じDB上という概念でとらえる。 ▪ 今見るのは1点「数字に基づいた成果(=歩留の良さ)」のみ

    • 市場での評判が良くても、自社にフィットしない場合は臆せず切っていく(その 判断をすぐやる)経路の偏りも気にしない。採用できればOK • 🧠 考え方の変更②:短期的に「今必要のないこと」をやらない覚悟 ◦ before:採用に加え、自社技術イベントやカンファレンス(年間2-4本参加)への参加や貢献 ◦ after:最低限(最大成果を生む)取り組みにフォーカスする ▪ スタートアップで評価されるのは「最短で事業をスケールさせていく」こと • まずは採用実績を証明し、関与領域を広げていくのが現実的で合理的 • スポンサーをするテックカンファレンスの選出には最低限入るぐらいに留める。
  5. 成果を出すための「選択」と「集中」:実践 • 💪 採用市場における「あらゆる機能」をリクルーターが全て担う(= 一人で3機能をやり切る) ◦ 👤 ダイレクト & ヘッドハンティング(=企業側目線):

    ▪ AGTを介さず、優秀なエンジニアとのベストマッチなパイプを創出する • (オンライン/オフライン問わず)あらゆるデータベースに自力でタッチする ▪ エンジニアを介さず、リクルーターが全てのアプローチを自力で実行できる体制づくり • スキル確認もHRで判断、リクルーターがスピード・クオリティ担保に責任を持つ • 自分で手を動かし、採用市場に常に触れ、ターゲティング精度を初手から限界ま で高めていく ◦ 👤 AGT(=候補者目線): ▪ 採用市場感やエンジニアのキャリアを適切に理解・調査した上で、適切な選考フェーズ 毎の導き・意思決定サポート • 1社選考でも意思決定ができるような情報を常に開示する • 各選考フェーズごとのHR面談の実施 ◦ 競合と自社の比較表なども全て用意して、AGTと同クオリテイで対応する
  6. • 💪 AIを活用した「Prodcut Recrutier」としての専門性強化 ◦ 「ChaGPT」等のAIツールを利用した、リクルーターのエンジニアリング理解の加速 ▪ エンジニアリングの理解度を現役エンジニアと同レベルまで引き上げる • CTOやリードエンジニアの理解度を搭載しているような状態を目指す

    • プロダクトの面からも、中長期のシステムと組織のスケールを意識した ターゲティング(意見出し)が可能に • 👀 選考ステップ毎の録画データの解析 ◦ ✅エントリー時の見立てと、選考評価の整合性をチェック ▪ 採用における予測の信頼性と見立ての質を担保する(=より確実な採用活動) ◦ ✅承諾評価の高い候補者の傾向値・会話におけるキーワードを算出 ▪ 再現性のあるデータを発見したら、採用ステップの序盤からテコ入れし、選考活 動全体の改善に流す(= 候補者に会えば会うほど、良質な選考体験・活動に) 「選択」と「集中」:AIをフル活用/スキルの底上げ
  7. これからやっていきたいこと(個人的な意見) • 💪AI時代のTechRecruiterの価値向上:キャリアブランドを業界全体で押し上げていきたい ◦ 本来専門性と事業貢献度が高いはずだが、採用市場感(からくる)難易度ゆえの評価の取り にくさで報酬が高くない問題(ゆえになり手や専門性を持った人が少ない) ▪ AIのおかげで「技術を理解し事業貢献できる」リクルーターになれる時代 ◦ 自分自身も価値発揮して、水準のベースを未来ではなく、今この瞬間にでも高くしたい

    • 💪日本で生まれたスタートアップの成長を、プロダクト採用の力でブーストする ◦ どのスタートアップにいても、再現性が高く、スケール角度の高いリクルーターとしての価 値発揮 ◦ エンジニア・プロダクト職種の人を、スケール確度の高い場所に適切に導くことによって、 あらゆる事業と個人キャリアの両面がより良くなるトリガーの一つになりたい