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サクッと わかった気になるプロジェクトマネジメント基礎講座

サクッと わかった気になるプロジェクトマネジメント基礎講座

プロジェクトマネジメントの基礎を学びたい人向けのサクッとわかった気になれる基礎講座のスライドです。

いなやまふみたか

December 16, 2019
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  1. profile いなやまふみたか @inayamafumitaka Project Management Professional (2003〜) 東葛飾PM&A研究所 代表 プロジェクトマネージャ保護者会

    代表 講演:XP祭り2015/XP祭り2016/XP祭り2017(LT) Agile Japan2017/Comeback Japan2017/ ISACA月例会/rsgt2018/PO祭り2018/XP祭2018/DevLove#227 JaSST’19Tokyo 講座:「技術同人誌の制作基礎講座」 著書:「アプリ開発チームのためのプロジェクトマネジメント」(マイナビ) 「カワイイ後輩の育て方」 「ガルパン仕事術」 「サーバルちゃん・リーダーシップ」 「Dead or Agile」 「プロジェクト思考で行こう!技術同人誌を書く技術」(インプレスR&D)な ど
  2. 『プロジェクトとは、独自のプロダクト、サービス、所産を創造するために実施 する、有期性のある業務である』 引用 Project Management Body Of Knoeledge 6th edition,

    PMI さらに、プロジェクトは唯一無二(同じ条件、環境はありえない)なもの。 • 条件 • 同じメンバの経験知(習熟度) • 成果物 • 期間 : プロジェクトとは2つとない、期限のある活動のこと。 ルーチン、定型化された業務はプロジェクトとは呼ばない。 プロジェクトってー、なに?
  3. プロジェクトは終わらせたい! プロジェクトは完了しなければならない。 プロジェクト完了は次の項目を1つ以上満たす。 1. 目標を達成した 2. 目標を達成できない、満たせない 3. プロジェクトの予算がなくなった 4.

    プロジェクトのニーズがなくなった 5. リソースを使用できない 6. 外部の事由(法令、組織の都合)で終了 プロジェクトの終了は、目標を達成したか、中止のどちらかである。
  4. どうしてプロジェクトマネジメントするの? プロジェクトマネジメントには次の効果を期待できる。 1. 目標を達成する 2. ステークホルダの期待に応える 3. 予測精度をあげる 4. 成功の可能性をあげる

    5. 適切な時期に適切なプロダクト、サービスを提供する 6. タイムリーにリスクに対応する 7. 適切にリソースを使用する 8. 失敗しているプロジェクトを特定、回復、中止する 9. 制約条件をコントロールする プロジェクトマネジメントは、プロジェクト業務をモニタリングし、コントロー ルする手法である。
  5. プロジェクトマネジメント、ものづくりしないじゃん! プロジェクトの工程 企画 計画・アーキテクチ ャ 検証 評価 終結 マインドセット 考え方の枠組み、思考様式、心理状態、暗黙、思い込み、価値観、信念、基準

    組織構成、ビジョン、歴史、情報の伝え方、意思伝達、スピード、役割、技能、知識 ツール&テクニック プレゼン、交渉 問題分析、シナリオ 分析 リーダーシップ、統 計的サンプリング、 データ分析、費用便 益分析 特性要因図、チェッ クリスト、バーンダ ウンチャート、パフ ォーマンス分析 フィードバック、ふ りかえり (システム)開発手 法 事業企画 仮説の組み立て、実 行計画のデザイン プロジェクトの実行 プロジェクトのモニ タリング、分析、予 測、コントロール ナレッジの登録 プロジェクトマネジ メント 立ち上げプロセス 計画プロセス 実行プロセス 監視、コントロール プロセス 終結プロセス プロジェクトマネジメントは何も作ってない! 『作る』のはここ!
  6. どーして4つの観点が必要なの? (システム)開発手 法 事業企画 仮説の組み立て、実 行計画のデザイン プロジェクトの実行 プロジェクトのモニ タリング、分析、予 測、コントロール

