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建物人格を媒介とした生成AIによる不動産ブランディング -冷泉荘におけるマルチモーダル生成実験...

建物人格を媒介とした生成AIによる不動産ブランディング -冷泉荘におけるマルチモーダル生成実験の報告 - / Real estate branding using generative AI mediated by building personas: a report on a multimodal generative experiment at Reizensou

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Kiyota Yoji, Ph.D.

June 09, 2026

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  1. ⼈ ⼯ 知 能 学 会 全 国 ⼤ 会

    J S A I 2 0 2 6 / O S 不 動 産 と A I 建物⼈格を媒介とした⽣成AIによる 不動産ブランディング ̶ 冷泉荘におけるマルチモーダル⽣成実験の報告 ̶ 清⽥ 陽司・豊⽥ 智康・⻑嶋 ⼀樹 麗澤⼤学 ⼯学部 本発表は、麗澤⼤学⼯学部(2024年4⽉新設)の⼆年次セミナーにおける実践成果です
  2. 0 1 本 研 究 の 位 置 づ け

    直前発表との接続と本研究のリサーチクエスチョン 【 前 提 】 ビ ル 格 ( B u i l d i n g P e r s o n a l i t y ) 質的データを5階層(魂・⼼・記憶・五感・⾝体)に構造化したLLMエージェント (樅⼭・吉原 2026) 本研究は、ビル格を所与の前提として、その出⼒をマルチモーダル(動画・⾳楽)に展開する 本研究の2つのリサーチクエスチョン R Q 1 物件の雰囲気・世界観を表現・共有できるか? R Q 2 不動産ブランディングの新たな⼿法として成⽴し うるか? ※ ビル格そのものの構築は本研究の主題ではない JSAI2026 / 不動産とAI 2 / 15
  3. 0 2 実 施 体 制 実施体制と役割分担 麗澤⼤学⼯学部 ⼆年次セミナーでの実践 オ

    ー ナ ー 吉原 勝⼰ 現場知の提供/⽣成物の評価・助⾔ 概 念 設 計 樅⼭ 拓⼤ ビル格の概念提⽰/冷泉荘ビル格の設計 統 括 清⽥ 陽司 ⼿続き設計/論点整理/全体取りまとめ 実 装 豊⽥ 智康・⻑嶋 ⼀樹 プロンプト試⾏/動画・⾳楽⽣成/⽐較整理 JSAI2026 / 不動産とAI 3 / 15
  4. 0 3 ⽅ 法 論 Human-in-the-loop 反復ループ 単発の⽣成結果を成果とせず、反復を基本単位として品質を作り込む S T

    E P 1 初回⽣成 ビル格の⾃⼰紹介・価値観 ・象徴語彙を起点にプロン プト作成 ▶ S T E P 2 現場フィードバック オーナー視点で「⽋落」と 「過度な固定化」を指摘 ▶ S T E P 3 修正 ⽬的の明確化/⼀次情報の 追加/禁⽌指定/秒単位の 演出指⽰ ▶ S T E P 4 再⽣成 ⼀貫性・らしさ・⽬的適合 性を確認 → ⽣成物の質は (i)⽬的設計・(ii)⼀次情報の投⼊・(iii)⼈による最終調整 の組み合わせで決まる JSAI2026 / 不動産とAI 4 / 15
  5. 0 4 動 画 ⽣ 成 ( 豊 ⽥ パ

    ー ト ) 動画⽣成のねらいとブランディング⽤途 JSAI2026 / 不動産とAI 5 / 15 動 画 = ビ ル 格 が ⾃ ⾝ の 世 界 観 や 固 有 の 物 語 を 語 り 、 タ ー ゲ ッ ト に 魅 ⼒ を 伝 え る 装 置 ね ら い ⾼位のマルチモーダル表現 動画は視覚、⾳響、⾔語、時間構造を 同時に整合させる 「最も難易度の⾼い統合表現」 冷泉荘という⼈格が⾃ら語る形式を採⽤し、 世界観や固有の魅⼒をダイレクトに 脳へ送り届ける形にする ⽤ 途 想定されるブランディング⽤途 ・ブランド理解の深化 古いだけのビルではない意志を伝える ・来訪誘導・イベント告知 若者層やアーティストをターゲット
  6. 0 4 動 画 ⽣ 成 ( 豊 ⽥ パ

