Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
生成AIとの付き合い方 / Generative AI and us
Search
kaityo256
PRO
October 03, 2025
Education
3
58
生成AIとの付き合い方 / Generative AI and us
講義のガイダンス
kaityo256
PRO
October 03, 2025
Tweet
Share
More Decks by kaityo256
See All by kaityo256
モンテカルロ法(3) 発展的アルゴリズム / Simulation 04
kaityo256
PRO
8
1.5k
UMAPをざっくりと理解 / Overview of UMAP
kaityo256
PRO
6
2.6k
SSH公開鍵認証による接続 / Connecting with SSH Public Key Authentication
kaityo256
PRO
6
570
論文紹介のやり方 / How to review
kaityo256
PRO
17
86k
デバッグの話 / Debugging for Beginners
kaityo256
PRO
15
1.7k
ビット演算の話 / Let's play with bit operations
kaityo256
PRO
8
610
GNU Makeの使い方 / How to use GNU Make
kaityo256
PRO
15
5.4k
制限ボルツマンマシンの話 / Introduction of RBM
kaityo256
PRO
3
1.4k
論文の読み方 / How to survey
kaityo256
PRO
229
180k
Other Decks in Education
See All in Education
中央教育審議会 教育課程企画特別部会 情報・技術ワーキンググループに向けた提言 ー次期学習指導要領での情報活用能力の抜本的向上に向けてー
codeforeveryone
0
280
Ch1_-_Partie_1.pdf
bernhardsvt
0
390
万博非公式マップとFOSS4G
barsaka2
0
1.3k
Alumnote inc. Company Deck
yukinumata
0
2.6k
Презентация "Знаю Россию"
spilsart
0
240
2024-2025 CBT top items
cbtlibrary
0
120
HCI and Interaction Design - Lecture 2 - Human-Computer Interaction (1023841ANR)
signer
PRO
0
1.3k
ROSConJP 2025 発表スライド
f0reacharr
0
230
2025年度春学期 統計学 第11回 分布の「型」を考える ー 確率分布モデルと正規分布 (2025. 6. 19)
akiraasano
PRO
0
180
2025年度春学期 統計学 第15回 分布についての仮説を検証する ー 仮説検定(2) (2025. 7. 17)
akiraasano
PRO
0
110
ハッカソンを活用したモノづくり教育について
yusk1450
PRO
2
100
The knowledge panel is your new homepage
bradwetherall
0
140
Featured
See All Featured
XXLCSS - How to scale CSS and keep your sanity
sugarenia
248
1.3M
Fight the Zombie Pattern Library - RWD Summit 2016
marcelosomers
234
17k
jQuery: Nuts, Bolts and Bling
dougneiner
64
7.9k
Optimising Largest Contentful Paint
csswizardry
37
3.4k
What’s in a name? Adding method to the madness
productmarketing
PRO
23
3.7k
Measuring & Analyzing Core Web Vitals
bluesmoon
9
600
It's Worth the Effort
3n
187
28k
I Don’t Have Time: Getting Over the Fear to Launch Your Podcast
jcasabona
33
2.4k
Exploring the Power of Turbo Streams & Action Cable | RailsConf2023
kevinliebholz
34
6.1k
How STYLIGHT went responsive
nonsquared
100
5.8k
Put a Button on it: Removing Barriers to Going Fast.
kastner
60
4k
Building Adaptive Systems
keathley
43
2.8k
Transcript
1 16 生成AIとの付き合い方 慶應義塾大学理工学部物理情報工学科 渡辺
2 16 生成AIとレポート 不正だから? Q:なぜ生成AIでレポートを作成してはならないか?
3 16 生成AIとレポート Q:なぜ生成AIでレポートを作成してはならないか? 不正だから? (もちろんそれもあるけど) A:学習の機会を失うから
4 16 生成AIとレポート 文章を正しく読み、正しく書くのは極めて重 要な能力であり、是非大学で学んで欲しい 生成AIに文章生成を任せてしまうと、文章を書く能 力が身につかない
5 16 生成AIとレポート AIにできることを、なぜ人間がやらないといけな いの? Q: AIの出力に責任を取れるようにするため A:
6 16 AIと仕事 上司からなにかの仕事を頼まれ、それをAIに丸投げした 仕事依頼 丸投げ 生成された仕事 そのままパス この人は、生成された結果について理解できていない
7 16 それはXだから だそうです なぜAではなく Bなのですか? AIと仕事 質問 丸投げ 回答
そのままパス 上司から仕事に関して質問されても、内容を理解していない ので全てAIに聞くことになる なぜAではなく Bなのですか? それはXだからです
8 16 それはXだから だそうです なぜAではなく Bなのですか? AIと仕事 質問 丸投げ 回答
そのままパス この人、必要なくない? 上司から仕事に関して質問されても、内容を理解していない ので全てAIに聞くことになる なぜAではなく Bなのですか? それはXだからです
9 16 AIとの付き合い方 AIの活用はOK AIによる手抜きはNG AIはどこまで使って良いのだろう?
10 16 読書感想文 全くAIを使わずに自分で書く 完全にAIに書かせる 絶対OK 絶対NG この間は?
11 16 読書感想文 全くAIを使わずに自分で書く 完全にAIに書かせる 自分で書いた文章をAIに添削させる 箇条書きで書いたものをAIに膨らませる 中心テーマをAIにいくつか提案させ、その 中から選んで書く AIに書かせたものに修正指示を出し、何度
も提出させて完成させる 絶対OK 絶対NG どこまで OK?
12 16 AIの仕事・人間の仕事 今後ますますAIができることが増えていく その全てを人間が行うのは現実的ではない 人間の仕事は以下の2つ AIの出力に責任を負うこと AIの出力に付加価値をつけること
13 16 責任を取るということ AIの活用はOK ただし、その出力に責任をとること 「どうしてここはこうなっているのですか?」 「ChatGPTがそう言っていたので」 これは絶対だめ
14 16 責任を取るということ ファクトチェックして はい、これは事実です。確かにXが原因でYと なることがあります。その理由は…… この出力が、AIがもともと持っていた知識(事実)なのか、それとも 推論なのか判別できなければファクトチェックにならない。 しかし、AI出力が事実なのか推論なのか判断できるならもともと ファクトチェックは不要
「ファクトチェックして」というプロンプトは無意味 「事実かどうか判別できる資料を教えて」などと聞いて、外部資料にあたっ てチェックする。そもそも「真実」と「嘘」の二元論で捉えず、「どの程度 確からしいか」を自分なりに分類して判断を保留すること。 「AIがこう言っていたから自分の責任ではない」は通用しない
15 16 付加価値をつけるということ AIの出力に対してリテイクを出すためには専門知識が不可欠 AIの出力の質を保証、改善する • AIが出力したコードのセキュリティホールに気づいて修正 • AIが出力したコードの計算量が無駄に大きいことに気づいて修正 •
AIが出力した文章の言葉遣いが業界では一般的でないことに気づいて修正 • 上記の問題がないことを確認してから自分の責任で提出 AIに投げるプロンプトのレベルを上げる • 「面白いゲームを作って」←誰でも思いつく • 「XとYを組み合わせたゲームを作って」←XとYを両方知らないと思 いつかない 「あなたらしさはなにか?」に答えられるようにする 「AIの出力にあなたが付加価値をつける」から 「あなたにAIが付加価値をつける」状態へ
16 16 結局、AIはどこまで使って良いの? 自分で考えてください 大事なのは「不正になるかどうか」ではなく、 「自分の学びになるかどうか」で判断すること