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一人ひとりに寄り添ったCRMツールによるカスタマーサポートの新しい形 / New kindly approach of customer support with CRM tool

一人ひとりに寄り添ったCRMツールによるカスタマーサポートの新しい形 / New kindly approach of customer support with CRM tool

Customer Support Tech Meetup #1の登壇資料です。

https://mixi.connpass.com/event/167390/

Jun Hashimoto

March 25, 2020
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Transcript

  1. (C) mixi, Inc.
    Customer Support Tech Meetup #1
    株式会社ミクシィ 統括管理本部 CS部 CREグループ
    橋本 淳
    一人ひとりに寄り添った
    CRMツールによる
    カスタマーサポートの新しい形

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  2. (C) mixi, Inc.
    ● 橋本 淳 (Jun Hashimoto)
    ● 2012年新卒入社
    ● 〜2015年3月: SNS「mixi」の開発
    ○ サービス開発・保守(ブラウザ版・ネイティブ版)
    ● 2015年4月〜: 現部署
    ○ 問い合わせの技術調査
    ○ CSスタッフ向け管理ツールの開発
    ○ CSに関するオペレーションのあらゆる効率化
    ■ 本日はこちらのお話
    2
    自己紹介

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  3. (C) mixi, Inc.
    ● (1) ミクシィCSが問い合わせ対応で抱える課題
    ● (2) CRMツール開発の1年の軌跡
    ● (3) CRMツール導入後の効果と今後の展望
    3
    本日のアジェンダ

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  4. (C) mixi, Inc.
    4
    ミクシィCSが問い合わせ対応で抱える課題

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  5. (C) mixi, Inc.
    断片化
    5
    キーワードは・・・

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  6. (C) mixi, Inc.
    6
    ナレッジの断片化 【テンプレ(定型返信)】
    ・・・
    「復旧を希望するアカウン
    トのID」をご確認いただけ
    ましたら、改めて下記URL
    の「バックアップ・データ
    復旧に関する質問」フォー
    ムより、再度ご連絡いただ
    けますでしょうか。
    ・・・
    ・・・
    「復旧を希望するアカウン
    トのID」をご確認いただき
    ましたら、あらためて下記
    URLの「バックアップ・デ
    ータ復旧に関する質問」フ
    ォームより、再度ご連絡い
    ただけますでしょうか。
    ・・・
    漢字・ひらがなの表記が違うだけ
    例: データ復旧(モンスト日本版) に関するお問い合わせ

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  7. (C) mixi, Inc.
    7
    ナレッジの断片化 【テンプレ(定型返信)】
    ・・・
    「復旧を希望するアカウン
    トのID」をご確認いただけ
    ましたら、改めて下記URL
    の「バックアップ・データ
    復旧に関する質問」フォー
    ムより、再度ご連絡いただ
    けますでしょうか。
    ・・・
    ・・・
    「復旧を希望するアカウン
    トのID」をご確認いただき
    ましたら、あらためて下記
    URLの「バックアップ・デ
    ータ復旧に関する質問」フ
    ォームより、再度ご連絡い
    ただけますでしょうか。
    ・・・
    200件前後 / 月 40件前後 / 月
    ※2018年上半期時点

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  8. (C) mixi, Inc.
    8
    ナレッジの断片化 【テンプレ(定型返信)】
    なぜ、このようなことが起きるのか?
    CSスタッフ CSスタッフ
    テンプレ集(改) テンプレ集(改)
    対応拠点ごとに「テンプレ集」を管轄
    テンプレ集はファイル管理で、各CSスタッフが
    個人の端末にファイルを個別に保存
    テンプレ集(元) CSスタッフ(リーダー)
    各自の判断のもと、多少の改変が行われる

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  9. (C) mixi, Inc.
    9
    問い合わせユーザーとの関係性の断片化
    問い合わせ(1) 問い合わせ(2) 問い合わせ(3)
    返信(1)
    ユーザー属性に
    関する検討(1)
    対応方針に
    関する検討(1)
    返信(2)
    ユーザー属性に
    関する検討(2)
    対応方針に
    関する検討(2)
    同じCSスタッフが
    対応するとは限らない
    前回対応時の思考内容は
    引き継がれない
    同じユーザーが複数回問い合わせた場合

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  10. (C) mixi, Inc.
    10
    問い合わせユーザーとの関係性の断片化
    1年を通じて、複数回問い合わせるユーザ


    28%
    (※実数: 数万人規模)

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  11. (C) mixi, Inc.
    11
    CRMツール開発の1年の軌跡

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  12. (C) mixi, Inc.
    12
    断片化を断ち切るため、新たなCRMツールを開発
    リリース
    2019
    4月
    6月
    8月
    9月
    12月
    2020
    1月
    2月
    3月
    CSスタッフへ
    ヒアリング(3)
    CSスタッフへ
    ヒアリング(1)
    CSスタッフへ
    ヒアリング(2)
    CRMツールの
    要件の検討
    問い合わせの対応履歴
    管理機能の猛開発
    問い合わせの対応履歴
    管理機能の開発
    ナレッジの
    管理機能の開発
    問い合わせの対応履歴
    管理機能の開発

