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Journal Clubのやり方

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Journal Clubのやり方

研究室のゼミでJournal Clubのやり方を説明したときに使用したスライドです

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FUJIMOTO Yuri

April 12, 2022
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  1. 論文データベース 4 █ PubMed 医学系論文のデータベース 医学系論文に限ればGoogle Scholarよりも使いやすい印象 █ Google Scholar

    多種多様な論文のデータベース 被引用回数や引用先が確認できるのが便利 █ J-Stage 日本語論文のデータベース pdfが公開されている █ CiNii 様々な日本語論文のデータベース (j-stage含む) を一括検索できる pdfが公開されていないことがある
  2. (参考)プレプリントサーバー 5 査読プロセス プレプリントサーバー █ 査読前論文の公開場所 – 時間のかかる査読前に迅速に研究成果を公開できる – 査読者以外からのフィードバックを受けられる

    – 査読前のため研究内容の質・正しさは保証されない █ 最近は投稿論文のプレプリントサーバーでの公開を認める雑誌が多い █ ArXiv, bioRxiv, medRxiv, Jxiv など 投稿 査読 出版 修正 書き直し・他の雑誌に投稿etc. Accepted Major/Minor revision Rejected
  3. 論文を読むかどうか決めるまでの流れ 8 █ タイトルを読む █ Abstractを読む █ Fig/Tableを眺める █ (実験系論文の場合)Materials

    and Methodsの見出しを眺める █ (疫学系論文の場合)Materials and Methodsで母集団・ サンプルサイズ・抽出方法を確認する (多くの場合Materials and Methodsの先頭) █ Discussionの最初の段落(Summaryであることが多い)・ 最後の2段落(LimitationおよびConclusionが書いてあることが多い)を 読む ※ここまで流し読み ⇒面白そうだったら全文をしっかり読む
  4. どの論文を選ぶべきか 9 █ 目安その1:Impact Factor – その雑誌に掲載されている論文が1年間に引用された回数の平均値 – IFの目安(獣医学系雑誌の場合) 1:普通、2:まあまあ、3:いい

    – あくまで目安(Open accessか・研究の流行りなどに左右されるので) – Google Chrome拡張機能: PubMed Impact Factor █ 目安その2:被引用回数 自分が「この論文面白そうだから読みたい」という論文を選ぶのが一番 █ 初心者にはおすすめしない雑誌 – Nature, Cell, Scienceおよび姉妹誌 (非常にレベルが高いと同時に非常に難しい・院に入ってから挑戦) – PLOS ONE (玉石混交・論文が「面白い/面白くない」と自分なりの判断ができるように なってから挑戦)
  5. 論文を読むときに使う道具 12 紙? 画面? █ 自分のやりやすい方法で █ 私の場合… – 真剣に読むとき:iPad

    Pro+Apple Pencil(iPad買うまでは紙) – そこまで真剣じゃないとき:PC画面上で済ませる 書き込みの方法は? █ 最低ペン2色(論文に書いてあることと自分の意見を区別) █ 私の場合… – マーカー3色(重要度別:論文を1分/3分/5分で読み返したいとき用) – ペン3色(メモ・要約、疑問・批判、感想) – 紙で読んでたときはフリクションのマーカー+3色ペンでした █ iPadを使う場合LiquidTextというアプリも便利 図表への書き込み、段落の要約、訳語メモ
  6. 論文を読む順番 13 █ Title █ Abstract █ Introductionの最後の段落(Aim of the

    study) █ Fig/Tableを眺める █ Discussion(流し読み) █ Introduction █ Result █ Materials & Methods █ Discussion(しっかり読む) 疫学系論文では逆
  7. 各セクションの内容・読むときに気をつけること 1 14 Introduction █ ざっと読む:病気・病原体の説明・歴史 – 慣れてくると読み飛ばすことも多い – 最初のうちはしっかり読むのがいいです

    █ 読む:研究を理解するのに必要な背景 █ 重要:なぜこの研究を行ったか Result █ (実験系論文の場合)実験の流れ・つながりを気にしながら読む 分からない部分が出てきたときにMaterials and Methodsを 適宜参照 █ (疫学系論文の場合)重要:回答率 検定の妥当性・モデルの説明力などを気にしながら読む
  8. 各セクションの内容・読むときに気をつけること 2 15 Materials and Methods █ (実験系論文の場合)Journal Club以外では読み飛ばしがち Resultの用語集くらいに思えばいいです

    (Journal Clubのときはしっかり読むこと) █ (疫学系論文の場合)超重要:サンプルサイズ、母集団、抽出・層化方法 Discussion █ 重要:Limitation █ 大抵の場合、重要な内容は段落の最初の2文と最後の2文の中に あります
  9. この辺を考えながら読もう・聞こう 16 █ 既存研究・類似研究と比較してこの実験の位置付けは? █ Research questionに対して実験手法は適切か? █ 対照の設定は適切か? █

    実験計画は適切か?(系統・投与量・投与間隔など) █ 検定手法は適切か? █ (珍しい手法を用いている場合)この手法を選ぶ理由は? この手法を用いるメリット・デメリット・コストは? █ 各実験の関係は?(メインの実験はどれでサブ・補足用の実験はどれ?) █ 実験結果から導かれた結論は適切か? 言い過ぎていないか? 前提は足りているか? █ 他の系統・動物・国・疾病にも適応可能か?(一般化可能性) █ 筆者が見落としている部分はないか?(交絡・バイアス・Limitation) █ 自分が読みながら予想した・考えた結果と異なる部分はないか? █ Resultに直感に反する部分はないか? その部分に論理的な説明はあるか? █ 筆者の主張を裏づける既存の知見、あるいは論理的な説明があるか?
  10. 分からない単語の調べ方 17 █ weblio – 辞書の順番で「ライフサイエンス辞書」を先頭に – Google Chrome拡張機能:weblioポップアップ英和辞典 █