    ナレッジの登録 アクティビティ例 業務課題の認知 業務要件の整理 成果物の設定 優先順位 意思決定判断基準 成果物の分解 アーキテクチャのデ ザイン 作業の組み立て マイルストーンの設 定 リスク一覧 計画の遂行 実績把握 回復措置 コンテンジェンシ 分析レポート 見通し レポート 後続プロジェクト立 案 プロジェクト業務は、開発手法であり、プロジェクトのため初めて実施される業 務である。つまり、誰もやった実績のない、成功するか失敗するかわからない不 確実性の特性を持っている業務である。 それを観察して軌道に戻す道具がプロジェクトマネジメント。 この作り方で成功するか誰も知らない 確実にしたいので、プロジェクトマネジメントの手法でモニタリングし、コントロールする
  7. プロジェクトマネジメントと3つの関係 プロジェクトの工程 企画 計画・アーキテクチ ャ 検証 評価 終結 マインドセット 考え方の枠組み、思考様式、心理状態、暗黙、思い込み、価値観、信念、基準

    組織構成、ビジョン、歴史、情報の伝え方、意思伝達、スピード、役割、技能、知識 ツール&テクニック プレゼン、交渉 問題分析、シナリオ 分析、 リーダーシップ、統 計的サンプリング、 データ分析、費用便 益分析、 特性要因図、チェッ クリスト、バーンダ ウンチャート、パフ ォーマンス分析 フィードバック、ふ りかえり (システム)開発手 法 事業企画 仮説の組み立て、実 行計画のデザイン プロジェクトの実行 プロジェクトのモニ タリング、分析、予 測、コントロール ナレッジの登録 プロジェクトマネジ メント 立ち上げプロセス 計画プロセス 実行プロセス 監視、コントロール プロセス 終結プロセス 作る 『作る』のリスクのモニタリングとコントール 『作る』の生産性向上・効率化 『作る』の士気
  8. ここまでのまとめ プロジェクトとは、『目的を持った有期性のある業務』 プロジェクトマネジメントとは、『プロジェクトリスクをコントロールする手法』 プロジェクトの工程 企画 計画・アーキテクチ ャ 検証 評価 終結

    (システム)開発手 法 事業企画 仮説の組み立て、実 行計画のデザイン プロジェクトの実行 プロジェクトのモニ タリング、分析、予 測、コントロール ナレッジの登録 プロジェクトマネジ メント 立ち上げプロセス 計画プロセス 実行プロセス 監視、コントロール プロセス 終結プロセス ここがいい加減だといくらプロマネを頑張っても成功しない
  9. 開発手法って何? 開発手法とは、事業の解決したい課題を解決するアーキテクチャの仮説を組み立て、 課題を解決する作業プロセスを実現する一連のフレームワーク。 プロジェクトの工程 企画 計画・アーキテクチ ャ 検証 評価 終結

    (システム)開発手 法 事業企画 仮説の組み立て、実 行計画のデザイン プロジェクトの実行 プロジェクトのモニ タリング、分析、予 測、コントロール ナレッジの登録 事業の 解決したい課題 解決の仮説 (アーキテチャ) 解決の全体計画 仮説を実現する プロジェクト 仮説を実践した結果 プラクティスの 記録、引き継ぎ ゴール(目的)設定 (工程ごとの目的)
  10. 作業プロセスってなんか面倒そう? プロジェクトの目的を実現する作業の連続したつながり。計画時にアウトプットを 決めて始めるか、仮説を立て、確かめ、繰り返し続ける(どこかで終わる)。 プロジェクトの工程 企画 計画・アーキテクチ ャ 検証 評価 終結

