Upgrade to Pro — share decks privately, control downloads, hide ads and more …

知識社会マネジメント11_0628_share.pdf

Hajime Sasaki
June 30, 2024
29

 知識社会マネジメント11_0628_share.pdf

Hajime Sasaki

June 30, 2024
Tweet

Transcript

  1. lͱ͔͘ࢲͨͪ͸ɺ੓෎ʢ࣏ࣗମʣͱ͍ ͏΋ͷΛҰछͷࣗಈൢചػ˞ͷΑ͏ͳ ΋ͷͩͱߟ͕͑ͪͩɻ ੫ۚΛ౤ೖ͠ɺಓ࿏΍ڮɺපӃɺফ๷ɺ ܯ࡯ͳͲͷߦ੓αʔϏεΛऔΓग़͢ɻ ͦͯࣗ͠ಈൢചػ͔Β๬Έͷ΋ͷ͕ग़ ͯ͜ͳ͍ͱจ۟Λݴ͏ɻ ࢲͨͪ͸ࢢຽࢀՃͱ͍͏΋ͷΛɺͳͥ ͔ͩࣗಈൢചػΛ༳͞ͿΔ͜ͱͱಉҰ ࢹ͢ΔΑ͏ʹͳͬͯ͠·ͬͨɻz

    Gov 2.0: It's All About The Platform, https://techcrunch.com/2009/09/04/gov-20-its-all-about-the-platform/ Tim OʼReilly ※「⾃動販売機型政府」の概念⾃体 は⾏政学者ドナルド・F.ケトルに よるものが起源。
  2. 制度の隙間にある課題はロングテール • 福祉、交通、教育etc︓変化していく社会、増える課題の数と種類 • ⾼齢化、少⼦化 → 税収減、⼈員減 ⽩川展之, シビックテックの実践とオープンサイエンスの公共政策, より抜粋

    ※ • 提供されるサービスのメニューが予め全て決まっている。 • ⾃分の製品を⾃販機に⼊れてもらえるベンダーは限られている。 • その結果、利⽤者の選択肢は限られ、価格も⾼い。 ⾃治体の既存ビジネスでのサービス 「⾃動販売機モデル※ 」で対応するには限界がある。
  3. ⾃販機モデルから市⺠政府へ Input 税⾦ 政府 (地⽅)⾃治体 Output ⾏政サービス (橋、道路、 警察、消防 etc.)

    不満があれば、叩く、揺さぶる 抗議活動 政府 (地⽅)⾃治体 市⺠ ⾃販機モデル 市⺠政府 Input 税⾦ Output ⾏政サービス 稲継裕昭 編著, シビックテックより⼀部改変
  4. 活動︓ • フェローシップ︓⾏政⾃治体への派遣 • ブリゲード︓ 各⾃治体におけるコミュニティ活動 • スタートアップ︓ 起業家への助成⽀援 •

    ピアネットワーク︓成功事例の横展開 • 国際活動︓ Code for All 派遣都市 成果 シアトル、ボストン、フィラデルフィア 学校進学選択マップ、犯罪歴消去 シカゴ、デトロイト、ニューオリンズ他 311プロセス改善、バス通知システム サンフランシスコ、ラスベガス他 コミュニティヘルスシステム アトランタ、デンバー、チャタヌガ他 オープンデータ活⽤、エコシステム サマービル、インティアナポリス他 教育⽣徒⽀援、故郷安全情報提供 フェローシッププログラム成果例 Mission︓ ”21世紀における市⺠による市⺠ のための政府”の実践
  5. sinsai.info sinsai.info を1ヶ⽉やってきて思うこと【関治之】https://techwave.jp/archives/51650191.html ▪震災4時間後にサイト⽴ち上げ ʮ໾ʹཱ͔ͭͲ͏͔෼͔Γ·ͤΜ ͕ɺͱΓ͋͑ͣ6TIBIJEJαΠτΛ ্ཱͪ͛·ͨ͠ʯ ▪2ヶ⽉後 レポート 1万件以上

    アクセス数 100万PV/⽉ 訪問者 65万⼈ ユニークビジター 50万⼈ 参加ボランティア 延べ300⼈ 関治之 ⽒ Georepublic Japan代表 コードフォージャパン代表 政府CIO補佐官
  6. 伽藍とバザール (Eric S. Raymond, The Cathedral and the Bazaar, 2007)

    •伽藍(⼤聖堂)⽅式︓ •⼀部の開発者のグループ内で開発が⾏ われ、形になるまで外部に公開しない。 •開発の経過は基本的に部外者には⾒せ ない。 •バザール⽅式︓ •参加者を限定せず、⾃由に⾃主的に開 発を進められる。 • 「早めのリリース。しょっちゅうリ リース」 を基本とし、開発過程も公開 することにより、⽣産性を上げる。 https://cruel.org/freeware/cathedral.pdf
  7. 出典: 川⼈隆央, FixMyStreet Japanの取り組み • ⽣産年齢⼈⼝は急激に減るが、あわせて地域が狭くなるわけ でもない。街の問題も急激に減ることはない。 • インフラは⽼朽化。 •

