2022-10-01_NASA Space APPs challenge Kushimoto

国連における地理空間情報の利用　（於 NASA Space APPs challenge Kushinoto ）

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1. よりよい世界のための地理空間情報 Geospatial Information for a better world ～国連における地理空間情報の利用～ 2022年10月1日 @NASA Space APPs Challenge Kushimoto 国連事務局 情報通信技術部 地理空間情報課 上級地理空間情報専門官 鵜生川 太郎
2. 1．国連の活動と地理空間情報
3. 国連について • 1945年設立 • 世界193の加盟国 • 国連の目的（国連憲章） • 国際平和と安全 • 諸国間の友好関係の発展 • 経済、社会、文化、人道的性質 を持つ国際問題の解決。人権 と基本的自由尊重の促進。 • 目標達成するための諸国の行 動について調和を図る。
4. 私たちが支えている人 （地理空間情報グループがサポートする対象） 加盟国 世界の人々 リーダーシップ 事務局 特別機関 安全保障理事会
5. なんのために SUSTAINABLE DEVELOPMENT PEACE & SECURITY HUMAN RIGHTS HUMANITARIAN AID INTERNATIONAL LAW 地理空間情報を普遍的に利用（universal use）することで、 よりよい世界のため国連が行っている活動や任務を支える。 (国連事務局 地理空間情報戦略より) 平和と安全 人権 持続可能な開発 人道支援 国際法 Geospatial Strategy for the United Nations: https://www.un.org/geospatial/sites/www.un.org.geospatial/files/20210330_g eospatial_strategy_for_the_united_nations-book.pdf
6. 平和と安全 分野での貢献 • 安全保障理事会のサポート • PKOミッションの配備図 • 特別事案報告のための地図 など https://www.un.org/geospatial/mandates/securitycouncil https://www.un.org/geospatial/sites/www.un.org.geospatial/files/s-2015-131-dprk-p81_to_8490_to_92.pdf
7. レポートの例 https://www.un.org/geospatial/sites/www.un.org.geospa tial/files/s-2019-171-dprk-p352_to_355_357_358.pdf 安全保障理事会制裁委員会の専門家パネルに地図 や衛星データを提供しサポートする。
8. 人権・人道分野 • 空間解析、IDP（国内避難民）の予想、被災状況図など 関係部局とやり取りしながら情報を可視化する。
9. • 被害の確認などでも、衛星画像は非常に有効な情報源となる 複数時期の比較により解析
10. 持続可能な開発 • 統計データや他のデータとの重ねあわせ • 効果的な意志決定のためのデータの可視化 （国連の各機関・部署でも地図等を作成）
11. 国連ミッションの支援 右図は外務省のホームページより https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000019806.pdf PKO ミッション等、フィールドミッション においても地理空間情報データを必要とし ている。
12. 国連ミッションのサポート体制 MINURSO MINUJUST MINUSMA UNMIL UNVMC MONUSCO MINUSCA BINUB UNAMID UNMISS UNSOS UNMHA UNFICYP UNTSO UNDOF UNIFIL UNAMA UN Headquarters New York, USA UN Global Service Centre Brindisi, Italy ECLAC ESCWA ECA ESCAP ECE Regional Commissions Peace operations 物流のハブとなるUNGSCと共に地理空間情報を提供
13. フィールドミッションのサポート（1） • ミッションの意志決定や日々の活動のためのデータ・ジオポータル • 政治プロセス • 治安関係情報 • 電力、物流、工事 データやジオポータル
14. 地下水の探索 • GIS、リモセン、地球物理学手法、地下3Dモデリング等を利用 • 現代の地理空間情報技術を使うことで高確率で水源を特定 • マリでは6カ所で水が見つかる。 • 他のミッションでも実施中。 フィールドミッションのサポート（2）
15. その他： 国境画定の支援 • 国連安全保障理事会の決議により、国境確定プロジェクトが立ち上がる場合がある。 （イラクークウェート、エリトリア-エチオピア、レバノン-イスラエル など） • メンバー国からの要請があった場合に作業を支援
16. （参考） 技術の発展 • 手書きの地図（国連, 1952） （出典）https://www.un.org/geospatial/about/technologies • デスクトップPCでつくった 最初の地図 （国連, 19９１）
17. 2．求められる地理空間情報サービス
18. Cartography & Geovisualization operational マッピング、解析、モニタリング、報告等 のための地図のデザイン・作成
19. Geo-data management national offices 国連事務局内で使う共通のデータや、 オペレーションのため（ルート解析、パト ロールの計画等）のデータを管理する。