    Wikipedia英語版を開く→他言語版で日本語ページを開く – ついでにWikipediaの内容をざっと読む(信じすぎないこと) █ さくっと読むだけのときはDeepLで全文翻訳で終わらせることも
  11. 読んだ論文を整理する方法 21 █ まだしっくりきていません █ 文献管理ソフト – Mendeley(無料)、 EndNote(有料)、Evernote(無料)、 Notion(無料)など色々試したがまだどれもしっくりきていない

    – 今はPaperpile(有料)でメモ欄に論文内容の簡単なまとめ – Mendeley、EndNote、Paperpile: Google Chrome拡張機能(文献情報およびpdf保存)・ Microsoft Word用アドイン(引用の挿入・Reference作成)あり
  12. 表紙 目安:1ページ 24 █ 論文タイトル █ 著者名 █ 発行年 █

    雑誌名、巻号、ページ █ 発表者名、発表日付
  13. Introduction 目安:1~2ページ 25 █ 病気・病原体の説明(論文を理解するのに必要な部分だけの抜粋でOK) – 超基礎的な部分や歴史は省略してOK █ 研究を行う理由・背景 –

    先行研究において何が分かっていて何が分かっていないか – ◦◦年に××でoutbreakがあった など █ この研究を実施した目的
  14. Materials and Methods 目安:1~3ページ 26 ウイルス学系論文の場合 █ PCR、ELISA、WBなどについて – プライマー・抗体(どの遺伝子・蛋白質をターゲットにしているか?)

    – 反応時間・温度などは不要 █ 動物実験 – 系統(なぜその系統を選んだかの説明も) – 投与・サンプリング計画 疫学系論文の場合 █ 超重要:サンプルサイズ・母集団(調査地域・対象など)・抽出方法 █ 調査の手法・期間・分析手法・目的変数・説明変数
  15. Result 目安:1ページ/図表(サイズによっては分割・合体も可) 27 █ なぜその実験を行なったのか・何を表している図表なのか、 最初に説明する █ Fig/Tableの強調したいポイントに印付けておく – Fig:

    横軸・縦軸が何を示しているのか? – Table:各列が何を意味しているのか? など █ Fig/Tableタイトルも載せる █ (疫学系論文の場合)回答率は絶対載せる
  16. スライドには載せないけど考えておくといいこと 29 █ 読んだ理由 █ この論文で一番重要な点は? █ 感想 – 面白かった部分、いいと思った部分

    – だめな部分、改善点(あれば) █ 自分の研究に役立ちそうか? その場合どう役立ちそうか? █ 分からなかった部分は事前に軽く調べる – 調べたけど分かりませんでしたでもOK
  17. 質問しよう! 31 █ どんどん質問しましょう! █ 「ここ分からなかったけど多分他の人は分かってるんだろうな……」 「こんなこと質問するの恥ずかしいな……」 – 全然OK! –

    答える練習になります – 基礎的なことも改めて質問されたら案外説明につまることも あります 「回答の練習をさせてあげている」と思ってどんどん質問しましょう!
  18. この辺を考えながら読もう・聞こう(再) 32 █ 既存研究・類似研究と比較してこの実験の位置付けは? █ Research questionに対して実験手法は適切か? █ 対照の設定は適切か? █

    実験計画は適切か?(系統・投与量・投与間隔など) █ 検定手法は適切か? █ (珍しい手法を用いている場合)この手法を選ぶ理由は? この手法を用いるメリット・デメリット・コストは? █ 各実験の関係は?(メインの実験はどれでサブ・補足用の実験はどれ?) █ 実験結果から導かれた結論は適切か? 言い過ぎていないか? 前提は足りているか? █ 他の系統・動物・国・疾病にも適応可能か?(一般化可能性) █ 筆者が見落としている部分はないか?(交絡・バイアス・Limitation) █ 自分が読みながら予想した・考えた結果と異なる部分はないか? █ Resultに直感に反する部分はないか? その部分に論理的な説明はあるか? █ 筆者の主張を裏づける既存の知見、あるいは論理的な説明があるか?
  19. 質問テンプレート 1 33 █ 「この辺を考えながら(略)」で気になった部分を訊いてみる █ 確認するつもりで質問するのもOK – こういう理解でOKですか? █

    分からなかった部分を訊いてみる – この単語(実験手法・蛋白質 etc.)の意味が分からなかった – このスライドの説明がよく分からなかった – この表・図からなぜその結論が導けるのか分からなった – この表・図の重要な部分はどこか分からなかった – (複数の実験を行っている研究の場合)なんのためにこの実験を 行ったのか分からなかった(他の実験との繋がり)
  20. 質問テンプレート 2 34 █ 何が分からないかも分からない – 「よく分からなかったので1分で説明してください!」 – Conclusion、Discussionで筆者が一番強調していることは なんですか?

    █ 感想でもいいと思います – この実験面白いですね – こんな解析手法あるんですね █ 読んだ理由・感想 – なぜ読んだか – どこが面白いと思ったか – どこがLimitation・改善の必要があると思ったか – 自分の研究に役立ちそうか