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インナーソース: あたらしい協働モデルの可能性そして障壁

Yuki Hattori
November 24, 2022

インナーソース: あたらしい協働モデルの可能性そして障壁

スピーカー:グロービス経営大学院 吉田素文教授
ビジネス、経営の視点から見たインナーソースは、組織が効果的、効率的、俊敏に動き、人々がより自律的・主体的に動き、そして成長できる「新しい協働の形」として、大きな可能性を秘めています。一方で、その在り方は既存の組織の協働の仕方、特に日本企業のそれとは大きく異なるため、導入・拡大には様々な壁が存在するでしょう。今回は可能性の本質と壁を乗り越えるための方向性について、共に考えましょう。

(代理でアップロードさせていただいています)

Yuki Hattori

November 24, 2022
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Transcript

  1. 吉⽥ 素⽂ (Motofumi Yoshida) § グロービス経営⼤学院教授 § ⽴教⼤学⼤学院⽂学研究科教育学専攻修⼠課程修了 § ロンドン・ビジネススクール

    SEP (Senior Executive Program) 修了 構造化・協働・学習 思考とコミュニケーション、学習⽅法・プロセ ス等に関する深い知識と経験 著書 : ファシリテーションの教科書(東洋経済新報社) 問題解決・改善 ⽇本を代表する製造業における問題解決思考の 組織浸透・⾰新への深い関与。1500件を超える あらゆる分野の戦略・組織の問題解決の⽀援実績 デジタル 第四次産業⾰命時代の戦略・組織の研究。多数の 企業でのデジタルトランスフォーメーション⽀援 共訳書 : ⼀流ビジネススクールで教える デジタル・シフト戦略 (ダイ ヤモンド社) ゼネラル・マネジメント 経営・マネジメント全般に関する知⾒ ⽇本・中国企業等における経営課題・組織課題 への取り組み
  2. 「⼈々が協働する」とは? 分業と調整(活動統制・資源配分) Coordination 意欲 Motivation 創発 Emergence 能⼒ Capability ⽅向づけ

    Vision / Strategic Direction 価値創造活動 (正味の仕事) 協働 Collaboration 創造性 Creativity 適応性 Adaptability 効率性 Efficiency 正確性 Accuracy 俊敏性 Agility 学習 Learning いかに⽅向づけと調整を 適切・効率的にできるか? いかに個⼈・チームの ⾃律性と⽣産性を ⾼められるか? いかに⼈々の繋がりを 豊かなものにするか?
  3. 統合組織によるアプローチと⽣じる問題 機能分業・階層的組織による 調整・統合 • 共通費の配賦 • 専⾨化・習熟による効果効率向上 • 機能内のコミュニケーション・調整 の容易化

    • 明確な役割・責任による管理容易化 • 帰属意識・信頼形成・意欲向上 • 機能間調整コスト増⼤と意思決定・ 実⾏スピードの低下 • 過度の細分化による⽬的意識喪失・ 意欲の低下 • 狭い経験・知識の幅による成⻑阻害 • 部分最適化と、構造的⼤変化に対す る対応不全 利点 ⽋点
  4. 「ウチ」の凝集性を⾼める組織運営 ⾼い同質性が可能にする効率的協働 ⾼密度すり合わせによる⾼品質⾼機能 の実現と継続的改善・暗黙知創造 • 曖昧な⽅針の中、ミドル中⼼に「察して」 動く・和を重視・根回し • 暗黙知中⼼・経験重視・ハイコンテキスト •

    曖昧な責任範囲(チーム>個⼈) • ⻑期雇⽤・年功的タテ関係秩序 • 同質性⾼い⼈材育成・強い同調性圧⼒ いかに⽅向づけと調整を 適切・効率的にできるか? いかに個⼈・チームの⾃律性と ⽣産性を⾼められるか? いかに⼈々の繋がりを 豊かなものにするか? かつて世界を席巻した⽇本的経営のモデル 組織固有の知識能⼒蓄積を重視する クローズな組織モデル(⾃前主義) 先進国からのアイデア・技術導⼊→機能品質洗練・低コスト →成⻑する内需と先進国中⼼マーケットでの拡⼤
  5. 起こった環境変化と不適応・劣化 スピード・予測不能性 複雑性 多様性 グローバル化 ⽇本の⼈⼝減 経済停滞・成熟 デジタル化 モジュール化 オープン化

