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ケース面接対策「フェルミ推定の罠」~フェルミは因数分解にあらず

kanata
February 04, 2020

 ケース面接対策「フェルミ推定の罠」~フェルミは因数分解にあらず

戦略コンサルに転職する上で、避けては絶対に通れない「フェルミ推定」の解説書の決定版である。
「考えるエンジン講座」の代表である、タカマツが描いた力作。

ここでは、次の5つのステップで進んで行きます。

1. まず、問題を解いてみる
2. 様々な問題の回答例を見てみる
3. フェルミ推定で陥りがちな「6つの罠」を知る
4. フェルミ推定で陥りがちな「6つの罠」を知った上で、回答例への指摘をじっくり読む
5. 回答例に自分で指摘をする

フェルミ推定を攻略したい気持ちがあるのであれば、前から順に、じっくり読み進めていってください。

kanata

February 04, 2020
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  1. - 1 - はじめに フェルミ推定とは 日本のコインロッカー市場規模はどのくらいか? といったお題に対し、5~10分で“〇〇億円!”と数字を出す、典型的なケース面接の一つです。 苦手だ!!という方、多いのではないでしょうか? 嬉しいことに昔より“コンサルタント”という職業が市民権を得て、コンサルタントへの転職が メジャーになったことで、「箸にも棒にもかからん」の方も受けるようになりました。

    実は、少し前であれば、「新卒」にしか出なかったフェルミ推定ですが、その足切りも兼ねて、 ケース面接の序盤に出されることが多くなっています。 だから、フェルミ推定対策は必要。 そして、ケース面接のためだけでなく、実際にコンサルタントになってからも「フェルミ推定」 に必要な頭の使い方は重要。実際にBCGライフの8年間でも、何度か、市場規模を推計してき ました。 だから、コンサルタントになってから活躍する上でも「正しく」理解しておいたほうがいい。 ここでは「考えるエンジン講座」受講生が門を叩いたばかりの時に導き出した「おかしな回答」 を例に挙げながら苦手だと感じている方が多い、フェルミ推定の解き方、また、ハマってしまい がちな罠について紹介していきたいと思います。
  2. - 6 - 回答例 - フェルミ推定!しなさい(1) 「日本に温泉旅館は何軒くらいありますか?」 日本にある温泉旅館はだいたい6000軒です。 どうやって計算したかというと、 1年間で何人の客が日本の温泉旅館を利用するか÷旅館1軒あたりの1年間で客が利用

    する人数です。1年間で温泉旅館を利用する客は1億2000万人、1軒あたりの1年間で 客が利用する人数は20000人です。 もう少し説明すると、議論となるのは、1軒あたりの1年間の客の利用人数で、もう 一段回分解すると、温泉旅館の1軒あたりの部屋数×その部屋の収容人数×温泉旅館 の稼働率、さらにいうと、1軒あたりの部屋数は、温泉旅館の階数×温泉旅館の1階 あたりの部屋数、で算出します。それぞれ説明すると、温泉旅館の階数はだいたい 5階、温泉旅館の1階あたりの部屋数はだいたい10部屋、その部屋の収容人数は2人、 温泉旅館の稼働率は6割(平日を5割、休日を9割とした平均)、1年間で温泉旅館を 利用する客は1億2000万人(日本人一人が年間に必ず1回は温泉旅館に行く、とする)、 なので、日本の温泉旅館はざっくりいうと、12000万人÷(5階×10部屋×2人 ×60%×1年)=約6000軒、となります。
  3. - 7 - 回答例 - フェルミ推定!しなさい(2) 「東京都内ではタクシーは何台あると考えられますか?」 東京都内にあるタクシーは約5万台あると考えられます。 どうやって計算したかというと、東京都内で夜間に駅で客待ちしているタクシーの 台数×東京の駅の数×2(昼間と夜間で2交代制であると仮定)です。東京都内で夜間

    に駅で客待ちしているタクシーの台数は40台、東京の駅の数は600です。 もう少し説明すると、議論となるのは、東京都内で夜間に1駅あたりの客待ちして いるタクシーの台数で、もう一段回分解すると、東京都内の駅の出口の数×東京都 内の駅の出口に夜間客待ちしているタクシーの台数であり、さらにいうと、東京都 内の駅の出口に夜間客待ちしているタクシーの台数は、12-1時の客待ちのタクシー 台数+1-5時の客待ちのタクシー台数で算出します(始発から終電まで)。 時間帯によって台数が大きく異なるため場合分けしました。それぞれ説明すると、 東京都内の駅の出口の数は2つ、1つの出口ごとに客待ちしているタクシーの台数は 12-1時の客待ちのタクシー台数が10台、加えて1-5時の客待ちのタクシー台数10台 =20台となります。よって、東京都内で夜間に1駅あたりの客待ちしているタクシー の台数は40台。なので、東京都内にあるタクシーの台数はざっくりいうと、 40×600駅(品川区の人口40万人あたり20駅あることから、人口2万人に一駅あると 計算)×2=約5万台と考えられます。
  4. - 8 - 回答例 - フェルミ推定!しなさい(3) 「携帯電話保険事業の粗利率はいくらか?」 携帯電話の保険事業の粗利率は70%と想定します。 この事業は加入者からの支払い料金が売上、携帯破損時の新品提供・修理費用が コストで差分が粗利益という収益構造となっています。

    考え方として、月額の売上2,000万円に対し、新品提供・修理費用等のコスト800万 円がかかっており、粗利益1,200万円、粗利率60%と算出しました。 それぞれ説明すると、まず売上は、保険加入者を10,000人、月額の支払い料金を 平均2,000円にて2,000万円と算出しました。 次にコストですが、まず交換対応は、1年に1回交換依頼があると仮定して10,000人 ×1/12=800回あるとします。1回あたり、新品提供は15,000円、修理は5,000円とし ます。修理で対応できる割合が50%とすると、コストは400回×15,000円+400回 ×5,000円=800万円と算出しました。 従って、粗利益は売上2,000万円-コスト800万円=1,200万円(60%)となります。
  5. - 9 - 回答例 - フェルミ推定!しなさい(4) 「携帯電話の事業の粗利率はいくらか?」 まずは事業の粗利率についてお答えします。粗利率は約8割と推定されます。 考え方としては、売上は保険料であり、対応するコストは修理に使用する部材と 交換するときの端末原価ですが、保険料を支払っている加入者のうち、携帯を

    壊す人の割合と、その結果修理となる割合と交換となる割合を考慮してコストを 算定しました。 具体的には、保険料の方は月額500円と仮定し、保険期間を2年とすると合計保険料 は12,000円です。一方で、加入者のうち機種変更前に携帯を壊す人の割合を5人に 1人と仮定します。また、携帯を壊した加入者のうち、修理で済む人と全交換となる 人の割合を半々とします。修理にかかるコストを5,000円、機種交換にかかるコスト を20,000円と仮定すると、確率を考慮した想定コストは2,500円となります。 従い、粗利率は約8割となります。
  6. - 14 - 罠2=因数分解したぜ、どや!!! じゃ、どうすればいい? 複数の因数分解、だいたい2つくらい案を考えて、そのうち、先を見越して、選択する。 例えば、温泉旅館でいえば、 A:温泉にいくのべ回数 ÷ 1つの温泉旅館の年間キャパシティ