    ー ト ) 動画⽣成における課題 JSAI2026 / 不動産とAI 6 / 15 課 題 = A I は 平 均 値 に 近 い 内 容 を ⽣ 成 す る 傾 向 が あ る 課 題 「古い建物=⾼齢者の場所」と誤解 築年数や「古さ」の情報のみを与えると、 AIは「ノスタルジー」や「お年寄り」といった ⼀般的な表現に収束してしまう… それによっておじいさんが穏やかに暮らす動画を⽣成。 しかし、冷泉荘は若者層のアーティストなどが 熱⼼に活動するようなアグレッシブな空間 →⽭盾が⽣まれてしまった。
  7. 0 4 動 画 ⽣ 成 ( 豊 ⽥ パ

    ー ト ) プロンプト設計の3つの⼯夫 JSAI2026 / 不動産とAI 7 / 15 プ ロ ン プ ト = 魂 レ ベ ル で 情 報 を 注 ⼊ ① ② ③ 映像固有指定 構図・カメラワーク・照明 秒単位のシーン割りを 細かく指⽰。曖昧さを排除し シネマティックな表現へ。 世界観の統⼀ AIの誤解、偏⾒的表現をなく すために個性を最⼤に活かし ⼀貫性を持たせる。 平均化の抑制 固有名詞、具体的描写、 禁⽌指定(⼀部の表現等)に より、AI特有の「無難さ」を 出来る限り減らす。
  8. 0 4 動 画 ⽣ 成 ( 豊 ⽥ パ

    ー ト ) ⽣成過程デモ:初回⽣成 vs 再⽣成 JSAI2026 / 不動産とAI 8 / 15 改 善 → 平 均 化 か ら の 脱 却 こ そ が ブ ラ ン デ ィ ン グ 品 質 を ⾼ め る 初 回 ⽣ 成 (プロンプト例:ビル格の⾃⼰紹介・ビルの特徴) 普遍的な「ノスタルジーやおじいさん」に収束 冷泉荘特有の「個性」が⽋落 再 ⽣ 成 (プロンプト例:⼊居者像・具体的な活動・ 独⾃の個性・構図・⼀次情報・時間・禁⽌指定) 初回に⽐べ、冷泉荘のブランディングに近づく ⼀致度だけでなく独⾃的価値も向上 Hailuo Ai Sora
  9. 0 4 動 画 ⽣ 成 ( 豊 ⽥ パ

    ー ト ) メディア別⼈格⼀貫性の難易度 JSAI2026 / 不動産とAI 9 / 15 動 画 = ビ ル 格 を 表 現 す る 上 で 最 も 困 難 な メ デ ィ ア メディア 制御次元数 ⼀貫性崩壊のリスク 難易度 テキスト ⾔語 低:読者が⽂脈を補完しやすい ★☆☆☆ 画像 ⾔語+視覚 中:瞬間的な整合性のみで成⽴ ★★☆☆ ⾳楽 ⾔語+⾳響 +時間 中⾼:哲学を⾳に翻訳する抽象性 ★★★☆ 動画 視覚+⾳+⾔語 +時間+編集 ⾼:わずかな⽭盾が「違和感」となる ★★★★
  10. 0 4 動 画 ⽣ 成 ( 豊 ⽥ パ

    ー ト ) 結論:解決された点と未解決の課題 JSAI2026 / 不動産とAI 10 / 15 吉 原 ⽒ フ ィ ー ド バ ッ ク : 品 質 は リ ア リ テ ィ で な く ⽬ 的 設 計 に 依 存 。 誰 に ど う 伝 え る か が 重 要 。 解 決 ✔ ・平均化の抑制 ⼀次情報の注⼊、⼀部の表現を禁⽌することに よって「AI」ぽさを削減 ・世界観の共有 ⾔葉にならないような「建物の魂」を 動画化する可能性を提⽰ 未 解 決 ⚠ ・整合性の完全制御 動画における論理的⼀貫性の維持。 完全、完璧に⼀致させることは難しい ・⼈間による⼤幅な⼿間の削減 独⾃のブランディングや価値を正しく伝える ために魂レベルでの情報注⼊が必要になり 時間がかかってしまう
  11. 0 5 ⾳ 楽 ⽣ 成 ( ⻑ 嶋 パ

    ー ト ) ⾳楽⽣成のねらいと歌詞中⼼の設計 JSAI2026 / 不動産とAI 11 / 15 ⾳ 楽 = ⾔ 語 化 し に く い 物 件 の 「 雰 囲 気 ・ 世 界 観 」 を ダ イ レ ク ト に 共 有 す る 装 置 試 ⾏ 錯 誤 か ら の 問 題 提 起 当初はメロディ(曲調)の指定を重視したが、AI は「よくあるカフェのBGM」に収束。 「建物らしさ」が宿る鍵は、メロディではなく、 そこに紡がれる物語(歌詞)にあることが判明。 想 定 さ れ る ブ ラ ン デ ィ ン グ ⽤ 途 1. 場づくり:冷泉荘イベント時の空間演出 2. 統合体験:動画との相乗効果 3. 記憶補強:来訪後の「体験の持ち帰り」
  12. 0 5 ⾳ 楽 ⽣ 成 ( ⻑ 嶋 パ

