AWS IoTで実現した、LIXILのビジネス変革 ~ 組織の壁からLIXIL Toilet Cloudまで ~

AWS IoT 10周年イベント @AWS Startup Loft における講演資料

LIXIL がなぜ AWS IoT を社内の共通言語として採用し、これまでの「組織の壁」を打ち破り、物売りからサービスへのビジネス変革を成し遂げたのか。非住宅トイレの IoT サービス「LIXIL Toilet Cloud」を題材として、直面した技術課題の克服事例や、革新的なビジネスモデルによる成果や今後の展望まで解説いたします。

イベントサイト： https://aws.amazon.com/startups/events/aws-iot-20251009-loft

Transcript

1. Copyright © LIXIL Corporation. All rights reserved. AWS IoTで実現した、 LIXILのビジネス変革 ~ 組織の壁から LIXIL Toilet Cloudまで ~ 三原 寛司 2025/10/9 LIXIL デジタル部門 Business Innovation Leader AWS IoT 10周年イベント @Loft
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 アジェンダ 1 自己紹介とLIXIL会社紹介 
 2 LIXILとAWS IoTの10年の歩み 
 3 AWS IoTによるDX事例: LIXIL Toilet Cloud 
 4 技術課題への対処事例 
 5 未来への展望 

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 01 自己紹介、LIXIL会社紹介
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 自己紹介 息子3人 孫2人 趣味： トライアスロン 登山・トレラン 三原 寛司 （みはら かんじ） @kanji_mihara LIXIL デジタル部門 Business Innovation Leader デジタル活用のビジネス変革を担当 ~2004 ソニー ハード⇒ソフト⇒マネージャ ~2007 マイクロソフト Business Development Manager ~2013 ㈱ユビキタス 代表取締役社長 IoTプラットフォームを目指す ~2016 ZMP 取締役技術開発部長 自動運転 ~Now LIXIL IoT新規事業開発
5. 5 LIXILについて LIXILは、日本のものづくりの伝統を礎に、世界をリードする技術やイノベーションで、日々の暮ら しの課題を解決する高品質な製品をグローバルに提供しています。 従業員数 約53,000人 10億人以上の 生活を支える 世界 150ヵ国以上で 事業を展開 100年以上の ブランドの歴史 ※2024年3月現在
6. 6 ハウジングテクノロジー事業 ウォーターテクノロジー事業 LIXILの基幹事業 INAX、GROHE、American Standardをはじめとする グローバルブランドを通じて、トイレ、洗面化粧台、浴 室、キッチンなどの水まわり製品を提供しています。 TOSTEM、exsiorなどを中心に窓や玄関ドア、エクステリ ア製品、インテリア建材、気密性の高い住まいを実現する 高性能住宅工法スーパーウォールなどを展開しています。 ※国内事業の基盤強化に向け、キッチン事業、洗面事業、インテリア事業を統合し、2023年4月に「リビング事業部」を始動しました。
7. 7 デジタルトランスフォーメーション（ DX）の取り組み 経済産業省、東京証券取引所、独立行政法 人情報処理推進機構が実施する「 DX銘柄」 選定において「DXプラチナ企業2025-2027」 に選出されました。 LIXILは、顧客体験(CX)向上のためにDXに取り組んで います。そのためには従業員の働き方にデジタル技術 を積極的に取り入れ、従業員体験 (EX)も高めていくこ とが重要と考えています。
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 02 LIXILとAWS IoTの10年の歩み
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 デジタル外部依存 2016年ごろのLIXILにおける課題 組織の壁 ５社合併以降も 事業領域間連携は進まず あらゆる住宅設備を1社で 売っているのに… スマート製品は外部丸投げ 通信技術やアーキテクチャ もバラバラ
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 IoT推進体制： 中央集権と個別最適のハイブリッド型 (2018年の社内資料より)
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 AWS IoTをLIXIL共通言語に選定 (LIXIL IoTガイドライン 2018より)
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 なぜ AWS IoT? フルマネージド 面倒なことはお任せ スケーラビリティ IoTビジネス規模予測は 難しい 信頼性 長期運用と セキュリティ対策 低コスト 開発効率高く、初期費用と 運用コストを抑えられる
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 具体例① スマート宅配ポスト (2019~) スマートフォン連携 集荷依頼 宅配業者とAPI連携
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 具体例② IoTホームLink “Life Assist2” (2021~) ・LIXIL IoTの基幹製品となるスマートホームシステム ・使いやすさを追求しリーズナブルで多機能なモノとサービスを提供 LIXIL製品（センサー・カメラ・家電リモコン） LIXIL製品(サッシ・ドア・ EXT・浴室) シャッター 玄関ドア 門扉 ECHONET Lite機器(家電等) AWS ホーム デバイス おそうじ浴槽 高所窓
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 03 AWS IoTによるDX事例: LIXIL Toilet Cloud (2022~)
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 LIXIL トイレクラウドとは？ トイレの管理・清掃の「労働力不足」の問題を最新 IoT技術で解決 ※既存施設でライトに始めたい方には後付け可能なセンサーもご提供可能 トイレ管理の品質と効率を最適にコントロール 利用満足度の高いトイレを継続的に実現 清掃効率化ソリューション ✔ 利用状況に基づく 「メリハリ」清掃を実現 ✔ 高齢ユーザーにやさしい画面 ✔ データ活用/運用コンサル ✔ トイレの点検・排水管洗浄も 異常検知アラート ✔ トイレ詰まりを検知し 給水をストップ（あふれ防止） ✔ 水石鹸補充アラート ✔ 便座や温水の設定温度を 一括制御 ✔ トイレ利用状況を可視化 トイレ一括管理 IoT IoT IoT
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 LIXILが提案する清掃方式 トイレ空間の各種センサーからデータを収集し、トイレの利用状況に基づいた清掃業務へ変革 データ分析・運用定着・トイレの定期点検のトータルサポート 年齢を問わず使いやすい。直感的な清掃指示アプリ 約３０～７０％の業務改善効果 結果を出すまで強力サポート 
 安心のトイレ定期点検（2年） 
 データ分析による業務改善施策立案 
 「よく使われるトイレ」と「使われないトイレ」があるにも関わらず（10倍以上の差）、 全部一律同じ清掃作業をすると、 ムリ・ムダ・ムラ が発生します。 
 このアプリを使うことで、トイレの利用回数・時間・満空状態・移動距離など、データに基づいて適切が清掃が可能となります。 