    B:温泉街の数 × 1つの温泉街にある温泉旅館の数 一見、Aの方がいいと考えがちですが、「温泉にいくのべ回数」っていうのが本当にやっかい で、結局、「自分は年2回行くので、2回と置きました」的、主観的になってしまう。 ので、この場合はBのほうがいい。 もう少し説明すれば、相手に温泉旅館数の算出方法を説明したときに、どちらが 「ピンと来てくれるか?」が大事。だから、Bのほうがピンとくるし、数字も置きやすい。 しかし、大切なのはあくまで「2つ以上、因数分解を考えて、どっちがいいかな?」と考える こと。それこそが、「頭を使う」ってことになる。作業ではなくね。そこは、お間違えなく。 決して、論点を間違えない。 「いかに、正しい数字を出すか?」ではなく「いかに、ピンとくる数字を出すか?」なのです。 罠6 罠5 罠4 罠3 罠2 罠1
  7. - 15 - 罠3=因数分解バカっ 因数分解を “こまかく” したら、いいんでしょ? これも多い。因数分解の価値は「細かさ」=どんだけ、因数に分解されているか?と 思っているひとが、まぁ、多い。これは間違い。 さらに、問題なのが、因数分解しまくっている部分で誰もが因数分解を「しやすい」ところ

    ばかりをやる。その中でも一番多いのは、日本の人口=1億2千万人から始まって、年代に 分けて、男女に分けてと、あたかも、それを時間をかけまくり、すごいでしょ!的な感じ。 さぶい。さぶいよ。 そんなの誰でもできるから! 大事なのは「どのように因数分解をするか?」 そこに「頭の使い方」が表れるわけです。 議論になる=クライアント(=ケース面接でいう“面接官”)が 「この数字、どうやって出すんだろうな?難しいな・・」 ってところを分解すべき。 では具体的に「どのように因数分解をするか?」を説明していきます。 罠6 罠5 罠4 罠3 罠2 罠1
  8. - 16 - 罠3=因数分解バカっ どのように因数分解をするか?① 例えば、回答例 - フェルミ推定!しなさい (1)「日本に温泉旅館は何軒くらいありますか?」 でいえば「温泉旅館を利用する客」を分解しなければなりません。

    もちろん、「旅館1軒あたりの1年間で客が利用する人数(⇒これより、旅館のキャパシティに したいけど)」のほうが簡単だし、ピンとくる。 だからこそ、相手にとっても知りたい=議論になる「温泉旅館を利用する客」を頑張って 分解してほしいということ。 なので、先ほど紹介した下記の回答が、いかに残念か?がわかるはずです。 罠6 罠5 罠4 罠3 罠2 罠1 【回答例】 日本にある温泉旅館はだいたい6000軒です。 どうやって計算したかというと、 1年間で何人の客が日本の温泉旅館を利用するか÷旅館1軒あたりの1年間で客が利用する人数です。1年間で温泉旅館を利用する客は 1億2000万人、1軒あたりの1年間で客が利用する人数は20000人です。 もう少し説明すると、議論となるのは、1軒あたりの1年間の客の利用人数で、もう一段回分解すると、温泉旅館の1軒あたりの部屋数× その部屋の収容人数×温泉旅館の稼働率、さらにいうと、1軒あたりの部屋数は、温泉旅館の階数×温泉旅館の1階あたりの部屋数、 で算出します。 それぞれ説明すると、温泉旅館の階数はだいたい5階、温泉旅館の1階あたりの部屋数はだいたい10部屋、その部屋の収容人数は2人、 温泉旅館の稼働率は6割(平日を5割、休日を9割とした平均)、1年間で温泉旅館を利用する客は1億2000万人(日本人一人が年間に必ず1回 は温泉旅館に行く、とする)、なので、日本の温泉旅館はざっくりいうと、12000万人÷(5階×10部屋×2人×60%×1年)=約6000軒、 となります。
  9. - 17 - 罠3=因数分解バカっ どのように因数分解をするか?② 次に、回答例 -フェルミ推定!しなさい(3)「携帯電話保険事業の粗利率はいくらか?」で いえば因数分解すべきは「加入者からの支払い料金」や「修理費用」ではなく、「修理頻度」 です。 この「修理頻度」こそが、今回の論点であり、議論になるポイントです。

    なので、先ほど紹介した下記の回答が、いかに残念か?がわかるはずです。 罠6 罠5 罠4 罠3 罠2 罠1 【回答例】 携帯電話の保険事業の粗利率は70%と想定します。 この事業は加入者からの支払い料金が売上、携帯破損時の新品提供・修理費用が コストで差分が粗利益という収益構造となっています。 考え方として、月額の売上2,000万円に対し、新品提供・修理費用等のコスト800万円がかかっており、粗利益1,200万円、粗利率60%と 算出しました。 それぞれ説明すると、まず売上は、保険加入者を10,000人、月額の支払い料金を 平均2,000円にて2,000万円と算出しました。 次にコストですが、まず交換対応は、1年に1回交換依頼があると仮定して10,000人×1/12=800回あるとします。1回あたり、新品提供は 15,000円、修理は5,000円とします。修理で対応できる割合が50%とすると、コストは400回×15,000円+400回×5,000円=800万円と 算出しました。 従って、粗利益は売上2,000万円-コスト800万円=1,200万円(60%)となります。
  10. - 18 - 罠4=勘、かよっ 分解したら、あとは「勘」で数字を置く 実に、これまたハマっている人が多い。 なぜかというと、罠1、罠2にハマって、エネルギーを「因数分解」に取られ、 「どんな数字を置けばいいか?」まで、意識も時間も使えてないから。 だから、肝心のところを「勘」でおく。 1年間で温泉旅館を利用する客は1億2000万人。

    日本人一人が年間に必ず1回は温泉旅館に行く、とする。 ちょいまてぃ! となるのだ。そこ、そこを考えろ!って言っているのに、そこを「~とする」ではない。 ここが「腕の見せ所」。 罠4にはまらないために、一つ、フェルミ推定!の定義に原点回帰してみましょう。 罠6 罠5 罠4 罠3 罠2 罠1
  11. - 19 - 罠4=勘、かよっ フェルミ推定!の定義に原点回帰 フェルミ推定!とは、 未知の数字を論理と常識をよりどころに、 推定する問題である この定義は「外資系コンサルの面接試験問題過去問で鍛える地頭力」(東洋経済新報社)に記載されているものである。 つまり、「常識をよりどころに」するしかないのです。

    だから、勘ではなく、無理やりでもいいから、知っていることを根拠に置くことが大事。 その数字が当たっている?当たっていない?は二の次で、自分の常識・知識をベースに 思考を回すことができれば、それでいいのです。 罠6 罠5 罠4 罠3 罠2 罠1
  12. - 22 - 罠5=コトバ、乱れすぎっ どう答えるのが、セクシーなのか? ※ 数字はテキトーです(例:銭湯の市場規模) 市場規模は400億円です。 どうやって計算したか?というと、 銭湯の数

