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生成AIを使って「人が」考える技術 ― AI時代の人機共想と実践ノウハウ|UNITT AC2026

生成AIを使って「人が」考える技術 ― AI時代の人機共想と実践ノウハウ|UNITT AC2026

UNITT Annual Conference 2026「知財・技術移転業務における生成AI活用のリアル ~『知っている』から『現場で使いこなす』へ~」での話題提供資料です。
生成AIを使うとき、AIに「考えてもらう」だけではなく、人が主導権を持ちながらAIと一緒に考えるにはどうすればよいか。AI利用に伴う「認知的降伏」「創造的自己効力感の低下」「戦略の同質化」といった落とし穴を踏まえつつ、「人機共想」という考え方、創造性を引き出す「隙のあるアイデア」、AIの実力を引き出す指示の仕方、良い作業からプロンプトを収穫する方法などを紹介します。
AIが賢くなるほど、大事になるものがある。その力は何かを見極める。AIを使って速く仕事をするだけでなく、人の思考や創造性をどう残し、どう磨いていくかを考えるための資料です。
石井力重|アイデアプラント代表/早稲田大学 非常勤講師/『AIを使って考えるための全技術』著者

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石井力重

October 01, 2026

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Transcript

  1. UNITT AC2026 AIセッション 話題提供1 知財・技術移転業務における生成AI活用のリアル ~「知っている」から「現場で使いこなす」へ~ 生成AIを使って考える技術 ⚫ 日時:2026年10月1日 9:00~11:00

    (のうち、石井パート15分間) ⚫ 場所:横浜国立大学 常盤台キャンパス ⚫ 講師:石井力重(アイデアプラント代表/早稲田大学非常勤講師)
  2. 講師紹介 「創造性 「創造性とと AI」の研究者 Amazon総合ランキング ※2025/10/7 1位 11万部 石井力重 突破

    アイデアプラント 代表 早稲田大学 非常勤講師 日本創造学会 元 理事 Waseda University 早稲田大学 台湾版 4
  3. …実は、なります。 野放図に使うと。 認知的降伏 AI に 「 考えさせるだけ」 の落とし穴❶ 創造的自己効力感 戦略の同質化

    の低下 AI に 「 考えさ せるだけ」 の落とし穴❷ AI に 「 考えさ せるだけ」 の落と し穴❸
  4. 「 AI に考えさせるだけ」の落とし穴 ❶ 「2回に1回誤答する」ように 調整されたAIで実験。 被験者がAIに相談した場面では、 誤答の約8割を、 そのまま最終回答にした。 かつ

    回答への自信は (AIなし群 65% に対し) AIを使える群 77% であった。 「自分の回答は正しい」という 感覚が強まっていた。 「認知的降伏」 (「AIが言うなら正しい」 ー 無意識の思考停止) 出典 : Steven Shawら(University of Pennsylvania, USA) “Thinking—Fast, Slow, and Artificial” (SSRN, 2026年2月)
  5. 「 AI に考えさせるだけ」の落とし穴 ❷ シンガポール国立大学のJack McGuireら Establishing the importance of

    co-creation and self-efficacy in creative collaboration with artificial intelligence (Scientific Reports 2024年8月) 「人だけで考えた」ケース、および「人とAIが共に考えた」ケースに比べ、 「AIだけが考えた」ケースでは、創造力も、創造的自己効力感も低下した 「創造的自己効力感の低下」 (自信を失っていく)
  6. 「 AI に考えさせるだけ」の落とし穴 ❸ ペンシルベニア大学 のLennart Meinckeら “ChatGPT decreases idea

    diversity in brainstorming” ( Nature Human Behaviour, 2025 年5 月) 個々のアイデアの創造性を向上させる一方で アイデアのプール全体の多様性を著しく低下させる 「戦略の同質化」 (似たり寄ったりのものを開発してしまう)
  7. 技法3「隙のあるアイデア」 AIのアイデアは “ つるん ” としている。 AIに「隙のある アイデアを出して」 と指示すると・・・ 小さく

    まとまってて 欠けのある 未成熟な アイデアが出る。 「アリだけど、 だめだな」 という感覚がある。 手をかけるところが ないので、登れない。 それを見ると 自然と ツッコミを 入れつつ 発展案も 出てくる
  8. 質の低い細かな指示は、 AIの足を引っ張る もっと良いやり方があっても、 AIはまず「言われた通り」 にやろうとする。 “やり方”まで、 AIに考えさせる 人を動かしてきた経験は、 AIにも効く 「本質的には、これがしたい。

    どう頼めば、 いちばん力を発揮できる?」 優秀な人に仕事を任せる時の まず、そう聞く。出てきた指示文 を、手直しして、AIに使う。 「何を求め、どこまで任せ、 どう見るか」。 その感覚は、AI活用にも活きます。 AIの力を引き出す のは、「思い付きで出す細かな指示」より 「目的を示し、考えさせ、見極めること」 24
  9. 技法2「10倍の目標」 実現した状態を 複数想像する 通常のほどほどの 目標・課題に 対しては、 実現可能な妥当な案しか 浮かばないもの。 ↓ いったん

    普通のやり方では 達成できない難題 にする。 (極端に高い目標に変える) そうなると 今の延長線上にある 普通のやり方では無理なので 奇策や極端な案を 考えざるを得ない 現実に引き戻し、 浮かんだ着想を 「元の課題」に用いると 従来にないアプローチで しかし、 実現可能な案に。 42
  10. そこで 二人(Pair)でAIを使う (パイ) PAI スタイル AIの出力を見ながら 面白い材料を拾って・・・ ↓ 「この切り口は面白い」 ↓

    「あ、いいね。 そこから展開すると、 ••って、どうかな?」 ↓ それらをAIに入れていく。
  11. AI 人間2 人 (刺激剤) (主導権) 1:1 2:1 のパワーバラン AIのリードに流されなくなる そのうちに認知資源も枯渇し、AIだけが考えている状態

    つまり「Solo-AI」状態へシフトダウンしてしまう。 AIの答えや提案に「これ、違うよね?」と、 考えている方向を口にしながら、進んでいく。
  12. 生成AIと考えるときの「手の動かし方」で効果が変わる ※約90名規模の実験で見えた創造 A 画面でラリー 画面内で、そのまま AIとの対話を続ける 15分間の アイデア出しで: 15往復 B

    コピペ&マーカー C 紙へ手書き 人間が「拾う、塗る、打つ」 ひと手間を入れる 出力を眺め、 単語や着想を自分の手で書く 12往復 2~3往復
  13. 生成AIと考えるときの「手の動かし方」で効果が変わる A 自己評価 の傾向 画面でラリー B コピペ&マーカー C 紙へ手書き 画面内で、そのまま

    AIとの対話を続ける 人間が「拾う、塗る、打つ」 ひと手間を入れる 出力を眺め、 単語や着想を自分の手で書く 飛躍も情熱も少ない 創造的飛躍↑ 記憶と情熱↑ 15往復 12往復 2~3往復 高速・手軽だが、 発想の刺激に しにくい やや高速で 多様な刺激を受ける 低速だが、翌日、熱意を もって語れる(自分の考えになる) AIの出力を「受け取る」だけでなく、自分で摘み取り、手を動かして記録する ※約90名規模の実験で見えた創造性への影響 (2026年、石井力重)