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最近のOpenStackを振り返ってみよう

 最近のOpenStackを振り返ってみよう

日本OpenStackユーザ会第45回勉強会資料です。

https://openstack-jp.connpass.com/event/252260/

Takashi Kajinami

July 20, 2022
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Transcript

  1. 日本OpenStackユーザ会 第45回勉強会 OpenStackコミュニティの今 • 半年サイクルによる開発は継続中。 ◦ 次期リリースは Zed。ついにアルファベット一周 • OpenStackの利用は拡大

    ◦ パンデミック下で年間 66% コア数が増加[1] • 開発コミュニティの規模は縮小 ◦ 6年間でコミット数は1/3、会社数は 1/2 ◦ 維持フェーズに入ったことが鮮明に 3 [1] https://techcrunch.com/2021/10/06/openstack-gains-new-momentum-as-deployments-increase-during-the-pandemic/
  2. 日本OpenStackユーザ会 第45回勉強会 コミット数が多いコンポーネント 4 (Newton) (Yoga) • Neutron, Nova, Cinder,

    Ironicなどのコアコンポーネントは開発が比較的活発。その他のコンポーネントは開発の規模が更に縮小 • 構築ツール(TripleO, OpenStack Ansible, Kolla, Puppet OpenStack)が相対的に上位に (Train) 取得元: https://www.stackalytics.io/
  3. 日本OpenStackユーザ会 第45回勉強会 各プロジェクトの状況 • 主要プロジェクトに大きな増減は無し ◦ Telemetry: Panko (Event API)を廃止

    ◦ Placement: Nova プロジェクトの配下に戻る • Activeなメンテナがいないプロジェクトが増加 ◦ Retired Projects: congress, karbor, qinling, searchlight, tricircle ◦ Retire していなくても休眠状態のプロジェクトもそれなりの数に上る ◦ “Inactive” の考え方を導入し、メンテナンスされていないプロジェクトを今後タグ付け • すべての参加条件を満たしていなくても、公式プロジェクトになれるように ◦ Emerging Technology のコンセプトが導入 ◦ Skyline (GUI)が第一号に (@Zed リリース) 7
  4. 日本OpenStackユーザ会 第45回勉強会 Python バージョンの変更 • Python 2.7のサポートはUssuriサイクル中に削除 ◦ Python 3.6が最低バージョンに

    ◦ SwiftとStorletsのみPython 2サポートを継続 • Zedリリースからは Python 3.8以上が最低バージョンに ◦ SwiftとStorletsのPython 2サポートも同時に終了 8
  5. 日本OpenStackユーザ会 第45回勉強会 主な機能追加・変更 地道な機能追加が中心 • 全体 ◦ ポリシーファイルのデフォルト形式が YAML に

    (policy.json -> policy.yaml) ▪ 従来から YAML も使えたが、晴れてデフォルトに。コメントが書けるなどメリット大 • Nova ◦ Placement(物理CPU・メモリ等のリソース管理 )やCyborg(アクセラレーター管理 )との連携強化 ◦ GPUなどのPCIデバイス管理機能の拡充 • Neutron ◦ ml2 + ovn が独立したリポジトリから取り込まれ、 DevStack でのデフォルトに ◦ ml2 + ovs は引き続きサポート ◦ ml2 + linuxbridge は experimental に(廃止予定) ← メンテナー募集中 • Glance ◦ マルチストア機能の拡充 • Keystone ◦ Unified limits API 追加。各コンポーネントでの Quotaの再実装は(遅いながらも)継続中 • OpenStack SDK ◦ version 1.0リリース。一部互換性が無いため注意が必要 9
  6. 日本OpenStackユーザ会 第45回勉強会 リリース名形式の変更 • これまでは Technical Committee が Release Name