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  13. (C) mixi, Inc.
    13
    CSスタッフへの継続的なヒアリング
    引用: http://web.archive.org/web/20190805014510/http://www.projectcartoon.com/cartoon/586
    「顧客の説明した要件」
    CSスタッフ
    CRE 「プログラマの実装」 「顧客が本当に必要だったもの」
    XXを
    できるように
    してほしい
    XXな機能が
    あれば大丈夫な
    はず
    仮リリース
    開発
    使用感の確認
    ヒアリング
    思考のズレを
    解消
    ● オペレーションの
    詳細な内容
    ● 機能の使われ方
    ● ツールでまかなえて
    いない範囲

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  14. (C) mixi, Inc.
    14
    CRMツールのシステム構成
    EC2 RDS CloudSearch
    検索ドキュメントへ
    ナレッジの同期(ActiveJob)
    jsのライブラリを多用
    ● jstree(ツリービュー)
    ● quill.js(リッチテキストエディタ)
    ● diff2html(ドキュメント差分表示)
    など
    インフラ UI
    引用: https://aws.amazon.com/jp/architecture/icons/
    https://www.iconfinder.com/icons/282804/on_rails_ruby_icon

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  15. (C) mixi, Inc.
    15
    階層構造で整理できるナレッジ
    ドラッグ&ドロップや右クリックで直感的に操作可能
    プロダクトA ナレッジ
    プロダクトB ナレッジ
    プロダクトC ナレッジ

    ● プロダクト・対応拠点毎に分けて管理
    ● プロダクトの仕様やテンプレ(定型返信)を保存
    ● 総計で数千件

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  16. (C) mixi, Inc.
    16
    必要なナレッジはすばやく検索
    ● AWS CloudSearchを利用した検索機能
    ● 高速な検索スピード

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  17. (C) mixi, Inc.
    17
    1画面で対応に必要な情報の揃う返信文作成画面
    問い合わせ本文
    (Zendeskから自動的に取得)
    対応方針作成用のエディタ(後述)
    返信文作成用のエディタ(後述)
    対応カルテ(後述)

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  18. (C) mixi, Inc.
    18
    返信文作成画面: 対応方針
    ● 1案件ごとに記録の必要な情報を管理
    ○ 管理ツールで調べたユーザー情報
    ○ ユーザーの状況(推測も含め)
    ○ 返信文の文章概要
    ■ 迷っている方針がある場合、複数の方針を記載
    返信文を作成するまでの思考整理の「場」として活用

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  19. (C) mixi, Inc.
    19
    返信文作成画面: 対応カルテ
    過去の対応履歴での経緯も共有可能に
    ● 1ユーザーごとに記録の必要な情報を管理
    ○ 特に寄り添った対応の必要なユーザー向け

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  20. (C) mixi, Inc.
    20
    返信文作成画面: 返信文
    ● 行数の表示による分量把握
    ● 変更を検知して自動で下書き保存
    ○ 複数の返信案がある場合、別名で保存も可能
    ● テンプレ(定型返信)を活用する場合: 画面内で検索し、貼付可能
    作成にかかるCSスタッフへの負荷を極力軽減

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  21. (C) mixi, Inc.
    21
    CRMツール導入後の効果と今後の展望

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  22. (C) mixi, Inc.
    22
    リリースから2週間ほど経過
    ● CSスタッフからの声
    ○ エディタを使っていた時より、遥かに案件相談や確認がしやすくな
    り、作業効率が上がった
    ○ これまで複数のツールを開いて作業していたのが、コンパクトにま
    とまって使いやすい
    ○ 情報を整理しながら作文することができ、情報観点で迷うことが激
    減したと思います。

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  23. (C) mixi, Inc.
    23
    ツール導入による効果
    人対人のサポートに向けて、一定の改善はできている
    ツール導入後、同じユーザーからのお問い合わせに対し、以前の対応経緯を追いやすくなりましたか。
    約75%

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  24. (C) mixi, Inc.
    24
    課題もまだ残っている
    「対応カルテ」はどの程度利用されていますか。
    ● 導線が見づらい(ボタンを1クリックしないと表示されないため)
    ● 改善を検討中
    約50%

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  25. (C) mixi, Inc.
    ● 引き続き、人対人のサポートに最適な機能提供を目指す
    ● 蓄積された対応履歴を分析可能な環境の構築
    ● 分析結果をCSスタッフに適切な形でフィードバック
    ○ 過去の対応の効果測定の実現
    ○ 「良い」効果のあった対応のノウハウ化
    ○ 個々のCSスタッフの「対応術」の集合知化
    25
    今後の展望

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  26. (C) mixi, Inc.
    26
    まとめ・おわりに

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  27. (C) mixi, Inc.
    27
    まとめ
    テンプレに関する
    「断片化」
    ミクシィCSの「断片化」の課題に対し、新たなCRMツールの開発で解決を試みました
    同じユーザーからの
    複数問い合わせに関する
    「断片化」
    【ターゲットとなる主なユーザー】
    回答が素早く欲しい!と考える方
    【ターゲットとなる主なユーザー】
    自分の気持ちを理解してほしい!
    と考える方
    テンプレの中央集約化
    対応カルテを導入し、
    過去の対応時における
    思考内容の具体化
    課題 ソリューション

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  28. (C) mixi, Inc.
    28
    おわりに
    ● 開発を通じて、CSスタッフとの思考のズレが少しずつ埋まりつつある
    ○ 目指すべきCSの方向性の理解
    ○ 今後必要な開発要件の把握
    ミクシィCSの次回作もご期待ください

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  29. (C) mixi, Inc.
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