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AWSのProductのLifecycleについて

 AWSのProductのLifecycleについて

2025年9月26日に行われたDevelopersIO 2025 Sapporoで発表した内容です。

https://classmethod.connpass.com/event/366068/

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Takuya Shibata PRO

September 26, 2025
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Transcript

  1. 自己紹介 2 ⚫ 2018年12月入社 ⚫ Japan All AWS Certifications Engineer

    (2025) ⚫ Japan AWS All Certifications Engineer (2023, 2024) ⚫ ex-APN AWS Top Engineer (2020, 2021) ⚫ ex-Microsoft MVP (2016 – 2022) ⚫ 自称クラスメソッドで一番AWSサービスの終了を 追い続けている男 Takuya Shibata
  2. どんなサービスも必ずいつか終了する 5 ⚫ 2022年ごろからサービスの新規利用停止や終了が目立つ様に ⚫ 増加に至る具体的な理由は明言されていない ✓ 当時の時代感としては「コロナ」や「レイオフ」 ✓ AWS内部でサービス整理を行うに至る下地は十分にあったと思われる

    ⚫ 旧バージョンの廃止や類似サービスの統廃合による終了もあり、 サービス終了は必ずしもネガティブな要素だけではない ✓ 時代に合わせてサービスが刷新されることは利用者にとってもメリット かつて『AWSはサービスを終了しない』と言われてきたが…
  3. AWSサービスの新規利用停止・終了 6 2021年以前、時期不明 時期 サービス 内容 特記事項 不明 Amazon Lumberyard

    提供終了 GitHubリポジトリは2022年10月4日に アーカイブ済み 2021年? Amazon Machine Learning 新規利用停止 ドキュメント履歴を見る限り2021年に 停止した模様 2021年 AWS Mobile Hub AWS Amplifyに移行 2019年ごろから両者の統合が行われ ていた模様 ドキュメント履歴によれば2021年10月 末に移行されている ※調査で判明している分のみ記載しています
  4. AWSサービスの新規利用停止・終了 7 2022年 ※調査で判明している分のみ記載しています 時期 サービス 内容 特記事項 2022年3月? Amazon

    Macie Classic サービス終了 現行Macie(macie2)が利用可能 2022年4月 Amazon WorkLink サービス終了 (Amazon WorkSpaces Secure Browserに移行した模様) パブリックなアナウンスは確認で きず 2022年11月 AWS IoT Things Graph AWS IoT TwinMakerに移行 2022年12月 CloudEndure Migration GovCloudおよび中国リージョン 以外のリージョンでサービス終了 2024年11月に完全終了済み
  5. AWSサービスの新規利用停止・終了 8 2023年 (1/2) ※調査で判明している分のみ記載しています 時期 サービス 内容 特記事項 2023年2月

    Amazon Sumerian サービス終了 2023年3月 AWS IoT EduKit サポート終了 ハードウェアの提供はその後も 継続 2023年3月 AWS Server Migration Service サービス終了 2023年4月 AWS Simple Monthly Calculator 提供終了 2020年の予告から3年かけて 終了 2023年5月 Alexa for Business サービス終了
  6. AWSサービスの新規利用停止・終了 9 2023年 (2/2) ※調査で判明している分のみ記載しています 時期 サービス 内容 特記事項 2023年8月

    EC2-Classic サービス終了 2021年の予告から2年かけて 終了 2023年9月 Amazon WorkSpaces Application Manager サービス終了 2023年10月 Amazon GameSparks (Preview) サービス終了 プレビューのまま終了
  7. AWSサービスの新規利用停止・終了 10 2024年 (1/5) ※調査で判明している分のみ記載しています 時期 サービス 内容 特記事項 2024年1月

    AWS DeepLens サービス終了 2024年3月? AWS IoT RoboRunner サービス終了 2024年3月? AWS Snowmobile 提供終了 2024年4月の報道で判明 報道によると3月に終了した 様に見えるが断定できず 2024年3月 CloudEndure Disaster Recovery GovCloudおよび中国リ ージョン以外のリージョ ンでのサービスを終了 2026年8月に完全終了予定 2024年4月 Amazon Honeycode (Beta) サービス終了 ベータ版のまま終了
  8. AWSサービスの新規利用停止・終了 11 2024年 (2/5) ※調査で判明している分のみ記載しています 時期 サービス 内容 特記事項 2024年4月?