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 ビジネスモデル ▪異常検知アラート（トイレ詰まり検知など） ▪トイレ一括管理 ライトに 始めたいお客様 ▪清掃効率化ソリューション 修理交換 ・ 排水管洗浄サービス しっかり IoT機能をご利用 したいお客様 ※運用サポート、トイレ定期点検サービス付 
 ライトに始めたいお客様向けのソリューションは清掃効率化ソリューションのみとなります 初期費用なし 機器販売 月額課金 月額課金 Option
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 ビジネス変革 ： 物売りからサービスへ パブリックトイレの 『清掃・管理業務 』 を改革する DXソリューション 新規事業推進 (デジタル部門) 事業部 サービス運用 ソフトウェア開発 機器の開発製造 社内組織間の分業と連携 オフィスビル・ショッピングモール・駅などで導入 ビル管理・清掃会社との連携
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 04 AWS関連 技術課題への対処事例
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 トイレクラウド 全体アーキテクチャ図 FreeRTOS (WiFi Module) サーバレスアーキテクチャ • AWS IoT Core • AWS Lambda • AWS Glue • DynamoDB
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 コストとパフォーマンス改善 CloudWatchのログ設計 見直し⇒ コストダウン AWS Lambda Snapstart により パフォーマンス 30% 改善 API Gatewayの WebSocketなどのマネー ジドサービス活用 パフォーマンス改善 コスト最適化
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 運用効率改善 Infrastructure as Code (IaC) により - 設定の透明性向上 - 手作業によるミス防止 - CI/CDパイプラインに よる自動管理 OTA (Over-the-Air) アップデートプロセスの 自動化 - 運用効率アップ ファームウェア アップデートの自動化 権限管理のコード化
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 05未来への展望
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 AIに判断を任せる時代へ IoT
 トイレクラウドは 利用回数データ を ベースにした仕組み AIによる異常検知 • いつもと違う利用パターンは異常のサイン • 個別のセンサー増やさなくてよい
26. 26 データにもとづくトイレ清掃業界変革へ LIXIL Toilet Cloud ①店舗のトイレ利用状況 ②店舗を跨いだ清掃
 トイレクラウドを導入した小型店舗・飲食店のトイレ利用状況をもとに、 
 地域のトイレ清掃者が巡回清掃 
 顧客メリット：従業員アルバイトの定着率アップ トイレ清掃なし 通常アルバイトの業務からトイレ清掃を切り離し 
 「トイレ清掃はやりたくない」従業員の採用強化・離職率の低下
27. 27 • AWS IoT を共通言語として組織を超えたビジネス変革を実現 • AWS IoTは高信頼・低コストなマネージドサービス • 物売りからサービスへのビジネスモデル変革 • データに基づいてもっと AIが判断する未来へ まとめ