    × 1つの銭湯の一年間の売上高 で出だします。それぞれの数字は、 4000個 × 1000万円 となり、単純計算で400億円です。 特に論点になるのが、銭湯の数なので、さらに分解すると、 銭湯の数は、 駅の数 × 1つの駅にある銭湯の数 で出せます。 駅の数が4000個、1つの駅には1つ銭湯があるとし、4000個となります。 「式を示すこと」→「それぞれの数字を示す」ことで、相手の頭に入りやすいのです。 話し方は本当に大切。「考えるエンジン講座」でも、徹底的にコトバを整える。 それは、ケース面接においても、コンサルタントとして活躍する上ででも、大事なことです。 罠6 罠5 罠4 罠3 罠2 罠1
  13. - 23 - 罠6=フェルミーボンっ 「フェルミ推定!本」 is キング フェルミ推定!本はよくできている。なにせ、本として出版するわけだから、 間違ってはいけない。本当に「正しい」答えを載せないとだめだ。 だから、フェルミ推定!本は、役に立たないのだ。

    え?どういうこと? 解答を読んでいるとよく思うのだが、「答えを知っているひと」が作った解答だな~と。 グーグル先生に聞いて、答えを知ったうえで、因数分解も、数字の置き方もやっている感が 感じられる。 それではだめなのだ。 フェルミ推定!とはあくまで「この世に答えがない」「答えなんて、分からない」ときに “それっぽい”数字をたたき出す頭の使い方なんだから、それだと、勉強にならない。 罠6 罠5 罠4 罠3 罠2 罠1
  14. - 24 - フェルミ推定 6つの罠 まとめ ここまでを振り返ると 罠1=タイムアップっ 罠2=因数分解どやっ 罠3=因数分解バカっ

    罠4=勘、かよっ 罠5=コトバ、乱れすぎっ 罠6=フェルミーボンっ うん。皆さんも、きっとハマってることだろう。 あともう一つ、最後にフェルミ推定!に限った話ではないですが、 大きな罠にハマっている方をご紹介します。
  15. - 25 - フェルミ推定 6つの罠 もう1つの罠 フェルミ推定!ごときができないがゆえに、一生に一度しかチャンスのない「コンサル転職」 を棒に振るわけにはいきませんよね。 あんまり知られてないのかもですがコンサル転職は“一生に一度しか” チャンスがありません。

    “公式発表”では、1年立てば、同じコンサルティングファームでも受けることができる。 しかしながら、そうは問屋が卸さない。 コンサルティングファームの採用面接にはものすごく手間(≒お金)がかかります。 くっそ忙しいマネージャー以上が時間を取らねばならない。 そもそも、年間に面接できる人に限りがある。 かつ、毎年、ものすごい数の応募がある。 だから、 一度見た人は、そうそう見ない! コンサルティングファーム側に立てば、合理的で納得です。 一生に一度のチャンスを逃さないよう、ちゃんと「考える力」を鍛えてから望みましょう。
  16. - 29 - 「マッサージチェアの市場規模は?」 回答例 ① 例7 例6 例5 例4

    例3 例2 例1 マッサージチェアの市場規模は年間200億円です。 これは、年間消費量4万個×単価50万円として計算しました。 年間消費量は、マッサージチェアの利用にかかる需要=供給と いう考え方に基づいて計算しました。 つまり、需要(日本の人口×1人当たり年間マッサージチェア 利用回数×平均利用時間)=供給(マッサージチェアの 存在数×年間供給時間)で計算しました。 需要については、日本の人口は1.2億人、年間利用回数は平均 年3回、平均利用時間は10分として計算すると、6,000万時間 となります。 供給については、年間供給時間が、1日あたり供給時間10時間 ×300日×稼働率10%として300時間とすると、マッサージ チェアの存在数は20万個(6,000万時間÷300時間)となりま す。耐用年数を5年とすると、年間消費量は4万個となります。 単価は、高級ソファーが20~30万円であることから、 50万円程度と仮定しました。 計算式を最初に提示するのは、 途轍もなくグッド。 はい、出ました! 罠6=フェルミ―本っの罠。 フェルミ推定でよくある “需要=供給” のくだりは全ていらない。 まさに、罠にハマっているのが、 分かるだろうか? そう、罠4=勘かよっ!です。 全ての数字が「それっぽく」は あるが、全て勘という最悪回答。 しかも、本人は 「できたぜ」と思っており、 ケース面接で落ちまくります。 イチイチ ツッコんでみました
  17. - 30 - 「マッサージチェアの市場規模は?」 回答例 ② 例7 例6 例5 例4

    例3 例2 例1 マッサージチェアの市場規模とは?と考えた時に、大きく ①マッサージチェアの年間販売台数× ②1台あたりの平均単価で構成されます。 マッサージチェアの保有主体は?大きく個人と接骨院などの 法人の2つありますが、今回は特により市場規模が大きそうな 個人用のマッサージチェアについて考えます。 個人用マッサージチェアの年間販売台数は、 日本の世帯数×世帯保有率×1世帯あたり保有台数÷耐用年数 で計算できます。 それぞれ、53M世帯×20%×1台÷5年とすると年間販売台数 は≒2M台となります。 平均単価を1台あたり、50k円とすると、2M×50kで市場規模 は約1,000億円となります。 はい。罠5=言葉乱れすぎっに なっております。 市場規模を聞いているのに、 金額を最初に言わない時点で、 退場していただきたい気持ちに、 面接官は苛まれます もう、お分かりですよね。 これはもちろん、、 罠4=勘かよっ!です。 全部、この方のフィーリング。 フィーリングは恋だけにして いただきたい。 イチイチ ツッコんでみました これも一見、よさそうですが、 アウト。罠でいえば、 罠2=因数分解どやっ、 罠3=因数分解バカっですね。 マッサージチェアを法人と個人 に分けて深掘るとしたら、 そりゃ、法人でしょ。
  18. - 31 - 「マッサージチェアの市場規模は?」 回答例 ③ 例7 例6 例5 例4

    例3 例2 例1 マッサージチェアの市場規模はおよそ1,650億円と想定。 日本の世帯数を3,000万世帯とする。 65歳以上は日本の総人口の20%を占めるとすると2400万人おり、 仮にすべて夫婦として1200万世帯。この1200万世帯のうち、 10%がマッサージチェアを保有すると120万世帯が対象となる。 一方64歳未満の世帯数は1800万世帯とした場合、仮に5%が マッサージチェアを保有するとした場合90万世帯がマッサージ チェアを保有。 高齢世帯は中・高級マッサージチェアで単価10万円とした場合、 120万世帯×10万円=1200億円。高齢者世帯以外は、低価格 マッサージチェアで単価5万円とした場合、90万世帯×5万円 =450億円。 高齢者世帯分1200億円に、除く高齢者世帯分の450億円を 加えて1,650億円。 罠5=言葉乱れすぎっ!ってほど では、ないのですが、この 「およそ」は個人的には いらない。なぜなら、そもそも 概算を聞いているし、お互いに 概算=“およそ”でしか出せない のだから。 もう、お気づきというか、 そろそろ 「このひと、大丈夫?」 という気持ちになって きたのでは? イチイチ ツッコんでみました もう、お気づきでしょう。 まさに、罠4=勘かよっ!です。 “10%がマッサージチェアを 保有しているとすると”って、 そこを考えてくださいと言って いるのに、勘で答えている。
  19. - 32 - 「マッサージチェアの市場規模は?」 回答例 ④-1/2 例7 例6 例5 例4

