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AI時代に求められる『責任あるソフトウェアエンジニアリング』という視点

 AI時代に求められる『責任あるソフトウェアエンジニアリング』という視点

2026年5月25日の「責任あるソフトウェアエンジニアリング - Forkwell Library#124」の登壇資料(オープニングとクロージングのみ)です。
https://forkwell.connpass.com/event/393990/

本講演では、訳者の視点から書籍『責任あるソフトウェアエンジニアリング』の要点を紹介します。AIやプライバシー、環境負荷など現代の課題を踏まえ、ソフトウェアに求められる「正しさ」を超えて、現実世界に耐えうる公平性・安全性・倫理性を開発に組み込むための考え方を解説します。すぐに動くものが作れる時代だからこそ重要な『責任』の視点と、現場で実践するための指針を紐解く。

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Transcript

  1. © Hitachi, Ltd. 2026. All rights reserved. そのコードは、未来に何を引き起こすのか ―AI時代に求められる『責任あるソフトウェアエンジニアリング』という視点 Date

    May 25, 2026 株式会社 日立製作所 シニアクラウドアーキテクト Hitachi Application Reliability Centers(HARC) Japan 兼 Hitachi OSPO 松沢 敏志
  2. © Hitachi, Ltd. 2026. All rights reserved. Hitachi | そのコードは、未来に何を引き起こすのか―AI時代に求められる『責任あるソフトウェアエンジニアリング』という視点