    失敗回避傾向と 隠蔽 成⻑よりも 効率向上に注⼒ 社会的責任の 増⼤と管理強化 Silo化と部分最適化が進⾏ 俊敏な軌道修正が必要になり、 階層的意思決定・根回しでは 間に合わない 戦略・組織運営の複雑性が 増し、⼈のすり合わせで処理 しきれない 市場・組織の多様性が増し、 同質性・⻫⼀性を前提とした 仕組みでは対応できない 変化 不適応 劣化 挑戦機会の減少 意欲・主体性・⾃律性・学習の減衰 多様な価値観・働き⽅への対応遅れ
  6. 第四次産業⾰命 予測が難しく 幾何級数的な 環境変化 社会・経済の あり⽅の 根本的変化 産業構造 競争のあり⽅ 経済性原理の

    根本的変化 「統合組織」優位の時代の終焉 情報技術の急速な進化 情報が価値創造の中⼼へ Every company should be a software company
  7. ・慎重に計画、失敗を回避し、 正確・確実・安定に実⾏ ・組織上位者による 判断・調整・指令・統制 Data-driven Decision Making Small Autonomous Team

    Test & Learn Short cycle 仮説の実地での実験・検証を 繰り返し、早く⼩さく失敗し、 ⾼速で学習・軌道修正・進化 し続ける 変化が遅く 予測可能性⾼い環境 変化が早く 不確実性が⾼い環境 第四次産業⾰命時代に求められるのは、 ⾼いAgility(俊敏性)を有する組織モデル Agility
  8. Open Source Agile コンピュータ領域から⽣まれた2つの協働モデル 何をつくるか、どう進めるかに対する ⾼い⾃律性による⾃⼰効⽤感 ⾼頻度の開発実践による能⼒向上 内発的動機に基づく貢献 所属組織に閉じない多様な機会とコミュニ ティでの学習・成⻑・社会的評価

    • 顧客(後⼯程)に価値を提供するうえで 必要なメンバー(機能)を結集 • ⾼速で開発・投⼊・FB・修正サイクルを 廻、顧客が本当に求めるものを⽣み出し、 品質を⾼め続ける • 多様な個⼈が組織の枠を離れて、情報 基盤を活⽤し疎結合状態で協働 • 早期に価値を投⼊し、多くの⽬による チェック・修正で品質・機能を⾼める 顧客が求める価値だけを、早く、無駄なく、 ⽣み出す 社会に存する開発能⼒を無駄にしない (既存コード再利⽤・⾞輪の再発明回避・ 余剰の開発能⼒の最⼤活⽤) ⽣みだす 価値 参加者の メリット
  9. The Zero Marginal Cost Society : The Internet of Things,

    the Collaborative Commons, and the Eclipse of Capitalism Jeremy Rifkin (邦訳)限界費⽤ゼロ社会 〈モノのインターネッ ト〉と共有型経済の台頭 Machine, Platform, Crowd : Harnessing Our Digital Future Andrew McAfee、 Erik Brynjolfsson (邦訳)プラットフォームの経済学 機械は ⼈と企業の未来をどう変える? Scrum The Art of Doing Twice the Work in Half the Time 2014/9/30 Jeff Sutherland, J.J.Sutherland (邦訳)スクラム 仕事が4倍速くなる “世界標準”のチーム 戦術 早川書房 The Cathedral & the Bazaar :Musings on Linux and Open Source by an Accidental Revolutionary Eric S. Raymond (邦訳)伽藍とバザール ―オープンソース・ソフ トLinuxマニフェスト The Wealth of Networks: How Social Production Transforms Markets and Freedom Yochai Benkler
  10. 新しい組織が機能するための必須要素 魅⼒的なビジョン Vision Diversity 多様性 Autonomy ⾃律性 明確な規範 Guidance System

    Visualization 視える化 Openness 開放性 Transparency 透明性 Phycological Safety ⼼理的安全性 Loose-coupling / Modular/API 仕事のモジュール化/API化 Autonomation ⾃働化・セルフ化 ファシリテーション型リーダーシップ Pull Communication Open channel
  11. Lean management ⽇本が⽣み出した、20世紀最⼤のマネジメントの⾰新 現地現物 (事実・データに基づ く管理・改善) ⼈間性尊重 (⾃ら考える⼒の最⼤化) お客様第⼀での価値提供 継続的改善