    例3 例2 例1 マッサージチェア市場の定義: 個人が所有しているマッサージチェアの市場を示し、家電量販店で展示されているものや 在庫として置かれているものについては含めないこととした。 また法人顧客と個人顧客が存在するが、ここでは個人顧客に限定して算出する。 マッサージチェアの市場規模を以下のアプローチで算出していく。 マッサージチェアの市場規模=①マッサージチェアの単価×②1年間の購入個数 絶対に落ちる典型例。 罠でいえば、 罠6=フェルミ―本。 他にも、 罠5=言葉乱れすぎっ! でもある。 イチイチ ツッコんでみました もうお分かりですね。 罠にハマりすぎていますね。 罠2=因数分解どやっ 罠3=因数分解バカっ 罠4=勘、かよっ 罠5=コトバ、乱れすぎっ ご愁傷様でした! となってしまう。 ①について マッサージチェアを高価格帯、中価格帯、低価格帯の3つ価格帯に分ける。 高価格帯…最先端の技術を使い本物のマッサージと変わらない効果がある高機能マッサージ チェア。30万円とする。 中価格帯…ひと通りのマッサージ機能を備えた誰にでも使い勝手が良いマッサージチェア。 高価格帯ほどではないがマッサージ効果が高い。20万円とする。 低価格帯…最低限の機能を備えた日常生活の疲れをほぐすマッサージチェア。10万円とする。 ②について 個人向けと法人向けがあると考え、アプローチしていく。 ②-1:個人向け 1年間の購入個数=世帯数×購入率 / 買い替え年数 というアプローチで算出する。 世帯数について、以下の3つの世帯カテゴリに分ける。 1. 70歳以上の年金暮らしの高齢者が世帯主の世帯 2. 60代までのオフィスワーカーが世帯主の世帯 3. 60代までのブルーワーカーが世帯主の世帯 次ページにつづく >
  20. - 33 - 「マッサージチェアの市場規模は?」 回答例 ④-2/2 例7 例6 例5 例4

    例3 例2 例1 • 70歳以上でも働いている方はいるが、簡素化のために70歳以上の無職の高齢者と 60代までの労働人口で分けた。 →労働者、非労働者でマッサージチェアに求めるニーズが異なると考えたため。 • オフィスでの座り仕事が多いオフィスワーカーと、体を常に動かしているフルーワーカー の2種類で世帯を分類した。 →就いている職業によりマッサージチェアに求める機能が異なると考えたため。 • 世帯主の職業により分類した。 →マッサージチェアの購入判断は世帯年収に基づくと考えたため。 1. 70歳以上の年金暮らしの高齢者が世帯主の世帯について 4000世帯(日本の人口1.2億/1世帯あたり3人とする)×25%(日本人口の1/4は65歳以上の 高齢者に基づく)×5%(20世帯に1世帯が所有しているとする)=50万世帯=50万台(1世帯 あたり1台所有と考えるため) 2. 60代までのオフィスワーカーが世帯主の世帯について 4000世帯×30%(1.を除く75%の40%と仮定する)×5%(20世帯に1世帯が所有していると する)=60万世帯=60万台 3. 60代までのブルーワーカーが世帯主の世帯について 4000世帯×45%(1.を除く75%の60%と仮定する)×1/15(15世帯に1世帯が所有している とする)=120万世帯=120万台 また買い替え年数はどの世帯も10年として考える。 ①、②を踏まえ カテゴリ1は低価格帯マッサージチェア、カテゴリ2は高価格帯マッサージチェア、カテゴリ 3は中価格帯マッサージチェアを購入しているとするとして市場を算出する。 50万台/10年(買い替え年数)×10万円+60万台/10年×30万円+120万台/10年×20万円 =660億円 イチイチ ツッコんでみました もうお分かりですね。 罠にハマりすぎていますね。 罠2=因数分解どやっ 罠3=因数分解バカっ 罠4=勘、かよっ 罠5=コトバ、乱れすぎっ ご愁傷様でした! となってしまう。
  21. - 34 - 「マッサージチェアの市場規模は?」 回答例 ⑤-1/4 例7 例6 例5 例4

    例3 例2 例1 イチイチ ツッコんでみました 一見よさそうに見えますが、 勿論、罠にハマっていますよね。 罠3=因数分解バカっ。 因数分解は「議論になるところ を重点的に因数分解すること」 が大切。 なのに、ありとあらゆるところ を分解しちゃっていて、ダメ。 かつ、罠4=勘かよっ!も散見。 次ページにつづく > 日本国内のマッサージチェアの市場規模は、15億7,500万円であると算出しました。 そのように考えた経緯をお話し致します。 まずは、マッサージチェアの市場規模を算出するために必要な要素は大きく2つありまして、 其々、1マッサージチェアの単価と2マッサージチェアの年間販売台数で、其々を掛け合わせ ることで算出できるのでは、と考えました。 また、2マッサージチェアの年間販売台数を算出するために必要な要素大きく2つありまして、 其々、2—1日本に存在するマッサージチェアの台数、と2—2買い替え回転率で、其々を掛け 合わせることで、年間販売台数を算出できると考えました。 2—1日本に存在するマッサージチェアの台数について、これを算出するために、まずはマッ サージチェアが何処に存在するのか?=誰が持っているのか?を考えてみると、観光地のホ テルや旅館の大浴場や、都心の銭湯、健康ランド、ゴルフ場等の大浴場が思い当たりました。 あとは、稀に高齢者の世帯で保有しているケースもあるかと、考えました。 これらのことから、2—1日本に存在するマッサージチェアの台数を算出するためには、大き く2つ、2—1—1所謂大衆浴場の施設が保有しているケースと、2—1—2個人が保有している ケースがあるのではと考えました。 先ずは、2—1—1の施設が保有しているマッサージチェアの台数を算出したいと思います。 施設が保有している公衆浴場は何処に存在しているのか?と考え、先ずはホテルを想定して みました。都内のホテルを考えてみると、ビジネスホテルや高級シティホテルを思い浮かべ てみても、多くの場合、大浴場はなく、マッサージチェアは存在しません。一方、地方の例 えば、観光地のホテルや旅館には、多くの場合、大浴場が存在し、マッサージチェアも保有 しているように思います。このことから、2—1—1施設が保有しているマッサージチェアの 台数を考える上では、都心部と地方で違った傾向があると考えられます。従い、大きく2つ、 2—1—1—1都心部の施設保有のマッサージチェア、と2—1—1—2地方での施設保有のマッ サージチェアの2点から考えたいと思います。 2—1—1—1都心部に施設保有のマッサージチェアは何台あるのか?、を算出するために必要 な項目は、おおきく3つあると考え、其々、①日本における都心部の面積、②10km四方に存 在するマッサージを保有する施設、③1つの施設当たり保有するマッサージチェアの台数、 であり、其々を掛け合わせることで算出できると考えました。
  22. - 35 - 「マッサージチェアの市場規模は?」 回答例 ⑤-2/4 例7 例6 例5 例4

