Upgrade to Pro — share decks privately, control downloads, hide ads and more …

白金鉱業Meetup_Vol.19_PoCはデモで語れ!顧客の本音とインサイトを引き出すソリュ...

 白金鉱業Meetup_Vol.19_PoCはデモで語れ!顧客の本音とインサイトを引き出すソリューション構築​

2025年6月19日に実施した、白金鉱業 Meetup Vol.19@六本木/オンライン(若手データサイエンティスト交流会)
での株式会社 ブレインパッド鈴木の登壇スライドです。

イベントURL
https://brainpad-meetup.connpass.com/event/354926/

Avatar for BrainPad

BrainPad

June 19, 2025
Tweet

More Decks by BrainPad

Other Decks in Technology

Transcript

  1. ©BrainPad Inc. Strictly Confidential 2 自己紹介 鈴木雄飛 / Yuto Suzuki

    • 株式会社ブレインパッド 新卒2年目データサイエンティスト • 学部・修士は深層学習を応用した素粒子実験解析手法を研究 • 入社後は主にLLMを活用したソリューション構築に従事 • 趣味はアナログゲーム(TRPG, マダミス, ボードゲーム)
  2. 3 ©BrainPad Inc. Strictly Confidential 業務効率化を行うソリューション構築の経験に基づき、 ソリューション構築におけるデモやUIデザインの有効性をお伝えします 今日お話しすること 経験した業務効率化プロジェクト 本発表で伝えたい内容

    PJの 流れ 実施 概要 チェックリストに基づきコンテンツの品質を評価 するAIエージェントを構築、チェック作業を補助 AIエージェント # フェイズ 実施内容 1 PoC (5ヶ月間) • デモアプリを通じてFBを貰い ながら機能・精度検証を実施 • UIデザインも先行着手 2 本番開発 (6ヶ月間) • 横展開を視野にソリューション をプロダクト化 • フロントエンド含め実装 1. PoCではデモアプリを作成・共有する ことで、機能イメージや実用可能性を 掴んでいただくことが可能 2. 本番開発に先んじてプロダクトのUI デザインを擦り合わせることで、実際 の現場での利用イメージを高め 具体的な議論を引き出すことが可能 伝えたい 内容 想定 視聴者 使用ユーザーと議論しながらソリュー ション構築を行う可能性のある方
  3. 5 ©BrainPad Inc. Strictly Confidential ここではデモアプリを「比較的低コストで実装しているフロント画面を有したアプリケーション」とします デモアプリとは デモアプリの実現手段例:Streamlit • 実際の運用やデプロイは想定しておらず、

    あくまでユーザーに機能説明を行ったり、 利用イメージを掴んでもらうのに使用 • フロントの実装コストを最小化することで、 ソリューションのコアとなる機能(AIエージェント、 最適化、需要予測)の開発・検証に集中
  4. 6 ©BrainPad Inc. Strictly Confidential 資料での「抽象的な議論」から、動くデモでの「具体的な対話」へ デモアプリによるPoC中のコミュニケーション高速化 デモなし デモあり クライアントの

    理解度 × スライドや資料ベースの説明となり、抽象的で イメージが湧きにくい × コア機能の価値を真に伝えきれない ✓ 実際に画面を操作しながら説明することで、各 機能を視覚的に確認でき、価値を実感しやすい フィードバックの 質 × 漠然とした感想や要望が多くなりがち × 認識のずれから後半で手戻りリスクが発生する 可能性 ✓ 「このボタンを押したらこういう結果が見た い」など、具体的で的確なフィードバックを得 られやすい 開発プロセスへの 影響 × クライアントの真の欲求が不明確なまま開発を 進めることになりやすい ✓ フロントエンドの実装コストを最小化しつつコ ア機能の価値検証に集中可能 ✓ 開発の方向性が明確に 合意形成の スピード × 仕様の解釈を巡って議論が発散し、合意形成に 時間がかかる ✓ 「動くモノ」を共通言語として対話できるため、 迅速で的確な意思決定が可能に
  5. 7 ©BrainPad Inc. Strictly Confidential StreamlitやDashなど従来の作成手段に加え、AIエージェント構築であればDifyなどのツールも視野 デモアプリ作成の技術選定 Streamlit Dash Dify

