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なぜ今 AI Agent なのか _近藤憲児

Kenji KONDO
November 15, 2024

なぜ今 AI Agent なのか _近藤憲児

Kenji KONDO

November 15, 2024
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  1. 企業の参入 • AWS • Microsoft • 富士通 • CTC •

    NTTデータ • … 注目プロダクト • Perplexity • GenSpark • FeloAI • Cursor • Dify • … 急速に広がる AI Agent https://jp.reuters.com/business/technology/6RXM3NLXNZOQDPY3OB7R6A77BY-2024-10-21/ https://aws.amazon.com/jp/what-is/ai-agents/ https://pr.fujitsu.com/jp/news/2024/10/23.html https://www.nttdata.com/global/ja/news/release/2024/102401/
  2. AI Agentの登場の背景の一つに、LLMに要求されるタスクの複雑化がある 例えば、カスタマーサポートタスクを考える: • 最初は「顧客の質問への回答」という単純なタスク • そこに「過去の類似事例の参照」「製品仕様の確認」「トラブルシュー ティングの提案」「フォローアップの必要性判断」といった要求が追加 • →

    これらを一つのプロンプトで処理しようとすると、対応の正確性と 一貫性が保てない この問題に対する自然な解決策が、 タスクを分割し、それぞれを独立してLLMに任せるというアプローチ = Agent なぜ Agent か?: 複雑化するタスク
  3. なぜ Agent か?: LLM の制約 LLMの基本的な制約 • 現在時刻を知ることができない • Web

    ページにアクセスできない • データベースにアクセスできない • ファイルシステムを操作できない • 外部APIを呼び出すことができない • … 実現したいのは、これら「道具を使えるLLM」= Agent RAG(検索拡張生成)も「検索という道具を使うAgent」と捉えることができる。
  4. Andrew Ng によって提唱されたアプローチ 「一度で出力の生成を完結させるのではなく、LLMが反復的にタスクをこなし、出力を改善さ せる」という考え方を核としている • Reflection(自己改善) ◦ LLMが自身の出力を評価し改善する。推論の質を段階的に向上させる •

    Tool Use(ツール活用) ◦ LLMの能力を外部ツールで拡張する。APIやデータベースなど、様々なツールの統合 • Planning(計画立案) ◦ 複雑なタスクを段階的に分解する。目標達成のための戦略を立案する • Multi-agent collaboration(協調) ◦ 専門化された複数のAgentの連携。タスクの分担と統合 Agentをどうやって作る?: Agentic Workflow
  5. Agentをどうやって作る?: Agent Design Pattern Catalogue • Yue Liu らによって提案された、 エージェントの開発を支援するための

    18 の設計パターン • 先の Agentic Workflow も包含している • GoF(Gang of Four) の雰囲気
  6. Agentをどうやって作る?: 実装フレームワーク LangGraph • 基本的に LangChain ベース • node と

    edge の概念を用いて複数の LLM の協調を管理する • 書籍「LangChainとLangGraphによるRAG・AIエージェント[実践]入門」では LangGraph を用いて Agent Design Pattern Catalogue で示された設計を実装す る方法が提示されている AutoGen • Microsoft 製 • 非同期・分散処理など、スケーラブルなアーキテクチャにこだわりを感じる Swarm • OpenAI 製(※議論あり) • まだ実験的
  7. 先進的な例: sakana.ai の AI Scientist 特徴的な点: • 科学的営みの自動化という野心的な目標 • 2040年には機械学習分野でAIが自律的に研究を進められるというビジョン

    • Agentic Design Patterns の実践的な活用 • LLMを数十〜百回も呼び出す大規模な連携 https://k-kondo-s.github.io/sakana-ai-scientist-code- analysis/ 実装の詳細まとめたので みてね