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AIが高度になった時代の、人間の考え方の作法|VEの思考プロセスに、AIをどう組み込むか

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 AIが高度になった時代の、人間の考え方の作法|VEの思考プロセスに、AIをどう組み込むか

2026年10月20日、バリュー・カンファレンス2026(パシフィコ横浜)で行った石井力重の講演スライド(全67枚)。

生成AIに答えを出してもらうだけでなく、人間自身の思考を深めるための使い方を考えます。

「隙のあるアイデア」による人の発想の引き出し方、AIに思考を委ねきることのリスク、WhatとHowの役割分担、評価で新規性を守る視点、VEの機能から発想するPOF(Pivot on Function)などを紹介します。

講演時点の研究・実践知をもとに構成した公開用資料です。質疑応答の部分は掲載していません。

講演者:石井力重(アイデアプラント代表/早稲田大学非常勤講師)

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石井力重

October 20, 2026

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Transcript

  1. 講師紹介 「創造性 「創造性とと AI」の研究者 Amazon総合ランキング ※2025/10/7 1位 11万部 石井力重 突破

    アイデアプラント 代表 早稲田大学 非常勤講師 日本創造学会 元 理事 Waseda University 早稲田大学 台湾版 16
  2. AIは使っている。 でも、自分の思考が 深まっている 実感がない・・・。 自分たちだけで 考えていると、 どうしても似たような 発想に行き着いてしまう。 AIが便利なのはわかる。 でも、明日のVE業務で

    どう使えばいいのか? 今日の講演は「AI・VE」のテクニック的な話よりも、 考える仕事で、「AIをバディーにしてどう自分の思考を高めるか」、をぎゅっとお話しします。 +少し具体も。 18
  3. 技法3「隙のあるアイデア」 AIのアイデアは “ つるん ” としている。 AIに「隙のある アイデアを出して」 と指示すると・・・ 小さく

    まとまってて 欠けのある 未成熟な アイデアが出る。 「アリだけど、 だめだな」 という感覚がある。 手をかけるところが ないので、登れない。 それを見ると 自然と ツッコミを 入れつつ 発展案も 出てくる 24
  4. お題:「床を這う延長コードやホースにつまずかないようにする」 プレーンな指示 (=「〇〇のアイデアを出して」) 隙のあるアイデア (でAIが出したアイデア群) 01 床用ケーブルカバーを設置する 01 コードを、ヘビみたいに動けるようにする 02

    コード・ホースを壁際に通す 02 コードをまたぐと、ちょっと得をする 03 床に目立つ色のラインを引く 03 床に、コード専用の川をつくる。 まあ・・・そうだろうな (考えてたよ) 川?? …あ! 川って飛び石があるなあ。 だったら、コードの川にも飛び石を置いて、 そこを踏んで渡る、とか? 同じお題、同じAIモデルでも、答えは変わる そして人は、『未成熟な案 派生案が浮かびやすい』
  5. あえて未成熟な案を出せる 「隙のあるアイデア」 AIのアイデアは “ つるん ”としている。 AIに「隙のあるアイデアを出して」 と指示すると・・・ 小さくまとまってて 欠けのある未成熟な

    アイデアが出る。 「アリだけど、だめ」 という感覚がある。 それを見ると 自然とツッコミを入れつつ 発展案も出てくる 手をかけるところが ないので、登れない。 AIを使って「人が」考える 、ってこうかー。 、、、か。 人の創造性を引き出すように、使う 「AIに考えてもらう 」ーーのではなく 「AIと一緒に考える 」。 27
  6. …実は、なります。 野放図に使うと。 認知的降伏 AI に 「 考えさせるだけ」 の落とし穴❶ 創造的自己効力感 戦略の同質化

    の低下 AI に 「 考えさ せるだけ」 の落とし穴❷ AI に 「 考えさ せるだけ」 の落と し穴❸ 30
  7. 「 AI に考えさせるだけ」の落とし穴 ❶ 「2回に1回誤答する」ように 調整されたAIで実験。 被験者がAIに相談した場面では、 誤答の約8割を、 そのまま最終回答にした。 かつ

