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科学的認知欲求尺度の作成―項目反応理論とベイズ推定を用いて―

Daiki Nakamura
September 17, 2018

 科学的認知欲求尺度の作成―項目反応理論とベイズ推定を用いて―

日本教育心理学会第60回総会 2018年9月17日

Daiki Nakamura

September 17, 2018
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  1. 科学的認知欲求尺度の作成 ―項目反応理論とベイズ推定を用いて― 町田市立七国山小学校 目的 中村 大輝 定義 理科学習における認知欲求(科学的認知欲求)とは・・・ 観察・実験を通した一連の問題解決に自ら取り組み, それを楽しむ内発的な傾向

    1. 項目反応理論(段階反応モデル)に基づく尺度開発 2. 水平テストの開発 本研究の目的は・・・ ◆ 質問紙の構成(5件法) ① 科学的認知欲求尺度:問題解決の各過程に対応した15項目を作成 例)「予想・仮説を確かめる方法について考えことは楽しい(Q14)」 ② 知的好奇心尺度:西川・雨宮(2015)の2因子12項目 ③ 理科における批判的思考尺度:木下・山中(2014)の4因子23項目 方法 結果 ⚫ 項目パラメータ(上段:EAP推定値,下段:95%確信区間) 雲財 寛 日本体育大学大学院教育学研究科 b1 b2 b3 b4 a Q1 -1.96 -0.79 0.32 1.32 2.28 [-2.12, -1.81] [-0.88, -0.70] [0.24, 0.40] [1.21, 1.44] [2.10, 2.48] Q2 -1.95 -0.70 0.40 1.59 1.84 [-2.13, -1.79] [-0.80, -0.60] [0.31, 0.48] [1.45, 1.73] [1.69, 2.01] Q3 -2.45 -1.33 -0.34 0.82 1.86 [-2.66, -2.24] [-1.46, -1.20] [-0.42, -0.25] [0.72, 0.92] [1.70, 2.03] Q4 -1.75 -0.64 0.56 1.75 1.74 [-1.91, -1.60] [-0.74, -0.54] [0.47, 0.66] [1.60, 1.92] [1.59, 1.90] Q6 -1.96 -0.87 0.15 1.10 2.44 [-2.11, -1.81] [-0.96, -0.78] [0.07, 0.22] [1.00, 1.20] [2.24, 2.64] Q7 -2.11 -0.84 0.16 1.37 1.41 [-2.33, -1.91] [-0.96, -0.72] [0.06, 0.26] [ 1.23, 1.53] [1.28, 1.55] Q8 -1.29 -0.31 0.67 1.46 2.32 [-1.40, -1.17] [-0.39, -0.23] [0.59, 0.76] [1.35, 1.59] [2.13, 2.52] Q9 -1.61 -0.61 0.40 1.33 2.48 [-1.74, -1.49] [-0.69, -0.53] [0.33, 0.48] [1.23, 1.45] [2.28, 2.69] Q10 -2.10 -0.99 0.05 0.95 1.90 [-2.28, -1.93] [-1.10, -0.88] [-0.04, 0.13] [0.84, 1.06] [1.74, 2.07] Q11 -1.94 -0.88 0.33 1.52 1.65 [-2.12, -1.77] [-0.99, -0.78] [0.24, 0.42] [ 1.38, 1.67] [1.50, 1.80] Q12 -2.35 -1.38 -0.44 0.67 1.44 [-2.59, -2.13] [-1.54, -1.24] [-0.54, -0.34] [0.56, 0.78] [1.30, 1.59] Q13 -1.55 -0.58 0.53 1.39 2.49 [-1.68, -1.43] [-0.66, -0.50] [0.45, 0.61] [1.28, 1.50] [2.28, 2.70] Q14 -1.38 -0.42 0.64 1.54 2.62 [ -1.50 , -1.26 ] [ -0.50 , -0.34 ] [ 0.56 , 0.73 ] [ 1.42 , 1.67 ] [2.41, 2.84] Q15 -1.71 -0.67 0.29 1.28 1.78 [ -1.88 , -1.55 ] [ -0.78 , -0.57 ] [ 0.20 , 0.38 ] [ 1.15 , 1.41 ] [1.63, 1.94] -4 -2 0 2 4 0 2 4 6 8 10 12 14 テスト情報曲線 特性値 情報量 テストA (Q1,2,3,4,6,8,15) テストB (Q7,9,10,11,12,13,14) ◆調査時期と協力者 • 2017年6月~9月 • 公立小学校の児童2校346名 • 公立中学校の生徒5校1162名 計1508名を対象 EAP p.sd 2.5% 50.0% 97.5% 小5 0.51 0.07 0.36 0.51 0.65 小6 0.25 0.07 0.11 0.25 0.39 中1 -0.04 0.04 -0.12 -0.04 0.05 中2 -0.22 0.05 -0.32 -0.22 -0.11 中3 -0.11 0.05 -0.21 -0.11 -0.01 ⚫ 学年ごとの特性値の比較 小5>小6>中1・中3>中2:100.0% 小5>小6>中1>中3>中2: 91.6% ⚫ 水平テストの構築 ⚫ 精度の検討 尺度全体のテスト情報量の合計は77.90 であり, 特性値θ = - 3.1 ~ 3.1 の範囲に73.96(95%)が存在していた。 これらの範囲では,測定の標準誤差も低く抑えられている。 ⚫ 妥当性の検討 理科における批判的思考尺度の1因子(健全な懐疑心)を除く, すべての因子との間に予想された正の相関が見られ(EAP 推定 値:0.66~0.76),基準連関妥当性が確認された。 Q1 理科の知識を使って,自然現象を説明していくことは楽しい。 Q2 実験結果について考察する時間が好きである。 Q3 自分の考えが合っていたかどうかを実験で確かめることが好きである。 Q4 理科の知識を日常生活につなげるようにしている。 Q5 日常生活の様々な場面で自然現象に対する疑問を持つことが多い。 Q6 自分の考えを確かめていく過程は楽しい。 Q7 身の回りの自然現象に対して疑問を持つ方だ。 Q8 ふしぎな自然現象に対して説明を考えていくことが好きだ。 Q9 問題を追究していく過程を楽しむことができる。 Q10 自分の考えをもとに計画していく実験は楽しい。 Q11 実験は,予想・仮説をしっかりと考えてから取り組みたい。 Q12 ふしぎな自然現象に出会うとワクワクする。 Q13 自然現象のきまりを考えることが好きである。 Q14 予想・仮説を確かめる方法について考えることは楽しい。 Q15 自然現象に対して自分なりの説明ができると満足を感じる。