    チームワーク 仕事を通じた⼈材育成 組織的問題解決 無駄の排除 (価値を⽣む活動に努⼒を集中) 視える化・ 標準化 ⽅針管理 (新幹線経営) 組織学習
  12. Lean Managementは、⽣産性が⾼い価値創造を実現し、 それを進化させ続ける組織の仕組み 市場・顧客が求める適切な価値を、適切 な品質で、適時、適量、適正価格で提供 無駄 ※ の排除により、⾼い効率・ 低いコストで価値⽣産活動を⾏う Input

    投⼊資源 エネルギー削減 Output 価値増⼤ = 変化対応 進化成⻑ 継続的に Output/ Inputを ⾼め 続ける ※⼿待ち/不良・⼿直し/在庫/運搬/動作/加⼯そのもの/造りすぎ Delivery リードタイム短縮 • ⾒込⽣産減→予測精度向上 • 在庫・作りすぎのムダの最⼩化 • 変化・多様性への対応⼒ • 回転率を上げる • モノと情報を停滞させない Cost 原価低減 • 徹底的にムダ・ムラ・ムリを削減 • 投⼊資源の最⼤活⽤ Quality 継続的改善 • 価値を⽣まない、⼈の改善⼒が 要らない仕事を⼈にさせない • 安⼼・安全・無理なく仕事に 集中できる環境をつくる • 品質は⼯程でつくる • 異常を顕在化させ改善 ⾼い⽣産性 実現による 競争⼒
  13. 「問題解決」「標準化」「継続的改善」で競争⼒を⾼め続ける 「標準無くして改善無し」 あるべき姿 =標準 ある時点でのあるべき姿を 「標準」として具体化 標準化 発射台を⾼める 誰もがムダ・ムラ・ムリ なくできるよう仕組み化・

    標準化 あるべき姿と現状のGAPを 問題をして問題解決を⾏う 初期に設定した あるべき姿が、 今度は現状に あるべき姿 現状 GAP 問題 解決 あるべき姿・標準を⾼め 問題を⽣み出し解決・改善 現状 GAP 問題 解決 継続的改善(問題解決 の無限ループを廻す)
  14. ⾃ら考え、成⻑する⼈材とそれを⽀える仕組みで 価値創造&改善のサイクルを廻し続ける ⾼い⽣産性(価値増⼤/無駄の排除) ⾃律的⼈材 ⾃ら考え改善する⽂化 余裕があり 物理的にも ⼼理的にも 安全な現場 ⼈材育成・成⻑⽀援

    標準化 仕組み づくり 市場・顧客 起点の 価値創造 継続的改善 の 無限ループ 現場 権限委譲と ⾼い仕事の ⾃由度 問題解決能⼒・ 意欲の向上 情報の視える化 共有
  15. 情報技術の進化はLean Managementを更なる⾼みへ ⼤量・多様・即時の情報 (顧客・環境・プロセス)が 利⽤可能(Iot, Connected) 分析・⾒える化の⾼度化・ 容易化 (Dashboard/BI) 広範囲の、⾼いレベルの⾃働化

    (AI/ML) 価値における 情報・ソフト ウェアの⽐重 増⼤ 仮説検証型問題解決 Hypothesis-DCAサイクルを ⾼速で実践可能に ⾼度な技術が広範囲に利⽤可能 &共創容易 個別製品・ サービスから 顧客体験価値 全体の最適化 ・個別化競争 へ ⾼速・⾼頻度・安全な価値の 市場導⼊・テストが可能 ソフトウェア開発・実装の 容易化(Low,No-Code, OSS, InnerSource etc.) 顧客・状況をより深く理解した 価値提供が可能に 組織の枠を超えての共創・成⻑ 機会が効率的に実現可能 情報処理能⼒/コストの向上と ⾼いスケーラビリティ
  16. デジタル時代の強い職場・あるべき協働の姿 Autonomation ⾼度広範囲の業務⾃働化 &⾃動的学習(AL/ML) Augmentation 情報・情報技術で強くサポート された業務実⾏・価値提供 Test & Learn

