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文化のデザイン - Soft Impact of Design
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Atsushi Homma
December 15, 2025
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文化のデザイン - Soft Impact of Design
Atsushi Homma
December 15, 2025
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Transcript
文化のデザイン Soft Impact of Design 2025/12/13 @D4V Google Studio
自己紹介 めんま(X:@benjiandu) プロジェクトマネージャー 事業会社にてデザインマネージャーとして組織マネジメントに従事し、 ブランディングや新規事業の立ち上げを推進。2023年にMIMIGURIに参画。 デザイナーとしての経験を活かし、プロジェクトマネージャーとして 組織変革やナレッジマネジメントに関する案件を主に担当。
人と組織の可能性を活かした経営モデルを基盤に、 組織と社会の創造性の土壌を耕す、 経営コンサルティングファームです。 創造性の土壌を耕す Cultivate the Creativity MIMIGURI紹介
「創造性の土壌を耕す」ために、「知を拓いて、巡らせ、結び合わせる」ことが 様々な活動のベースになり、文化となっています。 MIMIGURIの理念
チェックイン あなたにとって「文化」とは どんな形だと思いますか? A4用紙と手だけを使って、1分で作ってください。 破っても、丸めても、折っても、好きにして大丈夫です。
チェックイン その「形」にした想いは どこからきましたか? 1人1分でチーム内でシェアしてください。
みんなと一緒に考えたい問い なぜ文化が大事なのか?
みんなと一緒に考えたい問い なぜ文化をデザインするのか?
みんなと一緒に考えたい問い デザイナーが 文化をデザインするとは?
文化をつくるために MIMIGURIが大事にしている価値観
冒険的世界観
冒険的世界観とは?
そもそも「ビジネス」とは 「冒険する組織のつくりかた 「軍事的世界観」を抜け出す5つの思考法, CULTIBASE(2025)」
でも、人と社会の価値観は 大きく変化してきている
大退職時代(The Great Resignation)の危機 「冒険する組織のつくりかた 「軍事的世界観」を抜け出す5つの思考法, CULTIBASE(2025)」
キャリア観:会社中心から人生中心へ 「冒険する組織のつくりかた 「軍事的世界観」を抜け出す5つの思考法, CULTIBASE(2025)」
世界観のパラダイムシフト 「冒険する組織のつくりかた 「軍事的世界観」を抜け出す5つの思考法, CULTIBASE(2025)」
宣伝:冒険する組織のつくりかた
Creative Cultivation Model(CCM):整合性モデル
組織デザインの領域にフォーカスして、 「文化をデザインする」ついて話します。
Creative Cultivation Model(CCM):整合性モデル
組織文化を耕す方法の一つに、 理念開発・浸透があります。
理念開発・浸透のプロジェクトで 感じることが2つあります。
① ハレとケが分断している 理念を「つくる」と「浸透」が分断されている。 つくったものが、日々の活動にどう接続するのか設計されていない。 以下を参照に作成:「組織づくりの基本原則[後編]|CCM総合実践講座, CULTIBASE(2024)」 ハレ 非日常 ケ 日常
・全社会 ・ワークショップ ・イベント ・合宿 ・定例MTG ・朝会 ・ランチ ・飲み会
② 浸透”させる”になっている 理念には正しい解釈があり、それを覚えることが大事となっている。 理念はあくまで、それぞれの解釈を分かちあうためのツール。 「企業における理念の存在意義を問い直す, CULTIBASE(2022)」
では、どうやって分かちあうのか?
分かちあうには、 「暗黙知」を抽出し、 巡らせることが大事です。
暗黙知とは?