    例3 例2 例1 イチイチ ツッコんでみました 次ページにつづく > ①日本の都市部の面積は、日本の国土面積の4分の1が居住部で、その10%程度が都市部の面 積とすると、380千平方キロメートル×1/4×10%=約10千平方キロメートル 続いて、②10km四方つまり0.1千平方キロメートル内にマッサージチェアを保有する施設は いくつのあるのでしょうか?都心部の場合、そのような施設は主に銭湯や健康ランドが該当 するのではないかと考えます。東京都内をイメージした際に、そのような施設は0.1千平方 キロメートルあたり、大体10程度ではないかと考えました。 続いて、③1つの施設あたり保有するマッサージチェアは何台あるのか考えてみました。銭 湯の場合でも、男湯・女湯に其々、1台ずつ計2台あるのではないかと考えられます。また、 大きな健康ランドの場合は、一つの施設に10台あることもあるかと考えます。0.1平方キロ メートル当たりに存在する施設数の90%が銭湯、10%が大きな健康ランドとすると、施設1 社あたり大体均して3台程度保有していると考えられます。 以上のことから、①×②×③=10千平方キロメートル×10社/0.1千平方キロメートル×3台 =3千台と算出できました。 続いて、2—1—1—2地方での施設保有のマッサージチェアの保有数について考えてみたいと 思います。 2-1-1-1と同様に、日本の国土面積の4分の1が居住部で、その90%程度が地方の面積とする と、380千平方キロメートル×1/4×90%=約80千平方キロメートルと算出できます。 続いて、2-1-1-1と同様に、②0.1千平方キロメートル内にマッサージチェアを保有する施設 はいくつのあるのか考えてみたいと思います。地方の場合、そのような施設は主に旅館やホ テル、ゴルフ場が該当するのではないかと考えます。温泉地をイメージした際に、そのよう な施設は0.1千平方キロメートルあたり、大体50程度あるのではないかと考えました。一方、 温泉地ではない地方を想定した場合、主にマッサージチェアを保有している施設は主にゴル フ場だと思い、また、0.1千平方キロメートルあたり、ゴルフ場は大体10ほどあるのではな いかと考えました。 これらから、温泉地とそうでない地方の割合は其々50%ずつとすると、均すと0.1平方キロ メートルあたり30程度あるのではないかと考えられます。 続いて、③地方の一施設あたり保有するマッサージチェアは何台あるのか考えてみました。 旅館やゴルフ場の大浴場の男湯、女湯に其々1台あるとすると、1施設あたり2台保有してい ることになります 一見よさそうに見えますが、 勿論、罠にハマっていますよね。 罠3=因数分解バカっ。 因数分解は「議論になるところ を重点的に因数分解すること」 が大切。 なのに、ありとあらゆるところ を分解しちゃっていて、ダメ。 かつ、罠4=勘かよっ!も散見。
  23. - 36 - 「マッサージチェアの市場規模は?」 回答例 ⑤-3/4 例7 例6 例5 例4

    例3 例2 例1 イチイチ ツッコんでみました 次ページにつづく > 以上のことから、①×②×③=80千平方キロメートル×30社/0.1千平方キロメートル×2台 =48千台と算出できました。 2-1-1-1都心部の施設・施設保有のマッサージチェアと, 2-1-1-2地方の施設・施設保有のマッ サージチェアを合計した、2-1-1 施設・施設が保有するマッサージチェアは51千台となりま す。 次に、2-1-2個人保有のマッサージチェアは何台あるのか考えてみました。 どのような人がマッサージチェアを保有しているのか?と考えたときに、若い家族の世帯で 保有しているケースはほぼないかと思いますが、60歳以上の年配の世帯では稀に保有してい るのではないかと考えました。 そこで、個人保有のマッサージチェアの台数を算出ための要素は大きく、2つあり、其々① 60歳以上の世帯数、②マッサージチェア保有率で、それらを掛け合わせることで算出できる と考えました。①の60歳以上の世帯数は、日本の人口×60歳以上の人口割合×1/2で算出で きると考えました。すると、120百万人×1/4×1/2=15百万世帯と考えられます。 続いて、②マッサージチェア保有率について、考えたいと思います。私の身近にもマッサー ジチェアを保有している家庭は中々見当たらなかったため、相当保有率は低いものと思いま す。従い、保有率は0.1%程度と考えました。 そうすると、①60歳以上の世帯数×②保有率=15百万世帯×0.1%=15千台と算出できまし た。 以上のことから、2-1-1施設・施設保有のマッサージチェアと2-1-2個人保有のマッサージ チェアを合計すると、63千台が2-1日本国内のマッサージチェアの台数と算出できました 続いて、2-2マッサージチェアの買い替え回転率について考えてみました。 一見よさそうに見えますが、 勿論、罠にハマっていますよね。 罠3=因数分解バカっ。 因数分解は「議論になるところ を重点的に因数分解すること」 が大切。 なのに、ありとあらゆるところ を分解しちゃっていて、ダメ。 かつ、罠4=勘かよっ!も散見。
  24. - 37 - 「マッサージチェアの市場規模は?」 回答例 ⑤-4/4 例7 例6 例5 例4

    例3 例2 例1 イチイチ ツッコんでみました 先ずは、他の電化製品と比較することで、マッサージチェアの耐用年数について考えてみた いと思います。パソコンやテレビの耐用年数を考えてみると、大体5年ぐらいでしょうか。 これらよりは、明らかにマッサージチェアの方が耐用年数は長そうです。また、エアコンの 耐用年数について考えてみると、大体10年くらいでしょうか。温泉の大浴場のマッサージ チェアを思い浮かべてみると、エアコンより年季が入っているように感じます。従い、エア コンとマッサージチェアを比較しても、更にマッサージチェアの方が耐用年数は長そうです。 これらのことから、マッサージチェアの耐用年数を20年としました。従い、買い替え回転率 は1/20となります。 これらのことから、2マッサージチェアの年間販売台数は、2-1マッサージチェアの台数×2- 2マッサージチェアの買い替え回転率=63千台×1/20=3.15千台と算出できました。 続いて、1 マッサージチェアの単価について、家電量販店で売られているマッサージチェア の価格帯を想像してみると、機能の程度により価格は様々ですが、大体200千円〜800千円程 度ではないかと考え、均してマッサージチェアの単価を500千円とします。 最後に、マッサージチェアの市場規模は、1 マッサージチェアの単価×2 マッサージチェア の年間販売台数=500千円×3.15千台=1,575百万円(15億7,500万円)と算出できました。 一見よさそうに見えますが、 勿論、罠にハマっていますよね。 罠3=因数分解バカっ。 因数分解は「議論になるところ を重点的に因数分解すること」 が大切。 なのに、ありとあらゆるところ を分解しちゃっていて、ダメ。 かつ、罠4=勘かよっ!も散見。
  25. - 38 - 「マッサージチェアの市場規模は?」 回答例 ⑥-1/2 例7 例6 例5 例4

