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チート対策コンパイラDeClangの自動テスト【DeNA TechCon 2021】/techcon2021-11

チート対策コンパイラDeClangの自動テスト【DeNA TechCon 2021】/techcon2021-11

DeNAではスマホゲームのチート対策として、チート対策コンパイラDeClangを内製で開発しています。ゲームのチートを防ぐには、DeClangが正常に動作しているか確認するテストが必要です。そのテスト自体も手動で行うとミスが発生しやすい上に手間もかかるため、テストを自動化し一定以上の品質を担保しなければなりません。
一方で自動でテストを行うには、Mac, Linux, Windows, Android, iOSと各OSに対応させた上で自動でチートを行いそれが検知されるか確認する、つまりアプリのコード改ざんなどを自動で行う複雑なシナリオを実行する必要があります。また、OSS版と内部拡張版でリポジトリが分かれている点も対応が必要ですし、DeClang自体のビルドを高速に処理する必要もあります。
この発表では、それらの問題にどのように対応し、クラウド上でDeClangの自動テストをいかに実現したかを解説します。

DeNA_Tech

March 03, 2021
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Transcript

  1. 所属 • システム本部 セキュリティ部 セキュリティ技術グループ 経歴 • DeNA新卒 8年目、セキュリティエンジニア 8年目

    • ICFPC 2020 世界10位(Rust) セキュリティ技術グループの業務内容 • 脆弱性診断 • セキュリティ相談対応 • NW診断 • ログ管理 • セキュリティツール作成、チート対策ライブラリ開発など
  2. 所属 • システム本部 セキュリティ部 セキュリティ技術グループ 経歴 • DeNA新卒 8年目、セキュリティエンジニア 8年目

    • ICFPC 2020 世界10位(Rust) セキュリティ技術グループの業務内容 • 脆弱性診断 • セキュリティ相談対応 • NW診断 • ログ管理 • セキュリティツール作成、 など
  3. もっと詳しく知りたい人は過去の発表を参照 • DeNA TehCon 2020 ◦ https://www.slideshare.net/dena_tech/declang-clang-dena-techcon-2020 • CODE BLUE

    2020 ◦ https://speakerdeck.com/dena_tech/declang-anti-hacking-compiler • OSS部分のソースコード ◦ https://github.com/DeNA/DeClang
  4. Mac・Linux・Windowsで以下をやる 1. OSS版をcloneする 2. 内部拡張版(Plugin)をcloneする 3. DeClangをコンパイルする 4. ndk(Xcode Project)のコンパイラを差し替える

    5. Android(iOS)アプリをコンパイルする 6. アプリのコードを改ざんする 7. Android(iOS)をPCに繋ぎ、アプリをインストールする 8. アプリ起動後に改ざん検知が動くか確認する
  5. リポジトリ更新時に で以下をやる 1. OSS版をcloneする 2. 内部拡張版(Plugin)をcloneする 3. DeClangをclangでコンパイルする 4. ndk(Xcode

    Project)のコンパイラを差し替える 5. Android(iOS)アプリをコンパイルする 6. アプリのコードを改ざんする 7. Android(iOS)をPCに繋ぎ、アプリをインストールする 8. アプリ起動後に改ざん検知が動くか確認する Mac・Linux・Windowsを クラウドで動かす必要がある
  6. Mac・Linux・Windowsで以下をやる 1. 2. 3. DeClangをコンパイルする 4. ndk(Xcode Project)のコンパイラを差し替える 5. Android(iOS)アプリをコンパイルする

    6. アプリのコードを改ざんする 7. Android(iOS)をPCに繋ぎ、アプリをインストールする 8. アプリ起動後に改ざん検知が動くか確認する 基本的に内部拡張版の方で開発している ので、内部拡張版の更新をトリガにして OSS版をcloneする必要がある
  7. リポジトリ更新時にMac・Linux・Windowsで以下をやる 1. OSS版をcloneする 2. 内部拡張版(Plugin)をcloneする 3. DeClangをコンパイルする 4. ndk(Xcode Project)のコンパイラを差し替える

