Upgrade to Pro — share decks privately, control downloads, hide ads and more …

SHIFT EVOLVE Presents Events Vol.11 エンジニアのためのUXデザイン基礎講座~戦略編~

SHIFT EVOLVE Presents Events Vol.11 エンジニアのためのUXデザイン基礎講座~戦略編~

SHIFT EVOLVE Presents Events Vol.11 「エンジニアのためのUXデザイン基礎講座~戦略編~」で投影したスライド。

kazuharumurakami

February 04, 2022
Tweet

More Decks by kazuharumurakami

Other Decks in Business

Transcript

  1. UXデザインにおける「戦略」 ・ユーザーの需要 ・サイトの目的 「新たなサービスの構築」 「ビジネスアイデア創出」 →実施頻度が低いので 今回の対象からは除外 気になる方は「デザインシンキング」、「デザイン思考」で検索 ただ、一から考える必要があるケースがあります。 例えば、新たなサービスを構築したり、ビジネスアイデアの創出をしたりす

    る場合です。 これらについては実施頻度が低いことから、今回の説明の対象からは除外し ます。 テーマとしては丸1日使っても説明しきれないくらい、大きく、面白いとこ ろなので、気になる方は「デザインシンキング」、「デザイン思考」で検索 してみてください。 14
  2. ・年齢、性別、リテラシー(≒知識、経験)、 サービス利用頻度etcで分類して作成する仮想の 「具体的な」ユーザー ・インタビュー、アンケート等の調査を通じて 作り上げる(「なんちゃってペルソナ」) →ペルソナを作ると、「誰のためのサービスか」 について関係者の目線が揃う ◆ペルソナ ペルソナは年齢や性別、リテラシー、サービス利用頻度などでユーザーを分 類して作る具体的なユーザーです。

    分類する際にインタビューやアンケート等の調査を通じて情報を集めて作り 上げますが、コスト、スケジュールの面で難しい場合は「なんちゃってペル ソナ」を作ることもあります。 ただ、「なんちゃってペルソナ」を作る場合、好き勝手に作っていいわけで はなく、関係者間で「こういうユーザーいるよね」の合意が取れるくらい、 具体的かつ実在する可能性が高いペルソナにする必要があります。 ペルソナを作ると、関係者間で「誰のためのサービスなのか」についての目 線が揃います。 17
  3. ◆登場人物 ・Aさん:システム部門の女性ベテラン社員、プロマネ。 ・Sさん:業務部門の部門⾧。男性。 →AさんはもともとSさんの1年後輩という関係(当時のシステム子会社の社⾧とSさんが同期) ◆状況 ・大規模な業務システム再構築プロジェクト ・システム部門、業務部門合わせて10人程度のチーム ・機能設計コンセプトを 「1回に1つずつ、丁寧に手続き」or「1回で複数、効率的に手続き」のどちらに するかで議論が紛糾。

    →でもどちらの意見も「ユーザーはこっちのほうが便利なはず」と思考。 そのプロジェクトの状況を説明します。 主な登場人物は2人いて、AさんとSさんです。自分はAさんの下で働いてい ました。 業務そのものの刷新も含む大規模なシステム改定で、業務部門もかなりパ ワーを割いたプロジェクトでした。 そのプロジェクトで実際にシステム開発を進めるにあたって、最初にコンセ プトを決めたんですが、その際に2つのコンセプトが出て議論になりました。 どちらも「ユーザー」という単語を使ってますが、議論は平行線のまま、と いう状況でAさんが発言しました。 19
  4. ◆「裏」のポイント ・事務のスペシャリスト=Aさん向けに作る だけではなく、 エグゼクティブ=Sさんを忘れたわけではない もとても重要 ★「Sさんのニーズが反映されていないのは『考慮漏れ』ではなく、 『今回のプロジェクトでは優先順位が低い』ため」と言うと説明しやすい ・事務のスペシャリストとエグゼクティブではなく、Aさん、Sさんとしたことで 「使ってるときの顔が浮かぶ」 ★具体的シーンがわかると、単なるシステム開発ではなく、サービス開発になる

    この議論は実は裏にポイントがありました。 1つ目はAさんだけでなく、Sさんがいることを明示したことです。 複数のペルソナを作った場合に優先順位をつける話をしましたが、この時もA さん、Sさんとペルソナを作ったうえでAさんを選択しました。 その結果、メンバー内やチーム外から「Sさん向けの機能を付けたほうが良い のではないか?」という議論が出ても、「ニーズがあるのはわかっているが、 今回のプロジェクトでは優先順位が下」として説明することができました。 2つ目は、システムを設計、開発する際に使ってるユーザの顔が浮かぶよう になったことです。 その結果、システムを作っているのではなく、サービスを作っているという 意識になり、よりユーザーの視点に立った開発をすることができました。 前述のように、「ペルソナ」という単語こそ使ってませんでしたが、ユー ザーを具体的に想定することでプロジェクトに好影響が出た事例になります。 24
  5. ・サービスを通して、ユーザー(ペルソナ)の 行動、感情、思考を時系列に並べる ①まずAsIsを記載 → 「問題」を特定する ②次にToBeを記載 → 「解決策」の仮説を立てる ◆カスタマージャーニーマップ カスタマージャーニーマップはサービスを通して、ユーザーの行動、感情、

    思考を時系列に並べます。 まず、現状、AsIsを記載して、問題を特定します。 その次にToBeを記載します。ToBeは解決策の仮説になり、5段階モデルの 戦略のレイヤーと要件のレイヤーにまたがるため、今日は①のAsIsを取り上 げます 29
  6. Q.どうやってAsIsを調べるの? A.アンケート、インタビュー、観察etc...、様々な 手法がある ◆カスタマージャーニーマップ ・アジア文化圏における生活とテクノロジーの関係 把握のために、文化人類学者を登用、アジア各国に 2年間派遣、調査を実施。 事例:エスノグラフィ(「アジアを知る」(intel)) AsIsを記載するにあたって、どうやって調べるかが問題になります。 調べるためにはアンケートやインタビュー、実際にユーザーが使っていると

    ころを見る「観察」といった複数の手法がありますが、事例として「エスノ グラフィ」という手法を紹介します。 エスノグラフィは「民族誌」という意味の学術用語で、人間社会の現象の質 的説明を表現する記述の一種ですが、UXデザインの中でも使われます。 実際にユーザーの近くに行き、同じように生活する中でどのように使われて いるかを把握するという手法です。 有名な事例として、インテルが非アメリカ、ヨーロッパ文化圏に商圏を広げ るために2000年代前半にアジア各国に文化人類学者を2年間派遣して実施した ものがありますが、古い資料ということもあり配布資料としては割愛します。 このように⾧期、広範にわたってコストをかけて実施している会社もありま す。 30