    例3 例2 例1 日本のマッサージチェアの市場規模は800億円です。 これがまさに、 罠6=フェルミ―本っ。 なんで、勝手に「個人」に 絞ってしまっているわけ? となるよね。 イチイチ ツッコんでみました これこそ、まさに、 「罠3=因数分解バカっ」と 「罠4=勘、かよっ」のコンボ。 これがあまりに多いのが よくわかるはず。 次ページにつづく > 今回の計算では、日本国内の個人が所有するマッサージチェアの市場規模を対象としました。 個人が所有するマッサージチェアの市場規模を新規購入と買換購入の場合に分類し、 それぞれ「マッサージチェアの単価」×「年間の購入台数」にて市場規模を計算しており、 新規購入の市場規模は400億円、買換購入の市場規模は400億円となります。 それぞれ詳細に説明します。 新規購入の場合については、マッサージチェアは①世帯ごとに購入されること、②高額の ため世帯主の所得、すなわち年齢に応じて購入率が決まることを想定し、①世帯数、 ②世帯主の年代別購入率に基づき、市場規模を推定しました。 世帯数については、1人世帯:30%、2人世帯:30%、3人以上(簡易的に4人と想定)の 世帯:40%という割合を前提とし、世帯あたり人数を2.5人と想定して、日本の人口=1億 2,000万人から、合計約5,000万世帯と見積もりました。また、世帯主による各年代の割合を、 20代:15%、30代:20%、40代:20%、50代:20%、60台:15%、70代:10%と設定し、 各年代の世帯数を計算しております。 各年代の世帯の購入率については、40代までは年代が上がるごとに購入率が逓増、50台以降 は、既に購入している世帯が一定いることから、逓減する前提とし、購入率は20代:5%、 30代:8%、40代:10%、50代:10%、60台:8%、70代:5%と設定しています。 但し、今回は1年間の市場規模を推定しているため、市場規模の計算の際には10年毎に 区切っている各年代の購入率を10で割る必要があります。 それらの世帯数・購入率に基づくマッサージチェアの年間の新規購入台数は約40万台です。 マッサージチェアの単価を10万円とすると、新規に購入されるマッサージチェアの市場規模 は約400億円となります。
  26. - 39 - 「マッサージチェアの市場規模は?」 回答例 ⑥-2/2 例7 例6 例5 例4

    例3 例2 例1 次に買換購入の場合については、まずは現在所有されているマッサージチェアの台数を耐用 年数で割り、買換率を掛けることで年間の買換台数を計算しました。 個人使用のマッサージチェアであれば、高額と言うこともあり長く使うことが予想される ため耐用年数は15年に設定、買換率は一度購入した層は引き続き購入することが予想される ものの、引越しや使用人が亡くなられた場合等、一定割合は買い換えない可能性を考慮して、 80%に設定しました。 ほんと、さようなら、 となってしまっていますね。 これもまさに、 「罠3=因数分解バカっ」と 「罠4=勘、かよっ」のコンボ。 イチイチ ツッコんでみました 現在所有されているマッサージチェアについては、新規購入の場合と同様に世帯毎の保有数 を計算するアプローチを使い、世帯数と世帯主の年代別保有率に基づき、保有数を推定しま した。世帯数については、先ほど求めた年代別の世帯数を使用しています。世帯主の年代別 保有率については、高額かつ耐用年数が長いことから、所得が高い世帯=年代が高い世帯ほ ど保有率は高くなる前提にて計算しています。具体的には20代:5%、30代:10%、40代: 15%、50代:15%、60台:20%、70代:20%と設定しました。 それらの世帯数・保有率に基づくマッサージチェアの所有台数は約700万台です。 それを耐用年数15年で割り、買換率80%を掛けると年間買換台数は約40万台になり、 マッサージチェアの単価を10万円とすると、年間の買換購入の市場規模は400億円と なります。 従って、マッサージチェアの市場規模は400億円と400億円の合計の約800億円となります。
  27. - 40 - 「マッサージチェアの市場規模は?」 回答例 ⑦ 例7 例6 例5 例4

    例3 例2 例1 マッサージチェアの市場規模はどれくらいかというと、約1440億円です。市場規模は、 大きく2つの要素から求めることができます。市場は、日本に限定します。 1つ目は、日本で保有されているマッサージチェアの台数です。 2つ目は、マッサージチェア1台あたりの平均単価です。 またもや、ここにいました。 罠4=勘、かよっ! 一般消費者に絞って考えます! じゃない。 想像してもらいたい、 そんなんで、1億円以上払って 頼んでいるのに、これでは、、、 ダメにきまっている。 イチイチ ツッコんでみました 1つ目のマッサージチェアの台数ですが、マッサージチェアを保有している人は、 一般消費者と法人がありますが、ここでは一般消費者に絞って考えます。 また、マッサージチェアは1世帯に2台も3台も持つことはあまり考えられないので、世帯 ベースで台数を算出したいと思います。マッサージチェアの台数をさらに分解すると、日本 における世帯数×マッサージチェア保有率で表せます。日本の世帯数は、1世帯あたりの 家族構成を3人して、約4000万世帯あります。保有率については、値段が高いこと、場所を 取ることから、3%くらいではと想定しました。2つ目のマッサージチェア1台当たりの平均 単価ですが、家電量販店でのマッサージチェアの価格は安いもので10万円を切る価格、高い ものは20万円を切るものがあったと記憶しています。年代によって年収は違いますので、 平均購入価格を低年収世帯や世帯年齢の若い世帯は10万円、高年収世帯や世帯年齢の高い 世帯は15万円として、1台あたりの平均単価は12万円としたいと思います。 まとめると、世帯数×マッサージチェア保有率にマッサージチェア1台当たりの平均単価で ある12万円をかけて約1440億円となります。
  28. - 43 - 「マッサージチェアの市場規模は?」 回答例 ⑧-1/2 例15 例14 例13 例12