    5. Android(iOS)アプリをコンパイルする 6. 7. Android(iOS)をPCに繋ぎ、アプリをインストールする 8. アプリ起動後に改ざん検知が動くか確認する Android・iOSアプリのコードを全自動 で改ざんする必要がある 複数のシナリオを動かす必要がある
  8. リポジトリ更新時にMac・Linux・Windowsで以下をやる 1. OSS版をcloneする 2. 内部拡張版(Plugin)をcloneする 3. DeClangをコンパイルする 4. ndk(Xcode Project)のコンパイラを差し替える

    5. Android(iOS)アプリをコンパイルする 6. アプリのコードを改ざんする 7. 8. Android・iOSをクラウドで動かしてアプリ のインストール・起動・ログの確認が必要
  9. Bitriseはモバイルアプリケーション(iOS, Android)に特化 したCIプラットフォーム • Mac, Ubuntuが利用可能 • Xcodeのバージョン指定が簡単 • Provisioning

    Profileなどの設定が簡単 • プリセット済みのステップが多くCIのワークフローが 簡単に書ける ◦ bashのスクリプトも実行可能
  10. GitHub Enterprise * JenkinsのロゴはJenkins projectに帰属します https://jenkins.io/ * 正式名称は右記の通りです S3 :

    Amazon Simple Storage Service EC2 : Amazon Elastic Compute Cloud Bitrise(Mac) EC2 + Jenkins (Linux, Windows) S3 HeadSpin (Android, iOS) GitHub
  11. GitHub GitHub Enterprise Bitrise(Mac) EC2 + Jenkins (Linux, Windows) S3

    HeadSpin (Android, iOS) 1. リポジトリ更新時にBitrise, Jenkinsをトリガ
  12. GitHub GitHub Enterprise Bitrise(Mac) EC2 + Jenkins (Linux, Windows) S3

    HeadSpin (Android, iOS) 2. DeClang本体をclone
  13. GitHub GitHub Enterprise Bitrise(Mac) EC2 + Jenkins (Linux, Windows) S3

    HeadSpin (Android, iOS) 3. 内部拡張版をclone
  14. GitHub GitHub Enterprise Bitrise(Mac) EC2 + Jenkins (Linux, Windows) S3

    HeadSpin (Android, iOS) 4. ビルドキャッシュ(ccache)をS3と同期 & DeClangをビルド
  15. GitHub GitHub Enterprise Bitrise(Mac) EC2 + Jenkins (Linux, Windows) S3

    HeadSpin (Android, iOS) 5. DeClangを使ってアプリをビルド & HeadSpinのAppiumを使ってテスト
  16. void func1() { int value = 0x2a791f3e; // = 712580926

    改ざん対象の値 printf("func1: %d\n", value); __android_log_print(ANDROID_LOG_DEBUG, "DeClang Test", "func1 %d", value); }
  17. libsample.so[0x8d8] <+0>: stp x29, x30, [sp, #-0x10]! libsample.so[0x8dc] <+4>: mov

    x29, sp libsample.so[0x8e0] <+8>: adrp x0, 1 libsample.so[0x8e4] <+12>: movz w3, #0x1f3e libsample.so[0x8e8] <+16>: add x0, x0, #0x980 ; =0x980 libsample.so[0x8ec] <+20>: movk w3, #0x2a79, lsl #16 ... 略 ...
  18. • コンパイル結果は基本的に同じになるので、 自動化の際は命令の確認はせずにいきなりsedする # movz w3, #0x1f3e -> movz w3,

    #0xffff xxd -p sample.so | tr -d '\n' | sed s/c3e78352/e3ff9f52/ | \ xxd -r -p > ${temp_file} cp ${temp_file} sample.so
  19. @test "コード改ざん検知する" { make_modify_apk # コード改ざんしたアプリを作成(bashの関数) run ./headspin_appium.py \ #

    HeadSpinの実機で実行 --apk-path="${MODIFIED_APK_PATH}" \ # runを使うと後ろのassertで --app-package="${APP_PACKAGE_NAME}" # 戻り値・標準出力が使える assert_success # HeadSpinでの実行が成功した assert_line --partial "func1 is tampered" # 改ざん検知の出力がある refute_line --partial "func1 712580926" # 改ざん前の値は出力してない }