    Amazon Elastic Inference サービス終了 2024年5月 AWS OpsWorks サービス終了 2024年3月から段階的に終了 2024年6月? AWS Backup Storage サービス終了 特定顧客向けサービス 2024年7月 AWS CodeStar サービス終了 AWS CodeStar Connectionsは影響を受けず AWS CodeConnectionsに改名 2024年7月 AWS Data Pipeline 新規利用停止 以前からメンテナンスモードだったが2024年7 月に正式に新規利用停止
  9. AWSサービスの新規利用停止・終了 12 2024年 (3/5) ※調査で判明している分のみ記載しています 時期 サービス 内容 特記事項 2024年7月

    AWS CodeCommit 新規利用停止 2024年7月 Amazon CloudSearch 新規利用停止 2024年7月 AWS Cloud9 新規利用停止 2024年7月 S3 Select, Glacier Select 新規利用停止 2024年7月 Amazon Forecast 新規利用停止
  10. AWSサービスの新規利用停止・終了 13 2024年 (4/5) ※調査で判明している分のみ記載しています 時期 サービス 内容 特記事項 2024年7月

    Amazon SimpleDB 新規利用停止 2024年9月 AWS Application Cost Profiler サービス終了 2024年10月 Amazon Nimble Studio サービス終了 2024年10月 Amazon Lookout for Equipment 新規利用停止 2024年10月 Amazon FSx File Gateway 新規利用停止
  11. AWSサービスの新規利用停止・終了 14 2024年 (5/5) ※調査で判明している分のみ記載しています 時期 サービス 内容 特記事項 2024年10月

    Amazon Monitron 新規利用停止 デバイスの販売は2025年7月まで (5年サポート付き) 2024年11月 AWS Snowcone 提供終了 同時にSnowball Edgeの旧モデルも提供終了 2024年11月 CloudEndure Migration サービス終了 GovCloud等の残リージョンの終了 2024年12月 AWS IoT 1-Click サービス終了
  12. AWSサービスの新規利用停止・終了 15 2025年 : 予定含む (1/5) ※調査で判明している分のみ記載しています 時期 サービス 内容

    特記事項 2025年2月 東京リージョンのAZ apne1-az3 運用終了 AZの終了だが記載 相当昔から新規利用停止状態だった 2025年3月 Amazon FinSpace Dataset Browser サービス終了 2025年4月 Amazon WorkDocs サービス終了 2025年5月 AWS DataSync Discovery サービス終了 2025年5月 AWS Private 5G サービス終了
  13. AWSサービスの新規利用停止・終了 16 2025年 : 予定含む (2/5) ※調査で判明している分のみ記載しています 時期 サービス 内容

    特記事項 2025年6月 Amazon Timestream for LiveAnalytics 新規利用停止 2025年7月 Amazon Quantum Ledger Database (QLDB) サービス終了 2025年9月 AWS RoboMaker サービス終了 2025年9月 Amazon Lex V1 サービス終了 現行Amazon Lex V2が利用可能 2025年9月 AWS WAF Classic サービス終了 現行AWS WAF V2が利用可能
  14. AWSサービスの新規利用停止・終了 17 2025年 : 予定含む (3/5) ※調査で判明している分のみ記載しています 時期 サービス 内容

    特記事項 2025年9月 AWS DeepComposer サービス終了 サービス終了後もデバイスは普通のMIDI キーボードとして利用可能 2025年9月 NICE EnginFrame 提供終了 厳密にはサービスでなくソリューションだ がAWSブログで案内されているため記載 2025年10月 Amazon ECR Basic Scan (CLIAR) 提供終了 新バージョンのBasic Scan (AWS_NATIVE)が利用可能 2025年10月 Amazon Lookout for Metrics サービス終了 2025年10月 Amazon CloudWatch Evidently サービス終了
  15. AWSサービスの新規利用停止・終了 18 2025年 : 予定含む (4/5) ※調査で判明している分のみ記載しています 時期 サービス 内容

    特記事項 2025年10月 AWS IoT Device Management Fleet Hub サービス終了 2025年10月 Amazon Lookout for Vision サービス終了 2025年11月 AWS Elemental MediaStore サービス終了 2025年11月 Amazon Elastic Transcoder サービス終了 2025年11月 AWS Application Discovery Service Discovery Connector 提供終了
  16. AWSサービスの新規利用停止・終了 19 2025年 : 予定含む (5/5) ※調査で判明している分のみ記載しています 時期 サービス 内容