    回答への自信は (AIなし群 65% に対し) AIを使える群 77% であった。 「自分の回答は正しい」という 感覚が強まっていた。 「認知的降伏」 (「AIが言うなら正しい」 ー 無意識の思考停止) 出典 : Steven Shawら(University of Pennsylvania, USA) “Thinking—Fast, Slow, and Artificial” (SSRN, 2026年2月) 31
  8. 「 AI に考えさせるだけ」の落とし穴 ❷ シンガポール国立大学のJack McGuireら Establishing the importance of

    co-creation and self-efficacy in creative collaboration with artificial intelligence (Scientific Reports 2024年8月) 「人だけで考えた」ケース、および「人とAIが共に考えた」ケースに比べ、 「AIだけが考えた」ケースでは、創造力も、創造的自己効力感も低下した 「創造的自己効力感の低下」 (自信を失っていく) 32
  9. 「 AI に考えさせるだけ」の落とし穴 ❸ ペンシルベニア大学 のLennart Meinckeら “ChatGPT decreases idea

    diversity in brainstorming” ( Nature Human Behaviour, 2025 年5 月) 個々のアイデアの創造性を向上させる一方で アイデアのプール全体の多様性を著しく低下させる 「戦略の同質化」 (似たり寄ったりのものを開発してしまう) 33
  10. How が豊富になるほど、What の希少性が上がる How What どう実現するか AIで豊富に手に入る 何を実現したいか 「 」を立てることが重要になる

    「これ、なんでかな?」 (疑問を感じる 洞察する) 「こうだったらいいのに」 (理想状態を想起できる) 40
  11. 新規性には、2つの「世界」がある 閉じた世界の新規性 開かれた世界の新規性 領域・比較対象が、だいたい決まっている 先例・枠組みそのものが、まだ定まっていない 既知との差分 → AIが強くなる その差分の〈意味〉 →

    人の判断 文献・特許・既存案との類似/差分は、 AIに任せやすい。 比較する「既知」がない → AIは不安定 「何か違う」を感じる → 直感的に見出す 新しい文脈・可能性の〈価値〉は、 人が感じ取りにいく。 AIは〈差分〉に強くなる。 人は〈意味・価値〉を主導する。 47
  12. 形を忘れる → 機能から飛ぶ → 現実へ戻して育てる Step1: ものを 「 機能」 に翻訳する

    Step2: 機能か ら代替手段を大量に発想する AI を 使う なら Step3: 案を 組み合わせ、 価値の高い案へ育てる AI を 使う なら AI を 使う なら 55
  13. Step3: 案を組み合わせ、価値の高い案へ育てる • 案が出そろうと案の「◦×判定」をしたくなるが、そうはしないこと。 • 有望な案の具体化を考えてみる。どの案にも弱点はある。そこで 「A案の保持方法の弱点を、B案の密閉原理を使って、 カバーできないか?」と考え、発展案も出す。 • ここでは批判禁止(ブレスト環境)とは異なり、『建設的批判』(より良くするために欠点を指摘し、

    「プラス・ストーミング」を行う。 発展余地を提供する発言)をOKにした ◆プラス・ストーミング:=ブレストの第1ルール「批判禁止」を下ろし、「建設的批判OK」にしたもの。 他の3ルール「量を求める、未成熟な案を歓迎する、便乗する」は継続。 石井命名。 60
  14. AIを使うなら • まず人力で列挙する。 技法22「案の組み合わせ」応用版 AIに、意外な組み合わせを考えさせる。 ―――――――――――――――――――――――――――― <(ここにアイデアリストを入れる)>これまで出たアイデアから、 普通なら組み合わせようと思わないものも選び、融合案を考えて ください。人間がさらに発想を広げられるよう、意外性のある組 み合わせも積極的に示してください。

    • AI技法22「案の組み合わせ」の応用版↑で、 人間だと組み合わせようと思えない組み合わせの案を出させる。 • それらを見ていくと、人は「概念適用の柔軟さ」をあげられる。 • その感覚を援用して「他にも組み合わせの案ができないか」と、 考えてみる。 • ※ なおこのフェーズにつきものの「評価作業」まわりは、AI使用は慎重に。 気づかないうちに、AIが斬新案を落とすことがある。(理由は先述) 61
  15. まず、自分の中を振り返る [1分] この講演を思い返して、以下の2つを、メモしてください。 ① 一番、持ち帰りたいことは? 「これは仕事で使えそう」 「考え方が少し変わった」 「これは覚えておきたい」 ② まだ、引っかかっていることは?

    「ここは、まだよく分からない」 「本当にそうかな?」 「自分の仕事では、どう使うんだろう」 きれいにまとめなくて結構です。今日、自分の中に残ったものを、拾ってください。 63