氷山モデル
形式知 ー データベース、マニュアル、発言、行動 暗黙知 ー 思考、価値観、経験、メンタルモデル 氷山モデル
形式知 暗黙知 ひと言で 客観的・理性的な言語知 主観的・身体的な経験知 表現は 言語や数字で表現できる 言語や数字で表現しづらい 文脈に 依存しない
(状況が変わっても同じ) 依存する (状況ごとに異なる) 例えば 一般的な概念や理論、手法、手順 (教科書、マニュアル、データベース) 個人の身体に埋め込まれた 思考スキル(思いやメンタルモデル)や 行動スキル(勘や技などのノウハウ) 氷山で言うと 水面上の部分 (顕在意識) 水面下の部分 (潜在意識と無意識) 参照:『マンガでやさしくわかる知識創造』西原(廣瀬)文乃, 日本能率協会マネジメントセンター, 2024 形式知と暗黙知
実践の中で、暗黙知を抽出するために 見えてきたのが次のモデルです。
観察する 結合する 共通の価値観を 分かちあう 価値観をもとに 活動を考える 試してみる 観察する’ 結合する‘ 共通の価値観を
分かちあう‘ 価値観をもとに 活動を考える‘ 試してみる‘ 暗黙知を巡らせるプロセス 本間 篤, 瀧 知惠美, 竹内 美由紀, デザインプロセスと問いによる知の相互作用に関する探究, 日本デザイン学会研究発表大会概要集(2025)
例|理念開発 インタビュー インタビューの 発言をまとめる 発言の中から みんなで大事に していきたい 価値観を選ぶ 価値観を 活かせそうな
活動を考える 実際にやってみる インタビュー内容を チームで分かちあう まとめた発言を 見てどう思ったか 語りあう 一人ひとりの 解釈を 語りあう 活動に込める 意味を 語りあう やってみて わかったことを 分かちあう 本間 篤, 瀧 知惠美, 竹内 美由紀, デザインプロセスと問いによる知の相互作用に関する探究, 日本デザイン学会研究発表大会概要集(2025)
観察する 結合する 共通の価値観を 分かちあう 価値観をもとに 活動を考える 試してみる 観察する’ 結合する‘ 共通の価値観を
分かちあう‘ 価値観をもとに 活動を考える‘ 試してみる‘ 暗黙知を深ぼる時にその人の価値観が出てくる Why:なぜそう思ったんですか? Where:その想いはどこから来てるんですか? 本間 篤, 瀧 知惠美, 竹内 美由紀, デザインプロセスと問いによる知の相互作用に関する探究, 日本デザイン学会研究発表大会概要集(2025)
例:リモートワークは続けるべきか?オフィス回帰すべきか? 「やっぱり出社した方がコミュニケーションは円滑だよね」 発言・行動 思考 前提・価値観 出社=コラボレーションが進む 「雑談から生まれる創発こそ価値」 「働くとは“場”を共にすること」 このレベルの価値観を共有しないまま議論をしても、 永遠にわかり合えない。
「働き方は選択可能であるべき」 「成果で評価されるべき」 「いや、リモートの方が生産性高いに決まってるでしょ」 リモート=集中できて成果が出やすい
アクティビティ 1人1枚持った絵をお互い見せずに、 ある法則を見つけ出して並び変える MISSION RULE ・見ることができるのは自分のカードのみ ・言葉でのコミュニケーションに制約はない(書くのはNG) ・制限時間は15分間 ・答え合わせは全体で実施(指示があるまでお互いのカードは見ない)
それでは、正解発表です。
できましたか? 難しかったですか?
これは正解を当てることが 目的ではありません。
同じものを見ているようで、 それぞれの視点で見ている。
見えていたのものは、 誰も間違えてはいない。
それぞれの解釈を対話し、 分かちあっていくことが大事。
それは、日常の活動でも同じです。
観察する 結合する 共通の価値観を 分かちあう 価値観をもとに 活動を考える 試してみる 観察する’ 結合する‘ 共通の価値観を
分かちあう‘ 価値観をもとに 活動を考える‘ 試してみる‘ 暗黙知を巡らせるプロセス 本間 篤, 瀧 知惠美, 竹内 美由紀, デザインプロセスと問いによる知の相互作用に関する探究, 日本デザイン学会研究発表大会概要集(2025)
文化をデザインするとは?
それぞの解釈を分かちあい体現すること
単に理念をつくるだけではなく、 その理念が文化として育っていくプロセスそのものをデザインできる。 理念をつくる行為は、それ自体が浸透の始まりになります。 そして浸透とは、「言葉が体現されていくこと」、 つまり日々のふるまいや関係性として立ち上がってくることです。 デザイナーが組織文化に関わることの強みは、抽象的な理念をカタチとして可視化し、 手ざわりのある経験に変えられること。 デザインが生み出すのは、プロダクトや仕組みといったハードだけではなく、 日常の態度・行動・関係性にじんわりと効いていくソフトな影響もです。 理念をつくるだけで終わらず、
日々のふるまいや対話、行動にまで変化を起こし、文化にしていく。 そこに、組織におけるデザインのもう一つの確かな力があると信じています。 デザイナーが文化づくりに関わる意味
「飲み会」というケの場の探究 スキお願いします
ありがとうございました
Appendix
事業観:領地の奪い合いから、よりよい社会の開拓へ 「冒険する組織のつくりかた 「軍事的世界観」を抜け出す5つの思考法, CULTIBASE(2025)」
チーム観:任務別小隊から個性を活かし合う共同体へ 「冒険する組織のつくりかた 「軍事的世界観」を抜け出す5つの思考法, CULTIBASE(2025)」
軍事的世界観と冒険的世界観 「冒険する組織のつくりかた 「軍事的世界観」を抜け出す5つの思考法, CULTIBASE(2025)」
グレイナーの企業成長モデル 「事業デザインの理論と実践[前編]|CCM総合実践講座, CULTIBASE(2024)」
技術的問題と適応課題 「組織づくりの基本原則[後編]|CCM総合実践講座, CULTIBASE(2024)」
対話とは 「組織づくりの基本原則[後編]|CCM総合実践講座, CULTIBASE(2024)」
エンジニアリングとブリコラージュ 「ケイパビリティ・ファシリテーション:集団特性と活動モードのマネジメント, CULTIBASE(2024)」
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