    (システム)開発手 法 事業企画 仮説の組み立て、実 行計画のデザイン プロジェクトの実行 プロジェクトのモニ タリング、分析、予 測、コントロール ナレッジの登録 事業の 解決したい課題 解決の仮説 (アーキテチャ) 解決の全体計画 仮説を実現する プロジェクト 仮説を実践した結果 プラクティスの 記録、引き継ぎ スコープを決め ステークホルダと 合意する アウトプットの 作り方を確立する アウトプットを作る プロジェクトを 継続するか 中止の判断をする 次のプロジェクトの ためにログを残す スコープと達成の評価 目的と達成の評価 ゴール(目的)設定 (工程ごとの目的) 工程ごとにアクティビテ ィする枠組み (目的達成の作業) 継続する場合は戻る
  11. 作業プロセスのアクティビティってわかんないんだけど? ゴールを決めればアウトプットは決められる。決められないなら仮説を立てて確か める。アウトプット、仮説を分解した(逆算した)作業がアクティビティ。 プロジェクトの工程 企画 計画・アーキテクチ ャ 検証 評価 終結

    (システム)開発手 法 事業企画 仮説の組み立て、実 行計画のデザイン プロジェクトの実行 プロジェクトのモニ タリング、分析、予 測、コントロール ナレッジの登録 実現したいToBeを構成 するアウトプットを決 める。 アウトプットを分解→ 部品を作る→再構成す る作業に分解して、こ れならできそうと確信 できるまでやる。 実際に分解→部品を作 る→再構成する作業を 行う。 実行をモニタリングし、 期待からずれている場 合は軌道を補正するか、 プロジェクトを中止す る。 後世に記録として残し、 同じ轍を踏ませない。 残すために記録するチ ャンク、観点を最初に 決めておく。 スコープを決め ステークホルダと 合意する アウトプットの 作り方を確立する アウトプットを作る プロジェクトを 継続するか 中止の判断をする 次のプロジェクトの ためにログを残す アクティビティ (目的達成の作業) 工程のアウトプットを アクティビティに 分解するときの観点
  12. 開発手法にプロジェクトマネジメントって関係するの? 開発手法の作業プロセスは実証されていないから、おかしな方向に進まないように 観点を設けてモニタリングとコントロールするのがプロジェクトマネジメント。 プロジェクトの工程 企画 計画・アーキテクチ ャ 検証 評価 終結

    (システム)開発手 法 事業企画 仮説の組み立て、実 行計画のデザイン プロジェクトの実行 プロジェクトのモニ タリング、分析、予 測、コントロール ナレッジの登録 プロジェクトマネジ メント 立ち上げプロセス 計画プロセス 実行プロセス 監視、コントロール プロセス 終結プロセス スコープを合意したか ステークホルダの支援 は得たか 仮説(アーキテクチ ャ)を作ったか 仮説を実現する計画を 立てたか 体制構築できたか リスク評価と対策を行 なったか 調達の段取りをしたか 計画(QCDS)通り崇高 しているか コミュニケーションは 取れているか リスクコントロールで きているか 調達はできているか スコープはコントロー ルできているか 計画(QCDS)の範囲か コミュニケーションは 機能しているか リスクの増減はないか 調達に問題はないか lessons learnedのまとめ ステークホルダへの報 告 計画どおり進捗しているか 心配事なことを モニタリング
  13. ちょっと休憩(ここまでのまとめ) 開発手法を適用するプロジェクトを確実に終わらせたい。だからプロジェクトをコ ントロールする目的でプロジェクトをマネジメントする。 プロジェクトの工程 企画 計画・アーキテクチ ャ 検証 評価 終結

    (システム)開発手 法 事業企画 仮説の組み立て、実 行計画のデザイン プロジェクトの実行 プロジェクトのモニ タリング、分析、予 測、コントロール ナレッジの登録 プロジェクトマネジ メント 立ち上げプロセス 計画プロセス 実行プロセス 監視、コントロール プロセス 終結プロセス 工程ごとのゴール(目的)の設定 アウトプットを分解してアクティビティにする枠組み アクティビティに分解する観点 計画どおりに進捗しているか心配事をモニタリング
  14. アクティビティは外部からアクティビティに制限を受ける場合は制約条件、自分で 仮定を設ける場合、前提条件という。条件を回避するために手法を取り入れる。 アクティビティに条件が付いてまわって?なんだけど? プロジェクトの工程 企画 計画・アーキテクチ ャ 検証 評価 終結