    例11 例10 例9 例8 マッサージチェアの市場規模は、336億円であると考えます。 市場規模を考えるにあたり、大きく個人消費と法人消費に分けて検討 していきたいと考えます。 個人の場合 個人の場合、 世帯数×シェア率×単価×買い替え率で市場規模が算出 できます。 個人でマッサージチェアを購入するのは、40歳以上のファミリー層で しょう。例えば、45歳がお父さんの家庭を考えてみますと、子供も中 高校生となり、仕事で事務作業が増え、慢性的な肩こりに悩まされる ときだと思います。また、お母さんも肩こりに悩まされる年頃である と思 います。1家に1台あればいい方でしょうか。平均価格は20万円。 シェア率を考えますと、40歳ファミリーのうち、どれくらいが持って いるのでしょうか。 マッサージチェア本体を考えてみますと、かなり場所をとるものであ ることが分かります。かつ廃棄も面倒なので、一度買ってしまえば、 あまり買い替えることはないでしょう。また、20万円もする高価なも のなので、比較的裕福な家庭となります。 そうすると、都心で狭い家に住んでいるファミリー層では、マッサー ジチェアは購入しないであろうと推察されます。つまり、郊外で持ち 家の広い家に住んでいるファミリー層かつ、世帯年収が500万円以上の 家庭にて、マッサージチェアを購入していると考えられます。 具体的に、計算していきます。 ツッコんでみよう 次ページにつづく >
  29. - 44 - 「マッサージチェアの市場規模は?」 回答例 ⑧-2/2 例15 例14 例13 例12

    例11 例10 例9 例8 • 40歳以上ファミリー世帯数: 120,000,000(日本人口) × 4/8(人口を80 代までとし、40代以上の割合) × 1/2 (2以上の世帯) = 3000万世帯 • 持ち家に住んでいる= 60% • 郊外に住んでいる= 80% • 年収500万円= 9% • 単価: 20万円 • 買い替え率= 10年 計260億円 が個人消費におけるマッサージチェアの市場規模と考えます。 法人の場合 法人の場合、施設数 × シェア率 × 単価 × 買い替え率で市場規模が 算出できます。法人でマッサージチェアを購入するのは、スパや温泉 旅館の温泉施設に設置していると考えます。 施設ですが、日本人口に対して、温泉に行く需要を満たすことが施設 数を考えます。 温泉に行く人口を1億人とします。温泉施設の規模ですが、大体1旅館 15部屋ほど存在していると考えますと、一日当たり30人の宿泊が可能 です。さらに、稼働率を60パーセントとします。1億人/泊 ÷ (30人 ×365) ÷ 0.6= 15,221件の施設が全国に存在しております。 一件当たり、20万円のマッサージチェアを5台保持しているとして、 買い替え率を5年としますと、76億円が法人におけるマッサージチェア の市場規模となります。 結果、260億円+76億円= 336億円 がマッサージチェアの市場規模と 考えます。 ツッコんでみよう
  30. - 45 - 「マッサージチェアの市場規模は?」 回答例 ⑨ 例15 例14 例13 例12

    例11 例10 例9 例8 マッサージチェアの市場規模は281億円と想定されます。 まずは、考え方を説明させてください。 マッサージチェアの購入主体は大きく二つあります。一つは各世帯で あり、もう一つは銭湯やゴルフ場といった共用施設です。それぞれが 日本にどのくらいの数があるかを最初に考え、世帯数と施設数に単位 あたりのマッサージチェア保有数を掛けて、全体のマッサージチェア 数を算出します。平均マッサージチェア数に単価を掛けて、最後に マッサージチェアの平均使用年数で割ることで1年あたりの市場規模が 算出されます。 次に、具体的な計算過程を説明させてください。世帯数は日本の人口 1億2千万人を前提とし世帯あたりの平均人数を3人として、4,000万世 帯とします。マッサージチェアがある共用施設の数ですが、各都道府 県あたり100施設として、4,800施設とします。 マッサージチェアを保有している世帯は10世帯に1世帯とし、各共用 施設には施設あたり平均3台のマッサージチェアがあるとします。 そうすると、世帯と共用施設のマッサージチェア台数合計は4,014,400 台となります。次に、マッサージチェアの平均単価を7万円とし、 平均使用年数を10年とすると、市場規模は281億円と算定されます。 ツッコんでみよう
  31. - 46 - 「マッサージチェアの市場規模は?」 回答例 ⑩-1/2 例15 例14 例13 例12

    例11 例10 例9 例8 日本におけるマッサージチェア市場規模は600億円と推測します。 まず市場規模は、マッサージチェア1台の平均単価×年間購入台数で 算出できますので、それぞれの数値の算出の仕方について説明してい きます。 最初に、マッサージチェア1台の平均単価ですが、ヨドバシカメラなど の販売ルームに行くと、最近は全て電動式しか置いておらず、椅子で マッサージするものから、フラットになって指圧・もみほぐし・ たたきなど様々なパターンを選べるものもあり価格10万円台から高い のは50万円まであります。ここでは平均単価30万と設定します。 次に、年間の購入台数ですが、マッサージチェアは空港やスポーツジ ムなどにも置いてありますが、法人向けはマッサージチェア市場全体 の一部かと思いますので、ここでは家庭向けマッサージチェアの個人 消費に絞って考えます。 まず、購入台数を構造化すると、日本の世帯数×購入比率×購入数/世 帯×購入頻度(交換)で表せます。日本の世帯数は4000万世帯、1世 帯の購入数は1台とします。2台購入はきわめて稀ですので。 次に実際に購入する比率ですが、購入メイン世帯はある一定以上の富 裕層と考えます。大凡1メートル×1メートルのマッサージチェアを家 に置くスペースが必要な事を考えれば、2LDK以上の広さに住む世帯 が対象で、仮に世代と収入が一定の比例関係にあるとすれば、若手の1 人暮らしやカップルは対象とならず、恐らく生活に余裕ある40代以上 の世帯でしょう。 ツッコんでみよう 次ページにつづく >
  32. - 47 - 「マッサージチェアの市場規模は?」 回答例 ⑩-1/2 40代以下の世帯数と40代以上の世帯数が同じと仮定すると、 マッサージチェアを購入可能な割合は4000万世帯×50%=2000万世帯 と絞り込まれます。 この内、実際に購入する割合はどのくらいか、を考えます。恐らく

    実際に購入する人は「どうしても買いたい」という強い意志がある人 でないかと考えます。マッサージチェアを購入する代わりに自分で マッサージしたり、整骨院に行くなどできますし、スペースや金額を 考えると家族の説得が必要です。これら、代替えや制約条件を考えて も、尚、購入する割合はかなり限られてくるでしょう。従ってここで は対象顧客の5%が実際に購入すると推測します。 最後に購入の頻度ですが、マッサージチェアが何度も交換するもので はないので、5年に1回の頻度で購入・交換するとします。 以上の条件を合わせると、マッサージチェアの年間購入台数は、4000 万世帯×50%(購入対象比率)×5%(実購入比率)×1台/世帯× 0.2(5年に1回購入)=20万台と推定できます。 マッサージチェア1台30万円ですので、市場規模は30万円×20万台= 600億円となります。 ツッコんでみよう 例15 例14 例13 例12 例11 例10 例9 例8
  33. - 48 - 「マッサージチェアの市場規模は?」 回答例 ⑪ 例15 例14 例13 例12