20. Earth Observation & Imagery logistics オペレーション等で状況をよく理解する ためなどに、地球観測データや画像を 収集、モニター、解析する。
21. Analytics & Intelligence intelligence キャンプの場所、境界での移動状況、貨 物車の移動状況、戦場の被害、環境ア セスメントなどの知見を得るため、処理 と解析を行う。
22. Geo-Web & Mobile Services portal ウェブマップサービスを実装し、地理情 報を提供する。 アクセス制限のあるデータやアプリも含 まれるため、アクセスコントロールを Geoportal上で適切に行ったうえで、 サービスを提供する。
23. 3． 技術とパートナーシップ
24. では、どうやって技術を得るか？ • 商用ソフトの購入 （も ありますが・・・） • 加盟国との協力、オープンソース技術の賢い利用 • コストの最適化 • 最新技術の導入
25. Partnership for Technology in Peacekeeping 平和維持の技術のためのパートナーシップ • 2014年に設立されたイニシアチブ。 • 国連事務局 オペレーション支援局（DOS）と情報通信技術部が主 導。特に平和維持活動に革新的な技術を導入したいという狙い。 • 加盟国などとのパートナーシップにより、PKO活動に必要な技術を得 る。（市場から得られない技術でも、パートナーの経験から学ぶことが できる。） • 地理空間情報分野でも UN Open GIS を立ち上げる。 https://operationalsupport.un.org/en/partnership-technology-peacekeeping
26. • 地理空間情報技術で国連活動に貢献する （国土地理院パンフレットより） https://www.gsi.go.jp/common/000231655.pdf
27. UN Open GIS Initiative 国連オープンGISイニチアチブ • 2016年～ • 国連オペレーションからの要求にこたえるための オープンソース（または商用ソフトとのハイブリッ ト）GISツールを特定・開発する。 • 国連事務局、国連ミッション、加盟国、国際機関、 学術界、NGO、民間セクター等からの参加を得て、 それぞれの専門性から得られる利益を活用する。 • 各テーマごとのWGやパイロット事業の実施。 FOSS4G などでのセミナー実施。 http://unopengis.org/unopengis/main/main.php
28. 国連ベクトルタイルツールキット ～UN Vector Tile Toolkit • ウェブ地図技術の一つ、ベクトルタイルを使ってベースマップを効率 的に整備・配信するためのオープンソースツールキット。 • たくさんのパートナーの参加・貢献を得て、技術を開発・共有 • URL: https://github.com/unvt
29. （参考）GGIM国連システムネットワーク UNOPS OLA OCHA ESCAP UNOOSA ECLAC UNODC ECA UNDRR UN WOMEN ECE DSS Statistics Division DESA Geospatial Information Section OICT UN HABITAT ESCWA UNOPS S E C R E T A R I A T WHO WMO Delivering as One
30. 4．その他
31. 国連で働くために 国連HRポータル https://hr.un.org/ 外務省 国際機関人事センター https://www.mofa-irc.go.jp/
32. UN Values and Behaviours Framework https://hr.un.org/sites/hr.un.org/files/English- Values%20and%20Behaviours%20Framework_Final_0.pdf スタッフにむけた文章 • 4つの価値と5つの行動 • Inclusion 包括性 • Integrity インテグリティ（誠実、完全性） • Humility 謙虚さ • Humanity 人間性、思いやり
33. サマリー • 国連における地理空間情報等の利用、地理空間情報の役割について紹介 した。 • 地理空間情報は国連の様々な業務の助けとなっている。 • 国連では、地理空間情報分野において、さまざまなパートナーとの協働に よって、オープンソースツール、オープンデータを有効に活用しようとしてい る。 • 国連で働く可能性はだれにでも開かれている。
34. One more thing • オープンソースソフトウェア ハッカソン • 国連 情報通信技術部（OICT）と EUが主催。 • 10月3日に詳細が発表されます。
35. ご清聴 ありがとうございました。 • Any question？ Taro Ubukawa (Mr.) Email: taro.ubukawa@un.org GitHub: @ubukawa Senior Geospatial Expert, UN Geospatial Information Section The UN Open GIS Initiative aims to identify and develop an Open Source GIS bundle that meets the requirements of UN operations for both peace-building and peace-keeping. Geospatial Strategy for the United Nations The effective, efficient and universal use of geospatial information in support of all mandates and operations of the United Nations for a better world Our strategy and Initiative