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コンテキストとセマンティクスを意識してリーダブルなE2Eテストコードを書こう

 コンテキストとセマンティクスを意識してリーダブルなE2Eテストコードを書こう

リーダブルなテストコードについて考えよう ~VeriServe Test Automation Talk No.3~ 2022-07-27 での講演スライドです。

tsuemura

July 27, 2022
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Transcript

  1. E2Eテストの例 Cypressによる擬似コード /** ログインする **/ // メールアドレスを入力 cy.type('input[name=email]', '[email protected]') //

    パスワードを入力 cy.type('input[name=password]', 'pass1234') // 送信ボタンをクリック cy.click('input[type=submit]') この例では CSSセレクタ で要素を特定し、 それらをクリックしたり、文字を入力したりしている
  2. 読みにくいUI操作の例 // 送信ボタン cy.get('button[type="submit"]').click() // 「OK 」ボタン cy.get('button.primary').click() どちらも CSSセレクタ

    を用いて要素を探索しているが…… type="submit" が送信ボタンであることを知っているのは エンジニアだけ primary クラスがOKボタンに当たってるのは ただの実装上の都合 ユーザーは type="submit" や .primary のような内部的な属性値を使わず、 ラ ベル で探す 読みにくいだけでなく、ユーザー目線でもないので、誰の得にもならない
  3. 読みにくいシナリオの例 // 新規登録ページにアクセス cy.visit('/register') // メールアドレスを入力 cy.get('input[name="email"]').type('[email protected]') // パスワードを入力 cy.get('input[name="password"]').type('pass1234')

    // 送信ボタンをクリック cy.get('button[type="submit"]').click() 直前で「新規登録ページにアクセスした」という 文脈 が無いと読み解けない
  4. 読みにくいUI操作の例(おさらい) // 送信ボタン cy.get('button[type="submit"]').click() // 「OK 」ボタン cy.get('button.primary').click() どちらも サイトの内部構造

    を用いて要素を探索しており ユーザー目線 ではない 意味のある = セマンティックな書き方 を使おう
  5. Testing Library を使わない場合 // span タグを用いて作成した擬似的な Submit ボタン <span role="button">Submit</span>

    // button タグを用いて作成した Submit ボタン <button>Submit</button> この2つは button という role と Submit という name を持つ 意味的にはほぼ等価だが テストフレームワークからは異なるセレクタを使わなければいけない cy.get('span').contain('Submit') cy.get('button').contain('Submit')
  6. アクセシビリティの高いサイトはテスタビリティも高い Testing Library は アクセシビリティ を用いてテストしている つまり、これら3つがシームレスに実現できる 開発者: アクセシビリティ改善 QA:

    アクセシビリティ特性を用いたユーザー目線でのE2Eテスト ユーザー: アクセシビリティの利用 テスターにとってのアクセシビリティの優先度は実は高い テストしにくいサイトがあったときに、 「テストしやすく」ではなく「アクセスしやすく」という提案が出来るかも
  7. Page Object Pattern の利用 ページ内のロケーター、ページ特有の操作などをオブジェクトにまとめるテクニック 本来はメンテナンス性向上のための技だが、副次的にコンテキストを明示することも 出来る const loginPage =

    new LoginPage() loginPage.getEmailInput().type('[email protected]') loginPage.getPasswordInput().type('pass1234') loginPage.getSubmitButton().click() どのUI要素も loginPage という Page Object のインスタンスから生えている = ログインページ内の要素であることが明示的に示されている
  8. Page Object の実装例 class LoginPage { getEmailInput() { return cy.get('input[name="email"]')

    } getPasswordInput() { return cy.get('input[name="password"]') } getSubmitButton() { return cy.get('button[type="submit"]') } } ログインページ内の要素をあらかじめ PageObject 内に定義する
  9. Page Object は結構手間がかかる 例えば、ログインページに Remember me? という チェックボックスを追加したが、Page Objectには追加していないとする const

    loginPage = new LoginPage() loginPage.getEmailInput().type('[email protected]') loginPage.getPasswordInput().type('pass1234') cy.contains('Remember me?').check() // ここだけ loginPage に属してないように見える loginPage.getSubmitButton().click() 要素を追加した際、かならず Page Object に要素を登録する必要がある Page Object はコンテキストを明示する目的に対しては 重い アプローチ
  10. Context Enclosure 現在のコンテキストに応じてスクリプトの一部を囲う Page Objectよりも「コンテキストを明示する」という意図が明確になる cy.visit("https://demo.realworld.io/#/register"); // 新規登録ページに遷移 // この部分が

    Context Enclosure cy.onRegisterPage(cy => { cy.findByPlaceholderText("Username").type("foobar") cy.findByPlaceholderText("Email").type("[email protected]") cy.findByPlaceholderText("Password").type("Pass1234") } ※ 名前は先日考えたのでググってもろくなのがでてきません 実装のサンプルは https://zenn.dev/tsuemura/articles/13b0ea44c1a20a
  11. コンテキスト内でのみ利用できるコマンド Cypress.Commands.add("onRegisterPage", (fn) => { Cypress.Command.Add("showMessage", (message) => { //

    独自コマンドの定義 cy.log(message) }) cy.url().should('include', 'register') // register ページにいることを確認 fn(cy); }); onRegisterPage の中でだけ利用できる showMessage というコマンドを定義し た 例えば login や fillCredentials のようなhelperを定義してあげるとテストコ ード記述が楽になる 同時に onRegisterPage が呼ばれた段階で register を含むURLにいることを確 認している