    ⼈⼝の減少に合わせて⾃治体職員も減る。 • 問題に対応できるリソースも減る。 ⼀⽅で • 住⺠は専⾨知識はなくても⾃分の地域に起こった問題を⾒つ けることはできる。 • ⾒つけることは住⺠が⼀部にない、専⾨知識を持った職員が 道路の修繕等必要なことに注⼒できるようにする。
  8. 制度の隙間にある課題はロングテール • 福祉、交通、教育etc︓変化していく社会、増える課題の数と種類 • ⾼齢化、少⼦化 → 税収減、⼈員減 ⽩川展之, シビックテックの実践とオープンサイエンスの公共政策, より抜粋

    ※ • 提供されるサービスのメニューが予め全て決まっている。 • ⾃分の製品を⾃販機に⼊れてもらえるベンダーは限られている。 • その結果、利⽤者の選択肢は限られ、価格も⾼い。 ⾃治体の既存ビジネスでのサービス 「⾃動販売機モデル※ 」で対応するには限界がある。
  9. © Code for Japan 世界中からの貢献 3週間の間に 224 名が改善に協力 750 件の提案

    671 件が取り入れられる 作成数 クローズ数 Issue数 1,364 1,283 Pull Request 数 2,628 2,604 これまでの累計(Bot等を除いた数) 関治之, オープンガバメントとデジタルテクノロジー, 第6回GIST-DXセミナー
  10. vTaiwan(市⺠と台湾⾏政が運営するプロジェクト) •運営主体︓シビックテックコミュニティg0v 零時政府(ガブゼ ロ) •ひまわり 抗議運動(2014)を契機に市⺠が⽴法のあり⽅をめ ぐって政府への意⾒提案。 •当初からのg0vメンバー唐凰(Audley Tang)がITデジタル担当に なってより正式な権限獲得。

    •誰でも法規制に関する議論を提起できるプラットフォーム。 •多様なステークホルダ との議論 •積極的なデジタルツールの活⽤。(⾏政、企業、消費者) •対⽴する⽴場をあえて明らかにし、相互の考える機会を提供。 •問題点の集約と解釈。 •コミュニケーションギャップを埋める。 •意思決定過程の⽂書化 ⽯⽥ 聖(2021), シビックテックにおける市⺠参加型 プラットフォームの機能分類
  11. vTaiwanにおける市⺠による政府への提案事例2 UberX︓台湾進出への規制要請(2015) •公開競技トピックとしてUberX案件の議論開始。 •Pol.isによるリアルタイム意⾒集約 • 運転⼿、タクシー組合、企業代表、学識経験者、消費者の利害を可視化。 • ライブキャスト1875⼈の参加。 • 3115投票、145コメント。

    •2016︓⾃動輸送管理規則の改正および施⾏。 • ⻩⾊に塗る必要なし • 既存料⾦を下回らない限り営業は⾃由。 • 配⾞システムにドライバーの識別、運賃、評価の表⽰ • ライドあたり課税の報告義務
  12. © Code for Japan オープンガバメント • OECDの定義「民主主義と包括的成長を支える、透明性、誠実さ、説明責任、 ステークホルダー参加の原則を推進するガバナンス文化」※1 • ここでの「ステークホルダー」とは、年齢、性別、性的指向、政治的所属や、個

    人、政府、学会、民間セクターなどの区別無しに、政策から影響を受けるすべ ての人を指す • 参加のレベルには、「情報提供(Information)」「諮問(Consultation)」 「より深い関与(Engagement)」などがある • 勧告文書では、オープンガバメント戦略の策定、イニシアチブ組織の設置、指 標策定と定期的な計測による改善が推薦されている 48 ※1:https://legalinstruments.oecd.org/en/instruments/OECD-LEGAL-0438#_ga=2.37822115.1251313301.1554450220-751648841.1537891795 関治之, オープンガバメントとデジタルテクノロジー, 第6回GIST-DXセミナー
  13. 現実・ 課題 問題に対する姿勢 状態1:傍観者(批評家) 自分には関係ないことにしている 状態2:課題解決型 状態3:主体者(自分も起点) 問題を分析し、解決する ただし、外側から対処する 問題を作り出している

    可能性があるところに立つ 問題をシステムと捉え全体を俯瞰し、 自分もその問題に加担している(一部 を担っている)という所に立ち、自分の あり方(Being)からその問題自体に変 化を与える 問題を分析し解決する。ただし、問題 は絡み合って益々高度化し、次から 次へと新たな課題が発生する 飲み屋で会社の悪口を言ったり 、うちもトップが変わってたらいい のだけどね、と言う状態 ▪旨み: 責任を取らなくていい、安心、居心地が いい、傷つかなくていい ▪代償: ・現状は何も変わらない ・今の環境を生き続ける ・成長しない ▪旨み: 達成感、成長・能力が上がる、頼られる、 承認される、自己効力感、自己価値の証 明 ▪代償: ・分断が起こる可能性がある ・どこかむなしさを感じる ・孤軍奮闘、自分だけが頑張る ・責任ばかり上がる セルフ リーダーシップ 現実・ 課題 現実・ 課題
  14. © Code for Japan 51 アジャイル・ガバナンスとオープンガバメン ト • 社会のありたい姿そのものがつねに変化。 •