    例11 例10 例9 例8 • 日本の国内市場に絞って考え、その市場規模は、938億です。 • 65歳以上のシニア人口と20~65歳未満の一般人口から市場を 割り出すことで市場規模を予測しました。 (シニアがコアターゲット、一般がサブターゲットと考えたため) 下記が、それらの仮定です。 • 日本の人口を1.2億人 • 30%が65歳以上:3,600万人⇒約3%が購入する⇒約110万人 (メインターゲット) • 40%が20歳~65歳未満:4,800万人⇒0.5%が購入する⇒24万人 (サブターゲット) また、マッサージチェアの価格は、ローモデルからハイエンドまであ るが、平均70,000円と仮定しました。 よって、市場規模は、 134万人×70,000=938億 中古市場は、ローエンドなモデルと同じくらいの価格で販売されて いると考えることで、新品市場に包含されると考えております。 ツッコんでみよう
  34. - 49 - 「マッサージチェアの市場規模は?」 回答例 ⑫ 例15 例14 例13 例12

    例11 例10 例9 例8 マッサージチェアの市場規模は1500億円です。 この市場規模を算出した計算式は「一般家庭のマッサージチェアの 総保有台数×単価×買替の頻度」です。 それぞれの因数についてご説明します。 「一般家庭における総保有台数」は「日本の世帯数×マッサージ チェアの保有割合」で求めました。 日本の世帯数は約5,000万世帯と仮定しました。 保有割合はマッサージチェアが嗜好品かつ高価格であることを考慮し、 10世帯に1世帯が保有していることとし1/10と仮定しました。 以上より、「一般家庭における総保有台数」は 50,000,000÷10=5,000,000です。 次の因数である「単価」については高価格帯の価格を50万円、低価格 帯の価格を10万円と仮定し、平均を取って、30万円と考えました。 最後因数である「買替の頻度」について、ご説明します。 「買替の頻度」はマッサージチェアが大型の電化製品であることから 10年に1度程度買い替えるものと仮定しました。 以上より、「マッサージチェアの総保有台数×単価×買替の頻度」は 5,000,000台×300,000円÷10となり、1500億円です ツッコんでみよう
  35. - 50 - 「マッサージチェアの市場規模は?」 回答例 ⑬-1/2 例15 例14 例13 例12

    例11 例10 例9 例8 マッサージチェアの市場規模を求めるにあたり、マッサージチェアに は家庭用(世帯所有)と業務用(法人所有)がありますが、今回は世 帯で所有しているマッサージチェアに限定して考えたいと思います。 また、市場規模とは、日本での1年間の売上規模のことであるとします。 マッサージチェアの市場規模 = マッサージチェアの平均価格 × 1年間 で購入された台数 で求めることができますが、1年間で購入された台数を更に分解すると、 1年間で購入された台数= ①新規購入台数 + ②買い替え台数 <①新規購入台数> ① 新規購入台数 = 世帯数 × 新規購入率 × 平均購入台数 で求められます。ここで、世帯数は日本の人口が1.2億人で平均世帯 人数を3人と仮定すると4,000万世帯となります。マッサージチェアは 比較的高価な商品ですから、新規購入率は1%、平均購入台数は1台と 仮定すると、 ① 新規購入台数 = 4,000万世帯×1%×1台 = 40万台 ツッコんでみよう 次ページにつづく >
  36. - 51 - 「マッサージチェアの市場規模は?」 回答例 ⑬-2/2 例15 例14 例13 例12

    例11 例10 例9 例8 <②買い替え台数> ①買い替え台数 = (ストック/耐用年数)× 買い替え率 × 平均購入 台数 で求められます。ここで、現在、マッサージチェアを所有しているの は全世帯(4000万世帯)の3%と仮定すると、ストックは120万台。 耐用年数は10年と仮定し、マッサージチェアは比較的高価な商品です から、買い替え率は半数の50%、平均購入台数は1台と仮定すると、 ②買い替え台数 = 120万台/10年 × 50% × 1台 = 6万台 以上から、1年間で購入された台数は40万台+6万台で46万台。 マッサージチェアの平均価格を10万円とすると、マッサージチェアの 市場規模は、 マッサージチェアの市場規模 = 10万円×46万台=460億円 ツッコんでみよう
  37. - 52 - 「マッサージチェアの市場規模は?」 回答例 ⑭ 例15 例14 例13 例12

    例11 例10 例9 例8 • マッサージチェアの市場規模はいくらか、ですが、年間約73億円と試算しました。 • 計算の方法は、年間の販売台数xマッサージチェアの平均単価です。 • 特に年間の販売台数についてご説明すると、年間の販売台数については、需要 全体を償却年数で割ったものとして想定しました。 • ではマッサージチェアの需要全体がどの程度かですが、需要は大きく個人と法人 に分けることができます。 • まず個人については、私の周囲の友人の世代ではマッサージチェアを持っている 家庭はほとんどなく、またそれなりに世帯年収の高いと思われる私の友人の親の 家庭でもほとんどなく、働き世代だとするとかなり世帯年収の高い少なくとも1 500万円以上の世帯か、一定の資産を有する高齢者世帯、こちらも元々は年間 1500万円以上程度の収入があり、それなりの資産のある高齢者世帯が主な需 要者だと考えられます。 • それぞれがどの程度の需要を持つかについてですが、日本の世帯数が4000万世 帯だとすると、その5%程度が年収1500万円以上に当たると仮定します。そのう ちの10%の世帯がマッサージチェアを購入すると仮定して、個人の需要は4000 万x5%x10%=20万台です。 • 次に法人についてですが、およそマッサージチェアを使用する法人としてあげら れるのは、温泉旅館、銭湯、老人ホームだと思います。それ以外もありえますが、 無視できる量ではないでしょうか。 • ではそれぞれがどの程度の需要があるかですが、平均して47都道府県にそれぞれ どの程度あるかについて、温泉旅館を100か所、銭湯を250か所、老人ホー ムを500か所と仮定し、それぞれ平均して5個、2個、5個のマッサージチェ アを有していると仮定すると、(100x5+250x2+500x5)x47=3500x47=16.5万台と 成ります。 • 両方の需要を足し合わせると36.5万台となり、これを償却年数を仮に5年として 5で割り、7.3万台、平均単価を10万円と仮定すると73億円となります。 ツッコんでみよう
  38. - 53 - 「マッサージチェアの市場規模は?」 回答例 ⑮ 例15 例14 例13 例12

    例11 例10 例9 例8 マッサージチェアの市場規模は、というと2.4億円/年です。 どう考えたか、というと市場規模を3つのサブ論点に分けました。 一つ目は平均利用単価は?、二つ目は平均利用時間/人は?、 三つ目はのべ利用者数は?です。 一つ目の平均利用単価は100円/10分が多く、10分/円としました。 次に、平均利用時間は利用者数の平均時間なので最低でも10分であり、 5人に1人が20分と置き平均12分としました。 3点目は、国内旅行者数を2億人、利用率を1%と置きました。 市場規模 =(平均利用単価) x (平均利用時間/人) x (のべ利用者数) =(10円/分)x(12分/人) x (国内旅行者数/年x利用率) =(10円/分)x(12分/人) x (2億人x1%) =2.4億円/年 ツッコんでみよう