    1 自己紹介 @chacco38 in/satoshi-matsuzawa 松沢 敏志 (まつざわ さとし) ◼ シニアクラウドアーキテクト @ 株式会社日立製作所 HARC Japan*1 兼 Hitachi OSPO*2 所属 ◼ FinOps Foundation Japan Chapter運営メンバー、 New Relic Trailblazerなどを通じた各分野の普及 ◼ 訳書に『クラウドFinOps 第2版』、『責任あるソフト ウェアエンジニアリング』(オライリー・ジャパン)など *1: Hitachi Application Reliability Centers *2: Open-Source Program Office
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    2 今日紹介する書籍はこちらです 『責任あるソフトウェアエンジニアリング』 (原題:Responsible Software Engineering) 著者:Daniel J. Barrett (ダニエル・J・バレット) 訳者:松沢 敏志、藪崎 仁史、井出 貴也 発行:株式会社オライリー・ジャパン 販売:株式会社オーム社 本文:232ページ 価格:印刷書籍版・電子書籍版 各3,520円 (税込) 発売日:2026年3月21日 (原書発売日:2025年9月)
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    3 最近よく聞く、「責任あるAI」と何が違うの? AIの世界 (モデル・アルゴリズム) ソフトウェアの世界 (コード・システム) ソフトウェアエコシステム全体 (ハードウェア・データセンター・現実世界含む) 責任あるAI (Responsible AI) モデルの公平性など、AIの出力に対する責任 • ハルシネーション (嘘をつかないか) • バイアス (差別的な発言をしないか) • 学習データに偏りがないかなど 責任あるソフトウェアエンジニアリング AIを含むシステム自身や開発/運用プロセス、現実社会に与え る影響などのエコシステム全体に対する責任 • 信頼性・安全性 • プライバシー保護 • アクセシビリティ • 環境負荷など
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    4 『責任あるソフトウェアエンジニアリング』はどんな書籍か • 仕様通りの「正しさ」や「使いやすさ」を超え、モノづくりに関わるチーム が社会的責任を果たすための実践書 • Googleのエンジニア100名以上の知見をもとにした、現実世界のリア ルなケーススタディが満載 • 公平性、プライバシー、環境負荷(カーボンフットプリント)などを、いかに 「実装や品質保証の技術的課題」へと落とし込むかの指針が学べる • エンジニアだけでなく、プロダクトマネージャーや経営層・リーダー層にも ぜひ読んでほしい一冊 • フィジカルAIなどAIが現実世界にも影響を広げる今、技術的に「何が できるか」だけでなく、「何をすべきか」を見極めるための視点も養える
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    5 『責任あるソフトウェアエンジニアリング』が書かれた背景 • ドキュメンタリー映画『The Social Dilemma (邦題: 監視資本主義)』で語られた、 「いいね」ボタンを開発したエンジニアのインタビュー(14秒のシーン)が著者の見方を一変 • 開発時の唯一の動機は、純粋に「世界にポジティブさと愛を広めること」だった… • しかし、10億を超えるユーザーに届くにつれ、若年層のメンタルヘルスや政治的な分断など、 「想定外の深刻な悪影響」が顕在化 • 善意を持った経験豊富なエンジニアであっても、 現実社会の複雑性によって「予期せぬ害」を生み出してしまう現実 「このシステムが現実社会で何を引き起こすか…」 望ましくない影響を事前に予測し、防止することができないだろうか? 、、、この問いに対する著者なりの答えが本書である
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    6 『責任あるソフトウェアエンジニアリング』の内容とユニークなところ 1章 責任あるソフトウェアエンジニアリング:イントロダクション 2章 すべての人にとって役立つAIシステムの構築 3章 社会的文脈の組み込み 4章 波及効果の予測と計画 5章 プライバシーの保護と尊重 6章 コードのカーボンフットプリントの測定と削減 7章 責任あるソフトウェアエンジニアリングの文化を築く 3人のキャラクターの掛け合いを通じて 複雑なテーマを理解しやすく整理 “向上心あふれる成長中のエンジニア” “自由奔放な(愛すべき)トラブルメーカー” “冷静かつ鋭い視点を持つユーザー” 目次だけをパッと見ると、お堅くてヘビーな言葉が 並ぶので「うっ」と身構えてしまいそうですが… 画像引用: 『責任あるソフトウェアエンジニアリング』、1.1.1 頼れるスペシャリスト、p.5-6
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    10 閑話、本書の表紙に描かれている動物について • 表紙の動物は、 ミーアキャット (学名: Suricata suricatta) でアフリカ南部の平原やサバンナに生息 • 生き残るために2~30匹の結束の強い群れ (モブやギャング) を形成し、 お互いに協力し合って生活する • 子供たちの教育に「大きな責任」を担っており、大人が獲物のしとめ 方を教え、その成長の過程を全員で見守る • 絶滅危惧種が多いオライリーの表紙の中では珍しく、個体数が安定 している「低危険種 (LC)」に指定されている 社会的な責任や役割分担の象徴ともいえる存在
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    11 6章 コードのカーボンフットプリントの測定と削減 6.1 炭素排出量の測定 6.1.1 電力の原則 6.1.2 直接的な炭素排出量を超えて 6.2 コードのカーボンフットプリントの制御 6.2.1 プロセッサー使用量の制御 6.2.2 パフォーマンスを意識したコーディング 6.2.3 コードの実行場所の制御 6.2.4 時間帯による最適化 6.3 さらなる貢献 6.4 ケーススタディ:AIによるデータセンターの冷却 6.5 まとめ 僕たちエンジニアが大好きな 「コードの高速化チューニング」は、 最高の環境対策でもある べき論としてはわかるものの 堅苦しい話になりがちな鬼門の章? FinOps(コスト最適化)の 取り組みは、自然に GreenOps(環境配慮)にもなる でも実は… 最高にエンジニア フレンドリーな章
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    12 改めて、『責任あるソフトウェアエンジニアリング』はどんな書籍か • 仕様通りの「正しさ」や「使いやすさ」を超え、モノづくりに関わるチーム が社会的責任を果たすための実践書 • Googleのエンジニア100名以上の知見をもとにした、現実世界のリア ルなケーススタディが満載 • 公平性、プライバシー、環境負荷(カーボンフットプリント)などを、いかに 「実装や品質保証の技術的課題」へと落とし込むかの指針が学べる • エンジニアだけでなく、プロダクトマネージャーや経営層・リーダー層にも ぜひ読んでほしい一冊 • フィジカルAIなどAIが現実世界にも影響を広げる今、技術的に「何が できるか」だけでなく、「何をすべきか」を見極めるための視点も養える
  11. © Hitachi, Ltd. 2026. All rights reserved. Hitachi | そのコードは、未来に何を引き起こすのか―AI時代に求められる『責任あるソフトウェアエンジニアリング』という視点

    13 最後に そのコードは、未来に何を引き起こすのか AIとソフトウェアは、すでに現実を動かし始めている その結果に、私たちは本当に責任を持てるだろうか 日立では、「社会インフラへのフィジカルAIの適用」という 現実世界を動かす最前線の領域に挑んでいます だからこそ、この問いは他人事ではないと感じています こうしたテーマに向き合う仲間も、まだまだ必要です \ We are Hiring! /
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