    ルール自体を柔軟に変えていく必要がある • 社会のガバナンスは何重にも積み重なっている(Governance of Governance ) • 「ゴール設定」「システムデザイン」「運用」「説明」「評価」 「改善」をマルチステークホルダーで継続的かつ高速に発展させて いく「アジャイルガバナンス」が必要 • ステークホルダーとコミュニケーション。 • 特定の有識者での議論や過去のパターンのあてはめではない有機的 なありかたの模索。 • 誰一人取り残されない包摂的なルールメイキングをするには、オー プンガバメントの取り組みも必須となる 関治之, オープンガバメントとデジタルテクノロジー, 第6回GIST-DXセミナー
  15. © Code for Japan 52 トップダウンとボトムアップ、双方が必要 ⾏政 市⺠や⺠間企業、⼤学等 透明性の高い情報発信 協働機会の提供

    参加機会の提供 政策の理解 主体的な参加 適切なフィードバック 信頼 醸成 関治之, オープンガバメントとデジタルテクノロジー, 第6回GIST-DXセミナー
  16. © Code for Japan 53 住民参加 これから︖ 住民参加による行政の推進は30年来の課題。では、どうすればよいのか? ⼀往復 ⼀往復半

    案の提⽰ 意⾒提出 採否・理由 の公⽰ • タウンミーティング • パブリックコメント • 審議会等 理由はわかったけど、 (実はわかってないけど) もう意見は言えないの? きちんと反映され たのだろうか? 双方向? オンライン? どうなったらいい のかな・・・ 関治之, オープンガバメントとデジタルテクノロジー, 第6回GIST-DXセミナー
  17. © Code for Japan 55 OECD Guidelines for Citizen Participation

    Processes 市民参加プロセスの設計・計画・実施・評価のための10ステッ プ 1. 解決すべき問題と参加のタイミングを特定する 2. 期待される成果を定義する 3. 参加対象者を特定し、リクルートする 4. 最も適用可能な参加方法の選択 5. 適切なデジタルツールの選択、対面式との並行 6. プロセスの透明性確保、明確平易なコミュニケーション 7. 参加プロセスの実施とそのTips 8. 意見の活用とフィードバック 9. 参加プロセスの評価 10. 「民主主義の筋トレ(exercise their democratic “muscles”)」 を通じた参加文化の醸成 https://www.oecd.org/gov/open-government/oecd-guidelines-for-citizen-participation-processes-f765caf6-en.htm 市民参加プロセスの設計、計画、実施、評価のための10のステップ、プロセスの質を確保 するのに役立つ9つの原則、市民を巻き込むための8つの異なる方法を提示(2022年9月) 関治之, オープンガバメントとデジタルテクノロジー, 第6回GIST-DXセミナー
  18. 重層的なガバナンスの下での調整⽅策 ①情報技術の利⽤ • 情報処理によって複雑性に対処する技術的解決⼿段の追求 ②評価基準の多元化 • 複数の基準と指標を受容する評価基準の設定 ③相互交渉の促進 • アカウンタビリティの責任を持つ代理⼈側とその他の⽴場の

    主体との相互交渉の促進 ④枠組規制 • 政策の与件や⽬標を遵守すべき個別⽬標を設定するのではな く、全体の枠組みを規定するルール設定、柔軟に修正・調整 を許容することでダイナミックな変動に対処 ⑤ステークホルダーのプロ セスへの参加 • アカウンタビリティを付託する依頼⼈側の政策形成・意思決 定のプロセスに参加させる参加促進 課題に対して、複雑なネットワークでマネジメント⽬標に向けた設計を⾏うための⼿段としては、次 の5つの⼿段がある。 (Klijn and Koppenjan,2014)
  19. © Code for Japan 市民参加の 10ステップ 57 1. 情報とデータ 2.

    公開会議・市民会議 3. パブリックコンサルテーション (≒パブコメ等) 4. オープンイノベーション 5. シチズンサイエンス 6. 市民モニター 7. 参加型予算編成 8. 代表制熟議プロセス 1. 明確さとインパクト 2. コミットメントとアカウンタビリ ティ 3. 透明性 4. 包括性とアクセシビリティ 5. 誠実さ 6. プライバシー 7. 情報へのアクセス 8. 必要なリソースの確保 9. 評価(による信頼向上) プロセスの質に関する 9原則 8つの市民参画方法 1. 課題特定・参加タイミング 2. 期待される成果の定義 3. 参加対象者の特定と募集 4. 適用可能な参加方法 5. デジタルツール・対面併用 6. 透明性確保・わかりやすさ 7. プロセスの実施 8. 意見活用とフィードバック 9. 参加プロセスの評価 10.参加文化の醸成 OECD Guidelines for Citizen Participation Processes https://www.oecd.org/gov/open-government/oecd-guidelines-for-citizen-participation-processes-f765caf6-en.htm 関治之, オープンガバメントとデジタルテクノロジー, 第6回GIST-DXセミナー