    特記事項 2025年11月 Amazon RDS Performance Insights 提供終了 2025年11月 Amazon CodeGuru Security (Preview) サービス終了 プレビュー版のまま終了 2025年12月 AWS IoT Analytics サービス終了 2025年12月? AWS DeepRacer サービス終了 予定がアナウンスされたものの、 正式な時期は確定していない
  17. AWSサービスの新規利用停止・終了 20 2026年予定 (1/3) ※調査で判明している分のみ記載しています 時期 サービス 内容 特記事項 2026年1月

    Amazon Kinesis Data Analytics for SQL サービス終了 2026年2月 Amazon Chime サービス終了 Amazon Chime SDKは対象外 2026年5月 AWS IoT Events サービス終了 2026年5月 AWS SimSpace Weaver サービス終了 2026年5月 Amazon Inspector Classic サービス終了 現行Amazon Inspector (v2)が利用 可能
  18. AWSサービスの新規利用停止・終了 21 2026年予定 (2/3) ※調査で判明している分のみ記載しています 時期 サービス 内容 特記事項 2026年5月

    Amazon Connect Voice ID サービス終了 2026年5月 AWS DMS Fleet Advisor サービス終了 2026年5月 AWS Panorama サービス終了 2026年5月 AWS IQ サービス終了 2026年9月 AWS App Mesh サービス終了 猶予期間2年
  19. 終了サービスの傾向 24 1. 旧バージョンの廃止 ✓ 例) AWS WAF Classic →

    AWS WAF V2 2. 既存サービスの統廃合 ✓ 例) AWS Server Migration Service (SMS), CloudEndure Migration → AWS Application Migration Service (MGN) 3. ビジネス上の判断 ✓ 大抵のサービスはこのパターン (『慎重に検討した結果』) ✓ AWSサービスで代替できない事もそれなりに 最初の2つは移行パスが明確だが、多くの場合で個別の対応が必要
  20. 終了までの猶予期間 25 ⚫ 多くのサービスで1年間の猶予期間がある ✓ ちょうど1年前にサービス終了の通知 + 同時に新規利用停止 ⚫ 必ず1年というわけでもない

    ✓ AWS App Meshの場合は2年の猶予期間 ✓ 後になって延長が入ることも 例) EC2-Classic ⚫ プレビュー、ベータ版サービスの場合猶予期間は短め ✓ 規約上はプレビュー、ベータ版は即終了しても良い決まり ✓ 直近の例だとAmazon CodeGuru Security (猶予3ケ月) GA済みサービスの場合十分な猶予期間が与えられる傾向にある
  21. 終了の通知 26 ⚫ 既存の利用者に対する通知は行ってる ✓ 基本Personal Health Dashboardに通知するっぽい ✓ 「利用者」の判定はサービスによってまちまち

    ⚫ 利用者以外への通知は全然されてこなかった ✓ あってもこっそりドキュメントやブログに追記される程度 ⚫ 2024年7月以降は利用者以外への通知も増え改善気味 ✓ サービスによってはブログでの案内もされる様に ✓ 公にされる情報がだいぶ増えた 終了の通知はかなり意識しないと気づけない可能性が高い
  22. サービス終了に向けた対策 28 1. 基本的にはケースバイケース ✓ 利用者自身が何らかの方法で移行しなければならない ✓ 自動移行されるケースは少ない 2. AWSに代替サービスが無いこともそれなりに

    ✓ 例) Amazon WorkDocs → DropboxやBoxなど 3. AWSから移行ツールの提供などのサポートがある場合も ✓ 例) AWS WAF Classic → AWS WAF v2 移行ツール ✓ 例) Amazon WorkDocsからDropboxへ移行する際の特別割引の提供 サービス毎、環境ごとに個別の対応が必要
  23. AWS Product Lifecycle 31 1. 残念ながらすべてのサービス終了が記載されていない ✓ 2024年以前の終了情報が無い + 2024年以後も網羅率は低め

    2. 現状AWSブログのまとめサイトに過ぎない ✓ 前述の通りブログでの通知はレアケース 3. Productの名は付くがあくまでもサービスレベルの情報のみ ✓ OS/ディストリビューションのEOS情報は載っていない ✓ RDSエンジンやLambdaランタイム等のEOS情報も載っていない 4. サービス改名が含まれていない ✓ 地味にAWSはサービス改名が多い リリースしてくれたことは評価したいが…