    仮説構築・試⾏とデータに基づく 検証サイクル Open, Flexible & Engage 社員・顧客・関係者との繋がりを 広め、強め、巻き込む Open source / InnerSource Agile Value Creation & Continuous Improvement 価値創造&継続的改善のサイクルを廻す Data Driven 仮説検証型 問題解決 リアルタイム 視える化 Dashboard ⾼速開発⾼頻度実装 Agile / DevOps 標準モジュール の活⽤ Data 顧客 後⼯程
  17. InnerSource 組織内にコミュニティを創造・コードをRepositoryに共有 ⾃らが必要とする他部⾨のCodeを修正したい/できる⼈が、 ⾃らPull RequestしてContributionする ⾼効率・⾼品質の開発成果 貴重な⼈的能⼒の有効活⽤ 「⾞輪の再発明」の防⽌ 組織の壁を越えた協働の促進 ⾃らが必要なCodeの修正・改善を、

    依頼・待機なく実⾏・実現可能 所属部⾨の枠を超えた経験・学習機会獲得 開発者の満⾜度向上 成功したオープンソース・エコシステムのコンセプトと学びを 企業が社内でソフトウェアを開発する⽅法に適⽤する 組織が抱える様々な問題※ への有効な処⽅箋になる可能性(ソフトウェア開発に留まらず) ※調整コストの増⼤とスピート低下、サイロ化、エンゲージメント低下・意欲低下、イノベー ション⽋如、成⻑機会の不⾜、有望な⼈材の確保等 開発者のメリット 組織的メリット
  18. 組織横断の知識 共有と全体視点 組織Siloとボト ルネック解消 Modular化された アーキテクチャ Open&Transparency 公開性・透明性 コード再利⽤ (無駄をなくす)

    品質の向上 イノベー ション促進 Autonomy ⾃律性 Meritocracy 貢献度主義 共有・協働を必要とする 業務と関係者 Community プロセス標準化と ⼈材の流動性向上 明確でシンプルな組織横断 協働プロセス モダンな品質管理⼿法 (⾼頻度実装・テスト⾃動化等) 適切なコード共有、Version Controlツール・インフラ Openで検索可能な コミュニケーションツール リーダーシップ エグゼクティブのサポート 意欲的な参加者 作法・基準の明⽰・⽂書化と 検索可能化 適切なサポート・コーチング 役割権限の明確化と適正評価 Trusted Committer Product Owner Contributor InnerSourceキーコンセプト ⽬的 ⼿法 施策 条件 原則 理念 Enlightened Self-interest 啓発された利⼰⼼ Intrinsic motivation 内発的動機 "Understanding the InnerSource Checklist", "Getting Started with InnerSource", "Adopting InnerSource"等を参考に吉⽥作成 Learn from failure 失敗許容・共有・学習
  19. ü 情報技術の進化により、企業・組織のイノベーションモデルが変化しよう としている ü その中核は、できるだけ顧客や市場に近いところにいる社員がイノベー ションを起こせる環境を整えることだ。その背景には、多くの価値が情報 システムによって⽣み出され、また様々な⾼度な情報技術がシチズン・ ディベロッパーによって利⽤可能になっていることがある Ø ⼩さなチームが、⾃律的に活動できるようにすること

    Ø そうしたチームがうまく動けるように、仕組み、資源、道具を与える こと。特に共通して利⽤可能な機能については標準化し、誰もが簡単 に利⽤可能にする、Agileな開発と素早い実装、急速な規模拡⼤等を 可能にする仕組み、ツール、インフラを整え利⽤可能にすること Ø 優れたイノベーションを発⾒・特定し、資源を集中できるようにする こと。そして優れた取り組みを組織内に広く知らしめ、浸透させるこ と ü IT部⾨はそうした標準化をリードし、サポート・コーチする役割に変化す べき 2022.1020 HBR Tech companies innovate at the edge, legacy companies can too
  20. Organization 統合組織 Community InnerSource 責任と権限 単純・固定的 (このチームがこの仕事の担当で、 責任と権限を有す) 複雑・流動的 (様々な⼈がある仕事に係わり、