    ツール&テクニック (システム)開発手 法 事業企画 仮説の組み立て、実 行計画のデザイン プロジェクトの実行 プロジェクトのモニ タリング、分析、予 測、コントロール ナレッジの登録 課題したいけど予算… 他部門の協力が… 仮説の立て方、制度設 計の勘所がわからない 推進方法、リーダシッ プがわからない 評価の観点、指標、切 り口がわからない 始めるときに参考情報 がなかった
  15. 制約条件を回避したり前提条件を充足するために、ツールやテクニックなどの手法 やプラクティスを使うことで、リスクを低減したり生産性を向上させる。 アクティビティを作ってみたら終わりそうにないんだけど? プロジェクトの工程 企画 計画・アーキテクチ ャ 検証 評価 終結

    ツール&テクニック プレゼン、交渉 問題分析、シナリオ 分析 リーダーシップ、統 計的サンプリング、 データ分析、費用便 益分析 特性要因図、チェッ クリスト、バーンダ ウンチャート、パフ ォーマンス分析 フィードバック、ふ りかえり (システム)開発手 法 事業企画 仮説の組み立て、実 行計画のデザイン プロジェクトの実行 プロジェクトのモニ タリング、分析、予 測、コントロール ナレッジの登録 目的の実現で得る便益 の訴求、関係性を可視 化する手法を使う 調査や分析、実現した いToBeへのシナリオの 建てつけの手法を使う スコープの実現性に適 した開発手法を選択す る 評価者の立場で知りた い定量、定性の状態を 計測できる手法を選ぶ 知りたかった情報の粒 度で情報を残す
  16. 制約条件や前提条件をクリアするためにツール&テクニックを導入する背景には実 現が容易くない事情があり、それと対峙し続けるマインドの制御が必要。 回避したり対策するの正直しんどくない? プロジェクトの工程 企画 計画・アーキテクチ ャ 検証 評価 終結

    マインドセット ツール&テクニック プレゼン、交渉 問題分析、シナリオ 分析 リーダーシップ、統 計的サンプリング、 データ分析、費用便 益分析 特性要因図、チェッ クリスト、バーンダ ウンチャート、パフ ォーマンス分析 フィードバック、ふ りかえり ロジック作ったり 想定問答考えたり 情報集めたり 業務を設計したり チームビルディングし たり、段取りしたり、 人を動かしたり 期待どおりか確かめた り、うまくいっていな いとリカバリしたり 自分のときにはなかっ たのにやるの
  17. プロジェクトの最大のリソースは人的リソースであり、プロジェクトチームのパフ ォーマンスを引き出すためは同じ価値観で邁進する土壌を醸成することが必要。 正解はないのにどうやってマインドを保つ? プロジェクトの工程 企画 計画・アーキテクチ ャ 検証 評価 終結

    マインドセット 考え方の枠組み、思考様式、心理状態、暗黙、思い込み、価値観、信念、基準 組織構成、ビジョン、歴史、情報の伝え方、意思伝達、スピード、役割、技能、知識 ツール&テクニック プレゼン、交渉 問題分析、シナリオ 分析 リーダーシップ、統 計的サンプリング、 データ分析、費用便 益分析 特性要因図、チェッ クリスト、バーンダ ウンチャート、パフ ォーマンス分析 フィードバック、ふ りかえり 本質的な目的の設定 カルチャーを踏まえた 実現性の高いデザイン オープンな価値観の共 有と意思決定 客観的な基準による評 価と情報の提供 give backの精神