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生成AI活用の組織格差を解消する 〜ビジネス職のCursor導入が開発効率に与えた好循環〜 /...

生成AI活用の組織格差を解消する 〜ビジネス職のCursor導入が開発効率に与えた好循環〜 / Closing the Organizational Gap in AI Adoption

2025/07/01 生成AI × 組織論Night での発表資料です。

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upamune / Yu SERIZAWA

July 01, 2025
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  1. id: upamune (うぱ) $ whoami LayerX バクラク事業部 (2022-04 -) Software

    Engineer バクラク勤怠 テックリード Bet AI Guild のメンバー Mercari, Inc. / Merpay, Inc. (2018-04 - 2022-03) 最近はClaude Codeが好きで、会社でも個人でもClaude Maxの $200プランを契約 © LayerX Inc.
  2. LayerXのバクラク事業部でのAI活用推進組織 ミッション: AIで全員を幸せにする。愛。 © LayerX Inc. Bet AI Guild メンバー:

    5名(組織内から集まった有志のエンジニア4名と技術広報1名) 活動内容: やること AI 活用に向けたAIツールの導入、ファシリテート AI ツールの環境整備(泥臭い所も) AI ツールの開発 社内外に向けた発信 やらないこと プロダクトの機能開発 5
  3. エンジニア向けの取り組み 詳しくはこちらで バクラクのモノレポにおける AI Coding のための環境整備と {Roo,Claude} Code活用事例 © LayerX

    Inc. 開発者向けの活動 AI Coding ツールの検証: Cursor, Roo Code, Claude Code など 環境整備: モノレポでのルール管理ツール開発 ベストプラクティス共有: 週一共有会でのシェア、最新のプラクティスキャッチアップ、 ドキュメント整備 コンテキスト整備: ADR/Design Doc/SpecなどのナレッジをMarkdownファイルとして 整備 7
  4. Claude Code登場により... Bet AI Guild がサポートする必要が薄れてきた まだまだやれることはあります © LayerX Inc.

    転換点 今までとレベルが違うくらい効率化した 効果を実感するのに特別なテクニックが必要なくなり、多くのエンジニアが使うことに 結果として、多くのエンジニアが自主的に知見共有や改善を始めた 8
  5. 1. コンテキスト収集の難しさ -> Gitサブモジュールで解決 これによって、難しいことをしなくてもワンクリックでコンテキストを手元に集めることができ、 最新に追従していくように © LayerX Inc. 第一弾:Cursor導入

    プロダクトコード、ヘルプガイド、仕様書をGitサブモジュールで登録 サブモジュールは毎日GitHub Actionsで最新化される 非エンジニアは何も考えずに最新情報を利用可能 サブモジュール取得や最新への更新も、 .vscode/tasks.json を利用してタスク定義するこ とで、ターミナルを経由せずGUIから更新できるように Integrate with External Tools via Tasks 12
  6. 2. Cursorルール設定の複雑さ -> 共通Cursorルールの導入 © LayerX Inc. 第一弾:Cursor導入 共通化するCursorルールをGit管理するように .cursor/rules/shared-*.mdc

    を対象 逆にそれ以外の shared- から始まらない .cursor/rules/*.mdc はgitignore そうすることで、個々人のルールの自由を確保 shared- から始まらなければ自由にCursorルールを設定できる 共通化されたCursorルールは例えば以下のようなルールがある Always shared-global.mdc : 常に適用したい基本的なルール shared-bakuraku.mdc : プロダクト固有知識と、どのディレクトリに何があるかを説明したルール Manual shared-bakuraku-snowflake-sql.mdc : DWHからデータを取得するSQLを書くためのルール shared-sos.mdc : この仕組みで困ったときに利用するメタ的なルール 15
  7. 3. ファイル配置の不明確さ -> ファイルを配置する場所の指定 © LayerX Inc. 第一弾:Cursor導入 このリポジトリの notes

    ディレクトリ配下に自由に配置可能 notes ディレクトリはgitignoreしている ディレクトリの存在がないと迷ってしまうので、 notes/.gitkeep だけコミット 17
  8. 他のあれこれ © LayerX Inc. 第一弾:Cursor導入 .vscode/extensions.json をコミットして、Markdown周りの体験向上のための拡張機能追 加 1クリックで一括でおすすめの拡張機能をインストールできる .vscode/settings.json

    をコミットして、ビジネス職好みのエディタになるように ファイル自動保存 ダークテーマより、ライトテーマが良いという声が多数だったので、最初からライトテーマになるように 最初のセットアップは同期的に人を集めて開催 録画を展開して、各個人でも進められるように 最初はプロダクトマネージャーとカスタマーサクセスから始まったが、今はセールス・マーケ・サポートへと広 がってきている 18
  9. 実際の活用例 詳しくは コードを書かないBiz職こそCursorを使った方が良い理由 © LayerX Inc. 第一弾:Cursor導入 お問い合わせ対応 仕様・ヘルプガイドからエンジニアに聞かずとも解決へ データ抽出のためのSQLクエリ作成

    DWHのスキーマのリポジトリをサブモジュールで取得しているので、正しくスキーマを理解してSQLを生成でき る スキーマがあるリポジトリを用意するだけで精度がかなり上がった 顧客の要望分析への利用 Slack→Notion に蓄積した顧客要望データを notes/ 配下に配置し、Cursor でカテゴリ分けや頻度集計を自動化 "この要望は何件ある? 最低限どこまで作り込む?" といった問いに数分で答えが出せ、カテゴリー精度も人手 と遜色なし 19
  10. AI活用が生む「好循環」 © LayerX Inc. 第一弾:Cursor導入 問い合わせが減る Biz職がCursorで自己解決 → 開発者への問い合わせ減少 →

    開発者の開発のための時間 が増加 使い方が広がる 成功事例を共有 → 他チームへの波及 → 組織全体の生産性向上 改善が進む Biz職の気づきを開発者へ共有 → 一緒に改善 → さらに使いやすく 20
  11. まとめ Bet AI Guildのエンジニアの新たな責務は、 AI 活用を組織全体へ波及させる "橋渡し役" である © LayerX

    Inc. まとめ Bet AI Guildはエンジニアとビジネス職が共に AI を活用するための横断的な土台を整備 AI Codingでエンジニアが恩恵を受けているが、エンジニアだけでなく 全職種が AI の恩 恵を享受していく ことが次の成長フェーズ その下支えとして、環境構築・ナレッジ整備をリードするのはエンジニアの役目 これらの取り組みが相乗効果を生み、組織全体の生産性と開発スピードを底上げする 27