    誰が何の責任と権限を持つか複雑) 仕事の起点 組織⽬標をチーム・個⼈に分解 個⼈の必要性・内発的動機 (⾃分が使いたいので直す) 管理の基本 タスクを割当、実⾏を命じ、⽀援 個⼈が貢献できる/したくなる環境 を整え、⾏動を促し⽀援 ⼈間関係・相互理解 固定的・互いに相⼿と状況を よく知る 流動的・互いに相⼿と状況が 良くわからない コミュニケーション 頻度⾼く・直接的・⼝頭中⼼ 頻度低い・間接的・⽂書中⼼ 異なる運営基本原理 いかに⽅向づけと調整を 適切・効率的にできるか? いかに個⼈・チームの⾃律性 と⽣産性を⾼められるか? いかに⼈々の繋がりを 豊かなものにするか?
  21. InnerSourceは、既存の統合組織の中に、運営原理が相当に 異なるCommunityを共存させ、繋げる試み Organization 統合組織 Community • 多くのマネジメント側からすると、純粋に「理解しがたい」ものとして警戒 し「リスク>便益」で反応する可能性あり • 既存組織で権限を持つ⼈、現状に満⾜している⼈は、怖れ、不安、疑い

    (Fear, Uncertainty, doubt)から、新たな取り組みを、信頼できない、⾃ら の権限等を脅かすものとして捉える可能性あり • 既存の組織運営を前提に作られた様々な仕組み・ルールとの不整合・衝突 • メンバーや関係者が、これまでの物事の進め⽅・仕事の仕⽅との違いとその 狙い、価値を理解・納得し、やり⽅を変えるのに⼀定の時間と労⼒がかかる • 不⼗分な理解とまずい実践により⽣じる問題が当初の関⼼・熱意・信頼を損 なう危険性 予 想 さ れ る 障 壁 残念ながら、⽇本の多くの経営・マネジメント 側の⼈々は、Open SourceやAgileについて、 ほとんど知らない、関⼼がない
  22. • 既存統合組織の規範・ルールにそのまま従うべきでもないし、また無駄に 戦うべきでもない • 接点となるところ(成果の活⽤と評価管理・資源調整や貢献評価等)につ いて、懸念や問題を⽣じないような⽅法を設計実装する • まずは⼩さなコミュニティで始め、開発者の⽣産性・効率性を⾼めて成果 を出し、参加者の満⾜を⾼める •

    ⽣じるであろう様々な課題・懸念を早期に体験、理解し、解決策を実⾏ • 最初はできるだけ⽬⽴たないように。徐々に成果を組織内に伝えながら、 コミュニティを拡⼤し、関係者の関⼼・理解を⾼める • 取り組みの拡⼤・公式化について、具体的成果を⽰しながら、組織上位 の認証・⽀援を取り付ける • 直接的な成果に留まらず、組織変⾰上の効果や可能性もアピールし拡⼤ を加速する 導⼊・浸透・拡⼤のために 【基本姿勢】 オーバーラップさせ、 接点を賢く設計 ⼤きく育てる 静かに⼩さく始め
  23. 組織側から⾒た、特に重要な「繋ぎ」の論点 • マネージャは、⾃然に⾃部⾨の業務執⾏と、そのための部下の活動の把握、管理、指 ⽰できることを当然としているため、⾃⾝の管理が直接及ばない活動をどのように取 り扱うかの納得・合意の獲得が必要 • InnerSourceの活動に対する資源配分、⾃部⾨業務との優先順位付け等の管理・調整法 の納得・合意 • InnerSourceでのContributorの貢献評価を適切かつ簡便に⾏う⽅法の決定運⽤

    成果物 Contributor Trusted Committer等 • Trusted Committer等の選任・権限・責任等の明確化と意思決定⽅法 • 活動の評価⽅法の決定と合意(誰がどのように評価するか) • Trusted Committerとしての活動と他の活動の優先順位付け、管理調整の⽅法の納得・ 合意 • Trusted Committerの発掘、育成、組織内外での⾼い評価評判の形成 • 計画上の扱い⽅の決定合意(何を、いつまでに成果として達成するかをどのように判 断・決定し、どのように⾒込むか) • 成果物の管理主体はどこか?成果物に何らかの疑問や問題が⽣じた際に、誰が対応、 説明の責務を負うのか等の明確化・周知 組織としての 基本⽅針 • 組織全体として、InnerSourceを導⼊・推進する⽅針の決定・周知。特に、意思決定・ 管理⽅法等に関する⼀定の理解・納得を獲得