    の選定を行っていたが、 候補選定、商標チェックなど Non-technical なプロセスにかなりの労力を割いていた • 次の Axxx 以降での、リリース名のあり方が議論された • 開発コミュニティでは <リリース年>.<リリース番号> の形式を採用 ◦ OpenStack 2023.1 (Axxxx) ◦ OpenStack 2023.2 (Bxxxx) • Release Name 自体は残る ◦ Open Infra Foundation が選定プロセスを運営。Marketing 側面が強いので。 • 次のリリース名の候補は下記の 3つ ◦ Anchovy - boring can be delicious! also a town in Jamaica ◦ Anteater - an animal where form clearly follows function ◦ Antelope - swift and gracious, also a type of steam locomotive • 現在投票中 7/21 6:59 UTC (日本時間 15:59) まで。投票はこちらから ◦ https://lists.openstack.org/pipermail/openstack-discuss/2022-July/029608.html 11 https://governance.openstack.org/tc/resolutions/20220524-release-identification-process.html
  7. 日本OpenStackユーザ会 第45回勉強会 アップデートパスの追加 • 1リリースをSkipしたUpdateのサポート (議論中) ◦ 現在はリリースごとの Updateのみサポート。 ▪

    複数リリース分アップグレードしたい場合は Fast Forward Upgrade (早回し) で対応 ◦ リリースをtick/tockに分類し、1つ飛ばしのUpdateを追加でサポートする ▪ Tick -> Tick の直接のアップグレードをサポート 12 tick tock 2023.1 A 2023.2 B 2024.1 C 2024.2 D 2025.1 E 2025.2 F 従来のUpdateパス 追加されるUpateパス https://governance.openstack.org/tc/resolutions/20220210-release-cadence-adjustment.html
  8. 日本OpenStackユーザ会 第45回勉強会 Community-wide Goals (コミュニティ全体での取り組み) • Consistent and Secure Default

    RBAC ◦ より細かなroleの分割(admin, member, reader, manager, service) ▪ Zedリリースではこちらの実装に注力 ◦ 操作の対象をscope(system, domain, project)により厳密に制御 ▪ ユーザ・運用者への影響が大きいことから一時凍結 • FIPS ◦ アメリカの連邦政府機関が必要とする技術要件への対応 ▪ 一部の暗号アルゴリズム (例. SHA-1)が使用不可に ◦ CentOS Stream 9を使ったCIジョブを追加し、問題を検出・修正。 ▪ UbuntuはFIPSの有効化に有償オプションが必要になるため Upstreamでは現状未試験 13
  9. 日本OpenStackユーザ会 第45回勉強会 イベント予定 パンデミック下でバーチャル開催だったイベントも順次in-personで再開 • OpenInfra Summit ◦ https://openinfra.dev/summit/ ◦

    Berlin 2022: 2022/6/7-9 (終了) • Project Teams Gathering ◦ https://openinfra.dev/ptg/ ◦ Ohio, United States: 2022/10/17-20 バーチャルイベントも継続中 • Open Infra Live ◦ 木曜 1400UTC (不定期) - Open Infra Newsletter で開催案内 ◦ https://openinfra.dev/live/ 14
  10. 日本OpenStackユーザ会 第45回勉強会 余談: CentOS のサポート状況 • コミュニティ ◦ Train :

    7 ◦ Ussuri : 8 ◦ Victoria : 8 ◦ Wallaby : 8 ◦ Xena : 8 Stream ◦ Yoga : 8 Stream, Stream 9 ◦ Zed : Stream 9 基本的に開発中に利用可能なものを選定 15 (*1) CentOS8向けビルドは EOL(2021/12/31)のためサポート終了 (*2) W, Xも”何故か"CentOS Stream 9向けのビルドが提供されている • RDO(*1)(*2) ◦ Train : 7, 8, 8 Stream ◦ Ussuri : 8, 8 Stream ◦ Victoria : 8, 8 Stream ◦ Wallaby : 8 Stream ◦ Xena : 8 Stream ◦ Yoga : 8 Stream, Stream 9 ◦ Zed : Stream 9 CentOS 8をサポートするリリースは CentOS 8 Streamをサポート