    用途 データ分析やモデル可視化 高機能なダッシュボード LLM搭載AIアプリ 学習コスト 低い 中〜高い 低い UIの柔軟性 低い 非常に高い 中程度 最適な シナリオ とにかく素早くデモを作成したい PoC段階から製品レベルのダッ シュボードを作成したい AIデモアプリを、内部処理を含め てクライアントに共有したい
  6. 9 ©BrainPad Inc. Strictly Confidential ここではUIデザインを「Figmaなどで作成した、最終成果物プロダクトのモック画面」とします UIデザインとは Figmaなどで作成するUIデザイン例 (この画像はChatGPTで作成) •

    ユーザーが実際に使用する画面をFigmaなどのデザ インツールで作成 • UI・画面遷移・成功/エラー表示のみデザインし、 バックエンドとのやりとりは行わない • UI・UXやデザインの知識が必要なため、デザイ ナーの協力の下での作成が必要(デザインまででき るつよつよデータサイエンティスト以外は)
  7. 10 ©BrainPad Inc. Strictly Confidential 本番開発に向け、PoCのコア機能を実現するためのフロントエンド画面をクライアントと合意形成するために使用 UIデザインの役割 PoC 本番開発 UIデザインすり合わせ

    コア機能 フロントエンド デザイン フロントエンド 本番構築 バックエンド 本番構築 コア機能作成 デモアプリにより 概念レベルで作成 すり合わせたUIデザインに 基づき作成 コア機能をリファクタリング API化 本番開発するフロント画面を クライアントと合意形成
  8. 11 ©BrainPad Inc. Strictly Confidential 対クライアント・開発チームの両面から合意形成を行うことができ、手戻りなく高品質なプロダクトの実装が可能に UIデザインの事前すり合わせを行うメリット 事前すり合わせなし 事前すり合わせあり クライアントとの

    合意形成 × コア機能以外の機能(ログイン機能、データ出 力機能など)についてすり合わせが十分に行わ れず、最終成果物がクライアントにとって使い づらいものになってしまう可能性 ✓ 最終完成形のフロント画面を視覚的に擦り合わ せるため、すれ違いや抜け漏れが発生しづらい 開発チーム内の 合意形成 × 関係者間で完成イメージが異なる可能性 × クライアントに逐次確認を行う手間が発生 × 複数画面を並列実装する際に、一貫性のない画 面となりUXを下げてしまう可能性 ✓ UIデザインがチーム全員の共通言語となり、完 成系を明確に共有できる ✓ 「この場合はどうする?」といった実装時の迷 いを無くし、仕様の抜け漏れを防げる ✓ 最初に全てすり合わせているので、一貫したUI を実現可能
  9. 13 ©BrainPad Inc. Strictly Confidential デモアプリ・UIデザイン作成による事前の合意形成を行うことで、高品質なソリューションの高速作成が可能に! まとめ デモアプリによる「価値」の合意 UIデザインによる「仕様」の合意 •

    PoC期間中に実施 • WHY (なぜ作るか) WHAT (何を作るか) を固める • クライアントを巻き込みコア機能の価値を認識ずれ なく高速検証 • プロダクト化の前に実施 • HOW (どう見せるか、どう使わせるか) を固める • 最終成果物をクライアント・チーム間の双方で合意 し抜け漏れ・手戻りのない開発を実現 特にデモアプリはAIコーディング によって一瞬で作れる時代… やらない手はないと思います データサイエンティストにとってUI・ UXデザインのケイパビリティは急激に 重要になってきていると感じます