    ー ト ) ⽣成過程デモ:歌詞と楽曲 JSAI2026 / 不動産とAI 12 / 15 改 善 ⼀ 次 情 報 の 投 ⼊ 有 無 に よ る 「 平 均 化 か ら の 脱 却 」 S T E P 1 初回⽣成 「⾬上がりの道」「路地裏 に咲く花」など → AIが選ぶ普遍的なノスタ ルジーに終始。 S T E P 4 再⽣成 特定の活動が歌詞に反映。 → 「冷泉荘だから歌える歌」へ ⼀次情報の投⼊ ⽂化祭、屋上の活動、 「古さを重ねる価値」 のエピソード プ ロ ン プ ト の 例 使 ⽤ サ イ ト M u s i c f u l A I h"ps://jp.musicful.ai/?source_url=/&redirected_from=signin
  13. 0 5 ⾳ 楽 ⽣ 成 ( ⻑ 嶋 パ

    ー ト ) ⾳楽特有のフィードバックと考察 JSAI2026 / 不動産とAI 13 / 15 結 論 差 別 化 の 焦 点 は 、 曲 調 か ら 「 歌 詞 ( 物 語 ・ 哲 学 ) 」 へ 移 ⾏ す る 吉 原 オ ー ナ ー の 知 ⾒ ⼼地よい曲調は誰でも作れる時代。 不動産ブランディングの差別化は、「ど んな物語、哲学、関係性が描かれている か」という中⾝の密度に依存する。 メ デ ィ ア 特 性 の 対 ⽐ 映像:視覚的に意味を「固定」する。 ⾳楽:聴き⼿の想像⼒に委ね、「余⽩を 残す表現」として機能する。
  14. 0 6 論 点 整 理 フィードバックから抽出した4つの論点 ① ⽬的設計が⽣成物の適否を決める 誰に何を伝えるかが曖昧だと、⽣成AIは平均的

    なテンプレートへ収束する。プロンプト以前に マーケティング設計が必要。 ② “らしさ”の源泉は物理属性でなく⼀次情報 築年数や外観の古さに依拠すると普遍的ノスタ ルジーに収束。⼊居者・⽂化・関係性をプロン プトへ反映させる必要。 ③ 意味の固定 vs 余⽩のトレードオフ 強い⼈物像は理解を促進する⼀⽅で多義性を損 なう。媒体特性(映像/⾳楽)に応じて使い分 ける。 ④ 信頼性・知財・“AIっぽさ”は商業化の制約 著作権・出⾃の不透明さ、AI⽣成と感じさせる ⼿触りは商⽤採⽤の障壁となる。技術より運⽤ ・制度の問題。 JSAI2026 / 不動産とAI 14 / 15
  15. 0 7 考 察 と ⽰ 唆 共感不動産とビル格の成⽴条件 / 本研究の3つの⽰唆

    【 逆 説 】 ⼈格化は「語られてきた建物」「⼿をかけられた建物」に偏って成⽴する ⽰ 唆 1 適否は⽬的設計に強く依存 誰に何を伝えるかが定まらなけれ ば⽣成物は平均化される。⽣成AI 活⽤の上流に「⽬的とターゲット の⾔語化」が不可⽋。 ⽰ 唆 2 “らしさ”は⼀次情報に宿る ⼊居者・⽂化・履歴という上位階 層の⼀次情報が、物理属性ではな く差別化の源泉となる。情報の薄 い物件は⼈格化しにくい。 ⽰ 唆 3 差別化はHITL編集に依存 テンプレ的表現を脱するには、⼈ による編集・調整の往復が必須。 ⽣成AIは「翻訳・共有装置」とし て位置づけ直す。 今 後 の ⽅ 向 性 ⽬的別の事例⽐較/著作権・出⾃を含む運⽤指針整備/ブランディング実務で再利⽤可能な設計知の体系化 謝辞:吉原 勝⼰ ⽒(吉原住宅)/樅⼭ 拓⼤ ⽒(APU)/麗澤⼤学⼯学部 ⼆年次セミナー受講学⽣各位 JSAI2026 / 不動産とAI 15 / 15